
終夜
風姿花伝プロデュース
シアター風姿花伝(東京都)
2019/09/29 (日) ~ 2019/10/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
関係崩壊寸前の2組の夫婦の会話(喧嘩)は、観ているこっちもイライラさせられるような罵倒・なじり合い。それだけならまだいいが、言動が不合理で矛盾し、ときに支離滅裂、理解しようと聴いていたら、こっちまで頭がおかしくなりそうになる。頑なで残酷で狂った心をこれでもかこれでもかと見せつけられる。
雰囲気的に「夜への長い旅路」を思わせるが、それよりもっとイカれている。4人全員の言動にほとんど共感できないが、とくに「今、気づいた」には、お前はバカかと突っ込みたくなるし、最後のシーンは、もう開いた口がふさがらなくなる。
役柄もあって、栗田さんの演技が出色だが、どの俳優も膨大な場面とセリフをほとんど噛むことなくテンポよくこなし、さすがプロと思わせる。舞台を囲む堤防のようなセットが興味深く、演出・演技に効果的に使われていた。優れた演技と演出は観る者を劇中の世界に引き込むが、客席と舞台を隔てるその堤防のおかげで、自分は登場人物たちの暗い狂った世界に完全に引きずり込まれずにすみ正気を保てたように思える。

猩獣-shoju- <東京公演>
壱劇屋
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2019/10/11 (金) ~ 2019/10/14 (月)公演終了
満足度★★★★
セリフなしの殺陣芝居は初めてだったけれど、1時間があっという間だった。セリフはないけれど、セリフが聴こえてくるような不思議な感覚。

終夜
風姿花伝プロデュース
シアター風姿花伝(東京都)
2019/09/29 (日) ~ 2019/10/27 (日)公演終了
満足度★★★★
本年白眉の舞台であることは間違いないだろう。
感想を二つ。まず第一。
テキストは7時間に及ぶスエーデンの戯曲の由。83年の作品という。北欧は第二次大戦後、大きな戦火から逃れたこともあって、一時期、時代を先取りするところもあった。フリーセックス、家族の崩壊、社会の空洞化、など、いまは一言で語りがちな社会変化の先駆けとして(都市の団地の普及が象徴するように)ようやく家族制度から脱却しつつあったわが国でも注目されていた。それから50年近く。
今、この延々と続く兄弟夫婦二組の痴話げんかを見ていると、人間は急には変わらないものだなぁと感じる。この芝居の「人間はどのように他者とつながるものか?」という80年代の問題意識は、中吊りになっているようにも見えるが、たぶん、大戦後(あるいは20世紀に入ってから)ずっと男女、家庭、という社会の基礎集団のモラルは中吊りになって行きつ戻りつしてきたのだ。80年代に北欧へ実際に行ってみて、日本の北欧理解は表層的なもので、北欧も、新教基盤の保守的なモラルが強いと感じた。それは日本も含めて世界的に底流でつながっている。
この種の翻訳劇は、国境を超えると本質が失われたり、時には別種のものになったり(近い例では埼玉の「朝のライラック」)するものだが、この上演は巧妙な編集でこの芝居の本質を伝えてくれた。今春上演された「まさに世界の終わり」もこのカンパニーで見たいと思った。現代のモラルがよく描き切れている「現代劇」だ。
第二。俳優と演出。舞台は4時間近く、速いテンポのセリフが切れることはない。俳優の動きも、セリフの受け渡しも多い。登場人物は4人だけだが、終始その舞台がアンサンブルとしてサマになっていて、ダレることがない。
それぞれの人物を舞台の上でひと時だけ今生きている人間として表現した。彼らをほかのメディアでは見たり、説明したりすることはできない。時間をおいてみることもできない。彼らを見る事で、観客はひと時だけ、現代の本質に触れたのである。
昨晩は台風前夜の雨もよい。終バスを逃したくない観客も多かっただろう。俳優もテンポを上げて、4時間近いタイムテーブルを20分近く巻いた。それでも全く乱れなく幕を下ろしたのはお見事だった。岡本健一や那須佐代子ができるのは知っている。今回は栗田桃子。こんなにうまい人とは知らなかった。斎藤直樹の手堅さも光った。

私家版 孤島の鬼
K'srutan produce
新中野ワニズホール ( Waniz Hall )(東京都)
2019/10/09 (水) ~ 2019/10/13 (日)公演終了
満足度★★★★★
劇場に入ると波の音がすでに孤島へ誘っているかのよう。
ビジュアルが良いせいか妖艶さと醜悪さがなくBLっぽさとミステリアスさが感じられました。
そして古き言葉使いの美しさと道雄の役とテラーの喋り分けも物語に引き込まれていく要素になりました。
そしてあの狭い箱で広い洞窟を感じられた照明使いも良かったです。

ぼんじり
劇団ノーティーボーイズ
ブディストホール(東京都)
2019/10/08 (火) ~ 2019/10/13 (日)公演終了

私家版 孤島の鬼
K'srutan produce
新中野ワニズホール ( Waniz Hall )(東京都)
2019/10/09 (水) ~ 2019/10/13 (日)公演終了
満足度★★★★★
妖しい雰囲気と妖しいストーリー展開に、どんどん惹き込まれました。役者さん達が、登場人物にピッタリ嵌っていて、その熱演とビジュアルの美しさに魅了されました。ドロドロしていて恐怖さえ覚える内容でしたが、何だか切なくて美しい世界でした。素晴らしい舞台でした!

糸瓜咲け
URAZARU
上野ストアハウス(東京都)
2019/10/02 (水) ~ 2019/10/08 (火)公演終了

レネゲイズ
Nana Produce
赤坂RED/THEATER(東京都)
2019/10/11 (金) ~ 2019/10/15 (火)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/10/11 (金) 19:30
120分。休憩なし。
新興宗教をモチーフにしているものの、私は新興宗教の話というより、人間の身勝手さ、思い込みの激しさを、表現している物語と捉えた。結局のところ人は、全て「自分の見たいようにしかモノを見ていない」。そんな人間の勝手さ、視野の狭さを表現したいのかなぁ、と思った。

私家版 孤島の鬼
K'srutan produce
新中野ワニズホール ( Waniz Hall )(東京都)
2019/10/09 (水) ~ 2019/10/13 (日)公演終了
満足度★★★★★
乱歩の妖艶な世界観を見事に感じられた素晴らしい舞台でした。80分公演と聞いていたのに長編大作を体感した様な満足感。脚本もいい、演出も更にいい、その上で役者さん達の巧みな演技も想像を超えてきましたが、正直、シンプルなセットとこの狭い空間で感じるはずがないであろう広がりと息苦しいほどの閉塞感のシーンチェンジには一番驚かされました。極小劇場で十数人の観客に見せるだけじゃあもったいない!今回この技量を味わえたことがまったく幸運で、記憶に残る舞台でした。もう一度観たいです!

私家版 孤島の鬼
K'srutan produce
新中野ワニズホール ( Waniz Hall )(東京都)
2019/10/09 (水) ~ 2019/10/13 (日)公演終了
満足度★★★★★
美と醜悪がとぐろを巻いた様に絡みあった物語。
そのビジュアルイメージが損なわれる事ない役者陣「よくまあ揃ったなぁ」と。
見た目だけでなく、レトロで美しい日本語が心地良く、何ともミステリアスな雰囲気。
個人的にはこの原作、何十年も前に一度読んだっきり、それでも未だ強烈に覚えている事で、面白い内容だという事は観劇前から織り込み済み。
同時に、とは言っても舞台化って…そうおいそれと実現できない作品であろう思いもありぃの。
なので今回そこも含めてどんな公演になるのか楽しみな観劇でしたが、まずは見事なほど真正面から原作と向き合ったスタイルだったのに加え、80分という時間内で収め切った独自の構成力が素晴らしかった!
「そうそう、そうだった!」と記憶をなぞらえる楽しみと、新しい物語に出会えた様な新鮮な楽しみが同時に味わえました。
怪しげな「灯り」と表現してもしっくりする照明も効果的、演技力との合わせ技で舞台の場を自在に変換。
小説に生身の役者さん達が息を吹き込んだ舞台版は、小さな劇場の密室感をも味方につけ濃厚な空気を創り出し迫力満点でした。
大胆な発想の怪奇エンターテイメントな中、おぞましく(その時代での感覚では)も哀しく残酷な恋の顛末を改めて認識させてもらった類い稀なる人間ドラマ。
台風の影響を受け幾つかの回が中止になってしまうのは非常に残念ですが、13日には振替公演が設けられるそう。

9.807
ぺぺぺの会
SCOOL(東京都)
2019/10/04 (金) ~ 2019/10/13 (日)公演終了
満足度★★★
エリザベス・タワーから転落した日本人の話じゃないんだ。危うく寝落ちするとこでした。あの発声の仕方、頭に入ってこない。ツイッターのリアルタイム解説ってやってた?俺がアカウント間違えたのかなぁ?あと、飲食可だからってマックの持ち込みはマナー違反でしょ。

奥村さんのお茄子/あこがれ
こねじ
Galeri KATAK・KATAK(東京都)
2019/09/19 (木) ~ 2019/09/22 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/09/21 (土) 19:00
【あこがれ】
3人の登場人物(+α)の関係などが会話の端々から次第にワカってくるのが巧みだし、台詞に集中させる効果もあるのではないか?
そうして語る夫婦のエピソード、最初はハラハラしつつ、やがてほっこり。
こちらも会場にマッチしていた感じ。

リリスの憂鬱
有機事務所 / 劇団有機座
阿佐ヶ谷アートスペース・プロット(東京都)
2019/10/11 (金) ~ 2019/10/13 (日)公演終了

ラクダイス
超人予備校
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2019/10/11 (金) ~ 2019/10/13 (日)公演終了

『アイラブユー』『日本演劇総理大臣賞』
ロデオ★座★ヘヴン
インディペンデントシアターOji(東京都)
2019/10/03 (木) ~ 2019/10/13 (日)公演終了

私家版 孤島の鬼
K'srutan produce
新中野ワニズホール ( Waniz Hall )(東京都)
2019/10/09 (水) ~ 2019/10/13 (日)公演終了
満足度★★★★★
乱歩のこの作品は小説やコミックで読んでいたのだが、イメージ通りの線の細い蓑浦と諸戸の登場にゾクッとした。
小道具は椅子と机のみなのにある時は東京、ある時は倉、洞窟と何もないのに狭さや息苦しさが感じられた舞台でした。

私家版 孤島の鬼
K'srutan produce
新中野ワニズホール ( Waniz Hall )(東京都)
2019/10/09 (水) ~ 2019/10/13 (日)公演終了
満足度★★★★★
80分のお芝居でした。ストーリーの展開に目が離せません。怪しげな不思議な世界に連れていかれます。役者さん皆さん熱演でしたが、特に諸戸丈五郎役の小林さんの演技は圧巻でした。台風の直前、観ることが出来てよっかたです。

私家版 孤島の鬼
K'srutan produce
新中野ワニズホール ( Waniz Hall )(東京都)
2019/10/09 (水) ~ 2019/10/13 (日)公演終了
満足度★★★
康芳夫氏がデヴィッド・リンチに撮らせようとした乱歩の最高傑作。この世界をどう舞台化するのか?月船さららさんのやったほぼ一人芝居『二輪草』は原作忠実でヤバかった。本作は美形の同性愛者、諸戸道雄を主人公に別視点から語り直す。扮する小山蓮司氏の熱演に観客席も息を呑む。醜い邪悪なる傴僂男、諸戸丈五郎を小林裕氏が見事に再現。レベルの高い役者が揃い濃密な空間、異世界を形成。ヒロイン木崎初代と秀ちゃんの二役を演ずる赤猫座ちこさんのはっとする美しさ。
愛と憎悪の結合双生児は報われない恋慕に身を焦がす諸戸と彼の愛する箕浦金之助そのもののように。因果な身の上を呪いながら、唯一箕浦にのみ心の救いを渇望した憐れな男の悲しい独白である。
小さな空間に寄せては返す波の音がぼんやりと聴こえていた。

ゆうめい『姿』
ゆうめい
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2019/10/04 (金) ~ 2019/10/14 (月)公演終了
満足度★★★★
昔観た、ゆうめいの「弟兄」は、個人的にその年のベスト作品だった。今回の「姿」は、アザーサイドオブ「弟兄」というか、主宰の父親がゆうめいの演劇に出演した「あか」に「弟兄」の世界を足した感じ。
ハードなイジメを描いた「弟兄」の世界からようやく家に帰ったら家庭でもハードコアな夫婦喧嘩が行わているという、ちょっとした地獄の世界。

ホテル・ミラクル7
feblaboプロデュース
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2019/10/04 (金) ~ 2019/10/14 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/10/10 (木) 20:00
165分。5分間休憩含む。
恒例?のラブホテルのオムニバス集、ななかいめ。4話オムニバス。
「光に集まった虫たち」と、「よるをこめて」が印象に残る。特にEDを扱った「よるをこめて」は、展開がコメディチックなものの、性の問題の切実さを、30分で端的に語っているように思えて印象に残った。