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ムーランルージュ

ムーランルージュ

ことのはbox

萬劇場(東京都)

2022/04/20 (水) ~ 2022/04/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

斎藤憐の『ムーランルージュ』は今回初めて観た。本作で描かれるのは、戦後の新宿に再建されたムーランルージュと、そこを取り巻く人たち。とはいっても、自分の年齢ではこの時代の新宿のリアルな空気など分るはずもないし、新宿のムーランについては、森繁や由利徹などのコメディアンが出た劇場だと、各人の評伝本や小林信彦の本などで知ってはいても、歌手や踊り子さんたちを含めた一座というイメージを、あまり持っていなかったというのが正直なところ。

休憩15分を挟んだ二幕構成だが、一幕は思いの外、舞台が弾まず、二幕で持ち直したという印象。ただ、これは客入れ時のBGMで考え込んでしまった影響が多分にあるかも。

ネタバレBOX

開場後、席につくと流れてきたのは平野愛子の「港の見える丘」だが、あれ?これって'71年の再録バージョン? 次に池真理子、林伊佐緒、岡晴夫、霧島昇、菊池章子、ディック・ミネ、笠置シヅ子と続くが、何れも再録バージョン。

SP盤の復刻音源よりも、こっちの再録バージョンを探す方が面倒じゃないのかという曲もあったし、林伊佐緒こそ昭和25年の曲だが、他はほぼ昭和21~22年の曲で、これは確信犯的に再録バージョンを選んでいるのかなと思っていたら、最後に松島詩子の「マロニエの並木路」が流れてきて、これって昭和28年の発売だからムーランが閉館したあとの曲じゃないの?それにこの曲って、SP盤復刻音源が入ったCDを見た覚えがないような。あ、だから他の曲も再録バージョンで揃えたのか?でも、どうして昭和28年のこの曲を?…とか、いろいろ考えて頭がぐにゃぐにゃしているうちに始まったので、一幕はなかなか舞台にノレなかったのかも。

…この辺の流行歌に興味などない人からすれば、どうでもいいような戯言なので、何卒ご勘弁を。
アンチポデス【4月3日、4日のプレビュー、4月8日~13日公演中止】

アンチポデス【4月3日、4日のプレビュー、4月8日~13日公演中止】

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2022/04/03 (日) ~ 2022/04/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

「物語というものの本質とは?」というテーマと、フェミニズム的な要素とが劇の中で
主導権を争った結果、どっちつかずの(作中でいわれる)「キメラ」的作品に着地して
しまったような気がする。

皆が語ることができ、聞くことができるとされている「物語」も、性差や人種などで
見えない制限がかけられてしまう…っていう話に落ち着けた方が安易だけど良かった
ような。

ネタバレBOX

あるビルの一室と思わしき場所に8人の男女。というか、男性7人に女性1人。
彼らの目的は「クリエイティブの手で誰も知らないような偉大な物語を
作ること」。

といいつつ、場を取りまとめるリーダー・サンディの上には、「マックス」と
いう“偉い人”がいる他、「ジェフ」や「ヴィクター」というプロジェクトでは
同格と思われる人間との暗闘もあったりで、崇高なはずのクリエイティブは既に
マウンティングと足の引っ張り合いなど、どこかの会社でまんま見られる風景が
展開されてしまっている。

サンディを筆頭に、各人が物語作りのたたき台となる「個人的な話」を披露する形で、
プロジェクトは幕開けするものの、どこかで聞いたような下ネタトークに続いて、
散漫な話が続き、「偉大な物語」が立ち上がる気配は一向にない。

「個人的な話は個人的な話だからこそ誰にも聞かせたくない」と振り絞るように
言い放ったダニーM2はサンディに呼び出され、翌日以降は姿を見せなくなり、
外国籍と思しき参加者の1人は(おそらく)産業スパイを疑われて、IDを3か月も
発行されず困窮、

あげくの果てにはサンディのミソジニー、ゼノフォビア、ハラスメント気質が徐々に
明らかとなっていき、自由で闊達なはずの現場は完全に停滞しきってよどんだ空気が
ぷんぷんとなっていく。

…多分だけど、後半で言われてたように、「サンディを喜ばせるため」が参加者全員の
隠れた目的になっちゃってるから、プロジェクトが死産してしまったように思える。
個人的なはずの話が誰かのための話になってるというか。

サンディもプロジェクトより、外部や家族など個人的な折衝に忙殺されるようになり、
残された(というか完全に遺棄された形の)メンバーたちは帰ることもできずに、
ただただイミフな呪文を物語として発明したり、朦朧とした意識の中で1人がテキトーに
口ずさみはずめた物語を絶賛したりする。

書記係のブライアンが体調不良で部屋を去った後は、世話係のサラを代役に立てて、
物語作りは紆余曲折を経て進むも、久しぶりにやってきたサンディは「現代は物語を
新しく作り出せるような時代じゃない」という理由からプロジェクトの無期限凍結を
宣言する(というか権力争いに負けた果ての帰結な気がするけど)。

夢破れて呆然とする皆の中で、紅一点のエレノアが子供の頃に作った、分量にして
ノート販ページほどの“物語”を慰みに披露し、「みんなこういう話好きだったでしょ?」と
呼びかける形でいきなり幕を下ろす…といった話。

これ、劇中では議論も対話もないんですよね。それっぽい形をしたものはあるけど。でも、
プロジェクトが終わるまでにいい感じにまとまった物語っぽいものは萌芽してた。という
ことは、物語は「議論」や「対話」を通じて効率よく生み出されるものではない、あくまで
個人的なところを出発点にしないといけない、って感じ?

でも、ダニーM2が言ったように、本当に「個人的なもの」は物語として物語られないんだよな。
あくまで個人っぽいものが物語として扱われるわけで。エレノアの個人的な感性全開で書かれた
幼少期の物語は物語の体を成してなかったしね…。

そしてサンディがいなくてもプロジェクトは(ある意味ではかえって円滑に)回ったし、
ブライアンがいなくてもサラが役割を埋めたし、物語の中では個人が誰かというのは
究極的には関係ないのかも。個人がある、それだけで自然と物語は生まれてくる、そして
それは資本主義的なもの、そして芸術的なものとも離れたものな気がする…。

と感じたんだけど、そこまで考えないといけないのもなんかなって感じたりした。あと、
閉鎖空間での同調圧力とか排除って、日本だけでなく世界的にみて普遍なんだなって何か
おかしい気持ちにもなった。舞台や映画見るのってそういうの確認する作業の意味合いも
あるよね。
ムーランルージュ

ムーランルージュ

ことのはbox

萬劇場(東京都)

2022/04/20 (水) ~ 2022/04/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

実在したムーランルージュを舞台に、戦後の復興とその時代を生きた人たちの物語。
以下、公演中なのでネタバレで。

ネタバレBOX

劇場が舞台なので、歌や踊りを取り込み、華やかな面とその内情の悲哀が描かれており楽しめた。言論や思想そして出身国等により多くの制限を受けていた時代であるが、現在においても同様の問題は残っていると感じた。各人が生きる為に、各人の思いを乗せて歌う姿が印象的でした。ただ登場人物が20人と多く、多くのエピソードを入れている為か、やや人物描写に分かりにくい点もあり共感しにくい点もありました。劇場のオーナーについては、モデルの人物を知らない方が楽しめるかもと思いました。
ミュージカル「弥生、三月 -君を愛した30年-」

ミュージカル「弥生、三月 -君を愛した30年-」

エイベックス・エンタテインメント/クオーレ

サンシャイン劇場(東京都)

2022/04/21 (木) ~ 2022/04/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/04/21 (木) 18:00

歌もストーリーもグー。波瀾万丈な人生を描き切った傑作。2時間伴奏を続けたピアノの人もブラボー。

七慟伽藍 其の二十八

七慟伽藍 其の二十八

THE REDFACE

横浜関内ホール(神奈川県)

2022/04/20 (水) ~ 2022/04/21 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/04/21 (木) 18:30

 戦国の世から早四百年の歳月が過ぎ去った現代。名だたる七名の戦国武将(織田信長・武田信玄・明智光秀・朝倉義景・浅井長政・豊臣秀吉・徳川家康)らの魂は、天界へは行けず未だ冥界を彷徨っていたが、この夜、八百比丘尼の導きにより運命の再会を果たす。武将らが口々に語りだす、死の間際の心情とその後悔はやがて怒りの炎となって、『本能寺』へと繋がって行く。織田信長が消えた『本能寺の変』。その『本能寺の変』に至るまでの浅井長政の裏切り、そして『本能寺の変』当日に起こったこと、その裏で狡賢く画策し、他を蹴落とし、狡猾で卑劣、非道で、でもどこか憎めない豊臣秀吉、その豊臣秀吉に唆され、信長を討つ話に乗ったように見せて、実は…な明智光秀、と話が進むにつれ、『本能寺の変』の真実、武将たちのお互いの真相心理が暴き出され、曝け出されていく怒涛で、息もつかせぬ展開、そして大音量の雰囲気のある音楽、照明の変え具合が相まって、いつしか時を忘れ、活読劇の舞台に眼が釘付けになり、没入していた。

 俳優たちの、眼を見開き、口角泡飛ばし、速射砲のように長台詞をまくしたて、怒鳴り、叫び、この世を呪い、激しい怨念と憎悪に蝕まれた武将たちの魂が乗り移ってでもいるかのように、激しく動き、舞台上を踏み鳴らす、肉体全身を使った熱演ぶりに思わず、眼を見張り、俳優のその熱演ぶりに、良い意味で、劇場を俳優が支配していると感じ、よく通る声によって音響さえも凌ぐ迫力と、この世のものとは思えない禍々しさを出していて、そのこちらに差し迫ってくる演技に圧倒された。

 俳優たちの中で、ただ一人の女性役者も、男優たちに負けずに、声を張り上げ、豊臣秀吉を追い詰め、壮絶な最後を遂げる千利休を、千利休が自身に乗り移ったかのごとくな鬼気迫る演技に感服させられた。また、八百比丘尼の妖しく、掴みどころがなく、それでいてこの世のものとは思えない役どころを、見事に演じきり、艷やかで一筋縄ではいかない雰囲気を出し切っていて見事だった。足利義昭を演じる際の公家っぽい頼りなく、狡猾な雰囲気、しかし、それでいて、室町時代最後の将軍たる面影も漂わせる、難しい役どころも、器用に細かく演じきっていて、すごかった。

 最後の場面で、八百比丘尼が天界の門を開いてハッピーエンドにいっきに持っていくかに見せかけて、織田信長の怨念や執念は他の武将の誰よりも強すぎ、そのあまりに肥大化しすぎた負の感情のため、八百比丘尼含め、他の武将たちも、いっきに冥界へ引きずり込まれる衝撃的な場面で終わり、そのあまりの急展開に、しばらく愕然としていた。

 ただ一つ、二つもったいないのは、一人の老齢でベテランの俳優が熱演のあまりの何を言っているのかよくわからない場面があったことや、俳優たちが一斉に大声張り上げて喋って、台詞が被って聞き取れなかった場面、あまりの熱演に、声が裏返ったり、しわがれ声になったりする場面があったことが、強いて言えば、残念だった。

エゴ・サーチ

エゴ・サーチ

プラグマックス&エンタテインメント / サンライズプロモーション東京

紀伊國屋ホール(東京都)

2022/04/10 (日) ~ 2022/04/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

主演の今江さん(関西ジャニーズjr.)と明記されていなければ完全に役者さんとして認識していたはず。
彼のみならず、舞台上に登場する役者さん全員の個性が活き活きと輝いた”キラキラ公演”
逆にその全ての輝きがなければ成り立たない公演でもある。

自分と同じ氏名・プロフィールのSNS。
“なりすまし”というのはあるらしいけれど、そこまで有名人でもないのに何故に?一体どこの誰が?
?に惹きつけられながらアナザーストーリーの行方も興味深く、謎と笑いに満ち満ちて宝箱のような時間が過ぎていく
全ての流れが主人公に結びついた時…まさにスパーク!!鳥肌ものでした。
謎を解くだけじゃなく、笑わせるだけじゃなく、(ネタバレ自粛)残る余韻と会場との一体感、何より役者さん達のキラキラ感(時にはギラギラ感)
久しぶりの鴻上ワールドでしたが、やっぱり素晴らしかった。

ムーランルージュ

ムーランルージュ

ことのはbox

萬劇場(東京都)

2022/04/20 (水) ~ 2022/04/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

実際に新宿にあったと言うムーランルージュ。戦後間もなくに再開されて、多くの人に喜びや楽しみを届けたのだと思う。「どんなに辛いことがあっても舞台に出ればニッコリ笑って歌うの。」と言う役者さんたちに励まされ、慰められたことだと思います。
そんなムーランルージュに生きた人々の群像劇。いろんな生き様に共感できたりできなかったり、胸が痛くなったり。ちょっとしたレビューやお笑い(?)も楽しめました。

ネタバレBOX

どこまでが事実で、どの辺はフィクションなのだろうと終演後ついつい尋ねてしまいました。ムーランルージュを作った方が台湾からきた方というのは事実のようでしたが、他のエピソードは虚虚実実、ええ?私はあの話が一番刺さったのに!!・・・どこかはご覧になってみてください。
「流れる」と「光環(コロナ)」

「流れる」と「光環(コロナ)」

劇団あはひ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2022/04/03 (日) ~ 2022/04/10 (日)公演終了

実演鑑賞

俳優の生の声とP.A.を通した声にかなり差違がありましたね。
気になっちゃうんですよね。

ペリクリーズ

ペリクリーズ

言葉のアリア

キーノートシアター(東京都)

2022/04/21 (木) ~ 2022/04/25 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

言葉のアリアさんらしい作風

原作を未読なので、どういう変化があったかわからいですが、今このご時世に合っている作品だし、未来に向かうために必要な要素を含んでいる作品

今を悩んでいる方におススメです

 たとえばありふれたカノンのコードで

たとえばありふれたカノンのコードで

salty rock

遊空間がざびぃ(東京都)

2022/04/21 (木) ~ 2022/04/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/04/21 (木)

価格4,000円

21日19時半開演の初日舞台を拝見(90分)。

作者の頭ん中のオモチャ箱の中身をひっくり返したような、スラップスティックな登場人物達の言動に、肩の力を抜いて惑(まよ)わず愉しめる90分。
作り手たちの温もりが伝わって来るせいか、何処か懐かしい感じがする、如何にも小劇場演劇らしい作品だった。

それにしても、初期の作品群と比べて、大幅に”親しみやすい”作風に寄って来たことが感慨深い。

ネタバレBOX

【配役】
冴島悠(校閲担当の編集部員。45歳独身。魔法で動物の言葉がわかる)…内藤羊吉さん
長内友宏(バツ2の編集長。冴島と同期)…長瀬巧さん
片桐想子(編集部員。周囲には相手が誰だかバレバレだが片思い中)…杏奈さん
先浜優(ネットに詳しい編集部員)…高田那由太さん
後藤田明(彼女の本命が誰かを知りながらも、片桐に想いを寄せている)…古田龍さん
片桐啓二(自殺?しようとしていた冴島を助ける)…原田達也さん
木本小太郎(片桐の部下。実はアイドルだった冴島譲のファン)…恩田純也さん
冴島譲(冴島悠の年の離れた妹。悠には内緒だが元アイドル)…倉垣まどかさん
猫1(冴島悠の飼い猫。悠と会話することができる)…野崎涼子さん
広井奈々(冴島悠の昔のマドンナな同級生。今は子持ちのバツイチ)…植松りかさん
猫2(広井奈々の飼い猫。悠と会話することができる)…大寄正典さん
尾知山梨子(悠達の編集部に原稿を持ち込む常連だったり、神様?だったり)…伊織夏生さん
転生したハムレットの世界で生きるべきか死ぬべきか戻れるか、それが問題だ

転生したハムレットの世界で生きるべきか死ぬべきか戻れるか、それが問題だ

男肉 du Soleil

京都市東山青少年活動センター(京都府)

2022/04/21 (木) ~ 2022/04/23 (土)公演終了

満足度★★★★

内容はハムレットなんだが、ハチャメチャ。ラップや踊りが凄いけど、ほとんど合ってない…。でも元気をもらえる🎵アラフォーかなと思える人達が汗だく👕💦で踊り暴れる様子は圧巻。疲れが吹っ飛びました‼️

貧乏物語

貧乏物語

こまつ座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2022/04/05 (火) ~ 2022/04/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

6人の女性の強さを感じる物語。
保坂さんが、美しさと強さを全身で表現されていて魅力的だった。枝元さんのコミカルさも好き。

「流れる」と「光環(コロナ)」

「流れる」と「光環(コロナ)」

劇団あはひ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2022/04/03 (日) ~ 2022/04/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/04/09 (土) 14:00

【流れる】
能の「隅田川」に「子を喪った親」という共通項で天馬博士とアトムを加え、狂言回し的に芭蕉・曽良のコンビを配するクロスオーバーぶり。
「隅田川」を予習して臨んだので確かに下敷きになっていると思いつつ「一筋縄では行かない(私見)」あはひのこと、もしかして「女」は実在していないのでは?とか盛大に誤読(なのか?)して楽しむ。
なお、この回のアフタートークでライター・編集者の九龍ジョーさんが「観ながらあれこれ関連付けたり想像したり」とおっしゃっており「わが意を得る」(笑)。

5月35日

5月35日

Pカンパニー

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2022/04/20 (水) ~ 2022/04/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/04/21 (木) 14:00

座席1階

5月35日とは、6月4日に起きた中国の天安門事件の隠語なのだそうだ。独裁的政府がいかに住民を蹂躙するか、ウクライナへの侵攻を続ける独裁国家ロシアのことが世界中の人の頭から離れない今、天安門事件の芝居は非常に胸を打つ舞台である。

国家は国民を守らない。守らないどころか抹殺もするし、殺害もする。民主国家になったはずの日本も関係ない話ではない。太平洋戦争当時は政府に都合の悪い情報は報道されなかったし、国家に逆らうものは非国民として断罪され、刑務所で非業の死を遂げた。戦後の日本も、政府を批判する人は排除されている。安倍元首相の演説にやじを飛ばして拘束された事件がいい例だ。
この舞台でも、ラストに近いところで天安門被害者の父に「(命日の6月4日が過ぎるまで)旅行に行ってもらう」と公安が言い放つ場面が出てくる。為政者に都合の悪い国民には消えてもらうという発想は日本だって無縁じゃないのだ。ゼロコロナ対策で強制的に封鎖された上海を日本国民は笑えない。今回の舞台は、そうした類似性を否応なく客席に突きつけてくる。

Pカンパニーの「罪と罰」シリーズは本当に面白い。今回、脳腫瘍で数か月の命と宣告されながら、国家に殺害された息子の命日に天安門で弔いたいという母親を演じた竹下景子、その妻に当初は振り回されながらも、最後は日付も理解できなくなった妻の代わりに決死の覚悟で天安門に向かう夫を演じた林次樹。二人の力のこもった姿は強く印象に残った。権力を振りかざす警察官で身内にいて、家族が引き裂かれていくという筋書きも非情な世界を際立たせた。

ロマンティックコメディ

ロマンティックコメディ

ロロ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2022/04/15 (金) ~ 2022/04/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

今どきちょっと浮世離れした「読書会」を舞台にした小劇場劇団ロロの舞台だ。一つの工場が街を成立させているような小都市の郊外の丘の上にある古書店を経営する二十歳代後半と見える女性を軸にそこに集まる若者群像劇である。
米英では結構盛んらしい「読書会」と言う素材は面白いが、そこで起きる事件は、今まで教えられてきた英米の生活教養主義の「読書会」とは全く違う。そこが現代青春劇として面白いともいえるが、一方では中身がなくてただただ騒がしい今の若者を並べただけ、と言う感じにもなる。
読書会に集まる若者たちが読むのは一冊の現地の自費出版のヒーローもののSFアドベンチャー小説である。まずはその小説の言葉使いをいろいろあげつらう。モデルが現地とあって、現実を探す。そういう中で、国道沿いに大型テンポがぽつぽつと開けた日本全国にある典型的な地方都市の姿が浮かんでくる。登場人物も男性たちを含め増えてくるが、普通の「読書」に心を掴まれた若者は登場しない。舞台で展開する全ての風景は、ネット上ので短い言葉をやり取りする現代風俗に重ね合わせられているのだが、登場人物たちのロマンは風景以上に発展しない。ロマンチックとはどういうことかと、作品を創っている間考え続けたと作演出者は言うが、やはりコメディであれ、なんであれ、肝心の物語の筋は考えておくべきだったろう。
俳優たちの演技は、ほぼ現実と等身大なのだろうが、二百人の劇場を納得させる演劇には遠い。この規模の劇場ですらセリフが届かない。動きもセリフをなぞっているような芸人風だ。オリザの日常口語や、岡田利規の身体表現を通り過ぎた後がこの結果だとすると彼らの奮闘は何だったのだろうかと観客は考え込んでしまう。確かに時代は一つ動いている。コロナでそれは明らかになったともいえる。多くの小劇場演劇がコロナで壊滅した後に生き残った演劇人に課せられた課題であろう。

5月35日

5月35日

Pカンパニー

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2022/04/20 (水) ~ 2022/04/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

悲しみと追悼の静かな芝居だろうと思ったら、抵抗と抗議の熱い舞台だった。脳腫瘍で余命3か月の母が、6月4日の息子ジッジの命日に、広場で弔いをしようと決意する。事件から30年後の2019年1-5月の出来事。チェロや本など、息子の遺品を「15分、話を聞くこと」を条件に譲るとフリマアプリに出し、やってきた青年に息子のことを語る。貰い手がいないと、夫が貰い手役を金で頼んだりする。

それだけかと思っていると、夫の弟は政府内で出世している。弟に対し政府・軍への直接の思いをぶつけるシーンもある。母役の竹下景子がはまり役で、知的で静かな気迫が素晴らしかった。当日の死体安置所に多数の死体がおかれていたという話など、取材に基づいたものだろうか。

ウイキペディアの天安門事件の項目は、だれが悪かったのか、学生にも暴力があったなどいろんな情報が書き込まれていて、何が何やらという感じである。政府擁護派の荒らしがあるのだろう。真実はどうだったのか、そして正確な犠牲者数を明らかにするのは歴史に対する責任だと思った。

ネタバレBOX

母の病状が進み記憶も、日付も分からなくなり、夫がその思いを受け継ぐように変わっていく。最後は国家保安保衛部がやってきて、夫に「センシティブな時期が過ぎるまで旅行に行ってもらいます」と。こわ~い展開である。
ラストの自由を求める大合唱には驚いた。いままで出てない何人もの若手俳優がワーッとでてきた。日本のほかの芝居では見たことない。日本の芝居は戦争でも弾圧でも「過去」だけれど、中国の「自由」は今の問題だから、ただ犠牲者を弔って終われなかったのだろう。
ミュージカル『アラジン』

ミュージカル『アラジン』

劇団四季

電通四季劇場[海](東京都)

2015/05/24 (日) ~ 2023/01/09 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

この昔々のアラビア世界という設定の利点は、女性たちの肌もあらわで胸の谷間が強調された衣装が楽しめるところ。見たことはないが、かつてのSKDのようだろうか。王女ジャスミン役の木村奏絵の品のある美しさと、スラリとしたおへそのに目を奪われた。

ストーリーはいたってシンプル。貧しい青年が王女と結ばれる、ボーイ・ミーツ・ガール物語である。市場で会うシーンは「ローマの休日」のよう。二人の初デュエットもいい。アラジンが「母の自慢の息子になりたい」というのも、物語に親子関係という縦軸を加える。
魔法のランプの精ジーニーが、一番舞台を盛り上げる存在である。この役の俳優(見た回は一和洋輔)の底抜けに陽気な語り口が絶品。

二人が魔法のじゅうたんに載って、満天の星空を飛ぶ「新しい世界」のシーンはセンチメンタルに美しい。まさに二人だけの世界。それ以外にも洞窟でのダンスシーンなど、歌とダンスのショーは、極めて高い完成度だ。美術、しかけ、照明も申し分ない。洞窟で財宝の山がダンサーに早変わりするのは意表を突かれた。5年間、汐留でロングランしているのも、これならわかるという出来である。
ただ大人の哀歓に触れるという点では、父親と家族のきずなの再生を描いたミュージカル「メリー・ポピンズ」の方が勝っていた。あちらもディズニー作品だけれど。

ネタバレBOX

大臣の罠にはまって、友人3人と地下牢に閉じ込められたときは、ジーニーの助けを得る。しかし、本当に王女の愛を得る段では、ジーニーに頼らず、自分の機転と誠実さで勝負する。最後は自力で王位を得るところに、前向きなメッセージがある。(ただ、他力依存より自助努力の推奨はもろばの剣でもある)
自分らしく素直に生きることと、女性の自立は「アナ雪」とも共通する、今のディズニー作品のメインテーマである。そこは気持ちよく見ることができた。
安心して狂いなさい

安心して狂いなさい

中野坂上デーモンズ

北とぴあ ペガサスホール(東京都)

2022/04/17 (日) ~ 2022/04/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/04/20 (水)

ほほう!へへい!ははぁん!なるほど、複雑怪奇なネット世界、でも所詮人間のつくったもの理屈は単純なのかも。ふわふわとでも重く空間を楽しみました。

ネタバレBOX

佐吉祭のラウンジでモヘーさんが岩松了が好きで「アイスクリームマン」が好きで公演をしたことが…云々とお話をしていらして、なるほど!!と感じられる部分を再確認しましたよ。
セールスマンの死

セールスマンの死

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2022/04/04 (月) ~ 2022/04/29 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

だだっ広い舞台の中央に、大きな黄色い冷蔵庫が一つ。舞台天井から2本の電信柱がぶら下がっている。この抽象的な美術が、今回の演出を象徴する。ウイリー・ローマン(段田安則)の挫折と失意と、息子(福士誠治)への幻想にしがみつく現実逃避がいっそう強調される。段田安則のウィリーは、夢破れた男の最後の誇りとあがきと絶望を示して、説得力があった、

家のリビングや、寝室、庭、兄弟の二段ベッドの部屋は箱庭のような移動式で、台車に載せて袖から出入りする。妻(鈴木保奈美)や隣家の関係はドライに、あるいは通り過ぎるように処理する。実際、セットが舞台を通り過ぎていく間に、その上に載った妻の科白が発せられ、隣家の優等生は自転車で舞台を回りながら切れ切れのセリフをしゃべる。

非常に多面的な芝居だと改めて思った。現実を直視できない人間の愚かさを描いたとも、息子をスポイルする父なるものへの批判ともとれる。カネとローンで人を縛り、人間も使い捨てにする資本主義批判ともとれる。時代に取り残された男の悲哀とも、息子をダメにしたのは自分ではないかという疑いと、そんなはずはないという思いとの葛藤もある。アフリカで金を掘り当てた兄の幻は、アメリカ人の目をくらます一攫千金(アメリカンドリーム)のうつろな光を示す。友人が雇おうという話を断り続けるのは、愚かな意地のあらわれだ。以上はウィリーに絞った話だが、それを取り巻く人間関係も最小限にして十分。次男が女たらしで口達者なのは、父の一面をうけついだともいえる。その一方、くそ真面目だけで報われない父を反面教師にしたともいえる。

ネタバレBOX

最後はウィリーが冷蔵庫の中へ入っていき自殺する。つまり冷蔵庫は「墓」だったのだとわかる。すべては最初から、主人公の墓の前の出来事だったのだ。
今回は、葬儀でののこされた者たちの会話のシーンはまるまるカットされた。
七慟伽藍 其の二十八

七慟伽藍 其の二十八

THE REDFACE

横浜関内ホール(神奈川県)

2022/04/20 (水) ~ 2022/04/21 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

脚本は面白く、演出は情景・心象表現に優れ、役者は迫真の朗読演技。圧巻…お薦め。

活読劇というのを初めて観て聴いたが、素晴らしかった。この「七慟伽藍」は2009年4月初演で、本公演で其ノ二十八を数えるというのも肯ける。壮大な戦国時代絵巻を七人の武将とストーリーテラーの八百比丘尼の八人で紡ぐ。役者は台本を持ち、立ち座りといった最小限の動作、豊かな感情表現で観(魅)せるが、さらに照明や音響が臨場感を高め、観客の感性を揺さぶる。

物語は、戦国時代の通史というか歴史小説等で知られた内容をベースに、「本能寺の変」の謎を興味深く描いており、歴史好きには堪らない公演だろう。初演当時は「戦国に詳しくないから一度では分からない」と言われたそうだが、今ではすんなり伝わるようになったという。自分は、一度では分からないではなく、もう一度、いや何度でも聴き観たくなるほど、その世界観に痺れた。
(上演時間1時間40分 途中休憩なし)

ネタバレBOX

舞台セットは木製の変形二段平行台、一段目に4人(上手側から順に 徳川家康、豊臣秀吉、明智光秀、浅井長政)、二段目に(上手側から武田信玄、織田信長、朝倉義景)が黒着物姿で座る。なお配置にも意図がある。上(二)段中央にいて睥睨する信長、下(一)段は、配下の武将または同盟武将・義弟である。夫々の席にはマイクが設えており、台詞が聴き難くなることはない。冒頭は、(初めは正体不明)八百比丘尼が黄泉の国へ七武将(彷徨える魂)を誘うような…。語られるのは、七武将が覇権・天下統一を目指していた頃の回想、生きている時には知り得なかったことが次々明らかになる。乱世ならではの非情や無念といった慟哭(心情)を表現。ここまでが通史的によく知られた物語。

魅力は、天下統一目前で「本能寺の変」で死んだと思われた織田信長が生きていた、そして明智光秀もまた、という奇想天外な展開へ…。そして日光東照宮等の建造物に今も残る謎を示す数々の痕跡、さらに子供遊びに歌われる「かごめかごめ」に秘められた歌詞の謎。飽きさせない、いや逆に興味を惹かせるような知的好奇心への擽り。また七武将に関係する千利休や石川五右衛門といった人物との逸話も挿み、物語に広がりを持たせる工夫が実に巧い。

そして何と言っても演じている役者の熱演が凄い!七武将…織田信長(榊原利彦サン)の睥睨し他者を圧倒する迫力、明智光秀(川本淳市サン)の苦悩・苦悶する繊細な表情、豊臣秀吉(串間太持サン)の”猿”と言われた小狡いさ、剽軽さ、浅井長政(高橋孝輔サン)の愚直で厚情ある思い、武田信玄(山口仁サン)の渋みある低音が貫録を表現、朝倉義景(川原英之サン)の上品で端正だが、線の細さは義景イメージ、徳川家康(石垣佑麿サン)の捉えようのない姿の中に芯の強さを感じさせる。そして唯一の女優(艶やかな着物姿)で八百比丘尼(後藤萌咲サン)のストーリーテラー、その他 森蘭丸・千利休・石川五右衛門といった人物の逸話を情感溢れる演技で武将達を支える。

役者の熱演を、多彩な照明や音響効果で支える。冥界といった空間、伽藍といった場所は言葉(台詞)で表現し難いが、例えば渦巻状の照射で曖昧さを表現、合戦場面等は真っ赤にするなど状況演出が巧い。
物語の謎…「『本能寺の変』驚愕の真実」は、ぜひ劇場で堪能してほしい。
次回公演も楽しみにしております。

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