西洋能『男が死ぬ日』 公演情報 Hell's Kitchen 46「西洋能『男が死ぬ日』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2019/09/10 (火) 19:30

    座席C列4番

    この日は、水道橋の室生能楽堂にて本物の「能」を観劇後のダブルヘッダー。「西洋能」、テネシー・ウィリアムズというところに興味をもってチケットを購入した。
    「西洋能」と謳われておりますが、「能」としての要素は
    間といい、演目内容といい、音楽といい、共通点は見られませんね。おそらくは、三島由紀夫の「近代能楽集」へのリスペクトと、ウィリアムズが「能」に観た超常的な物語(生死の端境をアメリカの近代演劇風に再構築するとこうした話も可能になるということなのだろう。

    ネタバレBOX

    11年間の愛欲生活に疲れ切った男は、娼婦でもあり愛人でもある女との離別を死という形で結末付けようとする。彼、彼女の心情とそこに至る物語を滔々と語る東洋人(これが三島らしい)結末は、、、、ということなのだけれど。タイトル通り男が死んだのかは、物語の進行が現実なのか、夢想なのか、幻影なのか、東洋人の語りを介することにより、はっきりせず、かなり朧気だ。
    女役の遠藤祐美がとてもよい。自らの激情に行動や言動を委ねながら、性的な意味でまた魅力的だ。それに比べると男役は、ただ狼狽え反発するばかり、損な役回りといえよう。なんと女々しいことか。
    比較的、席に余裕があったように感じたのだけれど、リラックスして身を任せられる良い芝居だった。贅沢を言えば、もう少し沸き立つような儚げさというか惑わしさというか、そうした余韻が感じられるともっとよかったかな。「能」としては少しストレートすぎるかな。

    0

    2019/09/12 11:41

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大