
目頭を押さえた
パルコ・プロデュース
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2021/06/04 (金) ~ 2021/07/04 (日)公演終了

「TABOO」
TEAM空想笑年
インディペンデントシアターOji(東京都)
2021/06/23 (水) ~ 2021/06/27 (日)公演終了
![あるこくはく [extra track]](https://stage-image.corich.jp/img_stage/m/000/nophoto_stage.png)
あるこくはく [extra track]
ほろびて/horobite
SCOOL(東京都)
2021/06/19 (土) ~ 2021/06/21 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
#あるこくはく
#ほろびて
出会ってから何作品目になるだろう。万華鏡のようにクルクルと表情を転がしてみせる #鈴政ゲン さんのその振り幅は、観る度に大きく広がっているような気がする。目は口ほどにものを言いう…を実践する女優が、確かにそこに存在した。彼女のモノローグの可笑しさに思わず吹き出してしまった。
設定は、あまりにもバカバカしいのだけれど、その裏側には世界に蔓延るさまざまな差別が浮き上がる。それを結びつけるのはもちろん無理矢理で強引なのだけれど、俳優の確かな演技力がそれを成立させた。中でも、トイレから戻った父親 #吉増裕士 さんの怒りと憤りが圧巻。そこには当然、娘への愛情が溢れているのだが、同時に世間の常識の代弁者となり、差別的な視線を反映させる。日本人の自意識の奥底に潜むアジアでの優位思想が滲む。戦争や災害などの非常事態に浮き彫りとなるその感情は、醜くも自分の中にあることを自覚し嫌悪する。人間は脆いという言葉が、抜けない棘のように、ゆっくりと心臓へ向かって攻撃を続ける。
たった1時間とは思えない密度の公演。ラストのリレーするモノローグの意味について、繰り返し反芻しながら考えている。
いま、キャリアのある俳優さんの中で観たい人と問われれば、この三人を選ぶ。#木場勝巳 さん、#相島一之 さん、#吉増裕士 さん。今作は、それを一層強く感じさせる濃密な時間だった。

黄色い叫び
TRASHMASTERS
サンモールスタジオ(東京都)
2021/06/23 (水) ~ 2021/06/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
何度も再演されているということで期待して観に行ったが、僕は最近の作品の方が好きなのかもしれない。特に前半、みんなが怒鳴っていたのがキツかった。熱が入る芝居なのはわかるのだけれど・・・。きっとこれは好みなのだろうなぁ。
でも、中津留さんのメッセージ性が強い作品の感じは好き。
だれが正解なわけでも、だれが間違っているわけでもなく、それぞれの立場や環境の中における、それぞれの想いが交差するのが、なんとも切ない。その切なさがラストのシーンに集約していく感じが、とてもよかった。

「TABOO」
TEAM空想笑年
インディペンデントシアターOji(東京都)
2021/06/23 (水) ~ 2021/06/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
主演、アクション指導の有賀太朗氏、開演前の前説を独り延々二十分雑談でこなす見事な話芸。誰かに喋りが似てるなあとずっと思っていたのだが、『見取り図』のツッコミの盛山晋太郎氏だった。舞台が開幕すると文句なしの熱演で圧倒的な力を見せつけ観客を捻じ伏せてみせる。ヤクザに無理矢理スカウトされて演出を強要される無名の俳優役。
もう一人の主人公、ヤクザの若頭役庄田侑右(しょうだゆうすけ)氏が超カッコいい。ガチガチのヤクザながら初めて演劇に触れ、こんなゾクゾクする世界があったのかと全存在が震えてしまう。キャラが生きている。
商業演劇の演出家役、身長170cmのモデルもこなす長身女優、真辺彩加さんも美しかった。
最高なのは怪優夢麻呂氏、三役を演じたのだがそのどれもが作品の中枢を担う重要キャラクター。三役共に観客の心に突き刺さる見事な存在として演じ分けてみせた。こういうプロフェッショナルが一人いるだけで、作品の重みが違ってくる。
座組の役者層の厚さでホンが目指したものを見事に表現することに成功。
シマを巡って二つのヤクザ組織が対立。西城組の組長の娘が演劇祭に出演することを切っ掛けに東郷組も参加を決定。演劇による対決にて雌雄を決する事となった。西城組が金に糸目を付けず人気商業演劇の演出家を引っ張ってくれば、東郷組は『宝の原石は小劇場にあり』との信念で名も無き俳優をスカウト。抗争の行方はそれぞれの『ロミオとジュリエット』が握ることとなった。
かなり才能溢れる脚本で、これを雛形に映画化の企画も持ち上がるかも知れない程。演出はまだ伸び代がありそう。面白いのでお勧め。

黄色い叫び
TRASHMASTERS
サンモールスタジオ(東京都)
2021/06/23 (水) ~ 2021/06/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
何度も再演されている中津留のディスカッション・ドラマで初演以来十年もたつのに、色あせないばかりか、コロナ禍のもとの中央政権のあやふやで頼りない無責任体制を見るにつけ、このドラマが描いた国民の怒りは地方からふつふつと中央に押し寄せているのを感じる。政治を担うものと国民との乖離は長く言われてきたがいま、それは、一層明らかになっていて、オリンピックを機会にそろそろ手が付けられない状態になっている。
この作者はそれが人間なのだ、と、図式的にならないように多くの作品を書いてきているが、ここに至れば、このドラマも、今こそ見るべきドラマ、という事になる。小さな劇場での再演だが、満席の客席の空気は重かった。

おどる小説 プツンパツンプチン
CHAiroiPLIN
ザ・スズナリ(東京都)
2021/06/17 (木) ~ 2021/06/20 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
#プツンパツンペチン
#チャイロイプリン
レンジャーのヒロインにもダフト・パンクにも見えた #清水ゆり さん。彼女の唯一無二な存在価値が、更に高まったことを実感する公演だった。主宰の #スズキ拓朗 さんと彼女がいれば、それがチャイロイプリンで、そこがチャイロイプリンだ。あの娘もあの人もみんな重要なキャストだし、だったけれど、この二人だけはどうやっても替えが利かない。今作は彼女のスタイルの良さも際立ち、オリエンタルなセレブ感や極楽の境地が、人間の煩悩を見事に具現化した。果てしない欲求を更新し続ける人間というイキモノは、同時に飽きっぽい。次から次へと目移りし、いとも簡単にポイッと捨てる。客席の誰もがプチーンとしたくなったはず。ナカミカラッポニシテネが、なんともエロティックで、妄想が果てしなく広がった。もちろんキャッチーな歌も存分に楽しめる。彼女のロングブレスには、歌い手としての才能の確かさを改めて感じた。
ダンス・音楽・照明の素晴らしさは言うまでもないが、今回は衣装も粋だった。水に濡れると浮き上がるラインがスタイリッシュでクール。水も滴るイイ女とイイ男の群舞が、まるでマイケル・ジャクソン『スリラー』のゾンビのような激しさで迫ってくる。スズナリのあの距離でのそれは圧巻。そこにダフト・パンクのクールさを織り交ぜてくるのだから堪らない。スズキ氏のラストのソロダンスには、芥川の孤独と悲哀が漂った。また一つ彼らが名作を手に入れた。ここ数作の完成度の高さたるや…ため息が出る。もう、次の公演が待ち遠しくてウズウズしている。その時にはきっと、それがワクワクへと変化しているに違いない。

インク
劇団俳優座
俳優座スタジオ(東京都)
2021/06/11 (金) ~ 2021/06/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2021/06/24 (木) 14:00
座席1階
何よりも演出がすばらしい。狭い俳優座けいこ場をうまく使っている。四角の角を挟んで客席を2ブロック配置し、残りの二等辺三角形のようなスペースを縦横無尽に使う。さらに、すだれのような幕を使ってその前後を分けたり、文字などを映写したり。ルパート・マードックのテレビインタビューの場面で、マードック役の俳優はそのカーテンの後ろにいて演技しているのだが、そのテレビ画面でしゃべるマードックを同時に幕に映しているという高等テクニック。近年の小劇場では出色の演出であり、舞台を盛り上げた。
物語は、英国の新聞業界が舞台。部数が低迷していた日刊紙「ザ・サン」を買収したマードックが指示して編集者たちを一新し、徹底的な大衆紙路線を推進する様子を描いた。
現代から見ると、日本でも日刊ゲンダイや夕刊フジなどのタブロイド判の「面白ければウソでもいい」、いや、言いすぎか、「裏が取れなくてもいい」というセンセーショナリズムと、お色気路線は珍しくない。だが、当時のイギリスは高級紙と言われるインテリ読者が読むような新聞が普通だっただけに、大変な反響を巻き起こし、それが部数の飛躍的増加につながっていく。
知人のある新聞記者が「面白ければウソでもいいんだよ」と言っていたことを思い出す。もちろん、大半の記事はきちんと裏がとられているはずなのだが、この言葉はある意味で、かなりいいところを突いている。一般の読者が求めているネタは何か、ということを新聞社の経営陣が考えた場合、そういう記事を読みたくてもなかなか言い出せないようなゴシップ、男性にしてみればエッチな記事が手っ取り早いということになるのは容易に想像がつく。面白いことが最も重要で、それが真実なのかどうか、さらに言えばそれを書くことで関係者が傷つくかどうかの検討などはおそらくなされない。
舞台では「女性にも性欲があるのよ」、と女性向けの性的記事の掲載の論議が行われる。容易に想像がつくと書いたが、大衆路線の導入は、当時のイギリスのメディア界では想像もできないような、時代を一新する出来事だった。
休憩を挟んで3時間の長丁場だが、演出の妙とテンポよく進むので楽しむことができる。圧巻は第二幕。当初はマードックの方がイケイケで、ヘッドハントした編集長の方が慎重だったのに、やはり編集者の性なのだろう。読者がガンガン増えると自らの編集に自信を持ち、その路線で突っ走る。そのため、サンを次々に悲劇が襲う。
ラストシーンが象徴的だ。開幕直後に出てくる5W1Hの一つ、Wに注目しよう。最終幕でこの文字が再び登場し、観ているものの心を貫く。
インターネットで自分に必要なニュースだけを拾うような時代になり、総覧性・一覧性が最大の特徴である新聞の衰退はどの国でも激しい。この物語は、ある意味で新聞に力があった、古き良き時代の物語であったと言えるかもしれない。

山姥の息子
水中散歩
シアター風姿花伝(東京都)
2021/06/23 (水) ~ 2021/06/27 (日)公演終了

山姥の息子
水中散歩
シアター風姿花伝(東京都)
2021/06/23 (水) ~ 2021/06/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
殆ど異界の生き物たちは消えてしまったようだが、その原因は? 人工の作り出した電磁波? 異界の者たちの発していたものとは?

「TABOO」
TEAM空想笑年
インディペンデントシアターOji(東京都)
2021/06/23 (水) ~ 2021/06/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
約2か月はぶりの実演観劇。ストーリーはこれはねぇだろってものであっても,生の芝居を観ることの喜びは不満をはるかに凌駕する。やっぱり生の芝居,生の演技は良い!

山姥の息子
水中散歩
シアター風姿花伝(東京都)
2021/06/23 (水) ~ 2021/06/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
山姥の息子という怪異な設定、それを人間の日常生活に紛れ込ませ仄々と描いた(妖)怪作。物語は妖・異界、自然界と向き合った問い掛けという、ある意味 啓蒙的な意図があったのかもしれないが、自分には感じ取れなかった。
山姥の息子を通して民間伝承を蒐集するという内容であるが、柳田國男の「遠野物語」「妖怪談義」の世界観の類型ではなく、人間社会 いや家族との関りという身近な世界観に収まる。
(上演時間1時間35分)

Silent Scenes
ゼロコ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2021/06/11 (金) ~ 2021/06/20 (日)公演終了

山姥の息子
水中散歩
シアター風姿花伝(東京都)
2021/06/23 (水) ~ 2021/06/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
自分が期待していた以上の、素晴らしさでした。個人的にこういう雰囲気が大好きです。
琵琶、ギター、タンブリンをその都度使いわける、生演奏。なんとも贅沢だし、風情があり、芝居を最高に引き立てている。
山姥の息子の二人の演技が素晴らしくて、感動!!!
味のある、いい表情。見いってしまいました。
ストーリーが非常におもしろいし、本当に私好み。満足!!!
舞台装飾や照明なども効果的に使われており、
本当に観てよかった芝居でした。

山姥の息子
水中散歩
シアター風姿花伝(東京都)
2021/06/23 (水) ~ 2021/06/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
山は怖いです。何がいるか分かりません。でも山は美しいし、その実りをおすそ分けしてくれます。それは山が身近だった者ほど切実です。
そんなことを思い出させてくれるお話でした。

パークビューライフ【4月25日大阪公演中止】
エイベックス・エンタテインメント
世田谷パブリックシアター(東京都)
2021/04/07 (水) ~ 2021/04/18 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
ついにコロナ過ぎ初観劇。
4人が本当に仲良く、観ていて本当に楽しい。
(女性3人はドラマ「デイジー・ラック」を思い出す。)
楽しみながらジェンダーとは、性別とは何だろう・・・とふと考えてしまう。

山姥の息子
水中散歩
シアター風姿花伝(東京都)
2021/06/23 (水) ~ 2021/06/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
舞台上手で独り生演奏を披露する大平清氏。トルコの弦楽器サズやウード、他にも見たことのない打楽器(カンジーラ?)を駆使して独特な世界を構築。曲調はインド音楽っぽいが、伊福部昭の特撮映画サントラを思わせる雰囲気も有り、あの当時の東宝作品の気分に包まれる。
地元の山にまつわる民俗伝承を百話集める仕事を、父親に仰せ付けられた元詐欺師のニート。うんざりしていたが、偶然出会った自称『山姥の息子』の兄弟に着目。家に居候させて彼等の思い出す山でのエピソードを記録していく。
細田守の『バケモノの子』っぽい世界観、キャラの造型がアニメ的。昔々の山奥で妖怪達が大騒ぎするところの絵心が無邪気。役者が各々仮装して妖怪に扮するのだが、座敷童風味の佐野みかげさんが印象に残る。うちわを自作して応援に来ているファンもおり、微笑ましい。
後半物語のキーを握る丸尾聡氏は独特な声が特徴で何とも言えない存在感。
お婆ちゃん役歌野美奈子さんはユーモラスでもっと出番があっても良かった。

インク
劇団俳優座
俳優座スタジオ(東京都)
2021/06/11 (金) ~ 2021/06/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
大衆に、読むべきものではなく、読みたいものを、という「ザ・サン」のモットーは間違っていないはずなのに、その行きつく先はヌードで売る新聞。日本は新聞はそうなっていないのはなぜか。政権党とべったりのよみうり、産経の一方で、朝日が批判的スタンスをたみっているのは重要。大衆の求めるものが日英で違うのか。
日本で言えば週刊誌の部数競争。ただヘアヌードは終わり、中高年セックスも息切れして、ゴシップとスクープの原点に戻ったのが今ではないか。テレビの芸能化(とくに民放)は、マンネリそのものだが。
紐カーテンをスクリーンや目隠しや透かし見に使った演出、美術がうまい。俳優陣もよかった。マードックの千賀功嗣さんが風雲児らしくかっこよかった

首切り王子と愚かな女
パルコ・プロデュース
PARCO劇場(東京都)
2021/06/15 (火) ~ 2021/07/04 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
劇場新装のこけら落としがコロナ禍にぶつかったのは、不運だった。
ステージに向かって扇型に広がるスロープのある芝居を観るのは最適の700程の客席を持つパルコ劇場の自前の制作作品である。ここで新しい渋谷劇場文化を打ち出そうという意欲が作・演出・キャスティング、美術など、舞台のすみずみまで溢れている。
なかでも、意表を突いたのは物語。
タイトルだけを見ると、時代錯誤かと思うようなタイトルだが、中身はいまをはやりのコミック原作を思わせる奔放なファンタジーだ。しかし、2・5ディメンションとは全然違う。作・演出の蓬莱竜太はもともと小劇場の出身で、小さな世界を得意としていた。それがデビュー以来20年地道に経験を重ねてこの大型のファンタジーの世界で演劇を作った。時代も場所も架空の王国という現実の手掛かりが全くない世界を舞台にするのはかなり難しいが、成功すれば「スターウオーズ」のように大きく化ける。内々、そういう狙いがあるのかと思わせる器量の大きさがあるところが面白い。するとこれはエピソードXなのだろうか。
没落が忍び寄っている女王(若村麻由美)王国の跡継ぎ王子(井上芳雄)をめぐる権勢争いに揺れる王宮に庶民の若い女(伊藤沙莉)が巻き込まれる。愚かな身分の低い女と言われながら、不運な運命を背負った王子とともに王国の明日を開いていく。まぁ、なーんだと言われるような話ではあるが、変に時勢批判や時流に媚びたりしないでまっとうに現代のファンタジーを作ろうとしているところを評価したい。広いステージを生かして多くの構成デッキを組み合わせて舞台を作っていく美術も、歌える主演者を生かした印象的な音楽も、ベテランの中に一人入っている新進の女優伊藤沙莉も、なかなかいい。王子と愚かな女の違いをセリフで見せているところなど蓬莱らしい工夫である。
昼間の公演だがほぼ9割の入り。ファン客ばかりでないところも頼もしいが、こういう演劇がどのように発展していくかは、よくわからない。劇場の力量にかかっている。

3年B組皆川先生~2.5時幻目~
大人計画
本多劇場(東京都)
2021/06/17 (木) ~ 2021/07/04 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
最高に面白かった!久しぶりに演劇で、声を出して笑いました!
本多劇場だけなのが残念です。
良い役者さんの演技って、やっぱり凄いです。
新作が楽しみです。