最新の観てきた!クチコミ一覧

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桜の森の満開のあとで(2020)

桜の森の満開のあとで(2020)

Ammo

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2020/03/12 (木) ~ 2020/03/18 (水)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2020/03/16 (月) 19:30

120分。休憩なし。

まつげが伸びきっちゃった

まつげが伸びきっちゃった

演劇ユニット「巨乳の彼女を創る」

ARAKAWA dust bunny(東京都)

2020/03/13 (金) ~ 2020/03/16 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2020/03/16 (月) 16:00

70分。休憩なし。

きらめく星座【公演中止3月5日(木)~8日(日)】

きらめく星座【公演中止3月5日(木)~8日(日)】

こまつ座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2020/03/05 (木) ~ 2020/03/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2020/03/12 (木) 13:00

座席3列6番

こまつ座でのこれまでの8回の上演のうち2014年を除いて7回観ておりよく覚えているので、間もなく起こる場面どころか二場も三場も先の場面が思い出されてエラい先読み泣きをしてしまったりする。
ちなみに観ながら過去の演者を思い出して脳内で再生するのはほぼ毎度のこと。

それにしてもやはり五場はスゴい。以前は竹田の「宣伝文」で泣けたけれどいつからかその前のみさをのあの台詞で泣けるようになった……と思って過去の「観てきた!」で確認したら2017年(前回)からのようだ。
また、最終場の日付と各人物のその後の行く先もまた意味深と言うか、終演後に余韻を残すのもさすが。

【余談】以前は新作の初日が遅れることが度々あったこまつ座、理由は違うがまさかここにきて初日を遅らせることになろうとは。
がしかし、過去の経験からか振り替え、払い戻しなどの告知も完璧で予約していた5日(初日)から12日にすんなり振り替えることができたのだった。
なお、この日のアフタートークでの高橋光臣さんによれば、遅らせたために公開しなかった回は舞台での稽古をしており、まさに「無観客演劇」のようだったとのこと。

血界戦線

血界戦線

舞台『血界戦線』製作委員会

天王洲 銀河劇場(東京都)

2019/11/02 (土) ~ 2019/11/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

好きな作品であったことと、2.5次元作品にも関わらずバンドの生演奏とのことでしたので、観劇しました。音楽面にもこだわる作品は聞き応えもあるので、とても面白かったです。もちろん、ビジュアルやお声も似ていて大満足です。スティーブンの演出が変わってしまったことは少し残念でしたが、とても素敵でした。お大事になさってください。

モマの火星探検記

モマの火星探検記

少年社中

サンシャイン劇場(東京都)

2020/01/07 (火) ~ 2020/01/20 (月)公演終了

満足度★★★★★

綺麗な世界が広がっていました。どんな人でも何かを受け取れるお話ではないかと思います。何度か再演されているようですが、また上演の機会があれば観に行きます。

DECADANCE

DECADANCE

株式会社ディスグーニー

EX THEATER ROPPONGI(東京都)

2020/01/24 (金) ~ 2020/02/01 (土)公演終了

満足度★★

登場人物が何故こうなったのか?など疑問の生まれる、少し難しいお話でした。現代ネタも含まれ、お話の流れに置いてけぼりになってしまいました。知的な方なら楽しめるのかもしれません。
オープニングが魅力的です。

改竄・熱海殺人事件【3/28-3/29 東京公演中止】

改竄・熱海殺人事件【3/28-3/29 東京公演中止】

ゴーチ・ブラザーズ

紀伊國屋ホール(東京都)

2020/03/12 (木) ~ 2020/03/30 (月)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2020/03/12 (木) 19:00

コロナの影響で中止や延期が相次ぐ中、観劇しました。とても迫力があり、元気付けられました。ありがとうございます。

ゆうめいの座標軸

ゆうめいの座標軸

ゆうめい

こまばアゴラ劇場(東京都)

2020/03/04 (水) ~ 2020/03/16 (月)公演終了

満足度★★★★★

【俺】
他人の言葉に耳を傾けてくれる人は少ない。
仲間外れにしているクラスメイトの嘆きは無視出来るのに、SNSの知り合いの言葉は届くのだから不思議な世界だと思う。

言葉が届く筈のない人に、どうしても伝えたい何かを真剣に考えた末に生まれた舞台だったのかなぁ。

演劇の可能性を感じさせてくれる舞台でした。

エール!

エール!

劇団チーム・ユニコン

テアトルBONBON(東京都)

2020/03/11 (水) ~ 2020/03/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

間違いなく面白いきたむら脚本・演出
今回の新型コロナウィルスに対して徹底した対策をしている。「お客様に安心して楽しんでもらう」をここまでやってるってのはすごいとしか言いようがない。手洗い、検温、体調確認…そして、劇場に入ってからの客席体制。万全すぎる。
災害避難所という普通に生活していたら知ることのない非日常をクローズアップしている。本当はマイナス部分も多くあるであろう点も、心温まる作品になっていることころが素晴らしいです。
そして役者陣の魅力的な芝居でつないだバトンで、最後の「エール!」が胸に突き刺さります。
ぜひみんな観に行ってほしい。

ネタバレBOX

ネタバレというか、個人的な想いです。
本当にもったいない。というかもっとお客が入ってれば、もっと役者がお客の顔を見れる環境ならば、こんなウィルスに世間がおびえていなければ、絶対にもっと盛り上がった舞台になるのは間違いない。
こんなんじゃない。この作品はもっともっとドッカンドッカン湧くはずだ。一喜一憂して、泣いて笑ってが凝縮されているはずだ。それなのに…あーくやしい。
とイチ演劇人として思ったのでした。
こんなよくわからない感染症なのに、こんな感じで陰を落とす…本当に腹立たしい。
繰り返します。観劇好きのみなさん。観に行って損は無いですよ!
ゆうめいの座標軸

ゆうめいの座標軸

ゆうめい

こまばアゴラ劇場(東京都)

2020/03/04 (水) ~ 2020/03/16 (月)公演終了

満足度★★★★★

まず「俺」、続いて「弟兄」(何故か「おととい」と読む)を観た。
3年前の下北ウェーブ企画(だったか)でピックアップされた3劇団の一つがゆうめいで演目は「弟兄」。スピード感があって中身はねちっと重い。確か「ドキュメント路線で成功したが、ネタ切れせず続けて行けるのか・・」的な感想を書いた覚えがあるが、デビュー作「俺」から最新作「姿」まで、かの路線を堂々と歩んでいる。
役が客席に語るナレーション・スタイルが成功している芝居は結構多い。昔~し観た「ホテル・カリフォルニア」、「焼肉ドラゴン」も。回想式が相応しいドラマ、と言えるか。今回のゆうめいの二作品も、苛烈ないじめや死と隣合せの日々が「回想」のフィルターによってノスタルジックに立ち上がる。「俺」ではMisha、「弟兄」では椎名林檎で。

ネタバレBOX

ドキュメントとは事実という事だが、これは芝居である以上どこまでが事実でどこからはフィクション(創作・編集されたもの)かは取り敢えずベールに包まれている。ドキュメント「的」手法は、面白い。だが事実性に裏打ちされた迫真は、事実か否かの疑義の前で色褪せる。然して初演では「池田亮です」と語る本人が池田亮であろうと信じた。そういう台詞であり演技だったのだろうが、かくも「己のこと」を語り、作者自身に見えてしまう芝居を、ここまで臨場感をもって演じる俳優、という存在を想定できなかった自分が居たわけである。敗北の過去を回想する芝居を、役者として応援する人間がいる、即ちその分だけこの作・演出には人望がある、という事が、ギャップであった訳だが、それは何とのギャップかと言えば、作者が書いた物語そのものとのギャップな訳で、私がそれを事実だと信じた所から既に事態は始まっており、正確に言えば「始められていた」訳である。

身長150cmの「俺」は、「弟兄」では語り手・池田が高校時に友人となる相手(より苛酷なイジメに遭っていた)になっていた。作者の化身と信じて観ていた登場人物のモデルが、必ずしも作者本人ではない可能性が2作を短期間に見比べた事で出てきた。
しかし「姿」にも登場した母と言い、書かれるディテイルは作品を効率的に高めるべく選択され創作されたものとはみえないのは確か(これも技術か)。
という事で、これまで観たゆうめい3作いずれも個人史を素材とし、言及の対象は過去の「事実」である可能性が高い、あるいは「事実」という態の芝居である。
だが普通そうであるように、事実に拠る限り「それ」について語るほどにリアリティは増すもので、ゆうめい的劇世界はそのようにして創られ続けるのだろう。と、今は思う(否、思わされている)。
リトル・ブリーチ

リトル・ブリーチ

人間の条件

スタジオ空洞(東京都)

2020/03/12 (木) ~ 2020/03/15 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2020/03/13 (金) 19:00

100分。休憩なし。

re-call

re-call

企画演劇集団ボクラ団義

新宿村LIVE(東京都)

2020/02/20 (木) ~ 2020/03/01 (日)公演終了

満足度★★★★

目当ての演者さんとくに無し。
時間を行ったり来たりする演目が多いボクラ団義さんの、原点となる舞台の再演ということで。これは見逃せないなと思い、観劇しました。
なるほど、原点にふさわしいと言ってはおかしいですが、納得のストーリーでした。ちょうどいい感じに頭を働かせて楽しく見られました。
「オーバースマイル」でいい感じの三枚目だった青地洋さん、さらにいい感じで良かったです。
「君よ叫べ、其ノサガノ在ルガ儘ニ」という舞台で可憐なヒロインだった夏目愛海さん、ぶっ飛び方が良かったです。

ネタバレBOX

沖野さんの主人公が過去に飛んだ事はすぐに分かりましたが、事故死しているとは思いませんでした。平山さん演じる女性が娘だという事は途中でほのめかされるので、という事は娘も早死にしてしまったのかと思いましたが、まさか寿命をまっとうしているとは。
こういう意外性が楽しいですね。いつもながら、時間移動をほんとにうまく使うなあと感心します。
大神さん演じる叔父さんの扱いは残念でした。単純すぎると言うか。納得感がありません。
ゆうめいの座標軸

ゆうめいの座標軸

ゆうめい

こまばアゴラ劇場(東京都)

2020/03/04 (水) ~ 2020/03/16 (月)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2020/03/15 (日) 14:00

「愛の反対は憎しみではない 無関心だ」とマザーテレサは言ってましたが、「弟兄」の本質は復讐や仕返しではなく「愛」なのだと思う。

だって、自分を傷付けた人や自分から離れて行ってしまった人の事をあんなにも考え続けたのだから。

ネタバレBOX

‪未熟で痛みを知らない子供は仲間以外には残酷だ。‬

子供にとって仲間外れになる恐怖は想像を絶するものがあるのだろう。

いじめは当事者だけでなく、周りの人の協力がなければ解決出来ないけど、自分がいじめられるリスクを冒してまで、いじめを止めようとするお人好しはなかなかいない。

だから仲間外れにされる事は残酷な仕打ちをされても仕方がないことになる。

‪教師にまで見て見ぬふりをされた子供の絶望は如何程のものだろうか。

主人公も弟の苦しみを理解出来ていたのかと悩み続けているように、本当の痛みや苦しみは当事者にしか分からないのだろう。

どうせ分からないからと無関心でいられる人は自分が嫌な目に遭った時に自分だけが酷い仕打ちを受けるのは納得出来ないと感じるようになるんだろう。

そして、分からないからこそ、理解しようと考え続ける人は自分が嫌だと思ったことを人には経験してもらいたくないと感じるようになるんだろうな。

主人公は後者であったと僕は思う。

真実の暴露は仕返しではなく、未来の為だったんじゃないかな。

そして居酒屋のシーンも自分が受けた仕打ちに対しての怒りではなく、人の痛みを想像すらで出来ない奴が人の喜びや苦しみを伝えて感じてもらう役者を名乗ってるおこがましさに憤りと覚えたんだと感じました。

桜の森の満開のあとで(2020)

桜の森の満開のあとで(2020)

Ammo

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2020/03/12 (木) ~ 2020/03/18 (水)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2020/03/15 (日)

15日18時開演回(2時間)を拝見。

本作の2016年版を初め、近代・中世の海外モノから保育園を題材にした身近なモノまで、南慎介さんの作品は数多く観てきたつもりだが、「良質な会議劇」という括り以上の今日性を帯びた内容故に、本作『桜の森の満開のあとで』こそ、個人的にはイチ推しの作品だなぁと改めて実感させられた2時間だった。

ネタバレBOX

2016年版も観ているので、大まかな流れは承知しているつもりでいたが、今回、更に幾つかの新たな刺激を得ることが出来た。

まず第一に、2016年版の頃の観劇オジサンが更に歳を重ねたせいか、「老人法案」への自身のスタンスが、前回の「中立」から、いつの間にか「反対」に変わっていたこと。
上演中、そのことに気づいた途端、我ながら失笑を禁じ得なかった。
「立場変われば、意見(≒利害)も変わる」を身をもって味わされたようだ。

次に、2016年版には無かった、マツカゼ絡みの嵐ネタ。
このエピソードのおかげで、緊張の続く会議劇の最中、良い意味で、肩の力を抜くことが出来、終盤の山場に備えることができた。

最後に、ミユキから全員、ワカナからミユキへの、終盤の見せ場である、白紙の用紙を手にしての「勧進帳読上げ」。
「安宅の関」を観光資源とする安宅市の設定に引っかけた、洒落っ気さえ感じさせる演出には思わずニヤリとさせられた。

なお、演じ手では
井上実莉さん・難波なうさんの「論敵」お二人の熱演と
林純平さんの暑苦しい(←おいおい!)までの力演とが
とりわけ印象に残った。

【役名(模擬会議でのゼミ生達の「役柄」/ゼミ生自身の説明)】
ワカナ(「北部」地区の住民/ミユキの長期欠席は自分のせいだと思い込み、彼女の留年を阻止したいと尽力する)
…井上実莉(いのうえ・みのり)さん(Ammoや美貴ヲの劇などでお馴染みの女優さん)
ミユキ(「南部」地区の住民/海外派遣に反対していた自衛官の兄が海外で「戦死」したことにショックを受け、大学から足が遠のいていた)
…立原朋実さん
アズマヤ(「勧進帳」=市民オンブズマン/「役柄」と同じく熱烈な護憲派)
…林純平さん
スマ(「農連」代表/ワカナの友人。自分に内緒で、アオイをスタバや焼き肉→バーに誘ったアカシやカシワギに憤慨w)
…岡村梨加さん(『セイレムの焔』、『涼風至る~蝉時雨編』などでお馴染みの女優さん)
セキヤ(「門前」=「安宅の関」を観光資源とする観光協会の代表)
…三宅勝さん
アカシ(「漁連」代表/タケカワゼミの模擬会議に慣れていないアオイをスタバに誘っていたw)
…山咲和也さん
マツカゼ(安宅市随一の企業の「労組」員/やっと当選した嵐のコンサートに間に合うかどうかで気が気じゃない!)
…くらしなみさとさん
カシワギ(「シャッター通り」な「商店」街の代表/タケカワゼミの模擬会議に慣れていないアオイを焼肉等に誘っていたw)
…新開知真さん
サカキ(「総(合)電(力)」=市内に原発施設を有する電力会社の幹部社員/タケカワゼミの助手。禁煙中)
…皆上匠さん
ウメガエ(「(市)議会(与党の議員)」/官庁への就職も決まり、ゼミでの更なる好成績をを狙う。ワカナたちとは仲が悪い)
…難波なうさん(『見よ、飛行機の高く飛べるを』『滅びの国』で拝見した女優さん)
アオイ(「役場」=市役所職員/担当教授が病欠のため、他のゼミから移ってきた。何気にモテる?!)
…双葉さん(2016年版のマツカゼ役や『涼風至る~蝉時雨編』で拝見した女優さん)
タケカワ(安宅「市長」/ゼミの教授)
…土田卓さん
一番長い夏と真っ赤な太陽

一番長い夏と真っ赤な太陽

空間旅団

キーノートシアター(東京都)

2020/03/12 (木) ~ 2020/03/15 (日)公演終了

満足度★★★

日本と惑星、二つの世界が上手く交錯された舞台でした。真面目に作った作品という印象で役者さん達の一生懸命さを感じました。悲劇を忘れてはいけないという強い思いが伝わってくる良い舞台でした。

愛する母、マリの肖像

愛する母、マリの肖像

T-works

赤坂RED/THEATER(東京都)

2020/03/11 (水) ~ 2020/03/15 (日)公演終了

満足度★★★★

どこの国も、黎明期は女性受難ということが伝わってきます。ノーベル賞2回という傑出した成果の背景に、あんな人間的など"ドラマ"があったとは思いませんでした。古川作品がいつもの日澤演出でないと、あんな感じになるのかと興味深い。放射能が良くわかっていなかった当時、研究者は被ばくしっぱなしだったことも良くわかります。日本人がでてくるのですが、あれはどうやら実在の人物ということがあとからマリ・キュリーのwikiでわかってちょっと驚き。次作も楽しみにいたしております。

平山建設

平山建設

マコンドープロデュース

下北沢 スターダスト(東京都)

2020/03/11 (水) ~ 2020/03/23 (月)公演終了

満足度★★★★

マコンドーもこんな泥臭い作品があるんですね!ろりえベースに上野友之(ちょっと懐かしい!)をパラパラ...みたいなテイスト(キャストもちょっとだけ重なっていますけど)と感じてましたけど、本当に泥臭かった。
ちょっとだけ、おしゃれ・カッコつけみたいなところも味のうちだった気がしますが、本作はホントに違っていた!梅舟さん、お疲れさまでした!

愛する母、マリの肖像

愛する母、マリの肖像

T-works

赤坂RED/THEATER(東京都)

2020/03/11 (水) ~ 2020/03/15 (日)公演終了

満足度★★★★

非常に静かなお芝居だったことが印象に残っている。
音が少なく、客席の呼吸音までもが邪魔になるほど。だんだんと舞台に入り込んでいくと客席まで静かになっていた。が、この種類の作品では仕方のないことなのだけど合わないかたは眠くなりますよね…寝息に苦笑した時間がありました。
M0はマリ・キュリーの祖国ポーランドを意識したのかなと感じさせるスラブ系のメロディ。開幕するときにだけ舞台のある場所が輝きます。ラジウムのあかりを意識しているんだろうと分かります。そして舞台美術はまさにラジウムを取り出すために大量に必要だったといわれる岩石をイメージしたんでしょう。

しかしこういった知識がある観客には、この作品は物足りなかったのでは。
古川作品はわたしにとって2作目であるが、2作とも”ちょっと足りない”。
ただし今作では女優・山像かおりがその脚本の不足を補って余りある力を発揮していた。これこそが演技だと感じさせてくれる。冷静と情熱、マリ・キュリーの信念を感じさせてくれる。舞台の上で生きて死んだことが実感できた。
理系の知識が無いことでこの作品の観劇を忌避する必要は無い。
ひとりの女性の生き様を受け取る貴重な観劇になるだろう。
とはいえ、あまりに淡白、さらっとしすぎている感じもあって物足りない。
ただの伝記になりかねない、というか、ほとんどそうだろう。どこかで古川さんご自身がこの作品について「あまい」と記述されていたのはその通りと感じる。
☆は4つとさせていただく。

ところで山田延男について。
この名前は知らないと思ったし、お芝居を観て「そんな都合良く作って」なんて思ってしまったが。どうやら近年(ここ25年ほど)ご子息によりきちんと調べられ、ほんとうにキュリー夫妻の長女イレーヌと共同研究をし論文を発表していること、帰国後もやりとりがあったこと、初めて知ることとなった。空襲により史料が焼失してしまったことは残念である。
天才たちは相次ぐ体調不良を放射能の研究によるものと当然考えたが、証明は先のこととなる…そこに絡む感情も、山像かおりさんのマリ・キュリーはしっかりと表現されていたと感じる。

放射能の名付け親たる「キュリー夫人」を語る作品を3.11に解禁すること、その意義、挑戦には敬意を払いたい。(もちろん、新型ウイルス禍の中公演を実施くださったことにもだ)
100年前の言葉が突き刺さる。
人間の知は、未だ彼女が名付けた”息子”を制すことができない。

ネタバレBOX

作品には入り込めたのだけど、いかんせん脚本が弱い。
知っていることの羅列、並べられただけでは、ちょっと苦しい。そこはこちらの問題であるが、ううーんというのが正直なところ。

山田延男の訛りは必要だろうか。
この作品に息抜きが必要?
どうも自分の好みではない。

姉妹の確執は知らなかったが、考えてみれば無理もないこと。
7歳離れた姉妹、妹は父親を覚えていない、母親は家に居ても研究のことで頭がいっぱい。突如父親を喪った姉は母親を神格視する。科学の道をドロップアウトした妹は一家の中でいつまでも赤ちゃん扱いである自分を分かっている、身内でありながらも外側から一家を見る。
その姉妹を包み込むラストシーンには宗教歌がかかりまさに宗教画を見ている気分になった。

冒頭からほぼ平坦だった芝居がラストでだけ突出していたような印象だった初日。
これがどう変わっているか。
大阪で見届けたい。
その鉄塔に男たちはいるという+

その鉄塔に男たちはいるという+

MONO

吉祥寺シアター(東京都)

2020/03/13 (金) ~ 2020/03/22 (日)公演終了

満足度★★★★

以前の作品に「+」をした一幕目。そして、本編とも言うべき二幕目。この2つの話の繋がりもよかった。決して、今と関係のない世界の話ではないことをより感じられる。ラストはなんとなく予想ができたが、切ない。

バロック

バロック

鵺的(ぬえてき)

ザ・スズナリ(東京都)

2020/03/07 (土) ~ 2020/03/15 (日)公演終了

満足度★★★★

超観たかったので、観れて嬉しい。ワン・シチュエーション・ホラーものなのにスズナリの舞台が無限の空間に思えた。照明の技術が凄すぎて、まずそこを褒め称えたい。暗転の瞬間に人が消えたり現れたり。光と陰の効果にかなり知恵を絞っている。『霊は光には映らない』という鶴田法男監督の言葉を想起。照明の阿部康子さんにRESPECT。ホラー・エンターテインメントの中心は映画館から小劇場へと移ったか。
古典的な呪われた洋館に閉じ込められた一族と悪霊の対決みたいな感じだが、古臭さがなくセンスが良い。二役の福永マリカさんが強烈だった。声の変わりっぷりに慄く。春名風花さんは巧く、野花紅葉さんはエロく、笹野鈴々音さんは実に映画的。死んだ伯母を愛して気が狂う祁答院雄貴(けどういんゆうき)氏のキャラも良い。近親相姦に取り憑かれた一族なんて、上手い設定。生と死、善と悪とが二元論からアウフヘーベンされるような世界観。佐藤誓氏演ずる旦那は普通なら簡単に殺されそうなキャラの処、作者の人生観を象徴するような飄々とした重要な存在に描かれる。狂った浮浪者役、吉村公佑氏も欠かせない。死に様が美しい。

ネタバレBOX

後半からホラーADVゲームのように展開し、矢張『スウィートホーム』になっていく。エピローグはリメイク版の『サスペリア』っぽい。ここら辺が好みの別れるところ。兄妹間のラブロマンスを主軸に据えた方が良い。いっそ、一族の強みは性交を各々に課してきた濃い血の掟にあるぐらいにしても良かった。

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