ミュージカル『アラジン』 公演情報 劇団四季「ミュージカル『アラジン』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    この昔々のアラビア世界という設定の利点は、女性たちの肌もあらわで胸の谷間が強調された衣装が楽しめるところ。見たことはないが、かつてのSKDのようだろうか。王女ジャスミン役の木村奏絵の品のある美しさと、スラリとしたおへそのに目を奪われた。

    ストーリーはいたってシンプル。貧しい青年が王女と結ばれる、ボーイ・ミーツ・ガール物語である。市場で会うシーンは「ローマの休日」のよう。二人の初デュエットもいい。アラジンが「母の自慢の息子になりたい」というのも、物語に親子関係という縦軸を加える。
    魔法のランプの精ジーニーが、一番舞台を盛り上げる存在である。この役の俳優(見た回は一和洋輔)の底抜けに陽気な語り口が絶品。

    二人が魔法のじゅうたんに載って、満天の星空を飛ぶ「新しい世界」のシーンはセンチメンタルに美しい。まさに二人だけの世界。それ以外にも洞窟でのダンスシーンなど、歌とダンスのショーは、極めて高い完成度だ。美術、しかけ、照明も申し分ない。洞窟で財宝の山がダンサーに早変わりするのは意表を突かれた。5年間、汐留でロングランしているのも、これならわかるという出来である。
    ただ大人の哀歓に触れるという点では、父親と家族のきずなの再生を描いたミュージカル「メリー・ポピンズ」の方が勝っていた。あちらもディズニー作品だけれど。

    ネタバレBOX

    大臣の罠にはまって、友人3人と地下牢に閉じ込められたときは、ジーニーの助けを得る。しかし、本当に王女の愛を得る段では、ジーニーに頼らず、自分の機転と誠実さで勝負する。最後は自力で王位を得るところに、前向きなメッセージがある。(ただ、他力依存より自助努力の推奨はもろばの剣でもある)
    自分らしく素直に生きることと、女性の自立は「アナ雪」とも共通する、今のディズニー作品のメインテーマである。そこは気持ちよく見ることができた。

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    2022/04/21 11:03

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