
卵の中の白雪姫
劇団東京乾電池
ザ・スズナリ(東京都)
2020/02/14 (金) ~ 2020/02/23 (日)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2020/02/18 (火)
Aチーム観劇。これぜったい三者三様!!!できればすべて観たかったなぁ。開演前の山口ともこさんの歌声に癒されて本編でガンガン来て疲れました(笑)

人人
くによし組
インディペンデントシアターOji(東京都)
2020/02/27 (木) ~ 2020/03/02 (月)公演終了

FACE
令和座
cafe&bar 木星劇場(東京都)
2020/02/20 (木) ~ 2020/02/24 (月)公演終了

炎の人【公演中止(02/28~ 02/29)】
劇団文化座
こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)
2020/02/20 (木) ~ 2020/02/29 (土)公演終了
満足度★★★★
本棚の戯曲本を手に取り電車で小一時間、ざっと眺めて劇場へ(この所の睡魔対策也)。三好十郎の戦後の出世作とされるが何処となく商業的成功を得たぶん批評性の点でどうなのか(甘いに違いない)・・等とぼんやり想像していた。「廃墟」や「胎内」等に見られる鬱々とした内省、自己批判とは、確かに一線を画した一画家の評伝だが、作者自身若い頃画家を志したという事情は作品が明快に打ち出すゴッホ観、芸術論・人間論の掘り下げに見事に結実している。評伝によくありがちな、鋳物の如く周囲から対象の輪郭に迫る方法をこの戯曲はとらず、全くゴッホその人に行動させ、多弁に語らせている。俳優の仕事としてはゴッホ役が主役として3時間の舞台を担う。
ただし作者はこの遠い他国の物語を、むしろ当時の日本としては「新劇」=左翼の演劇として受容され易い作品に仕上げ、そのように評価された事を良しとした・・と想像する。その価値観に振れたように思える場面(典型はゴッホ以外の役達がゴッホについて語るラスト)には言葉の総括に違和感があるが、ゴッホの死までの場面は秀逸であった。
ゴッホの出自・来歴(牧者として炭坑の町で人々のために奔走した)と、絵に向かう時のこだわりは不可分にあり、ギリギリの所を生きる様に人間の美を見出す感性は周囲の理解を得られない中、弟テオドールだけが彼を経済的・精神的に支え続けたのは史実に違わず。
タンギーという老マスターが営むパリの画材店では、ゴーガン他の絵の手法に目を見開かれたゴッホがそれらを生き急ぐように自作で試し、画家として出遅れた年齢分を取り戻そうと絵を描き、また激しく議論を闘わす。ここでゴッホは絵画にとって重要な原則を発見したと言い、盛り場で飲もうと出ようとする一行を引き止めて議論を吹きかける。ゴッホは絵には実在、人間が「そこに居る」事が重要なんだと唱える。これに対しロートレックかゴーガンあたりが近代的思考に基づく見解をもって反論する。全ての事物は人の目に映るイマージュに過ぎず、画家は自分が対象を見るイマージュをカンバスに描きつけるだけだ・・。こう来られれば普通なら引きさがるしかないが、ゴッホはさらに反論する。○○の描いたあれは確かによく描けている、だが表層を舐めただけの絵には、肝心の人間が居ない・・一番大事なのは、そこに人間が居る、それを外しては何もならない・・。
近代がやがて行き着く相対主義を代弁したかのようなゴーガンの説を否定するゴッホという存在は、「人それぞれ」と割り切れって生きる事のできる高踏遊民ではなく炭坑で困窮する人々をまず思い浮かべる人間であり、「確かにそこにいる」と認知される事が生存の条件である人間の方を顧みる人間である、と言える。(中流意識という戦後経済成長がもたらしたこいつから、この件を考察するも有り。)
実は本題は俳優について、のつもりだったが例によってだらだら書き連ねてしまった。
一言だけ。大型俳優がキャスティングされ集客される演目としてでなく、作品勝負で文化座の若手(にまだ入ると思う)を据えた公演で、彼はゴーガン演じた文学座のバリトン声の中堅俳優とは異なる「判り易くない」演技、言い換えればその場に即し、生きたゴッホを演じ、生き切ったと見えた。完成されておらず、完成を目指したものでなく、ただ一舞台を生きる、を続ける姿に好感。

朝焼けの向こうのトランジスタ
南京豆NAMENAME
王子スタジオ1(東京都)
2020/02/27 (木) ~ 2020/03/01 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2020/02/28 (金) 20:00
価格2,500円
ヴィヴィッドでウイットに富んだ会話が巧みで、具象と抽象・現実と幻想・リアリズムとシュールレアリスムなど相反するものの間を無段階で自在に往き来して描く若者(?)の葛藤。
しかしfeblaboの池田さんを小劇場の演出家役として起用し小劇場自虐ネタの矢面に立たせて「あんな目に遭わせる」とは河村さん、お人が悪い……(笑)

人人
くによし組
インディペンデントシアターOji(東京都)
2020/02/27 (木) ~ 2020/03/02 (月)公演終了

人人
くによし組
インディペンデントシアターOji(東京都)
2020/02/27 (木) ~ 2020/03/02 (月)公演終了

ロケットペンシル×ドレッドノート
やみ・あがりシアター
インディペンデントシアターOji(東京都)
2020/02/19 (水) ~ 2020/02/24 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2020/02/23 (日)
23日13時回(100分)を拝見。
開場時、舞台セットを目にした途端、「この作品、面白いぞぉ〜!」と勝手に予感。でっ、結果的に予感の通り、作者の才能に感服させられる100分間だった。
セリフひとつで「現実世界」「アニメ映像の世界」のシーンからシーンへとシフトさせる、つなぎの見事さは特筆モノ。
また、世代的にギリギリ、原作のアニメや漫画を知っているので、懐かしさと、当時のファン達の熱気の程も思い出された。
ところで、原作オマージュなアニメシーンの設定と、真相を知った現実世界の古代進(演・さんなぎさん)が森くん(小切裕太さん)と対峙するも…のラストシーンと、どちらが先に作者の脳裏に閃いて、この作品に仕上がったのか…是非、知りたいなぁ。

往転
KAKUTA
本多劇場(東京都)
2020/02/20 (木) ~ 2020/03/01 (日)公演終了
満足度★★★★
開演前のアナウンスから、すでに芝居が始まっていた。脚本はもちろん、セット、音楽、演出、役者の芝居と、どれも素晴らしく魅了された。すべてを総合して造られた芝居空間だった。
峯村さん、やっぱり好きだなぁ。

盗め!スージーウー!!
0F-ゼロフレーム-
浄土宗應典院 本堂(大阪府)
2020/02/27 (木) ~ 2020/03/01 (日)公演終了
鑑賞日2020/02/28 (金)
最高に面白いコメディでした。
コロナウイルスの影響なのか、お客さんは少なかったけど、このお芝居 お勧めです。

ゆめしばい
本多プロデュース
小劇場B1(東京都)
2020/02/26 (水) ~ 2020/03/01 (日)公演終了
価格3,000円
85歳で舞台に立たれる本多氏に敬意を表する。
本山由乃氏の演出はかなり攻めており、単なる懐古趣味に留まらない。今も昔も芝居への情熱は変わらない、ということを全力で表現している。やけに動きの良いヒロイン、伊井ひとみさんにも注目

肩に隠るる小さき君は
椿組
ザ・スズナリ(東京都)
2020/02/26 (水) ~ 2020/03/03 (火)公演終了
満足度★★★★★
昭和初期、庶民の坦々とした暮らし、その背後に軍靴の音が大きくなってくる不穏な様子が観えてくる。不用意な行動が軍事的に利用され、何気ない言葉が人を傷つける、そんな日常に潜む怖さ、悪意を描く。ちょっとした事が高じて不寛容で不自由な世の中へ変貌してしまう。そんな社会的な状況や情勢の変化を、ある家族とそこに集う人たちの交流を通して浮き彫りにする警鐘劇のようだ。ありふれた日常なのに、しっかり劇中に引き込ませる好公演。
タイトルや説明文から四角四面の重厚作品の印象であったが、登場する人物は、少しお茶目でユーモアがあり、他方、意地悪で小言もいう。その人間らしさが身近に感じられる。物語はある家の一室という狭い空間であるが、描いているのは きな臭くなってきた当時の日本。もしかしたら現代にも通じる状況かも…。情景は情緒あふれる観せ方であるが、そこに軍服姿の軍人が登場し「平和」と「戦争」という対極が演出されているとも思える。また人の優しさ、温かさといった滋味溢れる生活感と大きな時代のうねりに翻弄される前夜、その「個人」と「社会」という異なる視点からの描きも上手い。
(上演時間2時間)

中国神話の世界
カプセル兵団
阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)
2020/02/26 (水) ~ 2020/03/01 (日)公演終了

往転
KAKUTA
本多劇場(東京都)
2020/02/20 (木) ~ 2020/03/01 (日)公演終了
満足度★★★★★
初演からほぼ十年がかりで、面白い芝居ができた。三演目という。
東京から仙台へ向かう深夜バスが、たまたま荒天で横転事故を起こしたために乗り合わせた人々の人生を狂わせていく。乗り合わせ、というのは一つのパターンではあるが、そこに、現代社会の風俗、風景が面白く織り込まれていて、優れた現代劇になった。
技術的にも工夫が凝らされていて、見ていて、おや?とひかかったところは、後に見事に回収されていき、そこに、現代社会の断面が顔を出す。
長い間KAKUTAで芝居をやってきた桑原裕子らしい地道な努力が実を結んでいる。それを見て、俳優たちも集まってくる。今回は、なんといっても、峯村リエと小島聖。どちらも、小劇場でも、大劇場でもこなせる力のある女優だが、戯曲にこたえて現代を生きる女性を見事に演じている。いまの社会に確かにいる切なく生きる女性像だ。(忘れずに小島聖には今年の女優賞を上げてください!!)入江雅人もうまい。こういう中途半端な人間は演じにくいのだが、中年は寄る辺ない寂しい存在なのだ。俳優はそれぞれしどころで力を発揮して、本多の舞台が狭く見える。
思わぬウイルス騒動で客足にぶったか、八割の入りは残念だ。今年は「ひとよ」も再演するという。こちらは映画版で田中裕子の快演を見たばかりだ。楽しみだ。

色指南 ~或る噺家の恋〜
劇団ドガドガプラス
浅草東洋館(浅草フランス座演芸場)(東京都)
2020/02/22 (土) ~ 2020/03/02 (月)公演終了
満足度★★★★★
望月監督の生み出す世界は、一度ハマったらもう抜け出せません。
時代背景に裏打ちされた昭和史をもっと深く知った上で観劇されたい方は「望月六郎的日記『中年勃起』」で予習することを是非お薦めします。
混沌とした時代だからこそ、そこに生きる人々の生きざまが歌や踊りも交えて色鮮やかに人間らしく描かれ、その世界に酔いしれてしまいます。
また、役者陣の顔ぶれも、別格の座長、看板女優、新看板女優をはじめとする劇団員のみならず、お馴染みの客演の方々にニューフェイスも加わって、本当に面白い群像劇に仕上がってます。
気になった方はまず一歩この世界に足を踏み入れてみましょう♪
そして、一緒にドガドガプラスを盛り上げていきましょう♪♪
「めざせ!浅草公会堂!!!」

肩に隠るる小さき君は
椿組
ザ・スズナリ(東京都)
2020/02/26 (水) ~ 2020/03/03 (火)公演終了
昨日の夜は冷え込んでいた。会場もちょっと寒かったけど、観ていて心があったかになったのでちょうどよかったかも。全体としてみればハートウォーミングなドラマというわけではないけど、役者さんたち一人一人を観ているとその演技はあったかな感じがしたというか。

社会の柱
新国立劇場演劇研修所
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2020/02/21 (金) ~ 2020/02/26 (水)公演終了
満足度★★★★
大作に挑んだ第13期修了公演。見応えあり。彼らが演じてこそのこの作品、という印象も。
幻想劇を書いていたイプセンが現代劇の作家となる転機の作品、とパンフあったが、昨年上演のあった「リーグ・オブ・ユース~青年同盟~」(雷ストレンジャーズ)がむしろ転換期の作品で、今作は既に現代社会劇の範疇に思えた。39歳で「ペールギュント」を書き、上記の作を経てその十年後に「社会の柱」、となっている。以後間をおかず「人形の家」「幽霊」「民衆の敵」とイプセンの代名詞となる作品が続くが、その始点と言える「社会の柱」が初々しく感じられるのは、人間の良心に頼んでのハッピーエンドだからか。
こううまくは行かない、と思える余地が多分にあっても、卑小な人間を新人らが体当たりで演じる姿はいささか出来すぎた結末も感動をもって受け取れた。この町随一の有力者という地位と富を危うくしてでも真実を告白するに至った男、カルステンの爪の垢をこの国のトップに進呈したい。

色指南 ~或る噺家の恋〜
劇団ドガドガプラス
浅草東洋館(浅草フランス座演芸場)(東京都)
2020/02/22 (土) ~ 2020/03/02 (月)公演終了
満足度★★★★★
戦時中の吉原で、謎の男録助を探し求める噺家青竹雨之雀。落語以外はからきしダメな優男だけど、何とも色気があって魅力的。一方の録助も一見地味なのに紐解かれていく人生に目が離せなくなる。そして若い女うめのも運命を受け入れながら何かを待っている。美しく悲しいけれどたくましい廓の女性たちや、戦果に湧く時代に不自由な中で元気に生き抜く人々に、当時はこれが当たり前だったんだなと思いを馳せてしまう。そんな時代に、この二人の男たちは自分の道を極めようとする。ワクワクする。
ドガドガならではの歌もダンスも楽しく、特に茜(神田川侑希)とうめの(大岸明日香)のしっとりしたナンバーは酔いしれてしまう。
大満足の一作です。

往転
KAKUTA
本多劇場(東京都)
2020/02/20 (木) ~ 2020/03/01 (日)公演終了

「帽子と預言者」 「鳥が鳴き止む時-占領下のラマッラ-」
名取事務所
「劇」小劇場(東京都)
2020/02/20 (木) ~ 2020/03/01 (日)公演終了
満足度★★★★★
遠い国の話。だが。。日本には判官贔屓、宵越しの金は持たぬなんてのがあるが、予測づくが通る端から予測外が湧いてくる人間の(バランス感覚の)妙。天の邪鬼は集団的狂気から集団を救う。今の逆をやって見ようと思えるかは心の健康のバロメータ。
・・んな事で、これは観るべし。という事の他言うべき事がない。
(無論、芝居は言う事なし。)