『ENGISYA短編戯曲集』VOL.2 公演情報 ENGISYA THEATER COMPANY「『ENGISYA短編戯曲集』VOL.2」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    鑑賞日2020/12/18 (金) 15:30

    〜空編〜
    『いっそ、生きたい』
     1995年初演。初戯曲作品。とのこと。よくできている、話に無駄がない。
    おそらくは飲料工場で働く2人の出会い。足に障害を抱える男セイジが漂わせる孤独感は半端ないのだけれど、そこに餌を求めて集まる野良猫たち、そして心を求めて引き寄せられるケイコ。2人の悲劇的な生涯はありがちな設定だが(そして、ちと呆気なさすぎだが)、それを、大地葵 久留飛雄己2人の演技で終始話を引っ張りきって魅せ切る。
    ケイコの死後、猫とセイジの道行は、軽快なダンス風だけれど、そこにある喜びや苦難をしっかり感じさせ、軽い落涙。
    ただ、惜しむらくは大地葵、猫の演技は抜群に良いけれど、ストリッパーには見えないこと。まるで下手なバレーダンサー。だから、冒頭の部分で何か違和感が残り(ここどこ?)、物語に入りそびれる。

    『花の子供』  
     志や良し!という作品。ただ、もっともっと、演出も脚本も演技も練る必要はないか。解説を読まないと、何をしているかが全く見えてこない。その意味では、まさに分裂症劇。男女で強姦したり、国作ったり、性差を示すための表現は壮大(?)なのだけれど。
     頻繁に替わる舞台設定は、演者の力量が試されるところだと思うのだけれど、その切り替えがうまくいっていない。

    『歌で伝える人』
     世の中には2つの日本人しかいない。ロックを歌えと言われて、RCサクセションを歌う日本人と、ブルーハーツを歌う日本人。忌野は反抗を歌い、甲本は革命を歌う。
    そう、カミュかサルトルか、ということ。そう、大村未童はカミュな人なのだ、と思いながら観ました。

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    2020/12/25 09:32

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