桜姫 公演情報 阿佐ヶ谷スパイダース「桜姫」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

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    阿佐ヶ谷スパイダーズの『桜姫〜燃焦旋律隊殺於焼跡〜』を観劇。

    以前に長塚圭史がコクーン歌舞伎に書き下ろしているが、今作はそれとは全く別物で、舞台は戦後の日本。
    原作は鶴屋南北の歌舞伎『桜姫東文章』

    同性愛者の岩井清玄は、愛する白菊と心中を試みるが、清玄は生き残り、白菊を失ってしまう。残ったのは白菊との思い出の光る玉のみである。
    そして年老いた清玄は、戦争で身寄りのない子供達の為に、財産を寄付をしたりして、社会的地位を築いている。
    そして孤児院の女性が清玄の前に現れる。その女性も光る玉を持っていて、清玄は白菊が蘇ったと感じてしまう。だがその女性は、家紋の入墨が、互いの同じ場所に入っている権助に運命を感じ、関係を持ってしまう。
    そして清玄の家の前に赤ん坊が置かれ、それが清玄と女性との関係に疑われ、破滅に向かって行くのである。

    鶴屋南北が原作だからか、荒唐無稽な話である。
    上記の簡単な粗筋から、更に話が捻れ、各々の登場人物の悲惨な人生を描いている。
    光る玉、家紋の入墨がどのように彼らの人生に絡んでくるかとワクワクさせながら、これこそが因果応報の物語だと思いきや、展開には一切関係させないのが長塚圭史の演劇である。当然それは意図であり、生きている上で、因果応報はなく、欲望の果ての結果に過ぎないと言っている。

    観劇後の喜びはないが、観劇中に策略に嵌められて、喜びを与えてくれるのは、阿佐ヶ谷スパイダーズだけだろう。

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    2019/09/12 22:09

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