最新の観てきた!クチコミ一覧

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LOCKDOWN

LOCKDOWN

LIVEDOG

新宿村LIVE(東京都)

2020/08/22 (土) ~ 2020/08/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

コロナの状況中必死に生きる彼女達の姿や、大切なものとか友情、愛だったり色々なものが短い上映の中にギュッと詰まっていて何度も自分の心が揺れました。
学生と言う表のカードの中に、今世の中の人たちがコロナと言う不安に抱えていたりするものを最大限に表現されていて、パフォーマンスも凄かったし、もう一度見たいです。

死ヌ事典

死ヌ事典

壱人前企画

ザ・ポケット(東京都)

2020/11/10 (火) ~ 2020/11/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

とても面白かったです!

絶対、押すなよ!

絶対、押すなよ!

東京AZARASHI団

サンモールスタジオ(東京都)

2020/12/22 (火) ~ 2020/12/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

久しぶりに笑って笑って、思わぬ展開に急にシリアスになってグッときて
ああ、こんな歳になったんだからこんな同級生と再会したいなと思い
芝居上手な役者さん達に素敵なメリークリスマスをもらいました

絶対、押すなよ!

絶対、押すなよ!

東京AZARASHI団

サンモールスタジオ(東京都)

2020/12/22 (火) ~ 2020/12/27 (日)公演終了

満足度★★★★

2020年のラストに観劇出来て良かった。不条理デス・ゲーム系の話なのだが、集められたのが若き少年少女ではなく、随分とくたびれたおっさん四人というところが見事。ほぼどうでもいい与太話の応酬が延々と続く。癖の強い四人のおっさんがひたすら与太り合っている中、紅一点の美女(神崎菜緒さん初舞台!)がぐっと笑いを堪らえてクールに澄まし顔。その何とも言えない空気感が最高。客席は皆マスク姿ながら爆笑が鳴り止まない、揺れる聖地サンモールスタジオ。これぞ東京AZARASHI団。
渡辺シヴヲ氏の役者としての深みを堪能。
四十年振りの小学校の同級生との再会が、自己存在を震わすエネルギーと化す。
90分、怒涛の笑いのジェットコースター。

ネタバレBOX

個人的にも今年一年は地獄巡りのようであったが、何とかかんとか生き延びようとそんな気持ちになったラスト。「どうにもならない事なんてどうにでもなっていい事」、ブルーハーツの『少年の詩』のような気分。
タニノクロウ秘密クラブ「MARZO VR」

タニノクロウ秘密クラブ「MARZO VR」

庭劇団ペニノ

北千住BUoY(東京都)

2020/12/22 (火) ~ 2020/12/28 (月)公演終了

満足度

演劇としてはドラマがなさすぎるし、エロで見るとしても物足りなさすぎる。拘束具の縛り具合も甘すぎる。タニノ氏はSMを全く理解できてないし、俳優たちの芝居もそこそこ酷かった。庭劇団ペニノは好きな劇団だがVRシリーズは二度と見ないと誓った。

余白の色彩

余白の色彩

こわっぱちゃん家

シアター711(東京都)

2020/12/24 (木) ~ 2020/12/29 (火)公演終了

満足度★★★★★

それぞれの恋愛模様と人間関係、一人一人の性格やタイプが違うのと、随所に笑いも含まれていて155分間観ていて飽きを感じなかった‼️
是非是非観劇オススメ‼️

ネタバレBOX

個人的に好きなキャラは、アンバサとダンボ。。。アンバサの10年越しの秘密を知ってからのダンボのアンバサへの対応が客じゃなくて、飲み屋の悩み相談みたいで最高に笑った😂
好きなシーンは2つあって、佐久間と泰葉の最後と、菊花とベルの最後のシーン‼️
佐久間さんのたった一度の泰葉呼びが聞いていて本当に優しくて愛しい。。。
菊花がベルからの返事を真剣に真剣に考えて、ベルの事まで考えて返事しているのが、菊花という人の温かさが滲み出ていた。。。
やばい、もう一回観に行きたい
扁桃と虚天球―なけなしの革命児の帰依に寄す―

扁桃と虚天球―なけなしの革命児の帰依に寄す―

劇団夜鐘と錦鯉

ひつじ座(東京都)

2020/12/24 (木) ~ 2020/12/27 (日)公演終了

満足度★★

鑑賞日2020/12/25 (金) 14:00

「扁桃」はどこに、「プラネタリウム」はどこに。
革命はいずこに。

ネタバレBOX

 開演。目の見えない父親がマスターをするバーで、その娘が天体望遠鏡を覗いている。その先に見える星が、亡くなった母なのだという。父はその望遠鏡で自分を見ろと言い、星が見えるか?と。そして自分も覗いてみると言うのだが、望遠鏡にラムネを入れると自分でも見れると。

 さてここから時間軸は戻っているのか?
父は目が見えているし、母は健在。兄も一緒に住んで、ホテル兼営のバーを手伝っている。ラムネに入ったビー玉は、店の名前「天球」の象徴として、ここに集まってきた1人の男と1人の女は、ビー玉が「子」、ラムネの瓶が「母」であると、空の瓶を手に失ったビー玉を探す。

 さて「古びたアパートとアパートの隙間を覗き込むと、どうも建物と奥行の合わない路地が伸びている。すーっとそこへ吸い込まれるように侵入していくと、そこにラヴホテル兼スナック『天球』は現れる。」この説明文は、誰の視点?

 どうやら親探しの物語らしいのだが、私にはどうも理解が追い付かなかった。父はなぜ失明した?母はなぜ死んだ。あの飼い猫の惨殺から、その顛末は想像できるのか?

 そうか、あの人形師が革命家なのか!
石橋けいのあたしに触らないで!

石橋けいのあたしに触らないで!

城山羊の会

小劇場B1(東京都)

2020/12/17 (木) ~ 2020/12/27 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2020/12/24 (木) 15:00

石橋けいさん目当てで観劇。って、何で舞台のはがきが来たのだろうと思ったら、以前三鷹で城山羊の会「相談者たち」を観劇したからだった。その時「声がかなり小さいので」とおことわり書きがあったのだけれど、今回はなく(三鷹芸術とB1器の違いからか)、それでも、双方に出ている吹越満さんの声が小さい小さい。
 
 タイトルの「あたしに触らないで」はつまり、「触って、触って」ということで、内容のエグサは、「相談者たち」をかなり上回っていた。まあ、男女の欲望の隠蔽と開示を、他社の目で暴いて見せると、こんな具合?的に描いているのだけれど、それをまじに視覚化してしまうところが奇矯というかあられもないというか。

ネタバレBOX

特に2幕目の石橋けいの絡みは、表面的には来客らにダイエットトレーニングを見せながら、その実、周囲で観ている来客らの脳内ではどう転換されているかを、リテイクでもう一回見せるという設定。この試みは心象風景転換というべき、かなり大胆な演出である。映像であればカットバックでやったりするそれを堂々と舞台上でやってしまうのだから。これはふつう絶対やらない。表現こそ違え、同じ時間軸の芝居を繰り返すことに変わりないので、冗長になるから。
これを成立させたのは、山内ケンジ氏の慧眼。成立したのは、このシーンがエロいから。先ほどまで、トレーニングをしていた男女が、今度は同じシチュ―ションで性行為を見せる。それも、石橋けいは大きく胸をはだけた黒いブラジャー姿で。これは、観ざるおえまい。集中力は、先ほどの同じシーンの倍である。

さてラスト、予定調和的に、石橋・吹越の夫婦は、離婚を切り出すまでになるのだけれど、
そこには哀切の情は微塵もない。皆の気持ちも一緒でしょ、という感じで、それをメタな視線で見つめている友人役の島田桃依をレンズ代わりに、しれっと“だって仕方がないじゃない、寂しいんだから”というような心情を観客に吐露して、物語は終わるのだ。
 快哉!!!
舞台「ROAD59 -新時代任侠特区-」

舞台「ROAD59 -新時代任侠特区-」

ブシロード

なかのZERO(東京都)

2020/12/24 (木) ~ 2020/12/27 (日)公演終了

満足度★★★

「東京湾に浮かぶ近未来都市で任侠者たちが信念と生き様を賭けてシノギを削っていた」なんて時代錯誤の気がします。素敵な役者さんたちなので、もっとワクワクドキドキ(例え暗い設定でも)できる物語が見たいです。

バロック

バロック

鵺的(ぬえてき)

ザ・スズナリ(東京都)

2020/03/07 (土) ~ 2020/03/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

鵺的の描くドロドロした家族の話が大好きです。
ラストが怖い。女は怖い。

客たち

客たち

流山児★事務所

新宿スターフィールド(東京都)

2020/12/16 (水) ~ 2020/12/23 (水)公演終了

満足度★★★★★

とても良かった。
外に希望を求めながら、重く閉塞的な場所から出て行くことができない少年。
ラストがたまらない。
寺十さんの圧倒的な表現力に心が震えました。

間

中野坂上デーモンズ

OFF OFFシアター(東京都)

2020/12/24 (木) ~ 2020/12/29 (火)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2020/12/25 (金) 14:00

75分。休憩なし。

“真”悲劇の生物兵器2367号

“真”悲劇の生物兵器2367号

空想実現集団TOY'sBOX

北池袋 新生館シアター(東京都)

2020/12/23 (水) ~ 2020/12/27 (日)公演終了

満足度★★

鑑賞日2020/12/23 (水) 19:00

哀チーム。110分。休憩なし。

砦

トム・プロジェクト

すみだパークシアター倉(東京都)

2020/12/24 (木) ~ 2020/12/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

初演 再演に続きこれで3度目。ダム反対派リーダーの室原知幸演じる村井さんの、だんだんと孤立しながらも信念を貫き通す姿は何度みても熱い物が込み上げてくる。知幸の妻のヨシを演じる藤田さんは、献身的でいてとても可愛らしい。原口さん 浅井さん 滝沢さんは複数の役をこなしてゆく姿から作品に対する思いが伝わってきた。
この5人の「砦」何度みても良い。

講談 マクベス夫人

講談 マクベス夫人

てんらんかい

アトリエ春風舎(東京都)

2020/12/19 (土) ~ 2020/12/20 (日)公演終了

満足度★★★★

コンパクトにまとまっていて良かったと思います。

ネタバレBOX

旭堂南明、旭堂南春の順に挨拶程度のさわりをやった後、新作講談を日本語、英語の順でやりました。

コロナ禍で、飲食店の人に何名様ですかと聞かれるのを、芸能人の南明様ですかと確認されているようで、人に知られるようになった気分みたいで嬉し恥ずかしというエピソードが面白かったです。大阪講談界のせいか、神田伯山人気については全く触れませんでした。

マクベス夫人は、実際のモデルはいたようですが、シェイクスピアの作品中に名前は出てこないとのことでした。
『ENGISYA短編戯曲集』VOL.2

『ENGISYA短編戯曲集』VOL.2

ENGISYA THEATER COMPANY

アトリエファンファーレ東新宿(東京都)

2020/12/16 (水) ~ 2020/12/20 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2020/12/18 (金) 11:30

〜色編〜
『月光の娘』
 この公演の中心男優は、久留飛雄己と松田周だと思うのだけれど、この2人のコラボがとてもよくなじんだ作品。2人とも、たまに突出するエキセントリックな演技が魅力なのだけれど、相互の出番の使い分けもあって相殺することなく、魅せ切った秀作。その中心でダンサーたる中村なつ美が、過剰にならずにダンサーとして生きる姿が美しい。
 となると、『花の子供』の違和感が、何とももったいない気がする。

『宇宙の友達』  
 つらい人生を女として終えてしまった2人の友情の物語。円盤(?)は魂の憑代か。
再生の物語?なのかな。で、だから何?

『蛍』
 観終わって、あれ親子じゃなかったの?と解説を読んで思った。幻想譚なのだけれど、入れないなあ。

〜即編〜
4回公演購入しましたけれど、お休みさせていただきました。
 初めての劇団で、いきなり4日連続は無謀だったかな。最後まで食指が動き続けなかった。

『ENGISYA短編戯曲集』VOL.2

『ENGISYA短編戯曲集』VOL.2

ENGISYA THEATER COMPANY

アトリエファンファーレ東新宿(東京都)

2020/12/16 (水) ~ 2020/12/20 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2020/12/18 (金) 15:30

〜空編〜
『いっそ、生きたい』
 1995年初演。初戯曲作品。とのこと。よくできている、話に無駄がない。
おそらくは飲料工場で働く2人の出会い。足に障害を抱える男セイジが漂わせる孤独感は半端ないのだけれど、そこに餌を求めて集まる野良猫たち、そして心を求めて引き寄せられるケイコ。2人の悲劇的な生涯はありがちな設定だが(そして、ちと呆気なさすぎだが)、それを、大地葵 久留飛雄己2人の演技で終始話を引っ張りきって魅せ切る。
ケイコの死後、猫とセイジの道行は、軽快なダンス風だけれど、そこにある喜びや苦難をしっかり感じさせ、軽い落涙。
ただ、惜しむらくは大地葵、猫の演技は抜群に良いけれど、ストリッパーには見えないこと。まるで下手なバレーダンサー。だから、冒頭の部分で何か違和感が残り(ここどこ?)、物語に入りそびれる。

『花の子供』  
 志や良し!という作品。ただ、もっともっと、演出も脚本も演技も練る必要はないか。解説を読まないと、何をしているかが全く見えてこない。その意味では、まさに分裂症劇。男女で強姦したり、国作ったり、性差を示すための表現は壮大(?)なのだけれど。
 頻繁に替わる舞台設定は、演者の力量が試されるところだと思うのだけれど、その切り替えがうまくいっていない。

『歌で伝える人』
 世の中には2つの日本人しかいない。ロックを歌えと言われて、RCサクセションを歌う日本人と、ブルーハーツを歌う日本人。忌野は反抗を歌い、甲本は革命を歌う。
そう、カミュかサルトルか、ということ。そう、大村未童はカミュな人なのだ、と思いながら観ました。

『ENGISYA短編戯曲集』VOL.2

『ENGISYA短編戯曲集』VOL.2

ENGISYA THEATER COMPANY

アトリエファンファーレ東新宿(東京都)

2020/12/16 (水) ~ 2020/12/20 (日)公演終了

満足度★★

鑑賞日2020/12/17 (木) 15:30

〜是編〜
『MIROKU』
ミニ・モーパッサン版「女の一生」うーん、だから?

『神風吹く人』
ちょっと唐突感が凄くて、ついて行けなかった。

『文豪の人』
 『かつての文学青年、今は冴えない中年の男はリストラ・離婚と、人生の窮地に立たされ、芥川龍之介に救いを求める。』芥川龍之介という点を除けば、要はダメ男が幻想に助けられるといった定番プロット。ここでは、男のだめっぷりと芥川龍之介の弾けっぷり、その対象がカタルシスになると思う。金子辰一郎 奥田龍平お二方は、巧妙に演じてはいるのだけれど、どうも芥川の弾けっぷりが足りない。なので、男が舞台の上で、徹底して驚き、戸惑い、覚醒するという展開が弱い。これは役者の力量云々ではなく、演出側のふっきれなさではないか。小物や装飾を使わない劇団らしいけれど、芥川龍之介は芥川龍之介然としていなければならない、着物、小物、いかにも偏屈な彼の性格と容貌を一層、それに向かわせる装置が必要だ。それが大前提。もったいない作品。

『エデンの園』
ある意味、典型的なセリフ劇なのだけれど、入っていけない。今回の他の芝居でも見られたのだけれど、人を背負いながらのセリフ、それも背負う側と背負われる側との対話劇、というのは、肉体的にも物理的にも、演劇という生身の空間では無理があるように思われる。
だから、何を喋っているかが聞きづらいし、演者の仕草より大変さに目が行ってしまう。

絶対、押すなよ!

絶対、押すなよ!

東京AZARASHI団

サンモールスタジオ(東京都)

2020/12/22 (火) ~ 2020/12/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

らしさが満載で楽しく笑えました
登場人物の性格設定がハッキリしてて役者さんも
ノリノリ(古いなぁ表現が・・)だった感あり
楽しい1時間半の舞台でありました~♪

ネタバレBOX

自分の観た回ではスイッチが光らなかったのが残念(^-^)

話の辻褄も合っていてホロリとさせて
時事ネタも仕込んでと
上手な話だったけどー
映画グレムリンのヒロインの父親の死に方といい
何か影も差しやすいのがクリスマスなんだねぇ~と

近年珍しくアンケート用紙とペン付きでした

舞台は囲み設定で中央に台があって
その上に銀の箱+赤いボタンという感じ

要は主人公が自暴自棄になってしまったのを
友人らが助けて大団円って話であります
花トナレ

花トナレ

劇団桟敷童子

すみだパークシアター倉(東京都)

2020/12/01 (火) ~ 2020/12/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

別倉庫に移ったすみだパークスタジオ倉にて千秋楽を拝見。新しい劇場は一見ほぼ前と同じだが天井はやや高め、ステージの奥行きも深い。横幅がやや狭く見えたのは錯覚か。案内された最上段からの俯瞰は中々気持ちが良かった。
毎度お馴染みの九州のどこかの山村のお話。それでも毎度新鮮であるのは台詞の巧さ、役者の巧さ。特徴的な人物、独自の世界観。今回は神業師という世襲制でない(修行による)存在がそれで、議決機関に当たる七人衆の話し合いでも最終決定権は神業師にあるのだが、独特なのは神業師になる人材は一度村を出たが落ちぶれて出戻った者や、傷を抱えた者。ちょうど俗世を逃れ仏門に入るのに近い。
この劇団に以前より感じている事だが、「今」の空気感に鋭く呼応する生き物的な敏感さである。今回はコロナが当然意識されているが、劇団独自の和む前説の工夫や、今まではなかった休憩、「唾を飛ばせない(けどマウスシールドはしない)」等との関わりで言えば、物語時空と素の時空の絶妙で柔軟な往復という役者の技、特にベテラン達がその時々の「物語熱」の濃度調整をピッタリ揃えている風であるのに私は驚いたのだった。
物語中でのコロナの象徴は、この村は吉凶が気に左右されると信じ、め外部の者は結界に当たる台座に厄が抜けるまで座らせ、その口には布を掛けられる。布を取ったり台座を下りようものなら口から不吉が漏れ出るので叱られる。この年、村には赤い花が咲き乱れ、不作に見舞われた(花は形からして彼岸花がモデルで劇中唱えられる朗誦に「曼殊咲く」等とある)。他の地域で「おなら花」と称し匂を発する花が今、不吉の兆候と見られ、花を焼き払う儀式を執り行う決定が為されるが、度々受け入れを打診されていた山民の衆が数名現れ、半ば強引に居座られた後、山民がこの花の球根をこねて饅頭を作る技術(飢饉の時に咲いて人を助ける)を伝え、いずれ来る兆しのある鼠の大群(地嵐だったか地なんとか)には鼠が嫌うこの花が役立つ事も伝え、これを信じる村人とそうでない村人との分裂が起きる。
村全体を食糧不足と不吉(空気)が覆い、不穏に染まる中で、それを中和、ないし風穴を開ける存在が、我々にとっても救いに思える存在として輝く。花を厄災と断じて焼き払いを独断で決行しようとする軍人気質の男(七人衆の一人)とその子分(村の不出来な双子の兄弟)は、少数派にも関わらず村の「不穏」を加速させる(ちょうど自粛警察のように)のに対し、板垣演じる女房のネアカ気質、また彼女らによってどうにか居留が許された山民らの「不吉」に囚われない空気感、特に跳ねっ返りの少女(大手)がKYと行動力の権化で抜けるような爽快感がある。双子の内の一人とこの少女がその相性からカップルとなる恋話もありつつ、村はいよいよ迫った鼠の大群に挑む事となる。
村を出る事になるカップルの瑞々しさや、一致団結し知恵を出し合い、最終的には自己犠牲(恩返し)によって襲撃に対抗した姿は、現実とは真反対の物語である。新型コロナ「対策」においてさえ利権の種にし民をないがしろにする某国の政治、不穏を蒔くだけで知恵の源(情報)を抑制するマスコミ。感動の源は荒廃した現実にある事を思う。

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