公演情報
「桜の森の満開のあとで(2020)」の観てきた!クチコミ一覧
満足度★★★★
feblabo版は再演、再々演と見てるのでこれで3回目の桜の森
見るたびに腑に落ちるものが増えていく
これまでの版よりマツカゼのくだりなど増えて全体的に笑いが多めの印象でそれぞれのキャラにハマる役者を上手く当てている
とても完成度の高い激論劇
歳を重ねると生活保守主義となっていく
動けなくなった自身の存在は安定と他者への負担をもたらす
そこにはこの劇のように答えは無い
演劇というものだって現実を生きる僕たちの地続きとなる瞬間がある
議論の声が自らの声と重なる瞬間
客席と舞台に仕切りが無いことの意味を知る
満足度★★★★★
鑑賞日2020/03/14 (土) 14:00
座席1階2列
価格3,300円
この作品は4度上演しているが、実は1番最初はたまたまでした。
その直前にたすいち「キズツクキカイ」を見ていまして、その脚本・演出の目崎剛さんが役者として出演すると聞き(友人の誘いもあり)行きました。
そのときからこの作品のファンです。これまでは南さんが本を提供し、池田さんが演出(出演も)されていましたが、今回はAmmoの公演ということで南さん自ら演出。
脚本はかなり加筆されていて、「お兄さん」との関係性が削れていました。
南さんがこの作品を未完ぐらいに思っていたようですので、そのこだわりもあったのかも。
出演者は顔を見ると「あ、どこかで観たぞ」という方ばかり。
それにしても他興行の「いざ、生徒総会」にも出演されていた岡村さんはどうしてもああいった役になってしまうのだろうか(笑)。
満足度★★★★
初演のfeblaboプロデュース公演を思い出しながら、作者本人による演出を興味深く観た。ある大学のゼミで卒業もかかったモック(語尾を上げる発音)、即ち模擬会議を展開する模様が描かれる。
この会議は安宅市という北陸地方の架空の町の議会機能として採用されている「連合会議」を再現する形で行なわれる。出席者はその帰属先の代弁者という事で「商店」「議会」「漁民」などのカテゴリー名で呼ばれるが、初演ではこの呼び名と人物とが中々結びつかず、かなりアップテンポでラストは煙に撒かれた感も無くはなかった。今回は打って変わり、「こんなに少なかったっけ」とキャスト表を見直した程。
さてゼミの年度最終試験として行なわれるモック(模擬会議)のテーマに選ばれたのが、「高齢者から選挙権を剥奪する」条例案。「安宅市」はゼミでモックを行なう際の定番らしく、議会、商店、漁民、農民、観光、住民(南)、住民(北)、オンブズマン(勧進帳)、企業に加え、新たに「役場」を宛がわれたメンバー。新参はともかく、勉学とは言えこれと付き合って来たメンバーは、架空ながら既に愛着のある町である様子。
試験には卒業がかかっているとされるが、本当は皆卒業できるらしいよ、との発言もあったり、「真剣勝負」で議論を行なう事自体に主眼が置かれている、という事で観客は議論の中身に集中する。ちなみに参加者が取り得る立場は賛成、反対、保留の三つ、賛成か反対かを掲げて主張し、通れば成績Aがゲット出来るが、負けたらD、即ち不合格というリスクがある。無難にやり過ごすなら「保留」で合格だが判定はC。敢えてリスクを取って賛成・反対を選ぶ動機は、ある学生の場合志望が国家公務員なので成績Aは欠かせない、といった按配である。以上のルールが、人物紹介を兼ねて前段でさらりとやられる。ゲームの解説が終れば本題である。
ただし現実のドラマも勿論ある。長らく欠席している女子を、彼女をゼミから遠ざけた本人だと悩んでいる主人公女子がどうにか修了試験(モック)に誘う出そうと奮闘する前段がある。ゼミ生全員の合意という教官が出した条件をどうにかクリア(ここでの交渉術が面白い)した上で、本人に会うも、大学を無意味に感じている相手の同意は得られない。が、食い下がった彼女の思いが通じてか、当日少し遅れて問題児は登場するのだが・・。この現実ドラマはモックでの「賛成・反対」の立場表明とうっすら絡む。
で、今一つのルールは、会議中は「役」としての発言しか許されず、演じる「本人」から発せられる発言は「メタ発言」として退けられる。しかし実際には感情が高ぶってメタ発言乱発という事もあり、却ってそれが新展開をもたらしたりする。
初演は「あくまで架空の議論」と、斜に構える系に寄った演技が多かった記憶があるが、今回はそれぞれの人物が相応に「議論」に入り込んでいた(つまりはモックとしては上出来)。それはそれで、矛盾を抱える箇所も無くはないが、議論の深まり自体こそ恐らく本作の狙いだろうから、演劇的な高揚に繋がった成果の方を肯定的に見たい。
ただ模擬会議という「劇中劇」を終え、現実世界に戻っての大団円は微妙なニュアンスを残す。深刻に対立していたと見えた二人の女子学生が談笑している。対立自体が「振り」なのかと疑ったがそれは無かったよう。誤解をしっかり解く説明が十全であったとは思えず、そこまで複雑にしなくても・・と私などは思ってしまった。
議論はあくまで議論、現実は現実と判ってるが、でも無駄では無かったネ・・と芝居としてはまとめたい所だが、大学入学・成績という人の進路を決定付けるシステムへのシニカルな視点が強く混じると、議論そのものの価値が揺らぐ。複雑な気分になる。
満足度★★★★
鑑賞日2020/03/13 (金) 19:30
価格3,300円
過去3回feblaboプロデュースで上演された作品の脚本家自身の演出による「セルフカバー」。
アフタートークでの南さんの弁によれば「彼らの日常を描きたくて」加筆された部分がfeblabo版と較べてコミカルな味わいを出したように思う。
そして南さんが意識した/しないにかかわらず「十二人の怒れる男」を想起させる部分が散見され、あの作品を知っている者の特権か、とも改めて。(笑)
観ているうちに劇中の議論にすっかり引き込まれて「入れ子構造にしなくても十分面白いのでは?」と思ってしまうが、終盤からラストまで入れ子構造による面白さがこれでもかと言わんばかりに押し寄せてくる構造が巧み。(何度観てもそう思う)
また、舞台が「安宅市」なのにもちゃんと意味があり、劇中会議のある人物の名前と相俟っていくつかの部分の伏線になっているのも「ワカるヤツだけワカればイイ」的で楽しい。
しかし「十二人の怒れる男」に出てくる、議論が膠着した時の「あの提案」は劣勢な側がするからフェアなのであって、優勢な側がそれを言い出すのは圧力なのではないか?(本作を含めて3本くらいの会議劇でやってしまっているけれども)
満足度★★★★
自分が不真面目な学生だったからだろうか、学生同士の関係や野心、評価要領等、必死になる様な設定ではあったけれど、そこまで必死になるかなぁってのがちょっとあったかも。
ただ議題となった条例はとてもインパクトがあって、例えば近未来の日本の政府や国会を舞台にしても面白いかもなどと思いました。
キャストさん手書きのメッセージをいただいたり、たった3分開演がおくれただけなのにちゃんとアナウンス…素敵です。
満足度★★★★
鑑賞日2020/03/15 (日)
15日18時開演回(2時間)を拝見。
本作の2016年版を初め、近代・中世の海外モノから保育園を題材にした身近なモノまで、南慎介さんの作品は数多く観てきたつもりだが、「良質な会議劇」という括り以上の今日性を帯びた内容故に、本作『桜の森の満開のあとで』こそ、個人的にはイチ推しの作品だなぁと改めて実感させられた2時間だった。
満足度★★★★★
金曜日の19時30分の回を観劇。
時期的に観客は少ないのかなと思ったが、
追加のパイプ椅子出るほど満席でした。
シアターミラクルならではの客席配置、
座る場所により様々な視点で見れる人間関係、
アフタートークでも言っていましたが何回も見れる作品です。
私が座った席は主人公の後ろ姿ばかりでしたが…,
その分、他の演者さんの小芝居やぼやきなどが聞けて楽しかった。
ナイゲンのような討論ものの演劇が好きな方はお勧めです。
個人的には途中までナイゲンに似ているなと思っていましたが、
ナイゲンとは違い、劇中劇のような与えられた役になりきって
討論するのはなかなか見ごたえがありました。
高齢化社会に関する重いテーマでしたが、
これからこういう話題が増えてくるのかなと思える内容で
どういう締め方をするのか大変興味深かったです。
双葉さんのキャラクターがいるおかげで
モックカンファレンスのシステムがわかりやすかった。
全員がモックカンファレンス慣れしているよりは、初心者キャラがいることで
初めて見るシステムも問題なく頭に入ってきた。