アジアの女 公演情報 ホリプロ「アジアの女」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    震災と原発事故の放射能で壊滅した東京が舞台上に。傾いたり潰れた家の後ろには何十個も積み上げられた黒いフレコンパックの山。そこで、アル中の兄と、純粋だが精神的に危うい妹が暮らしている。

    しつこいが憎めない書けない作家の一ノ瀬を吉田鋼太郎が好演。石原さとみは無邪気さが浄らかさにつながっていた。表情も演技も引き出しが多くて感心した。自然で力の抜けた山内圭哉も良かった。

    舞台では、三人のほのぼのとして滑稽な、邪魔っけだけどいないと寂しいという感じの、ちまちました暮らしがある。そこに警官の友人の話や、外出した時の見聞として、中国人などの外国人グループと日本人自警団の対立、小競り合いが、舞台の外では起きていることがわかる、舞台上にリアリティがあるので、言葉だけのその背後の出来事も信じられる。

    そうした孤立した、ギスギスした世界で、慎ましい願いが、最後に大きな悲劇の中で、実を結ぶ。小気味好い笑いも多く、ラストも引き締まり、見ていて気持ちよかった。

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    2019/09/12 22:04

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