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海と日傘

海と日傘

R Plays Company

すみだパークシアター倉(東京都)

2025/07/09 (水) ~ 2025/07/21 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/07/16 (水) 13:00

静かな演劇というものを味わいたくて、戯曲『海と日傘』を読んでから観劇。文章で読んだ時には伝わってこなかった行間に仕組まれたあれやこれやが、舞台上でまざまざと浮かび上がる様子に、舞台の為に書かれた戯曲という物の力を見せつけられた思い。舞台美術を究極のシンプルに振り切った演出の桐山和也さんの覚悟に感服いたしました。著者の松田正隆氏の長崎への思いは切り離せず、美しく光りながら揺れるカーテンは生と死の間なのか、それとも海の底なのか…

ネタバレBOX

しかしこの舞台、妻の直子の余命僅か…の部分を除けば、ごく日常の、どこにでもある夫婦や隣近所、職場の人間関係の会話劇で成り立っています。
被爆の影響で死にゆく妻を看取る夫の悲劇、と単純に受け取るには惜しい。
ごくその辺にある人と人の言葉のやりとりの中の行き違いや隠された本音の、『あるある』な会話を観客はそれぞれの実体験と照らして楽しむのが面白いし、この舞台はそれを観客に求めていると思う。
煮え切らないのに何故かモテる主人公の洋次を大野拓朗さんが好演。妻に愛されてそこに甘えているダメ夫だけど何故か憎めないキャラ。いろんな人に詰め寄られて(詰め寄られた気持ちになって)目を泳がせてフワフワしながらも、妻を想う気持ちは演技の強さ重さで伝わって来ました。

余命3ヶ月の妻を南沢奈央さんが、黄色い花柄の衣装で最期まで元気そうに、健気に夫に愛を傾けて命を全うする姿には、涙が溢れました。清純で高潔…そこに昭和っぽさもあってぴったりの配役だと思いました。

瀬戸山夫婦役の斉藤淳さんと阿南敦子さんはテンポ良く座組を引っ張っておられたし、編集者の吉岡役の小川ゲンさんは、台詞の間が上手くて何故か心に刺さる。オーディションで役を勝ちとったと言う多田役の松田佳央理さん、柳本役の小川幸人さんも好演されてました。プロデューサーの佐藤玲さんも看護師をさらりと演じておられて、目線動きと声の通りは流石だと思いました。

複数回観ると、また違った発見があって、本当に奥深く面白い舞台でした。
楽しめました…観て良かったです!!

鏡の中の鏡

鏡の中の鏡

KAAT神奈川芸術劇場

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2025/07/26 (土) ~ 2025/07/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

MVPは美術デザインの深沢襟さん。この人のセンスはヤバイ。見たことのないデザイン感覚。ハニカム構造の白い網のような物をぐるぐると身体に巻き付けていく。無数のドアが綺麗に折り畳まれていく。幾何学的な部屋が幾つも出現しては一つの箱になる。エッシャーの騙し絵のような世界。まさしく今作の視覚化に成功している。視覚と素材の触覚までも計算しているのだろう。

榊原有美さんによる子供達を参加させる遊戯感覚のオープニング。沢山のひらがなが散らばっている。和やかな雰囲気を一変させて金属の牛の仮面を着けた杉山賢氏が登場し静かな声で語り出す。「私の名前はホア」。(自分はコア〈CORE〉と聴こえた)。暗い声が木霊する。一変した雰囲気に怯えて泣き叫ぶ幼児。前半はもろ万有引力の世界。自分という牢獄から何とか脱出を計るミノタウロスの独白。迷宮ラビュリントスに閉じ込められた牛頭人身の男は音が無限に反響する世界を彷徨い歩く。

この迷宮都市から脱け出す為の試験を受ける若者(杉山賢氏)。翼を着け幸福に包まれた彼に町の不幸な男(大高浩一氏)が自分の不幸を少し肩代わりしてくれと頼む。杖として体にぶら下げられる不幸。ステッキやら傘の柄やら観客も次々にぶら下げていく。重くなった身体を引きずる若者、与えられた試験を忠実にこなした。だが結果は不合格。服従しないことこそがこの試験の答だったのだ。

断片的な短篇が無作為に続く。

子供相手にこれをやるのかという興奮はあった。子供の機嫌など露程も気に掛けない姿勢は好感。

ネタバレBOX

等身大の透明な人型のアクリルシート。大高浩一氏がハンドルを回すとまるで走っているようにも見える。

幕が上がったら芝居が始まるのだがいつまで経っても幕は上がらない。

絶え間なく続く芝居、その芝居だけが世界を一つに結び付けていた。ある日、ある一つの言葉が消えてしまう。その言葉なしでは芝居は続けられない。世界はバラバラな断片になりもうそれぞれは何一つ関係がなくなってしまった。その言葉とは何か?

展覧会を観に来た夫婦(大高浩一氏と舘野百代さん)。受付の女(榊原有美さん)は出入口のない部屋に閉じ込められている。

見張り台から望遠鏡を持った船乗りが降りて来る。そこにバランスポールを持った綱渡りが歩いて来て鉢合わせ。

寝台に寝ている人形。

王女アリアドネー(榊原有美さん)と英雄テーセウス(杉山賢氏)が迷宮ラビュリントスの扉の前で対話する。テーセウスがその中に入って行く。彼はミノタウロスを倒す目的を果たせぬままミノタウロスになり、冒頭に戻る。「おわり」と「はじまり」はいつも同時にやって来る。

前半は超面白い。恐るべしSPAC!と驚嘆したが、展示室の受付エピソードくらいから停滞。ナンセンスなオチのないコントの垂れ流し。原作がどうだか知らないが、二次創作としてやるのなら肚を決めて欲しい。解き明かすべきものが何もないと判った時からぼんやりと遣り取りを眺めるだけになる。ある一つの観念が伝わるように工夫すべき。

ミヒャエル・エンデは今作をホメオパシー(ホメオパティー)として書いたと言う。薄めに薄めた猛毒を服用させることにより毒への抵抗力が生まれ、読者を健康にする。それが芸術の治癒効果の秘密。

この世界を脱出する方法は演劇しかないという話は面白かった。自分で自分を現実世界で演じていくしかない。
役に立たない言葉が欲しい

役に立たない言葉が欲しい

GORE GORE GIRLS

駅前劇場(東京都)

2025/07/16 (水) ~ 2025/07/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/07/17 (木) 14:00

優雅なサロンを思わせる凝ったツクリの装置の中で繰り広げられるのは「全寮制のマナー教室(!)」の参加者たちと講師による会話劇。
「そんなマナーが!?/んなワケねーだろ!」な劇中マナーは昨今跋扈する自称マナー講師に対する揶揄に感じられ、また、一見丁寧であるが失礼なことをどさくさに紛れて言うのがフェイント的で楽しい。まさしく「会話劇の妙」か。

vol.41 「廃墟」、vol.42 「そぞろの民」

vol.41 「廃墟」、vol.42 「そぞろの民」

TRASHMASTERS

駅前劇場(東京都)

2025/07/25 (金) ~ 2025/08/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

両方観る予定ですが、まず”廃墟”のほうを観ましたので、そちらの感想。

80年近く前の三好十郎の戯曲。
3時間近い大作で、途中で10分間の休憩あります。
駅前劇場に、作りこまれた美術。
派手さは無いけど、音響が凄い立体的に聞こえてた。
序盤は、きちんとした芝居だけど、やっぱり古臭いかな……だったんですが。
家族の討論?、喧嘩?、議論劇がついに火蓋を切ってしまってからは、凄まじかった。
時代やそれぞれの立ち位置を丁寧に積んで、一気に。
観終わった後、観てるだけなのにヘロヘロでした。
これは、今、観るべき一作です。
これと、もう一作(きっと負けず劣らずだろう)を共通するキャスト陣で同日にやるって、狂気の沙汰だと思う。

無事に走り抜けられますように。

銀河ホテルへ

銀河ホテルへ

MMS エンターテインメント ミュージカル

クレオ大阪中央(大阪府)

2025/07/26 (土) ~ 2025/07/26 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とてもいいお話でした。銀河鉄道の夜などのお話の要素を入れながら、戦争のエピソードも加えて、とても良くできた内容の印象です。演者の皆さんのお芝居、歌、アクロバットなダンス、ともにとてもよかったです。子供たちの可愛らしいダンスも動きも良かったですね。とても楽しいよい時間を過ごせました。ありがとうございました。

「さよならノーチラス号」/「ナナメウシロのカムパネルラ」

「さよならノーチラス号」/「ナナメウシロのカムパネルラ」

演劇集団キャラメルボックス

サンシャイン劇場(東京都)

2025/07/20 (日) ~ 2025/07/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/07/26 (土) 17:00

「さよならノーチラス号」を観劇。
子供心を想い起す素敵な芝居だった。
石森さん演じるサブリナがとてもチャーミングで良かったです。

「さよならノーチラス号」/「ナナメウシロのカムパネルラ」

「さよならノーチラス号」/「ナナメウシロのカムパネルラ」

演劇集団キャラメルボックス

サンシャイン劇場(東京都)

2025/07/20 (日) ~ 2025/07/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/07/26 (土) 13:00

「ナナメウシロのカムパネルラ」を観劇。
目に見えないことが面白さと感動を生むのが素敵だった。

ACTRESS〜そして誰もいなくなった〜

ACTRESS〜そして誰もいなくなった〜

『アクトレス』を演る会

布施PEベース(大阪府)

2025/07/25 (金) ~ 2025/07/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

宝塚好きだったら楽しめた?
宝塚には接待で一度だけ当時の彼女と行っただけで、面白さが…
アガサ?の、そして誰もいなくなったをパロったのかな〜とも感じながら楽しめたものの、宝塚を理解していればもっと楽しめたのかも
三蔵さんの役が印象的 ウマウマ

『アネモネ、誰の為に咲く?』

『アネモネ、誰の為に咲く?』

シーリア企画

GALLERY工+with(東京都)

2025/07/25 (金) ~ 2025/07/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

上演時間が約50分でしたが、殆どが観客参加型で、舞台ではなく実験的なイベント?という印象でした。
役者さんに話しかけられると、その真っ直ぐな眼差しに吸い込まれそうでした。
主人公が、どんな状況なのか、様々な捉え方が出来るので、終演後も頭の中が謎でした。
不思議な時間を体験しました。

『アネモネ、誰の為に咲く?』

『アネモネ、誰の為に咲く?』

シーリア企画

GALLERY工+with(東京都)

2025/07/25 (金) ~ 2025/07/27 (日)公演終了

実演鑑賞

良かったです。

わたしたちをつなぐたび

わたしたちをつなぐたび

KAAT神奈川芸術劇場

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2025/07/21 (月) ~ 2025/07/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

原作はイリーナ・ブリヌルの絵本。大池容子さんの描いてきた世界観と重なるのでオリジナルかと思った。記憶の遡行とメランコリックな歌。自分と世界とを紐解いていく精神的な旅。
美術が見事、重量感を感じる様々な青銅の椅子が並ぶ。背もたれが高く格子状のデザインで梯子にも障子にも見える。

森の奥深く静かに母娘暮らす小さな一軒家。
動物の言葉が理解できる主演の少女、藤戸野絵さんに腕がある。「なんでどうしてなんで」の歌が良かった。
背もたれが水平ではなく斜めに傾いている、変わった椅子を作る少路勇介氏。佐藤滋っぽい。歌声が忌野清志郎入ってる。
少女の母親やサケの下司尚実さん。
シカやリスの岩永丞威氏のブレイキン。
シカやキツネの山田茉琳さんはストレッチのヨガポーズ。
コウノトリの造形も匠。川の表現がとても繊細で美しい。

「何故、自分には父親がいないのか?」ある日ふと母親に尋ねた少女。母の答は「ある日、コウノトリが運んで来たの」。そんなディズニーな世界観、今じゃあ乗れないよ。だがどうやらマジらしい。運んで来たコウノトリに経緯を聞く。リスがサケがキツネが···。自分のルーツを辿る旅。それは偶然なのか必然か。自分は一体何なのか?

ネタバレBOX

前半がちょっと退屈。歌以外にネタを仕込んだ方がいい。椅子屋の時事ネタなんかで観客の目先を弄ったり。「動物と子供のfriendship」だと作品のフレームを読んだ連中に一発かましたい。

冒頭に登場する椅子屋が孤児院で少年として存在している。まさに時間の遡行。だが彼は言う。母親が見つかったのに君は何故ここにいるの?ああ、時間は一方向にしか流れてゆかない。過去に戻ってももうそこに自分はいない。自分がいるのは未来を見据える現在にだけだ。それがどんなにうんざりする現実だとしても。少女は名前をユメと告げる。母親はコウノトリが運んで来た赤ん坊に自分の夢を託した。きっと自分の果たし得なかった夢さえ叶えてくれる筈。終演後の客席、ボロボロ泣く母親に幼い娘が「ママ、どうして泣いてるの?」と訊いていた。母親は何も答えない。

怪獣大戦争マーチ(自衛隊マーチ)が流れるロビー。
下に降りると劇団白昼夢がアトリウムにて15分程度の公演を無料開催。詰襟学生服に白塗りの三人組。土方巽起源の伝統的アングラスタイル。自転車紙芝居屋。令和では異形の異化効果よりも野性爆弾のくっきー!みたいな面白いことをやる人の捉え方。
キネマの天地

キネマの天地

劇団ブルア

新開地アートひろば(兵庫県)

2025/07/26 (土) ~ 2025/07/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

観たかった演目で初観劇
ミステリー感も在り、楽しめました
途中役者のセリフがとんだ時の対応も見物でした
違う劇団でも観てみたいです

宮澤賢治・宛名のない手紙

宮澤賢治・宛名のない手紙

劇団昴

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2025/07/24 (木) ~ 2025/07/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

座席1階

宮沢賢治の名作をオムニバスのようにつないで作り上げた舞台。注文の多い料理店、銀河鉄道の夜、セロ弾きのゴーシュ、よだかの星……。宮沢少年と妹を主人公に、なぞ解きをするがごとくの列車の旅が舞台で展開する。

パンフレットによると、脚本・演出を担当した菊池准の今作は四半世紀ぶりの登場という。こんなふうに宮沢賢治を読む経験はなかなか得難い。今作自体が一つの叙事詩のような舞台に仕上がっていて、宮沢賢治の新作のような趣もある。特に、登場した一つ一つの作品の心がうまく合わさってつながっていて、印象深い物語を構成しているのがとてもいい。
夏休みの土曜日、子ども連れの来場者も目立った。小さい子には少し難しいかなと思ったが、この舞台を見て宮沢賢治の世界に足を踏み入れるきっかけになったら、それはとても素晴らしいことだ。約2時間の舞台だが、小さな観劇者のために15分の休憩をはさんで2幕にした心遣いもよかったと思う。

目醒め

目醒め

ジャパニーズ生活

小劇場B1(東京都)

2025/07/23 (水) ~ 2025/07/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

(笑えた度)4(今感)4(完成度)4

2015年、キッパリと失われてしまった青春を探して。
 
軽妙な会話でみせるSF青春群像劇。余韻はジュブナイルに近くて、爽やかな後味。
 
一瞬を焼き付けた過去への往来は、未来に続いている。どの世代にも響く「永遠」。

ネタバレBOX

1幕は過去、2幕目は未来である現在。
左右に客席があるB1の構造をうまく使って、過去から未来へ90度の場面転換。
2つの時代の同じ当事者が行き来する同一シーンをリフレインして両面から見せる手法は鮮やか。

脚本は正攻法で、物語を紡ぎつつ、SF設定のドタバタと日常のちょっとした会話で笑わせてくる程よい湯加減。

2015が舞台なので、iPodなど、濃厚に漂う平成感。
松潤ドラマもサンボもオレンジレンジも10年くらいは前な気がするけど、
中学の時に熱中した的なやつね。
一方、2025の今の描写は、少し薄いかな。

野田くんと崎原さんのやりとりが面白すぎて、ずっとw w
これだけでスピンオフのラブコメを作って欲しいくらいの完成度。

崎原さん、前前前世を教え込む、テレ東の佐久間さんなどなどのエモいボケの存在感は天賦の才能か迫真の演技か。
ラストシーンを飾る画ヂカラ。
野田くんの「あいだみつを」ボケの重ねもいい味出してます。

相変わらず手堅い演技の村上さん。ツッコむ迫力がいいですね。
 
皆さん爽やかで、楽しい時間を過ごせました。
 
六道追分(ろくどうおいわけ)~第八期~

六道追分(ろくどうおいわけ)~第八期~

片肌☆倶利伽羅紋紋一座「ざ☆くりもん」

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2025/07/24 (木) ~ 2025/08/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

通し公演8期までコンプリートしたかったんですが観劇出来たのは5公演。そのどれもがキャスト事に刺さる場面が違い毎回楽しめました。ダブルキャストやトリプルキャストは結構ありますが、ここまでキャストを入れ替えての舞台は初めてで、新鮮でした。

ネタバレBOX

ただ残念だったのはお菊は町娘の着物に着替えたのに、足抜けしたい花里が見つけてくださいとばかりの姿がどうにも気になって仕方ありませんでした。
キャプテン・アメイジング

キャプテン・アメイジング

世田谷パブリックシアター

シアタートラム(東京都)

2025/07/26 (土) ~ 2025/08/03 (日)公演終了

実演鑑賞

一人芝居でキャスト3名。同時出演ではなくトリプルキャスト、という珍しい企画性。見比べる楽しみを(ある程度)前提としていると推察できるので、三作観ることで、より多彩な感想が生まれそう。僕が観たのは近藤公園さんの出演回。セットはシンプル、壁や椅子、机など最小限。時折シーンの情景を想起させるイラストが壁に写し出され、「このシーンはこんなイメージです」と提示してくれます。上演時間は約70分。

ネタバレBOX

「キャプテン・アメイジング」という架空のヒーローが登場し、彼の恋愛や育児、娘との関係性などが描かれる。「ヒーローの人間的苦悩」のようなテーマは、近年のヒーロもの漫画などでもよく見かけるテーマであり、その意味で世界観に入りやすかった。ネタバレになってしまいますが、「そもそも本物のヒーローなのか?」と疑問符を打てるようなシーンもあり、解釈は観客にかなり委ねられそう。日本は欧米と比べると「スーパーヒーローもの」の普及度・浸透率が低いと推察できるが、このモチーフがもう少し日本人に馴染んだ土壌があれば、物語への共感が増すのかもしれない。…と思いつつ、日本にもアメコミやマーベラスを愛する人たちは多いので、この感想は単に僕個人のものかもしれません。そして、「じゃあ日本に置き換えると何が良い?」と考えても、ウルトラマンや仮面ライダーも国民全員が親しんでいるわけでもなく、なかなか難しいのかも…と思いました。戯曲自体も自由に解釈できる様式のようで、多彩な上演が可能なポテンシャルを秘めている一作と言えるでしょう。
パビリオンをください

パビリオンをください

電動夏子安置システム

赤坂RED/THEATER(東京都)

2025/07/25 (金) ~ 2025/07/29 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/07/26 (土) 18:00

ロジカルコメディの雄が万博に挑む。アタマを使うが楽しい!!!120分。
 2080年に江戸川区で万博が開かれることになって、オープン2週間前に参加したい国が出て来て、パビリオンをください、ということで…、の物語。カン違いと思い込みで人間がいろいろと面白いことをやる、という設定のロジカルコメディだが、55年後でも人間のやってることは変わらないというメッセージも込めれられている気がする。終わり方は近年の社会性の現われという感じ。
 若い客演陣がしっかりハマっているのだが、どうやって見つけてくるんだろう。

君の夏則

君の夏則

Oji中高生演劇スクール実行委員会

インディペンデントシアターOji(東京都)

2025/07/25 (金) ~ 2025/07/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/07/26 (土) 14:00

若く、スガスガしく、面白い!94分。
 王子小劇場時代から行なって来た中高生のサマースクール。3日間で芝居を作り、3日間の公演をするという。今までは忙しい時期なので観られなかったのだが、今回は奇跡的に時間があり観ることができた。作・演出はやみ・あがりシアターの笠浦静花だが、参加者のアイデア等で組み立てる型式らしい。今回の4人の参加者が、この日だけ体調不良で1人抜け、3人で再構成しての上演(そのため当初60分と予告されていたが90分程度になっていた)。にもかかわらず違和感は全くなく、気持ち良く楽しい時間を過ごすことができた。いい時間をもらってありがとう。

墓場までのかえりみち、ゆりかごからブランコへ。

墓場までのかえりみち、ゆりかごからブランコへ。

ハイワイヤ

シアター711(東京都)

2025/07/24 (木) ~ 2025/07/30 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

チケプレに外れたら基本諦めることにしている昨今ですが、どうしても気になって観に行きました。どちらも明日は我が身と思えて切なかったです。
トシエさんの「あなたの笑顔だけでやってこれた」という言葉にとても共感しました。
介護に従事する方達がみんなシライシさんのようだといいのですが。

ネタバレBOX

迷惑はかけたくないなどとはカケラも思っていない私ですが、素敵なお母さん(とは思われていないかもしれないが)として子どもらの心に残りたいものです。
VS.

VS.

吉本興業

ABCホール (大阪府)

2025/07/26 (土) ~ 2025/07/28 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ボブさん脚本にこのメンバー!面白くないはずがない!と思ってた通りの素晴らしいお芝居でした\(^o^)/

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