よしの観てきた!クチコミ一覧

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ともしび

ともしび

劇団芝居屋

ザ・ポケット(東京都)

2011/05/31 (火) ~ 2011/06/05 (日)公演終了

満足度★★★★

安心して観ていられる
すでに書かれているとおり「分かりやすさ」を念頭に置いている劇団。
なので凝った現代物を好む方には満足できないかもしれないが、
私は素直に楽しめました。
あまり理屈っぽいことばかり考えないで、こういうものを見て素朴に感動するのも観劇の面白さと思うので。
でも、いわゆる質がイマイチの大衆演劇というわけではなく、
それなりのいい水準を保ってます。
後はネタバレを少々・・・

ネタバレBOX

少々気になった点を3つ。

1 フィアンセ役なのですが、声が大きくてよく通るのは、普通なら結構なんですけど、葬儀中とか、そうでなくても深刻な場面で、1人だけそういう声を出されるのは、ちょっと違和感がありました。

2 躁鬱の奥さんが、早めにラーメン店に行ってしまったのを、周囲が「もしや」と探し回るシーン・・・ここは、ラーメン屋に行ったシーンが先に出てきているので、後の探し回るシーンが、観る者にとっては少々かったるい。
探し回るのを先にして、あとで、ラーメン屋のシーンを持ってきた方が、
緊迫感も出て、観る者を引き付けるのではないか?

3 細かいが、火葬中、「焼き上がりました」の台詞で失笑が出ていました。
おまんじゅう

おまんじゅう

多少婦人

OFF OFFシアター(東京都)

2011/06/02 (木) ~ 2011/06/06 (月)公演終了

満足度★★★

性格的演劇で、好みが分かれるかな?
個人的には、こういう話は「短編集」ということで、活字で読んだ方が良いかな?と感じさせられた。

理屈が強いというか、推理的色彩を持っているが、
しかし長編物のようにジワジワ解き明かされるというわけではなく、
短編で凝縮されているので、
それを面白いと思うか、窮屈と思うか、そこで好みが分かれると思う。

私は、どちらかというと後者・・・なので、
冒頭のように、これなら活字の方が、と思った次第。
まあ、万人受けしないでもいいのかもしれないが、
それでも、もし私のような好みのものにも楽しめるように、ということなら、
合う題材を選択して、そして工夫された台本を用意する必要があるかな、
とは思う。
ただ、そうすると毛色が変わって、今のファンがどう思うかな?
というのもあるし、それについては責任は取れません(笑)

『最期の○○と、それからのこと。』

『最期の○○と、それからのこと。』

劇団わらく

中野スタジオあくとれ(東京都)

2011/06/01 (水) ~ 2011/06/05 (日)公演終了

満足度★★

中途半端・・・いや、手抜きでは?
辛口のタイトルつけちゃいましたが、実感なのであしからず。
1つは、「観たい」にも書きましたが、仕事柄、遺産相続に関わることも結構あり、その辺の扱いが杜撰だったと感じたこと。
実は、劇団からメールを頂いた際、「遺書は裁判所での開封が原則で、自宅で弁護士が開けるのは違法なんですよ」と返信したら、「架空の話のように作るので」とのこと、まあそれならいいかな、と思った。
そして、劇が始まると、能のような所作で、リア王のパロディとなったので、
「なるほど、これなら架空の世界だな」と改めて思った。

しかし、それが終わると、完全に現実世界に戻され、弁護士と3人娘が登場。
ここからは、私的には、「出来が悪かった」としか言いようがない。

ネタバレBOX

これは本質論ではないが、話を出してしまったので、もう少し続けると、
劇作者は、「相続」と「生前(の)贈与」の区別も分かっていないし、
「遺言」が何が対象なのか、さらには「限定承認」(なんと専門的な用語)まで
持ち出すが、あまりに出鱈目で、それだけでもう興ざめ。
しかも、こういう用語を使うことと言い、また他の台詞・舞台装置なども含め、
まったく「架空」ではなく「現代かつリアル」へ持って行ってしまっている。
別に「(相続の)法律」に限らず「裁判」でも「警察」でも「麻薬捜査」でも
「時代公証」でも、やるなら調べてちゃんとやる、
やらないならやらないで「架空の世界」としてやって、
とにかく、どちらにしても、観る者に「そうなのだろうな」と思わせる「説得性」は
絶対必要でしょう。

この辺からして中途半端だし、マニアックな細部はともかく、
一般人でも知っている人が多そうな部分までいい加減なのは、
(あえてきつく言いますが)「勉強不足」ではなく「手抜き」です。

細部の話が長くなってしまったが、全体を見回しても、
雑多かつ掘下げ不十分で、中途半端な感は否めない。

リア王のようなテーマを扱いたいのか、しかし、末娘はなぜか遺骨そのものに固執、その他、娘婿たちやら弁護士やら巫女の隠し子やら墓地開発やらも位置づけがテキトー過ぎ。

そして、最後は父親の亡霊が出てくるが、(台詞はよく噛むし)死者と生者の思いの違いが浮き彫りになるわけでもない。
そもそも、笑いを取りたいのか、観る者に考えさせたいのか、両方を目指したいのか、この辺からして、よく分からない・・・。

これだけの材料があるなら、もっと面白いものが作れるはずと思うが、それらもただ散りばめられただけ・・・だから「中途半端」いやトータルとしても「手抜き」なのでは、と言いたくなる。
それでも2Pにしたのは、頑張っている役者・スタッフも多かったから。
それだけが救いでしょうか?

それと、この日は雨で、会場内が非常に蒸し暑かった。
この辺もちょっと考えてほしかったですね。
神様の言うとおり

神様の言うとおり

NICE STALKER

池袋GEKIBA(東京都)

2011/05/27 (金) ~ 2011/05/31 (火)公演終了

満足度★★★

この手法ではゆるくなってしまうのでは?
この日も超満員で、電車遅延のためぎりぎりについた私は補助椅子へ・・・。
ただ、お隣がかなりの美人のお嬢様だったのはラッキー(?!)
それはともかく、携帯の設定のための用紙が足りなくて、
もたもたしており、さらに10分ほど遅れての開始となった。

さて、携帯で劇中で投票させるという試み・・・、
もちろん芸術家・表現者として、
新しい試みにチャレンジしていくことは重要であると思うし、
上手くいくことを願ってもいたが、次のような懸念ももっていた。

1 (かなり)昔、漫画雑誌で読者にその後の筋の進行のアンケートを取り、
作者がそれに合わせるという企画がはやったらしいが、
結局は月並みな展開が多くなり、
「読者の希望に合わせること=いい作品になる」
というわけではなかったようで、結局は廃れてしまったという。
2 最近では、試写会で上映中、携帯でアンケートやら感想を送信させる手法もあるらしいが、
上映中観客が携帯を取り出しただけで、場内が明るくなるし、ざわつくし、鑑賞の妨げになる、との批判もかなり出ていたようである。

で、当日どうであったかというと、2については、多少そんな気にもなったが、
映画と違って真っ暗ではないし、そこで今後の芝居に影響を与えられる
という要素もあるので、個人的にはそれほど邪魔にはならなかった
(個人差はあるだろうが)。

ネタバレBOX

しかし、1については、やはり色々考えさせられた。

(1)何回アンケートがあったか覚えていないが、仮に5回なら、
2択なので、2の5乗=32通りの筋があるともいえるが、
現実にはそれほどの用意がされているとは思えなかった
(というか無理だろうし、意味もないだろう)。
つまり、2択のいずれかが選択されることで、
その直後については変化があるようだが、
結局は、その程度で、結局は1つに収斂していくようである。
要は、一旦は2股に分かれても、全く違う方向に行くのは最後くらいで、
途中では結局は1つに合流してしまっているのではないか?
それなら、どれほどの意味があるのかな?と思ってしまった。

(2)また、2択なので、観客は自由に選べるわけではなく、
あらかじめ用意された2つのいずれかしか選べない。
選択肢は、正反対というよりは、どちらも似たものも多くて、
「どっちもな・・・」と思ったこともあり(某国の国政選挙に似ているか?)、
要は、マスコミの偏向世論調査(?)と同様、設問自体に、
設問者の意図が色濃く反映されているのであり、
(1)と合わせても、さほど観客にフリーハンドが
与えられているわけではない。
もっとも、設問で笑いを取っていたところもあり、
それはそれで面白かったが・・・。

(3)観客がどちらを選ぶかについても、
「私がその立場なら、こうしたい、こうすべき・・・」という見解よりも、
「私としては、○○の方の筋書きを見てみたい」という見解で
選択している人も多いのではないか?
つまり、選ばれた「結果」がどの程度の意味を持つのかな?と思った。
そしてさらに、例えば、いじめを受けている同級生への対応について、
を考えてみたい。
この時、誰でも経験しているであろう、いじめや若い頃の失敗について、
演劇として深く掘り下げていく、ということはあまり期待できず、
選択された結果により、ポイントが切り換えられ、
そのレールの方向に進んでいく、という程度にすぎない。
ちなみに、私もいい年をして、行き遅れたおじさんなので、
結構台詞が当てはまることも多く(?)、
要は、いじめられる人間やダサい人間を、
ただ浅薄な笑いの対象としか扱えないのであれば、
しょせんその程度の演劇にしかならないであろう。

(4)、上演中、観客を惹きつける要素として、「これからどうなるのだろう?」
という強い思いがあると思うのだが(だからネタバレを嫌う人も多い)、
この手法では、アンケート中に結果がどうなるか、
というゆるい期待にしかならない。
また、古典もの(クラシックや落語でも同様だが)では、ネタバレであり、
その後の展開は分かっているのだが、
しかし、分かっているものが、どのように演技され、演出されるか、
を楽しみに行くのである。
こっちの方がむしろ、私は演劇の本質的な魅力だと思うのだが、
それは失われてしまいますよね。

何より、観客の予想や期待を裏切り、しかもそれ以上の感動を与える・・・
というだけの台本や演技を、私は期待したいのである。
これでは、選ばれた結果から、その後の成り行きは
多少とも予想できてしまう・・・。
以上を考えると、私としては、この程度の手法では、
それほど効果があるとも思えないし、
今後、一般化していくとも思えないですね。

まあ、今回は、ゆるいながらも面白かったのだが、
でもその程度かな?という印象だった。
仏教キリスト教イスラム教(ご来場下さいまして、誠にありがとうございました!!!!!!!!!)

仏教キリスト教イスラム教(ご来場下さいまして、誠にありがとうございました!!!!!!!!!)

宗教劇団ピャー! !

STスポット(神奈川県)

2011/05/26 (木) ~ 2011/05/29 (日)公演終了

満足度★★★

好き嫌いが分かれる内容? でも、あえて「宗教」にしなくても・・・
好き嫌いが分かれる内容と思います。
まあ、私は嫌いじゃない(笑)

話は、大雑把に言えば、修行して悪に勝つ、みたいな「良くある話」で、
非常に乱暴なたとえをすれば、(細部はまったく違うけど)
オペラの魔笛などともかなり大まかには似てるかな?
それに、話がばかばかしいところもね。


さて、会場に入ると、床はゴミ屋敷のように、漫画雑誌の切抜きのようなもので充満し、
壁にも同じ様なものが貼られている(この日途中で一部剥がれ出したのはご愛嬌)。

上の方には、裸のマネキン人形や、ウ○コのようなものも含め、ぶら下がっている。
そして、土に埋もれた9歳の少年と後で明かされる役の役者のみ、
開演前からすでに埋もれたまま、怪しい視線できょろきょろしている・・・。
要するに、ここまでまったく「宗教」らしくない、というかむしろ対極。

そして、皆さんすでに書かれているように、下着姿で元気な踊りがまずあって、
それから、修行して悪に勝つという筋書きが漫画風に、かつかなりいい加減に進んで行くのは冒頭申したとおりで、
そして最後に突然、おふざけの雰囲気から、急にマジ告白になるのも、皆様のとおりです(笑)

ネタバレBOX

それで、私が何より印象を受けたのは、埋もれた少年ピア役の、
(でも実際に演じるのは若い美人の)女優さん(柳瀬晴日)!
公演が始まると顔の表情も豊かだし、滑舌もいいし、声の表情もいい。
ナレーター役のみならず時としてリコーダーを吹いたり
シャボン玉を飛ばしたりの手伝いもし、
埋もれているので身体の動きはないものの、非常に存在感がありましたね。

ただ、内容自体が猥雑な部分も多く、例えば男性のシンボルが(もちろん本物は露出できないが)、かなりリアルなものが登場し、
もしかしたらこれだけで引いちゃう女性もいるように思った。
それでも、坂上忍作品のような、乱暴な猥雑さはないのだけど、
それだけに、あえてそこまでやらなくてもいいんじゃない、
むしろやらないほうが良い笑い取れるのに、と言う気にもなった。

それから、「 「仏教」を「努力」、「キリスト教」を「友情」、「イスラム教」を「勝利」に大胆に当てはめ、それらを統合し誕生した」という解説だけど、
まあこれはひどいこじつけですね(笑)
だから、何も宗教に結び付けなくても良いと思うし、
むしろ、宗教にこじつけにしろ結び付けようという手法を無理に続けると、
今後の活動領域をかえって狭める気さえしてしまう。

最後のマジ告白も手法としては面白いが、毎回これというわけにも行かないだろうし、
聞いているとむしろカウンセリングというか精神分析とか精神療法という印象を受けた。
つまりこの点でも宗教に引っ付けなくて良いな、と思った。

なお、余談だが、昔は、人生相談、悩み相談、カウンセラー役も、
実際に宗教者が担っていたのだが、
今の宗教は、冠婚葬祭のみの毒にも薬にもならない既成宗教か、
それと真逆としては、有毒なだけのカルト宗教が目立つわけで、
だから、ある意味宗教が現代社会で占める位置を喪失しつつある、
ということは、まじめな宗教者にはぜひ考えてほしいところ。
最後のシーンを観て、なぜか私はそんなことまで考えてしまった。

それと、訳書をイスラム批判と取られて、命をとられた筑波大の教授も昔いたし、
それも含めて、あえて既存宗教に結び付けなくて良いのではと思った次第。

ついでに、最後の告白場面で、「外側を脱ぎ捨て、そのままの自分になる」
という意味か、(また)下着姿になるわけなのは申したとおりですが、
特に悪役女性お二人が、ナイスバディであられたので、
俗人おじさんとしては、嬉しかった・・・。

それと、私は出口に近いところに座っていたところ、
会場案内係の美人お嬢様二人が、笑えるシーンで、
笑いを必死にかみ殺していたのが、むしろ面白かったりもした。

まあ、そういうような方向へよそ見していても、よそ見と感じられないほど、
もともと雑多なつくりでございました(悪い意味ではなくね)。
裏窓

裏窓

スポンジ

OFF OFFシアター(東京都)

2011/05/25 (水) ~ 2011/05/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

超能力者の悲哀
サイトもチラシも、あえてストーリーなど隠しているし、今回はいつも以上にネタバレで書いているので、これから観る方は以下を読まない方が良いかも?

ネタバレBOX

主人公の超能力者は、兄の経営する小さなバイク屋に勤める。
しかし、超能力の故にテレビ出演なども舞い込み、バイク店の仕事はイマイチやる気薄。なので従業員からは苦情も・・・でも優柔不断の兄である社長は弟に言えず仕舞い。
そして、主人公には看護師の優しい妻がいる。

ところが、とあるテレビ出演の際、興味本位でしか取り上げないテレビ局により、超能力懐疑派の学者も出演する中、生放送で超能力に失敗し、無神経なカメラワークに怒った主人公は、カメラに手を出したところ、カメラは破損・・・
(ここまでは語りにより観客に伝えられる)。

その賠償として、(挑発したはずの)テレビ局は500万円を請求、家族まで保証人にさせられる・・・というエピソードが前半。

そして、話は3年後に飛び、その後もテレビや映像に出演する主人公。
そこに、旧知のフリーカメラマンより、ドキュメンタリー撮影の話が舞い込む。
超能力を持ったことから、それを伝えねば、と使命感を持つ主人公。
しかし、超能力を世間に知らしめることに主人公が熱心になればなるほど、周囲はぎくしゃくしていく。
優しい妻は、夫が超能力を捨て、平凡に生きていくことを願い、
そして夫を思うがゆえに、フリーカメラマンに「超能力はインチキ」と告げ、撮影の話を無くそうとする・・・しかし主人公は当然怒り、妻を打つ。
妻の「私と、超能力とどっちを選ぶの?」の問に、静かに超能力を選ぶ主人公・・・。

それから、さらに時間は経過・・・従業員も「彼が超能力をやめないなら、私がこの店を辞める」とまで、社長に談判。
そこに、郷里から荷物を取りに来る妻・・・そう、妻も彼から去っていく。
そして、最後に、優柔不断であった兄からも「超能力はインチキ(だよね・・・だからやめろ)」と告げられる。一緒に育ち、誰よりもその超能力がインチキでないことを知っている兄からさえ・・・。

と、長々あらすじを書いてしまったが、私は、特異な能力(それは必ずしも超能力でなくても良い)を持つ者と、その周囲の普通の人々との間にある、平凡な生活が崩壊していくドラマと捉えた。その限りにおいて本公演は成功していたと思う。
もちろん、それは役者の能力も寄与してのもので、
言いにくいことを言わねばならないシーンでの間の取り方、
あるいは他の人が入ってきてしまい、言いにくいことを言おうとしたが、
しかし飲み込んでしまわざるを得ない状況の変化の表現など、
難しい演技が求められる内容だが、好演していたのではないか。

超能力者ゆえの繊細かつ理想化肌の主人公、兄で社長だが優柔不断の兄、心優しいが平凡な生活を願う妻、仕事熱心の故に超能力に浮かれている主人公に反発する従業員、悪徳商法業者に勤めたり、簡単に仕事を辞めて、姉に無心をする妻の弟、超能力者をおもちゃにするだけのテレビ局、そこと主人公との間の板挟みのマネジメント会社の女性社員・・・などなど、性格分けも(台本上も演技上も)しっかりできていたと思う。

また、主人公が周囲の無理解で怒る際、稲妻のような電光が光ったり、
テレビや映像出演の部分は、公演上も映像を使用したり、の手法も効果的であった。
(映像の質はよくないが、結果的にそれが演出効果を落とすことになっていないのは、こういう台本のせいか?・・・これは僥倖かも?)

ただ、兄にも見放されたラストシーンで、主人公が怒りにつつまれ、例の電光が走る中で演劇は終わり、演者の挨拶等もないので、ここは唐突な感を受けた。
もちろんこれも計算ずくなのだろうし、悪くはないが、
ここまでやったのなら、もっといいラストもあったのでは?という気にも。

しかし、ともあれ、私(の独断偏見)としては、内容も演技も充実しており、気に入った芝居を観ることができ、満足できるものであった。
サリー【s'aeli】《当日券あります!》

サリー【s'aeli】《当日券あります!》

アフリカ座

TACCS1179(東京都)

2011/05/20 (金) ~ 2011/05/23 (月)公演終了

満足度★★

絶叫調や怒鳴り合いが非常に多いのに閉口・・・
AV女優さんが脱がないのは告知されているので失望しませんでしたが、
演劇としては、失望しました。

演技が素人っぽいのはまあいいとしても、
台詞が「殺す」「ばばあ」等々、乱暴な言葉が多すぎて、
またそれ以外の台詞も、絶叫調や怒鳴り合いが非常に多いのに閉口しました。

もちろん、演劇では、そういう言葉を使うな、とは言わないものの、
でも、そればかりではね・・・ということ。

これが意図的なのか、それとも役者の能力としてこうなってしまうのか、
私には分かりかねますが・・・。

それに、筋も、ショーを目指していくというありきたりなもので、
しかも、昭和30年代を舞台にした理由もよく分からないし、
幽霊を登場させても、さほどの効果はないし・・・という具合。

せめてもう数人でも、良いキャラの人がいればな、と思った次第です。

私を月までつれてって

私を月までつれてって

劇団こんぺいとう

高田馬場ラビネスト(東京都)

2011/05/20 (金) ~ 2011/05/22 (日)公演終了

満足度★★

演技も台本ももっと練って!
遺伝子操作、生命倫理、臓器移植、人体(?)実験・・・といったシリアスなテーマを取り上げ、それに推理的内容をも盛り込んだ内容で、こういうテーマを取り上げたこと、
それに、終演後の挨拶(後述)では、「こんぺいとう」の由来として、「じっくり練らないとこんぺいとうはできない、そのように芝居を創り上げたい」の言葉があり、
その言は良し、今後もその初心を忘れないでほしいと思います。

ただ、旗揚げ公演とはいえ、今回については、どれだけその言葉にふさわしいものだったかと言えば、残念ながら否と言わざるを得ません。

まずは、役者の演技力不足を感じさせることが多かったこと。
そして、ある意味それ以上に残念だったのは、別の方も書いていますけど、台本の出来が良くなかったこと。
(続きは、下へ)

ネタバレBOX

臓器移植と、それにまつわる金の話、研究所の体質、裏社会と、警察の捜査・・・などの場面が交錯していきますが、
それらがどうもかみ合わず、バラバラ感が否めないのです。

また、ここは「ほろりとさせる」意図なんだな、と思わせる部分はいくつもありましたが、
そういう意図が見えてしまう辺りが、やっぱり筋が自然にできていない、ということですよね。

また、某役者の体型についての突込みの台詞も、ちょっとしつこかったし、
それよりも突っ込み役の役者も、相手を揶揄するほどのスリムボディでもないし、失笑・・・。

最後の方に「国立」の研究所の悪役年配研究員が、
孤児を育ててここの研究員にしている・・・なんて言う話が最後にあって、
本当ならお涙頂戴・・・なのかもしれませんが、
そういう設定自体に、これも失笑して、むしろ醒めてしまったのです。

それから、「私を月までつれてって」という公演題目も、
最初と最後に流れる曲の題名以上の意味が無い(多分?)というのも、
ちょっと安易ではないかい?

「こんぺいとう」を名乗る以上、こういうあたりから、しっかり練って頂きたいところです。
(芝居仕立ての前説でも「暖かい目で、評価基準を下げて見て」なんて言ってましたけど、
練りが不十分だったことを自覚していたのですか?・・・と突っ込みたくなる)

要するに、脚本と演出について、びしっとできる人を入れないと駄目!

でもまあ、役者は(時に噛みながらも)一生懸命やっていたので、
終演直後は3Pにしようかと思っていました。
ところが、その後のトークが良くない。
最後は、上記の良い言葉も聞かれましたが、
基本的に途中でへらへら笑いながらの挨拶で、
役者のお友達以外には少々不快とさえ思えるものでした。

アフタートークも、(特に芝居自体がイマイチのあと、)だらだらやると、
とても後味が悪くなることも、劇団各位には考えてほしいですね。

最後に、昨日以上に冷房がきつく、特にこの日は午後から雨になりぐっと気温が下がったので、本当に寒い思いをしました。
今朝起きたら風邪ひいてました・・・。
節電のこともあるし、必要以上に空調を控える必要はないと思うけど、
冷房の入れ過ぎにも、ご時世も考えて頂いて、注意してほしいですね。
空気ノ機械ノ尾ッポvol.17

空気ノ機械ノ尾ッポvol.17

空気ノ機械ノ尾ッポ

ザムザ阿佐谷(東京都)

2011/05/19 (木) ~ 2011/05/22 (日)公演終了

満足度★★★

熱演だが、演目全体としてはどうだったのか?
はじめてこの劇場に行きましたが、木造建築のような会場と、
客席以上に急傾斜のステージにまず驚きました。

で、どなたかもおっしゃっていた通り、評価の分かれる公演だったと思います。
私は、やや疑問派・・・というか、高評価を付けている人が見い出したこの公演の魅力を私は気が付かなかっただけなのかもしれませんが・・・。

そのように感じさせられる1つの理由は、やはり演者の熱演によるものと思います。
客席以上に急傾斜のステージ上で、動きの激しい演技が要求される。
ただただ、役者に怪我が無いことを祈るだけ。

で、劇団サイトにもあったように、ある意味、オムニバス的構成で、
各場面場面は密接な関連性を有していない・・・。

ただ、ある場面がしばらくすると、再登場し、さらに進展して行ったり、
時々出てくる「猫を探す女性」が、有機性を与える効果を与えたり、というような仕掛けはあります。

そして、最後に、それら各場面が凝縮されたものが、
あたかも回想シーンを見るかのように集約されて登場します。

でも、以上のような仕掛けがあること、
それから、この種のやや前衛的要素を有する演目では論理的に筋が展開して行く必要はなく、
要は感覚的に一体性を感じさせればそれでよいこと、
の2点を考慮しても、私としては「全体としてなんだったのか?」という気持ちになってしまったのです。

それは、各場面場面は具体性が強く、かつインパクトも強いものが多い(これは長所)ことにも、
一因があるのかもしれません。
抽象的・前衛的な方向に持っていくのなら、私としては各部分はもうちょっと漠としていて、全体で何かしらの印象を与えられるように持って行った方が良いのでは・・・と思いました(あくまで私の独断と偏見)。

それから、会場内、私はかなり寒かったです。
昨今のご時世もあり、あまり冷房効き過ぎにはしない方が良いと思うのですが。
翌日も寒い思いをして、私は風邪をひいてしまいました・・・。

+-×÷

+-×÷

たすいち

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2011/05/20 (金) ~ 2011/05/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

好短編5本、楽しめました。
小品5本のオムニバスですが、どれも楽しく見ることができました。


1本目「劇的人生」は高校が舞台。
今、「湯河原ドリフターズ 桜の間」の投稿をしたばかりで、
それと比較して書いてしまうとご不快に感じられるかもしれませんけど、
こちらの方が断然台本の出来が良かったです。


こちらも、高校生ながら「変な人」ばかりで、
「お笑い」が基調ながらも「シリアス」場面もあるのですけど、
それらが自然に流れていくんですよね。
ただあれこれ突っ込んだという印象を受けないのです。


基本的には、笑わせてもらえる作品が多いのですが、
3本目「ex:暦らいちの場合」はちょっと考えさせられる作品だし、
最後の「六人の母と私」は、5本中最も長く、かつシリアスで、見るものもあれこれ考えさせられる作品。
お笑いばかりでなくて、こういう演目もしっかり演じられるところも良い点と思います。


また5作品の配列もきちんと考えられていたと思います。


さて、以下はお芝居そのものの話ではありませんけど、
私はこの日会場に早く着きすぎてしまいまして、
ロビーは狭く椅子もなかったのですが、そうしたら、
受付のお嬢さんが、「こちらに座って下さい」と、
自分が座っていたいすを譲ってくれたんです。


「お仕事中ですし」とか「若い女性を立たせるなんて」とお断りしたのですが、
最後はせっかくのお気遣いなのでお受けしました。


それから会場まで少しお話をしたのですが、
この方は裏方専門とのこと。
「美人だし、舞台にも立てばいいのに」とお世辞でなく思ったし、
そう言ってしまったのですが、「内気なので・・・」とのこと。
まあ、それはともかく、こういう心遣いをして頂けると、
一層気持ちよく観劇体験ができますよね。


たまに、開演前・後は別として、心無い対応をされたりしてしまうと、
それだけで、観劇前・後にしろ気持ちが滅入ってしまうこともありますので。


別に、まだ席を譲ってもらう年でもないですし、
もちろん、どこの会場・団体でも席を譲れ、という趣旨ではありませんが、
受付や誘導スタッフの印象も、お客さんへの影響大ですし、
好印象を与えることは、素晴らしい観劇体験を与える一助になると思います。
この場を借りてお礼申し上げます。

湯河原ドリフターズ 桜の間

湯河原ドリフターズ 桜の間

アリー・エンターテイメント

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2011/05/18 (水) ~ 2011/05/22 (日)公演終了

満足度★★

もっとまとまりとメリハリを
くろたんごさんに概ね同感です。
ここに出てくる人々は、多かれ少なかれ「変な人」なんですが、
急にシリアスな対話になったりもし、
それならそれまでの「変な人」ぶりはなんだったの?
と言いたくなるのです。

別に、論理的にきっちり筋書きが進んでいく必要は全くありませんが、
演劇として「一つの出し物」として観客に提示する以上、
やっぱり見終わった後、見るものに何かが(具体的でなく、イメージであっても)残らないといけないんじゃないかなあ。

要するに、色んな物を突っ込み過ぎて、ごった煮になっていると思います。
もちろん、シリアスな中にも笑いがあったり、逆にお笑いの中にもほろりとさせる部分があったり、
色んなものがあっていいんだけど、
やっぱり、それらは(理屈でなく雰囲気であっても)繋がっていかないと駄目でしょう。

軸足をしっかり決めて、その上で、色んなものを取り入れてほしいですね。
そうでないと、いくら役者が熱演しても、そのエネルギーが無駄になっちゃいます。

音楽もロック調のものを大音響で流す類が多くて、もう少し場面場面に応じた音楽を考えてほしいと思いました。

バッコスの花ざかり

バッコスの花ざかり

劇団バッコスの祭

ギャラリーLE DECO(東京都)

2011/05/17 (火) ~ 2011/05/22 (日)公演終了

満足度★★★

並べ方にもうひと工夫あれば・・・
他の方も書いていらっしゃる通り(少し直しましたが)、
劇団紹介映画→チャンバラ(?)→看板女優決定戦→イプセン人形の家→コント2本→映画→歌→演劇でした。

正直、最初の印象は悪かったです・・・
(以下ネタバレへ)

ネタバレBOX

劇団紹介映画と、それが終わってチャンバラ、そしてなぜか看板女優決定戦(観客のくじによりゲーム、今日はピンポン玉運び)・・・
これでは、劇団の仲良しと、そのお友達のお仲間での内輪のお楽しみではありませんか?
どなたかもおっしゃるとおり、「イベント・お祭」です。
なので、個々の常連といううわけでない私は結構さめて見てしまった。
それに映画は音も映像も良くない。
なので、ここまでは☆1つ。

でも、人形の家(ハイライト)あたりからは徐々に面白くなってきました。
衣装等は用いず、ノラ役をその二面性について2名の役者で演じる演出は面白かった。ただ多少雑な感があり、それが、最初はそれまでの「内輪向け」と結びついてしまって、マイナス効果だったのです。
☆3.5くらいかな?

コント2本は秀逸で、台本も演技も良かった!、☆5つ献上。

後半の映画も、やや音や映像に難ありですが、
何気ない日常に潜むドラマを取り上げたもので、まあまあ良かったかな? ☆3.5

歌も出だしは良かったが途中ちょっと乱れて☆3.5.くらいかな?

最後の電話発明の演劇は☆4.5.

ということで、私としては並べ方にひと工夫かなと思いました。
最初にゲームやっちゃうのはまずいよね。

色々意見はありましょうが私なら、演劇(電話)→コント→映画→ゲーム→人形の家、の方が良いかな、と思います。

正直、見る方によって評価は分かれるかな?
それから、飲み物とおつまみ・お菓子が無料で配られたのは嬉しかったです。
幽霊探偵

幽霊探偵

ZIPANGU Stage

萬劇場(東京都)

2010/11/18 (木) ~ 2010/11/23 (火)公演終了

満足度★★★★★

筋が大変よくできている、様々な要素が観る者を魅了
筋が大変よくできている芝居とまず思いました。
いわゆる「推理物」で、最初は「幹事」、それから「不審人物」、そして「犯人」は誰なんだろう、と観客も考えさせられます。
しかし、大笑いさせる要素も取り入れており、とりわけ題名の通り(変な)「幽霊」が登場し、この人(?)と、この幽霊に取りつかれた人が爆笑の中心となっています。
「推理性」と「笑い」の両要素が取り込まれている点は、昨日見たライオン・パーマの「そんなの俺の朝じゃない!」とも共通していますが、こちらの方が「推理性」「筋」はより深刻です。(ナンセンスな笑いはライオンパーマの方が強いかな?)
そういうわけで、謎解きの面白さ、不安とサスペンスとハラハラ感、結末への求心力、そしてその中に散りばめられた笑い……と、様々な要素が観る者を魅了します。それがこの芝居の何よりの魅力かな!

ネタバレBOX

あえて私が気になった些少の部分について言及すれば、「犯人」が分かった後の「犯人」の言動にはやや不自然さを感じました。ああいう「出来事」の後では、いくら「友人」同士でも、あんな風に振る舞えるかな、と思ったり。その辺も含めラストの「犯人」や「事件」やその関係者の心理描写がもっと上手ければ完璧でしょうか?
まあでも、それ以外に関してはとにかく大変緊密に作られていることに感心しました。
好みもあると思いますが、私としては昨日のライオンパーマさんは、5点にしようかとも思いつつ4点としましたが、今日は5点を献上致します!
獣従承知(じゅうじゅうしょうち)

獣従承知(じゅうじゅうしょうち)

角角ストロガのフ

王子小劇場(東京都)

2010/12/16 (木) ~ 2010/12/20 (月)公演終了

満足度★★★★★

加速度的なエネルギーが魅力
最初は、幕で舞台奥と仕切られていて、いかにも狭い範囲で、いかにも現代人に多そうで神経質そうな男が登場し、その妻とのやり取りからスタートする……ちょっと窮屈すぎるかな、と思ったり、その幕に映像が(開演前からですが)映っているのですが、映し方がよくなく、この先大丈夫なのかと少々不安になりました。

 しかし、その幕が、パッと落とされて、奥行き&高さのある舞台全体が現れる演出法は非常に印象的でした。

 そして、舞台は、いくつかのブロックに厳格ではなく、何となく区切られていて、それぞれで、独立性のある話が進行していきます。

 ただ、台詞自体にも「ぬるい話だ」(うろ覚えですが)とあるように、いまいち面白くない小話がしばらく続き、これまた「このまま行っちゃうのか」と思いました。

 しかし、それから、それまでの個別の話が急速に統合されていき、ストーリーが非常なエネルギーを持って推進していき、後半は大満足!

 やや不条理な要素を残しながらも、生きていくと出会うであろう世の中の様々なこと(良いことも悪いことも)の交錯が、人生の奥深さを感じさせます。

 それから「音楽」も、一見(一聴か?)、異質な音楽が付けられているようでいながら、少し聴くと非常に効果的に思えてくる……そういう使われ方でした。

 実は、この日はアフタートークがあり、主宰の角田ルミさんも登場されました。私はこの劇団を見るのは初めてですが、ふだんはもっとドロドロした内容なのだが、今回は、特に前半は「分かりやすさ」に配慮したとのこと。
もっとも後半は「普段のウチが出てしまいましたが」とおっしゃっていましたが。

 でも、別に私はことさらドロドロを好むわけではありませんが、しかし、少なくとも今回については、分かりやすさを意識した前半より、「普段」の後半の方が、格段に面白かったし、出来もよかったと思います。

 前半が分かりやすいと言っても、各個別の話がそうであるだけで、その関連性も見えませんでしたし、だから結局総合的には分かりやすくもなかったんじゃないかなあ。

 この劇団には、やっぱり加速度的なエネルギーが魅力なのでは、と感じた次第。

 なお、角田ルミさんは、台本の話は、「普段はもっとドロドロしていて」と、ある意味「オジサン的」でもありましたが(笑)、トークに登場した際は、お若くて、かわいいミニスカート姿でもあり、「えっ?この人が書いたの」と思ってしまいました。彼氏募集中とも言っていましたが、ドロドロ作品を作る人は意外と日常は真面目、なんていう話を聞いたこともありますから、あるいは角田さんもそうかもしれませんね……

少年ハリウッド

少年ハリウッド

ネルケプランニング

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2011/04/14 (木) ~ 2011/04/24 (日)公演終了

満足度

ただのイケメンファンの若い女の子向けの公演
申し訳ないが、ただのイケメンファンの若い女の子向けの公演と言っていい。
しかも題名の「少年ハリウッド」も、劇中のイケメンアイドルグループなのだが、その由来自体、このグループの社長の好みで付けた、という程度のもの。
少年がハリウッドを目指すなんて言う話でも全くない。
そもそも、演劇上の主人公も、32歳だが若く見られて17歳でグループにスカウトされたという設定・・・なおさら題名にする意味が分からない。

前にも書いたことだが、別に若い時にアイドルに夢中になることを否定するつもりはないし、そういう人向けの公演があってもいい。
でも「演劇」と銘打つなら、もうちょっと演劇を真面目にやっている人々・・・台本を悩みながら作り、演出を考え、それを必死に演じ、
また裏方として支えている方々・・・に対してこれでは質的に失礼なのではないか?

この公演自体、前半は演劇、後半はライブで、つまりは前半の演劇は、
劇中のグループがライブをやるために頑張った、ということで、
そのまま後半のライブに持っていくという、ただそれだけのための役割。

あるいは、ファンのみならず演劇ファンも楽しませることだって、
もっと工夫すればできるだろう。
例えば、年齢詐称のあたりとか、親の離婚話などを、もっときちんと扱っていけば、(もちろん台本作家や演出家の力量次第だが)それなりの話になる気もするのですけどね。

実は私は最近多忙で投稿ができていなかったのだけど、イケメン演劇でも、
例えば、「11人いる!」 なんかは、原作がしっかりしているだけよほどましだったと思うし、
Desperate Broadwayも、タップもあったし、台本もいいとは言わないがスケールは余程でかいだろう。
ということで、出演者のファン以外にはお勧めしません。

そんなの俺の朝じゃない!

そんなの俺の朝じゃない!

ライオン・パーマ

王子小劇場(東京都)

2010/11/18 (木) ~ 2010/11/21 (日)公演終了

満足度★★★★

いい加減?でも統一感あり
一応それなりの筋はあるのですが、観終わってみれば、
ナンセンスなギャグも多くて、
筋にしっかりした一貫性があるわけでもなく、
まあ、結構いい加減ともいえるかもしれません。
でも、そこから演劇ならではの笑いを生み出して、
終演後何かしら統一感をも感じさせてくれるあたりは
さすがだと思いました。
観て損はないと思いますよ!

蟹

劇団桟敷童子

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2010/07/16 (金) ~ 2010/08/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

一見の価値有り、大満足
昨日16日の初演を見ました。
この劇団の公演を見ること自体が初めてで、劇場は昔のベニサンに似ているし、案内してくれる劇団員も(皆さん礼儀正しい感じの方ばかりですが)、怖~いメイクをしている方が多数おり、チラシの雰囲気も相まって、アングラ的な芝居を見せられるのかな?と思っておりました。
しかし、始まると、戦後の荒廃した街を舞台に、熱のこもった演技が繰り広げられていきます。
そしてさらに、もう1つ熱のこもっているのが、演出、特に舞台装置です。
舞台上に水が張ってあるだけでなく、劇が始まると雨も降ります。これが台詞や役者の動きとも呼応して、非常に効果を上げています。
数年前見た蜷川演出のエレンディラでも雨が降りましたが、こんな小劇場(失礼)で、それ以上のことをやるなんてすごい!
基本的には悲しいお話ですが、でも笑いの要素もちりばめられていて、人間・人生の悲喜こもごも、を感じさせる内容です。
あえて1つだけ不満を申せば、結末部分、もう一工夫できなかったかな、ということ。もちろん悪くは無いのですが、そこまでの筋書きの推進力から考えると、(難しいとは思うが)何かあっと言わせるものが作れるような気がしまして・・・。
でも、一見の価値有りの芝居であることは、間違いありませんし、大満足でした!
初心者でも演劇マニアでも楽しめる内容と思います。

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