桜の森の満開のあとで(2020) 公演情報 Ammo「桜の森の満開のあとで(2020)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2020/03/15 (日)

    15日18時開演回(2時間)を拝見。

    本作の2016年版を初め、近代・中世の海外モノから保育園を題材にした身近なモノまで、南慎介さんの作品は数多く観てきたつもりだが、「良質な会議劇」という括り以上の今日性を帯びた内容故に、本作『桜の森の満開のあとで』こそ、個人的にはイチ推しの作品だなぁと改めて実感させられた2時間だった。

    ネタバレBOX

    2016年版も観ているので、大まかな流れは承知しているつもりでいたが、今回、更に幾つかの新たな刺激を得ることが出来た。

    まず第一に、2016年版の頃の観劇オジサンが更に歳を重ねたせいか、「老人法案」への自身のスタンスが、前回の「中立」から、いつの間にか「反対」に変わっていたこと。
    上演中、そのことに気づいた途端、我ながら失笑を禁じ得なかった。
    「立場変われば、意見(≒利害)も変わる」を身をもって味わされたようだ。

    次に、2016年版には無かった、マツカゼ絡みの嵐ネタ。
    このエピソードのおかげで、緊張の続く会議劇の最中、良い意味で、肩の力を抜くことが出来、終盤の山場に備えることができた。

    最後に、ミユキから全員、ワカナからミユキへの、終盤の見せ場である、白紙の用紙を手にしての「勧進帳読上げ」。
    「安宅の関」を観光資源とする安宅市の設定に引っかけた、洒落っ気さえ感じさせる演出には思わずニヤリとさせられた。

    なお、演じ手では
    井上実莉さん・難波なうさんの「論敵」お二人の熱演と
    林純平さんの暑苦しい(←おいおい!)までの力演とが
    とりわけ印象に残った。

    【役名(模擬会議でのゼミ生達の「役柄」/ゼミ生自身の説明)】
    ワカナ(「北部」地区の住民/ミユキの長期欠席は自分のせいだと思い込み、彼女の留年を阻止したいと尽力する)
    …井上実莉(いのうえ・みのり)さん(Ammoや美貴ヲの劇などでお馴染みの女優さん)
    ミユキ(「南部」地区の住民/海外派遣に反対していた自衛官の兄が海外で「戦死」したことにショックを受け、大学から足が遠のいていた)
    …立原朋実さん
    アズマヤ(「勧進帳」=市民オンブズマン/「役柄」と同じく熱烈な護憲派)
    …林純平さん
    スマ(「農連」代表/ワカナの友人。自分に内緒で、アオイをスタバや焼き肉→バーに誘ったアカシやカシワギに憤慨w)
    …岡村梨加さん(『セイレムの焔』、『涼風至る~蝉時雨編』などでお馴染みの女優さん)
    セキヤ(「門前」=「安宅の関」を観光資源とする観光協会の代表)
    …三宅勝さん
    アカシ(「漁連」代表/タケカワゼミの模擬会議に慣れていないアオイをスタバに誘っていたw)
    …山咲和也さん
    マツカゼ(安宅市随一の企業の「労組」員/やっと当選した嵐のコンサートに間に合うかどうかで気が気じゃない!)
    …くらしなみさとさん
    カシワギ(「シャッター通り」な「商店」街の代表/タケカワゼミの模擬会議に慣れていないアオイを焼肉等に誘っていたw)
    …新開知真さん
    サカキ(「総(合)電(力)」=市内に原発施設を有する電力会社の幹部社員/タケカワゼミの助手。禁煙中)
    …皆上匠さん
    ウメガエ(「(市)議会(与党の議員)」/官庁への就職も決まり、ゼミでの更なる好成績をを狙う。ワカナたちとは仲が悪い)
    …難波なうさん(『見よ、飛行機の高く飛べるを』『滅びの国』で拝見した女優さん)
    アオイ(「役場」=市役所職員/担当教授が病欠のため、他のゼミから移ってきた。何気にモテる?!)
    …双葉さん(2016年版のマツカゼ役や『涼風至る~蝉時雨編』で拝見した女優さん)
    タケカワ(安宅「市長」/ゼミの教授)
    …土田卓さん

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    2020/03/15 22:18

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