流れゆく時の中に
新国立劇場演劇研修所
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2024/02/06 (火) ~ 2024/02/11 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
本当にテネシー・ウィリアムズってこんな話ばっかなんだな。
第一幕60分
① 『坊やのお馬』
②『踏みにじられたペチュニア事件』
休憩15分
第二幕45分
③『ロング・グッドバイ』
ブリッジ、劇伴として伏見蛍(けい)氏がギターを弾く。
①明け方、泣き止まない赤ん坊。狂ったように喚き散らす若き夫(田崎奏太氏)とミルクを温める若き妻(根岸美利さん)。結婚して一年にも充たない貧しい新婚生活、生後一ヶ月の坊や。職場の鬱憤をぶちまける夫、気の狂いそうな妻、傍らには場違いに置かれた高価なおもちゃの揺り木馬。
②編物を扱う「シンプル小間物店」の経営者ドロシイ(小林未来さん)。店の前で大事に育てていたペチュニアの花が無惨にも踏み荒らされていて、警官(須藤瑞己氏)に犯人逮捕を訴える。その後、すぐに来店した奇妙な男(樋口圭佑氏)は「自分がやった」と名乗り出る。常連客の貴婦人、ダル夫人として二木咲子さんも登場。
③売れない作家のジョー(立川義幸氏)、産まれてずっと暮らしてきた生家である部屋から引っ越すことに。友人のシルヴァ(佐々木優樹氏)が心配して様子を見に来る。倉庫に預ける為、運送屋に運び出される家具の数々。その一つ一つに焼き付けられた鮮烈な記憶が目の前に甦り再生されていく。僅かばかりの保険金を残して自殺した母(二木咲子さん)。貧しい暮らしにうんざりして金持ちの男と付き合う為に自分を変えていった妹マイラ(飯田桃子さん)。妹を売女のように扱う上流階級の男、ビル(須藤瑞己氏)。
ギターの音色が胸を打つ。無名時代のテネシー・ウィリアムズが書き殴った叫び。太宰治もそうだったが自殺前の遺書のように魂を掻き毟りただひたすら書き殴った日々。もう自分ではコントロールの効かないどうしようもない叫び。オー・ヘンリーだったらもっと上手く綺麗にまとめるだろうに。テネシー・ウィリアムズの剝き出しの罵詈雑言に自らを託す表現者達のアンテナ。人間は普遍的に未完成なのだろう。常に足りない何かを求めては足掻き続ける。それがカルマか。
MVPは②の小林未来さんと樋口圭佑氏、完成された演技。だが巧すぎて今後苦労しそう。頭の良さが逆に邪魔になるかも知れない、その先を望むならば。
根岸美利さんが今回出ていなかったな、と思ったら①で思いっ切り出ていた。全く前作と同一人物とは思えない役作り。
飯田桃子さんは綺麗だね、感心する役作り。
是非観に行って頂きたい。
『文明開化四ッ谷怪談』
サルメカンパニー
駅前劇場(東京都)
2024/01/26 (金) ~ 2024/02/04 (日)公演終了
実演鑑賞
旗揚げ時より福田善之との所縁の劇団との認識あり、うずめ劇場との関わり(客演した姿は見た)等と関心はあったものの今回ようやく初観劇となる。
ほぼ初日であったせいか、俳優の演技がえらく気になった。大声が出ているが、虚しい。まず語り部的な存在が冒頭客をいじった俳優の挙動(の不審)が気になった。素になるなら余程の覚悟をもってやるべきを中途半端にやりやがって・・と終演後どやしつけてやろうか、位の憤りが湧いた。またステロタイプな明治の志士の物言い(二本差しで背筋を伸ばし、前方やや上を見据えて虚勢張って声も張るやつ)も気になった。もっとみっともなく悩んでる姿を観客には見せていいんでござんせんか?彼ら(登場人物ら)は家の外では虚勢張って生きていたんでしょうが、観客に対してそれをやってどうすんの?と素朴な疑問。
福田善之のなんと「書下ろし」で、井村昂氏は補佐的に控える役目だったとか。飲み込みやすいドラマとは言えない。直後に観た椿組の舞台がちょうど時代的に重なり、その庶民感覚に溜飲を下げたものだが、こちらは頭でっかちな士族のよく分からない高尚な?悩みをちまちまやってる感がある。日本の近代小説=私小説のちまちまな感じの、原点でもあろうか?
演出には力を入れている。主役をやって演出もやってる事がそもそも無理難題なのでは・・と思わなくなかったが、福田氏との関係においてはそうなるようである。正直戯曲なのか演技なのか何かぎくしゃく感を否めなかったが、作り手の(というか演出の)気概は受け取った。この観劇後感、次も観そうである。
ガス灯は檸檬のにほひ
椿組
ザ・スズナリ(東京都)
2024/01/25 (木) ~ 2024/02/04 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
椿組夏の花園神社公演にも書き下ろした事のある(秀作だった)作家だけあって、祝祭性高く楽しい舞台であった。江戸から明治への変り目を舞台に、上京した元・お殿様とその娘とお付の者ら、お付に選ばれなかったが一行を追って上京した元足軽(主人公)、彼が住まう事となった長屋の奇妙な面々、彼が川に竿を垂らして釣り上げた幽霊の女、占い師、横浜の異人に嫁いだ未亡人、引き籠るその息子・・等が織り成す群像劇。オープニングや、繋ぎで用いられる楽曲+振付がツボに当てて来て楽しい。
劇作バトル!
日本劇作家協会関西支部
大阪府立男女共同参画・青少年センター(ドーンセンター)パフォーマンススペース(大阪府)
2024/01/27 (土) ~ 2024/01/27 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
初めて参加させて頂きました。
少し遅れましたが、とっても村角太洋さんな『Due deux zwei 2』の前半部のリーディングを拝見!
普段のROBと少し違った感じも楽しめた😆
バトルは重箱の隅からの…
エンタメvs不条理へ、面白っ😳
花魁道継続中
office Knight
扇町ミュージアムキューブ・CUBE03(大阪府)
2024/01/25 (木) ~ 2024/01/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
麗チーム観劇
#花魁ナイト
男色悪徳商人の吉原遊郭への野望が…
花魁の哀しい性が織り成す人間模様。
花魁姿の女優陣がとっても麗しく艶やかでした。
眼福🤩眼福😍
口数少ない高砂太夫が所作だけの演技だが、とっても乙女で凛とした感じ👍
艶チームも拝見したかった😢
(艶チーム拝見できず🙇🏻)
ナオミとカナコ
演劇研究会はちの巣座
シアターD300(神戸大学国際文化学部大講義室)(兵庫県)
2024/01/21 (日) ~ 2024/01/21 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
千秋楽観劇。
DV受けてる親友を助けたくて…
「いっそ二人で殺そうか、あんたの旦那」
イヤーッ、面白かった😆
(私は観てないが)傑作サスペンスドラマ全10話の美味しいトコ🤤を、ギュギュッと100分に凝縮😍
DV夫にスカッ✨と
義姉の追求にハラドキ💓で
ムッチャ面白っ😁
おしてるや ~君を想ふ~
真紅組
道頓堀ZAZA HOUSE(大阪府)
2024/01/19 (金) ~ 2024/01/21 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
楽日観劇。
伯父の意思継ぐ甥っ子達が、歌舞伎役者や市井の人達と力合わせて堀を掘る!
只、それだけなのに…
前回(8年前?)も感動したが、その好印象の為か、出だしからウルウル🥺
後半は涙腺が緩んで涙が止まらなかった😭
無茶苦茶、良かった👍
感動、楽しかった😆
CROWDED CHAOS FANTASY TURBO
SPIRAL CHARIOTS
「劇」小劇場(東京都)
2024/02/01 (木) ~ 2024/02/12 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
AC公演観ました。意味は違うけど、ダブルキャストなんですね。なんのこっちゃ?とびっくり。確かにおじさんはツッコミとダメ出しと、大奮闘してました。何でもありのカオスな舞台、堪能しました。
斑鳩の王子 -戯史 聖徳太子伝-
梅田芸術劇場/読売テレビ/日本テレビ
IMM THEATER(東京都)
2024/01/10 (水) ~ 2024/01/31 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/01/12 (金) 19:00
休憩なしの3時間は大丈夫かなと思いながら上映が始まり不安はすっかり忘れ楽しく観劇。
途中アドリブかな?と思う所ありセリフ少し噛んだような?みたいな所もまたほんわかして良かったです。
でも3時間だと事前に食事するのもチョットなぁ〜かといって少ししか食べないとお腹空くし。
少し休憩時間があっても良かったかなと思いました。
『願わずとも、愛。』
コルバタ
新宿スターフィールド(東京都)
2024/02/07 (水) ~ 2024/02/11 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
初日観劇出来て良かった、面白い舞台でした!
信じること、信じないこと…考えさせられました。
その人が信じてるのか、信じてないのかなんて見ても分からないし、思わずエビデンスは?って言ってしまいそうです(笑)
夜は昼の母
風姿花伝プロデュース
シアター風姿花伝(東京都)
2024/02/02 (金) ~ 2024/02/29 (木)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
アル中の父親(山崎一)をもつ4人家族の話である。場所はデンマーク。最初は兄(樫山隼太)が弟ダヴィド(岡本健一)のセクシャリティ(女装、女性へのあこがれ?トランス?)を攻撃するところから始まり、朝、父、母(那須佐代子)も食堂におりてくる。母のしつこい咳や、食材費の工面の父の悩みと続く。父が酒で失敗したこと、施設に入っていたことが語られ、そして…父がついに隠れて酒を飲む。ここまでの過程が長い。ここから父のごまかしがおかしくて、家族同士の本気の肉弾戦になり、舞台が面白くなる。葛藤の原動力は父の酒への執着だけなのだが、その執着がとにかく半端ない。山崎一の独擅場だ。
3時間20分(15分休憩)
泡沫の空に光を飛ばした
SUPER NOVA
王子小劇場(東京都)
2024/02/07 (水) ~ 2024/02/18 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2024/02/08 (木) 19:00
泡チーム観劇。観るのは2度目のユニット。悪くないけど何か残念な芝居だった。(2分押し)前説1分+112分。
児童養護施設で虐待と性的暴行を繰り返すハヤシ先生をサトルが殺してしまう。原因となってしまったユイが、小説家の端くれとなって、その顛末を出版しようとするイントロから、一緒にいたチカ,ミズキ,ユズルらと彼らを取り巻く人々のいろいろの回想。既視感の否めない展開だが、役者陣の力量と熱量がしっかりあって、最後まで観ていられる。ただし、6列の客席の段差が小さく、指定で最後列に座ると、前に背が高い人が座ると(実際座ったのだが)視野が半分になり、重要ないくつかの場面が全く見えなくなるのはいかがなものか(いわゆる「メタ農現象」)。タイトルも活きていない。終盤の演出は、必然性があるのだと思いたいけど、やはり親切ではない。暗転が多いのも気になる。
兵卒タナカ
オフィスコットーネ
吉祥寺シアター(東京都)
2024/02/03 (土) ~ 2024/02/14 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
3部構成で1部が少し長いかなぁと感じていたのですがその後は全く違う場面になるので楽しめました。
外国人から見た日本なので少し違和感があったけど、妓楼でのダンスや裁判のギター演奏等面白い工夫がされていて良かったです。
斑鳩の王子 -戯史 聖徳太子伝-
梅田芸術劇場/読売テレビ/日本テレビ
IMM THEATER(東京都)
2024/01/10 (水) ~ 2024/01/31 (水)公演終了
西遊記
日本テレビ
明治座(東京都)
2024/01/06 (土) ~ 2024/01/28 (日)公演終了
シラの恋文
シス・カンパニー
日本青年館ホール(東京都)
2024/01/07 (日) ~ 2024/01/28 (日)公演終了
OUT OF ORDER
シーエイティプロデュース
世田谷パブリックシアター(東京都)
2023/12/07 (木) ~ 2023/12/24 (日)公演終了
兵卒タナカ
オフィスコットーネ
吉祥寺シアター(東京都)
2024/02/03 (土) ~ 2024/02/14 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
笑いとシリアスが程良く混ざった感じの
戦争悲劇かなぁ・・・
基本は台形状の舞台で
小道具等を持ってきたり配したりしての舞台美術は
なかなか面白かった~舞台上部には直径2m以上の銀の玉が吊るされてました
全席指定にして休憩二回の全三幕です
ジャンヌ・ダルク
キョードー東京/TBS/イープラス
東京建物 Brillia HALL(東京都)
2023/11/28 (火) ~ 2023/12/17 (日)公演終了
最高の家出
パルコ・プロデュース
紀伊國屋ホール(東京都)
2024/02/04 (日) ~ 2024/02/24 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★
反面教師の舞台である。大きくは三つ。
まず、本がだらしがない。この作家はメタシアター作りが得意の様だが、外枠もできていなければ、内枠もできていない。結婚生活に飽き足らない若い女性が、家出をして人里離れた山中の劇場(演劇)と出会う物語だが、ファンタジーなのか、青春後期モノなのか、色々取り揃えてやっているが、結局何をやっているのかさっぱりわからない。かつて新興都市の読書クラブという面白い設定の同じつくりの作品(ロマンチック・コメディ)があったから手慣れているのかもしれないが、これではメタにする意味も分からなければ、その効果もわけがわからい。同じ構造の」KERAの再演(スラップスチックス)もやっているが、こうしてみると、KERAの劇的構成力との間には天地ほどの違いが分かる。
二つ目。キャスティング。際立つ軸がない場合に、軸を作る努力がスタッフ全体にかけている。物語が頼りないうえに、観客がついていける主人公に魅力がない。周囲も一部の若者の人気だけでそろえているから、脇でまとめられる役者がいない。これでは2.5ディメンションと同じで、それならそうと、もっと腹をくくって、ロビーをグッズ専門売り場とサイン会場にするくらいの覚悟がなければ、これでは関係者すべてに不満が残ってしまうだろう。
三つ。パルコ劇場は、都市演劇の新しいジャンルを開拓してきた実績もあり、制作部もある劇場である。劇場改築のころから、梅コマのように複数のプロデュースも行ってきているが、制作の方向が見えていない。2.5は本腰を入れれば、独自の領域が開けるかもしれないのに、制作部に方向性と情熱が見えない。これで、9千円で三週間打って客が来ると思っているなら、本や役者を読める人がいないということである。まだ始まったばかりなのに、半分がやっとでは先が思いやられる。
興行には失敗はつきものであるが、ほかにも、パルコ主催でまず、初歩の基本的取り組みでちょっとどうかと思う舞台が続いたので憎まれ口。