最新の観てきた!クチコミ一覧

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ツノノコ、ハネノコ、ウロコノコ

ツノノコ、ハネノコ、ウロコノコ

フロアトポロジー

オメガ東京(東京都)

2019/09/04 (水) ~ 2019/09/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

はじめて観劇しました。演者も良いし、お話にもどっぷりつかって、惹きつけられて。良かったです。

昭和歌謡コメディVol.11〜ツキジーヒルズ青春ハクション〜

昭和歌謡コメディVol.11〜ツキジーヒルズ青春ハクション〜

昭和歌謡コメディ事務局

ブディストホール(東京都)

2019/09/05 (木) ~ 2019/09/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

毎回楽しませていただいてます。2部は、懐かしく、思わず口すさんでストレス解消。やっぱり昭和はいいですね。

ピノッキオ

ピノッキオ

座・高円寺

座・高円寺1(東京都)

2019/08/31 (土) ~ 2019/10/04 (金)公演終了

満足度★★★★

アスリートのような鍛え抜かれた肉体と獣のような俊敏な動き、辻田暁(あき)さん扮するピノッキオは最早舞踏。子供の時観ていたらトラウマになりそうな、延々と悪夢をさまよい続けるような演出はサントリーローヤルCM、ランボー編を思い出す。大人が子供を見下して『教育』してやるような嘘臭さが微塵もなく清々しい。チュールにワイヤークラフトのような動物の被り物と、半透明の美しさは影絵のような世界。BARBEE復活にも興奮しつつ、KONTA氏の格好良いこと。一体何役やるんだ?の森ようこさんの妖気。高田恵篤氏に至っては皆目見分けがつかなかった。役者七人の芝居とはちょっと信じ難い。70分がちょうどいい。表面お伽噺なのだが、時折心底恐ろしいものを見せられている感覚になった。是非また観たい。

ネタバレBOX

ラスト、人間になったピノッキオ。肉体を手に入れた生き物の歓喜を辻田暁さんの躍動で表現。『海獣の子供』のよう。『キカイダー』や『どろろ』も想起。理屈なく、人間の身体を持っていることは余りにも素晴らしいことだ。
ENDLESS-挑戦!

ENDLESS-挑戦!

劇団銅鑼

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2019/08/27 (火) ~ 2019/09/01 (日)公演終了

女性社長のもと、環境に配慮した産廃処理事業をしている、埼玉の実在の会社がモデル。その取り組みに感動した女性制作者が、作家に執筆を依頼した。

まず説明的。特にはじめの方。産廃処理反対から、洪水の後片付けで会社を見直すようになる住民たちも戯画的すぎる。自然なリアルが基調の舞台とそぐわない。
モデル会社そのものは、主人公の女性社長が目標にする存在として、距離があるのは良かった。この目標の会社の社長はスマートでキビキビして、かっこよかった。好演。

文句はあるとはいえ、一度は仲違いした社員が帰ってきてまた仲間になるところでは素直に感動した。

桜姫

桜姫

阿佐ヶ谷スパイダース

吉祥寺シアター(東京都)

2019/09/10 (火) ~ 2019/09/28 (土)公演終了

満足度★★★★

ネタバレ

ネタバレBOX

阿佐ヶ谷スパイダーズの『桜姫〜燃焦旋律隊殺於焼跡〜』を観劇。

以前に長塚圭史がコクーン歌舞伎に書き下ろしているが、今作はそれとは全く別物で、舞台は戦後の日本。
原作は鶴屋南北の歌舞伎『桜姫東文章』

同性愛者の岩井清玄は、愛する白菊と心中を試みるが、清玄は生き残り、白菊を失ってしまう。残ったのは白菊との思い出の光る玉のみである。
そして年老いた清玄は、戦争で身寄りのない子供達の為に、財産を寄付をしたりして、社会的地位を築いている。
そして孤児院の女性が清玄の前に現れる。その女性も光る玉を持っていて、清玄は白菊が蘇ったと感じてしまう。だがその女性は、家紋の入墨が、互いの同じ場所に入っている権助に運命を感じ、関係を持ってしまう。
そして清玄の家の前に赤ん坊が置かれ、それが清玄と女性との関係に疑われ、破滅に向かって行くのである。

鶴屋南北が原作だからか、荒唐無稽な話である。
上記の簡単な粗筋から、更に話が捻れ、各々の登場人物の悲惨な人生を描いている。
光る玉、家紋の入墨がどのように彼らの人生に絡んでくるかとワクワクさせながら、これこそが因果応報の物語だと思いきや、展開には一切関係させないのが長塚圭史の演劇である。当然それは意図であり、生きている上で、因果応報はなく、欲望の果ての結果に過ぎないと言っている。

観劇後の喜びはないが、観劇中に策略に嵌められて、喜びを与えてくれるのは、阿佐ヶ谷スパイダーズだけだろう。

アジアの女

アジアの女

ホリプロ

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2019/09/06 (金) ~ 2019/09/29 (日)公演終了

満足度★★★★

震災と原発事故の放射能で壊滅した東京が舞台上に。傾いたり潰れた家の後ろには何十個も積み上げられた黒いフレコンパックの山。そこで、アル中の兄と、純粋だが精神的に危うい妹が暮らしている。

しつこいが憎めない書けない作家の一ノ瀬を吉田鋼太郎が好演。石原さとみは無邪気さが浄らかさにつながっていた。表情も演技も引き出しが多くて感心した。自然で力の抜けた山内圭哉も良かった。

舞台では、三人のほのぼのとして滑稽な、邪魔っけだけどいないと寂しいという感じの、ちまちました暮らしがある。そこに警官の友人の話や、外出した時の見聞として、中国人などの外国人グループと日本人自警団の対立、小競り合いが、舞台の外では起きていることがわかる、舞台上にリアリティがあるので、言葉だけのその背後の出来事も信じられる。

そうした孤立した、ギスギスした世界で、慎ましい願いが、最後に大きな悲劇の中で、実を結ぶ。小気味好い笑いも多く、ラストも引き締まり、見ていて気持ちよかった。

半ライスのタテマエ

半ライスのタテマエ

Sky Theater PROJECT

「劇」小劇場(東京都)

2019/09/11 (水) ~ 2019/09/17 (火)公演終了

満足度★★★★★

とっても素敵なお話でした!三世代に渡るホームドラマ、まるで連ドラを見ているようでした。いくつものストーリーが張り巡らされていてどんどん引き込まれてワクワクしながら見入っていました。そして最後はまさかの驚きのサプライズ!にホロリと泣けてしまいましたね。
丸山さんが出られると聞いて見に来たのですが、期待以上に楽しかったー、初見でしたが次回作がとても気になりました。

きえるもの、のこるもの、こわれるもの

きえるもの、のこるもの、こわれるもの

演劇設計局コミュニケ

RAFT(東京都)

2019/09/12 (木) ~ 2019/09/16 (月)公演終了

満足度★★★

初日観に行きました。
廃校の小学校からインスピレーションを得て作られた5つの物語。
いかにも戯曲!という感じの作品群でした。

ネタバレBOX

個人的に好みな演出は4作目の『F』。朗読劇に見せかけた、近未来を思わせる設定と大真面目なギャグも好みでした。
5作目の『上演禁止シリーズ②人生の楽園』は、まさにその題名の通りのアレを揶揄していて、その底抜けの明るさが不気味さを醸し出していたなと。あれは確かに上演禁止になる(^^;
シュカシュカ

シュカシュカ

あひるなんちゃら

駅前劇場(東京都)

2019/09/12 (木) ~ 2019/09/16 (月)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/09/12 (木)

観てきました!めっちゃおもしろかったです☆ 

おへその不在

おへその不在

マチルダアパルトマン

OFF OFFシアター(東京都)

2019/09/04 (水) ~ 2019/09/16 (月)公演終了

満足度★★★★

内容ギッシリ詰まって、飽きのこない展開。実に満足です。ただ全体としてみれば、タイトルのことはどうでもいいような気がしますが。

トリスケリオンの靴音

トリスケリオンの靴音

エヌオーフォー No.4

赤坂RED/THEATER(東京都)

2019/09/04 (水) ~ 2019/09/16 (月)公演終了

満足度★★★★

初演に続いての2度目の観劇。やはり見事な作品である。ただ初演時と比べるのはマズイけど、役者さんがややパワーダウン。健闘しているとは思うのですが。

西洋能『男が死ぬ日』

西洋能『男が死ぬ日』

Hell's Kitchen 46

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2019/09/05 (木) ~ 2019/09/15 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/09/10 (火) 19:30

座席C列4番

この日は、水道橋の室生能楽堂にて本物の「能」を観劇後のダブルヘッダー。「西洋能」、テネシー・ウィリアムズというところに興味をもってチケットを購入した。
「西洋能」と謳われておりますが、「能」としての要素は
間といい、演目内容といい、音楽といい、共通点は見られませんね。おそらくは、三島由紀夫の「近代能楽集」へのリスペクトと、ウィリアムズが「能」に観た超常的な物語(生死の端境をアメリカの近代演劇風に再構築するとこうした話も可能になるということなのだろう。

ネタバレBOX

11年間の愛欲生活に疲れ切った男は、娼婦でもあり愛人でもある女との離別を死という形で結末付けようとする。彼、彼女の心情とそこに至る物語を滔々と語る東洋人(これが三島らしい)結末は、、、、ということなのだけれど。タイトル通り男が死んだのかは、物語の進行が現実なのか、夢想なのか、幻影なのか、東洋人の語りを介することにより、はっきりせず、かなり朧気だ。
女役の遠藤祐美がとてもよい。自らの激情に行動や言動を委ねながら、性的な意味でまた魅力的だ。それに比べると男役は、ただ狼狽え反発するばかり、損な役回りといえよう。なんと女々しいことか。
比較的、席に余裕があったように感じたのだけれど、リラックスして身を任せられる良い芝居だった。贅沢を言えば、もう少し沸き立つような儚げさというか惑わしさというか、そうした余韻が感じられるともっとよかったかな。「能」としては少しストレートすぎるかな。
半ライスのタテマエ

半ライスのタテマエ

Sky Theater PROJECT

「劇」小劇場(東京都)

2019/09/11 (水) ~ 2019/09/17 (火)公演終了

満足度★★★★

ガラケーがいつの間にかスマホになっているくらいの時間が流れる舞台。自分のことにも重ね合わせて見てしまいました。いろんな部屋、場所になる舞台に合わせたようなセットも面白かったです。屋上の二人は頑張っていました。
あの半ライスはすごい根気と情熱が必要ですね。私には真似できません。
チラシは本当に4種類あって、希望すれば、まだあったらいただけるようです。

トリスケリオンの靴音

トリスケリオンの靴音

エヌオーフォー No.4

赤坂RED/THEATER(東京都)

2019/09/04 (水) ~ 2019/09/16 (月)公演終了

満足度★★★

面白かったんだけど、ちょっと先が読めてしまう展開だったのが残念。伏線回収の際の驚きみたいなのが少しあると楽しかったかな。

桜姫

桜姫

阿佐ヶ谷スパイダース

吉祥寺シアター(東京都)

2019/09/10 (火) ~ 2019/09/28 (土)公演終了

阿佐ヶ谷スパイダース『桜姫~燃焦旋律隊殺於焼跡~』約2時間45分休憩込み。上手サイド席で超楽しかった!楽隊の演奏がサラウンド♪摩訶不思議を堂々と成立させる演劇力で、自在に飛躍するのが痛快。悲劇だが悲壮感なし。主役、脇役などないと思えた劇団総力公演。開演前、終演後の賑わいもいい。

ネタバレBOX

楽隊に導かれ、自ら進んで堕ちていく元気な桜姫。彼女の夫の墓掘りは楽隊を皆殺しにして、幽霊とともに「生きたい」と決意を述べる。
潜狂

潜狂

第27班

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2019/08/23 (金) ~ 2019/09/01 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/08/29 (木) 14:00

価格3,000円

音楽スタジオに通う5人の人物に関するエピソードが併走し、やがて……な物語。
出だしこそ笑いがあったりするが次第にシリアスに転じ、行き着く先は桟敷童子の悲劇より救いの少ない(いや、ラストのアレはある意味救いか?)「ヤな芝居」(笑)。(←決して本気で嫌なのではない(為念))

そこに至る過程で脳内に浮かんだものは
・いっぱいに水が入ったコップにまだ一滴ずつ落ち続けるしずく
・燃え尽きそうな蝋燭の火を新しい蝋燭に移そうとする状況(「死神」トリビュート(笑))
・スパークが飛んでいるところに徐々に伸びて行くガソリンの筋
・ローリングコインタワー
など

また、かつてよく読んだ五木寛之の音楽を題材とした作品群も思い出す。
満ち足りてしまうと鬼気迫る演奏ができなくなるので担当するミュージシャンを不幸に追い込むプロモーター(マネージャー?)……みたいな話、なかったっけか?

ネタバレBOX

ラストはそれぞれに喪失感を抱えた5人のセッションだが、まず思ったのは「打ちひしがれた状態で奏でる音楽は果たして良いものになるのか?」という疑問。
が、その後、「五木寛之っぽさ」からむしろ心情が滲み出る凄まじい演奏になるのではないか?とか、演奏に没頭することで何か光のようなものが見えてくるのではないか?とかに考えが及び、さて、どうだろう?みたいな。(笑)
アリはフリスクを食べない

アリはフリスクを食べない

やしゃご

こまばアゴラ劇場(東京都)

2019/08/31 (土) ~ 2019/09/10 (火)公演終了

満足度★★★★

岡野康弘(Mrs.fictions)さん、工藤さやさん他、面白さ折り紙付き・お笑いセンスが高い俳優が揃ったミラクルな座組み。
とても楽しく拝見したが、現実はもっとドロドロで綺麗ごとや誠実さなど消し飛ぶよと自身の経験と重ねてしまったり、・・。
岡野康弘(Mrs.fictions)さんのパートを観るだけでも3500円の価値あり!!

トリスケリオンの靴音

トリスケリオンの靴音

エヌオーフォー No.4

赤坂RED/THEATER(東京都)

2019/09/04 (水) ~ 2019/09/16 (月)公演終了

満足度★★★

よく出来たセットに、上手く作られた脚本。小説ならば短編のようなお話。役者さんだって悪くないんだけど、中盤までどうも物足りない。笑えるとかじゃなく、もっともっと面白くなりそうなのに。☆3と☆4の間ぐらいの印象。

ネタバレBOX

終わったときにはそれなりに気持ちがよかったのに、終演後の挨拶、あれで個人的には醒めちゃったかな。
おへその不在

おへその不在

マチルダアパルトマン

OFF OFFシアター(東京都)

2019/09/04 (水) ~ 2019/09/16 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/09/05 (木)

なんともスリリングなお話で、現在放映中のウルトラマンタイガの1話を見ているように面白かったです。まぁ特撮ヒーローは出てきませんが、人の形をしたヒーローと怪獣が戦っていたような。。。

ネタバレBOX

ぼたもちが良い味を出しています。存在があるから不在がある。もともと存在って何?だろって感じました。
桃子と百波、ときどき齋藤、空から茜、大地に山脇

桃子と百波、ときどき齋藤、空から茜、大地に山脇

劇団鴻陵座

十色庵(東京都)

2019/09/10 (火) ~ 2019/09/15 (日)公演終了

満足度★★★★

 作家5人の作品が上演可能。但し尺が1作品30分を目安とし、場転を考慮しなければならないから各作品の間に5分の休憩が入る為、全作品を上演するには難がある。この為毎回観客の投票(1人2作品選択)で上演作品3作を選ぶ、同数の場合は協議して決めることになるかどうか、自分の拝見した回は偶々、綺麗に3:2に分かれたので問題なかったため不明。
 演じられた空間はやや横長の長方形、舞台が高くなっている訳でもなければ何か特別な仕掛けが在る訳でもない。展示スペース等としても使える唯の箱型建築。通路や飲み物をストックしてあるスパースが、入った右側にあり、このスペースを取った上で3方の壁に平行にコの字型に客席が配置され、コの字に囲まれたスペースが演技空間だ。演目によってパイプ椅子や小道具が適宜設えられる。以下今回の上演順に3作のレビューを記しておく。
 3作品に共通するコンセプトとしては、アイデンティティー、アイデンティファイに関わる作品群と見受けた。その理由は、己が存在・個別の経験をベースに作品化することで捉えなおそうという試みであると感じたからだ。フェイクニュースや情報に溢れ、ホントに信じられることなど殆ど無い現在、己の生きる環境、状況が信じるに値しないのではないか? との疑問を抱くのは必然と謂わねばなるまい。であれば、己を構成するハズの情報を疑う己自身の検証に向かうのもまた必然であろう。何人もこの事実に向き合わざるを得ないし己で解答を見出さねばならない。それはデカルトが方法序説を書くに至ったと同じ理由からである。だからこそCogito ergo sum.なのだ。因みに作家たちは皆学生さんであるようだ。

ネタバレBOX


「愛着」岸田 百波作
 男と女それぞれの性(さが)が良く出ている作品。多少なりとも男女関係が理解できる人々にとって当たり前に見えることは、逃げる者は追われ、追う者は逃げられるという心理現象だろう。一方、原人以降の人間史を垣間見ると♀は、住居を根城に周辺の木の実採集や子育てなどをその働き場とし♂は狩猟等で遠くまで獲物を求めて狩り、持ち帰るという作業に従事してきた。性的にも♂は広く種を撒くことが主眼だが、♀は良い種を受け、より強く、賢く状況適応力の高い子孫を残すことが主眼である。二足歩行に移った後、人類は手を用い、道具を作って用いること、コミュニケーション手段を非常に発達させたことによって脳の能力を拡大してきた。その結果、知恵や技術力によって地球上の王となった訳だが、その分、本能のみによってではなく自ら発達させた社会や習慣、文化や歴史、己の社会的・経済的位置等によっても己を縛られることになった。これら総ての要素の中で人工的で無い物は、最早殆ど無い。大ざっぱに言えば身体のみが除外され得るが、歯の治療、様々な怪我の治療に用いられている人工物等が己の体の一部を形作っていない個体を探す方が難しかろう。このような状況の中にあって、男は本能的に自由を求め、女は本能的に恋を求め得た恋人を縛ろうとする。今作では、形の上では女が振った。然し残る未練を自分自身に隠す為に彼女自身が「愛着」を「愛情」と取り違えていたとして自己救済を図ろうとしている。それは、自身で本人役を演じない点からも証だてられる気がする。プロの劇作家を目指すのであれば、生き乍ら覚醒した状態で己自身を腑分けしなければならない。表現者の世界はそのようなレベルでの弱肉強食だと考えておいた方が良い。
「でーと」山脇 辰哉作
 兄と妹が居る、シングルマザーに育てられた次男がヤンキー上がりの母、妹らと実家で久しぶりに会うことになる話だが、何と園に通う頃彼の頭は金髪に染められ後頭部には辰の字が剃ってあったというママ振り。これはちょっと仰け反る。自分の周りにも族のアタマ張ってた若い者が居たり、組に入ったのが居たりで所謂ヤンキーには事欠かないが、これはちょっと驚きである。で彼は結果的に大学に入った位だから、母の言動が大嫌いだったし、大嫌いな母を反面教師として自らを作り上げて来たのに、久しぶりに会った母の変容ぶりに愕然とし、自らのアイデンティティー崩壊の危機を迎えたようである。無論、大学生にもなって様々なことを理解している彼は、そんな母を本当はどこかで庇ってやれるだけの力を獲得し実践しつつある。若者らしい優しさやデリカシーと爽やかさを持つと同時に独自の押しの強さを持つ彼に、もっと年を重ねた段階ではトレーランスも発揮できるようになって貰いたい。
「友達とケンカした」佐藤 桃子作
 かなり内向的な女性の作品。内向的故に余り自己主張が得意でなく、本当に自分が傍に居たい、居て欲しいと願う友達も極めて少ない彼女の子供時代、一番大事だった友達との象徴的で決定的な溝が生まれた経緯と今も彼女が引きずる念を描いた作品。
 その大切な友人の名前がアキで男女の役者がアキを演じるので、アキの実態の特定がしずらい。ホントに内気な人のようなので未だ、他人と自らを仮借ない目で見比べることや、関係の中に在る自分が関係を秤に掛けて分析し己の内実というものを対象化しつつ、己の内実を保持できるようなら大化けする可能性を秘めている。

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