
罧原の乱
劇団そとばこまち
劇団そとばこまちアトリエ 十三 BlackBoxx(大阪府)
2021/07/09 (金) ~ 2021/07/12 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
アドリブ3連発、湯切り・カンガルー・3匹の猫の回を観劇。
いつもとテイスト異なる、時代劇テーマパークの舞台裏、アドリブコント、エンターテイメント?!
どうぶちかまそうか?と皆さん戦々恐々。
そして今回、金世玲さんが韓国キャラ変ブレイクをされていた。
とても愉しかった。

ファンタジーのつくりかた
RABBIT HEART PROJECT
AI・HALL(兵庫県)
2021/07/09 (金) ~ 2021/07/11 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
波瀾万丈の人生を楽しむおばあさんと、祖母に捧ぐファンタジー。
自由闊達な女性が世界を冒険。
おもちゃ箱の様なエピソードが愉し。
私の祖母と重なり、後半、涙でウルウル(;_;)、良かった!
ごきげんよう。

病室
劇団普通
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2021/07/30 (金) ~ 2021/08/08 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
個人的に「来た!」芝居に時々☆5を付けているが、今回は5に近い4。(欠けは聞こえない台詞。聞こえなくても成立する芝居もあるが「ここは聞こえたかった」場面が二箇所ばかり。)
数年前の初「普通」観劇から随分間が空いたが、このクオリティまでの成長は自分的に驚きではある。以前観たのは少人数、短めの芝居で「静かな演劇」の変異株、模索する若手走り出しのユニットという印象であったが、今回先行して配信のあった短編が茨城弁のそれでツボにはまった。「病室」も、ほぼ全員が茨城弁で通している。
言語にはその特徴が表れる瞬間に言語共同体の文化、感覚が発露するという事がある。方言も一言語なれば、厳密な意味で翻訳不能の領域がある。この芝居にも、恐らく作者が茨城弁でしか思い描けなかったシーンが織り込まれている。異文化との遭遇は80年代を最後に激安本並みまで値が下落している模様だが(とって付けたようなダイバーシティだのヘソが茶)、言わばエスニックに触れる美味しさで、今まで見なかった(けど分かる)感覚、心情、場面が、眼前で展開するのが楽しい。
死と無縁でない、「病気」が話題になる場所が、辛気臭さを受け入れた(デフォルト化)時に訪れる風景の見え方だろうか、とも想像する。とにかく笑った場面を反芻してまたにんまりである。

病室
劇団普通
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2021/07/30 (金) ~ 2021/08/08 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2021/08/04 (水) 14:00
座席1階
価格2,500円
病室という閉鎖空間で繰り広げられる人生模様。病室は日常生活から見ると異空間のはずだが、この異空間をホームグラウンドにして、それぞれの患者がこれまで暮らした家、畑、そして家族に思いをはせながら繰り広げる会話劇を、客席はひたすら追う。
劇団主催の石黒麻衣の出身地の方言、全編が茨城弁でつづられている。茨城弁というのは女性が話すと何となく平板な感じがするが、男がしゃべるとかなり攻撃的な印象だ。四人部屋の主のような患者は脳卒中だけでなくがんもみつかったらしい。「俺は車いすで歩けない」などと同室の患者や見舞いの家族に無遠慮に話しかけるが、これが何か攻撃されているような感じだ。しかし、話を合わせる見舞客らはすんなりと流していて、茨城ではこのような会話スタイルが日常的なのか、と想像してしまう。
物語に抑揚はなく、それぞれの家族の内幕が4人部屋の中で語られる。ある患者は訪ねてきた娘に泣かれるのだが、この娘は離婚して実家に戻ろうとしていてそれを病床の父に打ち明ける場面だった。結構深刻な内幕だが、隣のベッドの患者に話はみんな聞かれていて、娘が帰った直後に「誰が悪いんだ」と部屋の主の患者からいきなり話しかけられる。結構シュールな場面が次々に登場し、新手の不条理劇かと思ってしまう。
介護施設はこのような四人部屋はなくなる方向だが、病院では個室は差額ベッド料がかかる特別な療養環境だから、こうした四人部屋はまだまだ続くだろう。劇団普通は会話劇を身上としていて、この本領を発揮する舞台設定では病室というのはある意味、ぴったりの世界だ。ただ、もう少し演出上の工夫があるとよかったと思う。だが、総じて、猛暑日の中もうろうとして劇場まで歩いた頭がシャキーンとする、面白い舞台だった。

病室
劇団普通
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2021/07/30 (金) ~ 2021/08/08 (日)公演終了

奇跡を待つ人々
東京夜光
こまばアゴラ劇場(東京都)
2021/07/24 (土) ~ 2021/08/04 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
昨夏、コロナ渦中の演劇界でポジションを得ようと足掻く青年を主人公に大所帯で描いた「BLACK OUT」が秀作であった東京夜光。アゴラで何をどうやるのか想像がつかなかったが、今作はのっけから「人類初のタイムトラベル」の訪問先の場面から始まるSF譚で全く趣向が違った。いわゆるタイムリープ物、ではないが、架空の未来世界(バーチャル世界でもある)の<ルール>を読み解く作業が(ミステリー同様)観劇の大きな要素となり、4名の俳優の内約1名が都合上複数の役に使い回され笑も取っていたが、作者は人類の未来に待ち受ける進化(あるいは退化)という視点を一本貫く事で諸々をねじ伏せつつ最後まで書ききった、という印象だ。劇団化第一作目として実験的な公演になり得たと思うが、「次」へと渡すためのどういう中継点になるのか、は見えない。見えないながらも作者の筆の胆力に期待感を持たせるものはある。

奇跡を待つ人々
東京夜光
こまばアゴラ劇場(東京都)
2021/07/24 (土) ~ 2021/08/04 (水)公演終了

音楽劇「Le Rayon Vert」
DANCETERIA-ANNEX
スタジオ「HIKARI」(神奈川県)
2021/07/21 (水) ~ 2021/07/23 (金)公演終了

君子無朋(くんしにともなし)【8月29日公演中止】
Team申
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2021/07/17 (土) ~ 2021/07/25 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
雍正帝のことは、1年ほど前に岩波新書の『「中国」の形成』で読んで知った。この舞台で一層その生涯を身近に、生き生きと知ることができた。(もちろん史実そのままではないが、舞台で演じられる地方感との手紙は、多少複数の手紙を一つにしたりと、編集はしているが、ほぼ実物そのままだそうだ。
なんといっても佐々木蔵之介の存在感が圧巻。天子という特別な人物を演じるオーラがある。
高齢で病床にあった康煕帝のあとを、なぜそれまで後継者としてほとんど名前のあがらなかった第4王子の雍正帝が継いだのかは、今も謎だそうだ。康熙帝の遺言状を示したのも、雍正帝とその側近たちなので、何かの策略があったのではないかという憶測がぬぐえない。
雍正帝と、紫禁城にやってきた地方官オルク(中村蒼)の対話を軸に、あとの3人が、王族や側近や、黒子をスピーディーに演じ分けていく。壮大な中国・清王朝の内幕を、シンプルに、わかりやすく面白く見せていた。戯曲はこれが初めてというテレビ・ディレクターの阿部修英の脚本、東憲司の演出も見事であった。

物語なき、この世界。【7月31日(土)13:30、18:30、8月1日(日)13:30の回は公演中止】
Bunkamura
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2021/07/11 (日) ~ 2021/08/03 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
なかなか一言では言いにくいほろ苦い面白さがあった。身に覚えのある感情がいくつもある。三浦大輔の芝居は2008年に本多劇場で「顔よ」を見て以来。かつては舞台上で男女の行為を赤裸々に演じるので賛否両論を起こしたが、今作ではそこはおとなしめ。でも岡田将生とヘルス嬢・日高ボブ美の濃厚なシーンはしっかりある。
「おっぱいパブ」で偶然であった高校時代の知り合い(岡田と峯田和伸)。居酒屋に行くが、全く話は弾まない。絡んできた酔っぱらい(星田英利=はまり役)を張り倒したら、頭を打って動かなくなってしまった。「殺したか」とあせるが、自分たち二人がドラマの主役になったような高揚感を覚える。一緒にいた友人、恋人は脇役扱い。この、変な主役気取りが面白い。
岡田の(ダメ男を演じても)美しい立ち姿とと、峯田の見るからにダメ男のうらぶれ感の組み合わせがよかった。奥にゴジラビルも配した歌舞伎町(ゴジラロード)のセットが良くできていた。それぞれの店のセットが回転して、裏側になると、店内になる。それが、ヘルスだったり、スナックだったりと、内装を変えて店を違える。表側も、右から見せるか、左から見せるかで、全く別の店になるところも良くできていた。シンプルな通行人の映像で雑踏を示し、深夜になるといなくなるという時間の示し方もわかりやすかった。

物語なき、この世界。【7月31日(土)13:30、18:30、8月1日(日)13:30の回は公演中止】
Bunkamura
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2021/07/11 (日) ~ 2021/08/03 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
歌舞伎町を思わせる街を舞台にした一夜の物語、という三浦大輔らしいフレームだが、食傷を起こす場面は一つもなかった。台詞を追えば、自分たちの現実と、自分たちが感動を求めて見るドラマとの「重ならなさ」がモチーフになっている。だが「これってドラマじゃね?」と期待させる展開が訪れる点では、以前の「裏切りの街」の無味乾燥なオチ「やりたいだけ」の方が殺伐としていた。
夜の街では「物語なき」人生の主人公らが行き交い、人生模様を垣間見せるが、主観的にはドラマ性を否定される現実の中でも、他者のドラマを見ていたりする。現実の中で、「ドラマのように」行きたいという願望に直面した時、例えば端的に男女の関係なら不成立か成立のいずれかとは言え大半が「ドラマ始動せず」で終る。それでも限界に見えるものを何らかの形で超越する瞬間が全くないかと言えばそうではなく、きっと何処かにある、という「可能性」をこの舞台は言葉では否定しながらも漂わせており、この程よさ加減が(三浦作品に通低する)心地よさに思える。元よりニヒリズムを声高に嘆く時代でもなく。
ドラマの主人公になり得ない己の現実、つまり「ドラマを見てそれに自分を重ねることで満足している」己自身を見よ、とは出てくる台詞の意訳だ。「何処にでもいる」冴えない(かどうかは問題にしてはいないが)男らだが、この言葉はさりげなく観客を刺した事だろう。東急bunkamuraで芝居を観る私たちは「映画館に向かう人波」の一粒に違いない。
峯田和伸の歌が舞台の中で浮いてなく、程よく「ドラマティック」に彩る。人間模様あるある集・・芝居ってそういうもの。

音楽劇「Le Rayon Vert」
DANCETERIA-ANNEX
スタジオ「HIKARI」(神奈川県)
2021/07/21 (水) ~ 2021/07/23 (金)公演終了

シビウ国際演劇祭2021 招聘作品『砂女』国内プレ公演
うずめ劇場
調布市せんがわ劇場(東京都)
2021/07/27 (火) ~ 2021/07/29 (木)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
北九州市時代からの4名の団員と、主宰ゲスナー氏の「次が読めない」ユニークな演劇製作。20数年も続けばこの独自さも持ち味という事だろうか。うずめとしては「演劇」らしい舞台(会場がスズナリだし)の二本立て企画「砂女↔砂男」から、既に7年も経ったとは・・(時の速さよ)。この時自分は「砂男」(ホフマン作/天野天街演出)のみ観劇し、天街作品にハマりかけの私は大満足だったが、並んで評判だった「砂女」を今回観て衝撃を受けた。
驚くべき舞台だ。なぜ「砂の女」か?・・の問いを殆ど無化する(舞台が全てを語っている)。原作小説を遥か昔に読み(高校か大学か)、勅使河原監督の映画もたぶん同じころ見たが、芝居を観ながら小説を思い出した。「思い出した」と言っても大昔の記憶だが断片的に附合するものを感じた。そして、この作品に流れる人間存在の根拠の危うさ、定住や婚姻、家族、共同体、人生の目的や意義、といった概念の揺らぎを措定範囲にしながら具体的な一つ一つのエピソードを時系列に刻んで行く。実在するモノを数えた方が早そうな砂丘の村の簡素な生活のなかで男と女は具体的行動により場面を作る「演劇」を体現し、「砂の女」の世界が見事に結実していた。

音楽劇「Le Rayon Vert」
DANCETERIA-ANNEX
スタジオ「HIKARI」(神奈川県)
2021/07/21 (水) ~ 2021/07/23 (金)公演終了

音楽劇「Le Rayon Vert」
DANCETERIA-ANNEX
スタジオ「HIKARI」(神奈川県)
2021/07/21 (水) ~ 2021/07/23 (金)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2021/07/22 (木) 15:00
登場人物一人一人に物語を感じられる素晴らしい脚本でした。 数少ない装置にも関わらず飽きさせない演出にも感動です。また次回を楽しみにしてます。

音楽劇「Le Rayon Vert」
DANCETERIA-ANNEX
スタジオ「HIKARI」(神奈川県)
2021/07/21 (水) ~ 2021/07/23 (金)公演終了

コメンテーターズ
ラッパ屋
J:COM北九州芸術劇場 中劇場(福岡県)
2021/07/31 (土) ~ 2021/07/31 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
ワイドショーの裏側、コメンテーターの役割、そこに、YouTubeを始めた親父が加わることで...な展開の喜劇。
家族のつながり、友達とのつながりの大切さも描かれています。
引きこもっていた息子が、早い段階で両親と話し出すのもありだと思います。母のキャラもいいです。

孤独
オーストラ・マコンドー
すみだパークシアター倉(東京都)
2021/07/30 (金) ~ 2021/08/08 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
個人的な統計ですが「いい演劇はあらすじの内容とまったく関係ないことが多い」というものがあります。
この劇は、まさに逆を行きました。本編の内容は、まさにあらすじ通りです。
ただし、予習はまったく必要ありません。ストーリーにほとんど意味がないからです。
時代劇をイメージして観ると肩透かしを食うので、フラットに見るといいと思います。
なお、バンドの生音は素晴らしかったです。

犇犇
TAAC
駅前劇場(東京都)
2021/07/30 (金) ~ 2021/08/08 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
素晴らしかったです。
加害者家族に対するバッシング等の問題という、かなり重い内容をうまく表現されていたと感じました。
重たいセリフと役者さんの演技が相まって素敵でした。
舞台セットや音響演出もとても良かったです。

【当日券あります!】冒険者たち ーガンバと15ひきの仲間ー
かわさき演劇まつり実行委員会
川崎市多摩市民館(神奈川県)
2021/07/31 (土) ~ 2021/08/01 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
・・・う~ん観劇マナーが
良くなかったのは他の回も同じなんだな・・・(-_-;)
だが作品は素晴らしかった
各人にマイクはつけてなかったが
収音マイクで拡声してたような気がー
舞台セットはドーナツ状の木箱せっとが
八百屋舞台みたく斜めになってて
シーンに合わせて解れる仕様でした
さすがの原作で少年少女向けでよかったし
登場される役者さんたちも
様々な年代の方がおられて厚みがったデス
ネズミとイタチのバトルが音楽劇仕立てだったり
舞台芸術という表現がピッタリと当てはまる感じの作品でした
全2幕 10分の休憩あり
紙のアンケート用紙付きでしたわ
う~ん客層が幼い子供も多いんで
開演前の前説で観劇マナーとか
コロナ下でのこともあり
丁寧に(映画館での鑑賞マナー動画風に)説明とかした方がー
などとも強く感じました
親が子供諫めないし
親もマナーとか知らなそうな方々多い感じだったから・・・ねぇ
しゃべるな雑音を出すな
面白かったり感じれば・・拍手ーとかね♪
観客も育てなければならいってぇーのは
エンターテイメント業界も大変だよなぁ・・・と 感想