山姥の息子 公演情報 水中散歩「山姥の息子」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    舞台上手で独り生演奏を披露する大平清氏。トルコの弦楽器サズやウード、他にも見たことのない打楽器(カンジーラ?)を駆使して独特な世界を構築。曲調はインド音楽っぽいが、伊福部昭の特撮映画サントラを思わせる雰囲気も有り、あの当時の東宝作品の気分に包まれる。

    地元の山にまつわる民俗伝承を百話集める仕事を、父親に仰せ付けられた元詐欺師のニート。うんざりしていたが、偶然出会った自称『山姥の息子』の兄弟に着目。家に居候させて彼等の思い出す山でのエピソードを記録していく。

    細田守の『バケモノの子』っぽい世界観、キャラの造型がアニメ的。昔々の山奥で妖怪達が大騒ぎするところの絵心が無邪気。役者が各々仮装して妖怪に扮するのだが、座敷童風味の佐野みかげさんが印象に残る。うちわを自作して応援に来ているファンもおり、微笑ましい。
    後半物語のキーを握る丸尾聡氏は独特な声が特徴で何とも言えない存在感。
    お婆ちゃん役歌野美奈子さんはユーモラスでもっと出番があっても良かった。

    ネタバレBOX

    山姥弟は幼い頃、人間の猟師を殺してしまう。記憶に封印した忌まわしき過去であったが、怨霊と化した猟師が復讐に現われ兄弟を苦しめる。苦悩の果てに怨霊と共に三人で暮らしていくと云う選択をするラスト。怨霊の猟師は人間だった頃の写真を見て、人の心を思い出す。そんなに邪悪な怨霊でもないようだ。不思議なテイスト。

    現代の話なのだが、舞台を昭和に遡ってもっとおどろおどろしい雰囲気を醸し出したほうが良かった。明治大正戦前戦中戦後の山奥の方がムードが出る。最近の話となると途端に安っぽく嘘っぽくなってしまう。山姥の設定ももっと固めて欲しかった。
    話が散漫になりがちなので、猟師をお婆ちゃんの亡き夫にして、息子が詐欺師になったのも祖父の変死のせいとか、関係性をコンパクトに纏めた方がドラマ性が強まるのでは。

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    2021/06/23 23:08

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  • 成子です。
    あんな一瞬の妖怪シーンをちゃんと観て頂けて嬉しいです。
    実は大変楽しんでおります。

    ご来場有り難うございました。

    2021/06/25 02:06

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