『最期の○○と、それからのこと。』 公演情報 劇団わらく「『最期の○○と、それからのこと。』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★

    中途半端・・・いや、手抜きでは?
    辛口のタイトルつけちゃいましたが、実感なのであしからず。
    1つは、「観たい」にも書きましたが、仕事柄、遺産相続に関わることも結構あり、その辺の扱いが杜撰だったと感じたこと。
    実は、劇団からメールを頂いた際、「遺書は裁判所での開封が原則で、自宅で弁護士が開けるのは違法なんですよ」と返信したら、「架空の話のように作るので」とのこと、まあそれならいいかな、と思った。
    そして、劇が始まると、能のような所作で、リア王のパロディとなったので、
    「なるほど、これなら架空の世界だな」と改めて思った。

    しかし、それが終わると、完全に現実世界に戻され、弁護士と3人娘が登場。
    ここからは、私的には、「出来が悪かった」としか言いようがない。

    ネタバレBOX

    これは本質論ではないが、話を出してしまったので、もう少し続けると、
    劇作者は、「相続」と「生前(の)贈与」の区別も分かっていないし、
    「遺言」が何が対象なのか、さらには「限定承認」(なんと専門的な用語)まで
    持ち出すが、あまりに出鱈目で、それだけでもう興ざめ。
    しかも、こういう用語を使うことと言い、また他の台詞・舞台装置なども含め、
    まったく「架空」ではなく「現代かつリアル」へ持って行ってしまっている。
    別に「(相続の)法律」に限らず「裁判」でも「警察」でも「麻薬捜査」でも
    「時代公証」でも、やるなら調べてちゃんとやる、
    やらないならやらないで「架空の世界」としてやって、
    とにかく、どちらにしても、観る者に「そうなのだろうな」と思わせる「説得性」は
    絶対必要でしょう。

    この辺からして中途半端だし、マニアックな細部はともかく、
    一般人でも知っている人が多そうな部分までいい加減なのは、
    (あえてきつく言いますが)「勉強不足」ではなく「手抜き」です。

    細部の話が長くなってしまったが、全体を見回しても、
    雑多かつ掘下げ不十分で、中途半端な感は否めない。

    リア王のようなテーマを扱いたいのか、しかし、末娘はなぜか遺骨そのものに固執、その他、娘婿たちやら弁護士やら巫女の隠し子やら墓地開発やらも位置づけがテキトー過ぎ。

    そして、最後は父親の亡霊が出てくるが、(台詞はよく噛むし)死者と生者の思いの違いが浮き彫りになるわけでもない。
    そもそも、笑いを取りたいのか、観る者に考えさせたいのか、両方を目指したいのか、この辺からして、よく分からない・・・。

    これだけの材料があるなら、もっと面白いものが作れるはずと思うが、それらもただ散りばめられただけ・・・だから「中途半端」いやトータルとしても「手抜き」なのでは、と言いたくなる。
    それでも2Pにしたのは、頑張っている役者・スタッフも多かったから。
    それだけが救いでしょうか?

    それと、この日は雨で、会場内が非常に蒸し暑かった。
    この辺もちょっと考えてほしかったですね。

    7

    2011/06/03 09:20

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  • >キムタモ様
    ご丁寧なお言葉ありがとうございます。
    みささんによると、公演中も色々手直しもされたとのことですし、
    貴団は素晴らしい可能性を持っていると感じております。
    その期待があるゆえ、辛口のことも書いてしまいました。
    これからの一層のご精進、ご成功を願っております。

    2011/06/15 01:39

    よしさん、この度は劇団わらく公演、ご観劇いただきましてありがとうございます。ご意見、受け止めます。ストーリーの部分で掘り下げが甘かったご指摘、今後も考えてまいります。2つ星の私どもが頑張っているのは、人様にお観せする上で当たり前のこと、無いものと考えます。また、観劇空間に不備があったことお詫び申し上げます。色々と参考にさせていただきますので、また劇場にてお会いすることができれば幸いです。では、失礼いたします。

    2011/06/15 00:10

    よし様

    私は、娘たちのことを言っているのですよ。それに弁護士は生前贈与のことには触れていません。家は、島は私にくれるという約束だったと言い募る娘たちを「ともかく、これが遺言なんですから」と説得しようとやっきになっていたはずですよね。ご自身の法律知識が一部分に過剰に反応して、それ以外の細かな部分を見逃してはおられませんか?

    それに、公正証書による遺言は、家庭裁判所による検認は不要のはずですが…。そこまでお考えになりましたか?

    2011/06/13 04:37

    kazuoga5409氏へ
    >そういう前提で書かれているとしたら、無知なのは作者ではなく、登場人物なのだと。

    弁護士で「限定承認」なんて言葉を使う人間という設定である以上、おかしいと私は思いました。
    そして、みささんによれば、修正が入ったと聞いています。

    >まあ、遺言書を自宅で開封するのは、確かに間違ってはいますが、昔からあまたの映画やTVドラマでそういう場面が繰り返されてきたので、この作者だけを責めるのは酷でしょう。

    それなら今後も、このようなシーンがあったとき、批判できなくなるのではありませんか?

    2011/06/12 07:54

    作者は「相続」と「生前贈与」の区別もわかっていない、という点について私は次のように考えていました。
    自宅も島も、父親は約束を守るため購入したが、娘の名義にすると贈与税がかかってしまうので、とりあえず父親の名で登記していた。当初はそれを遺言で長女と次女に遺すつもりだったが、おさかな霊園のために金を使い果たし、そうできなくなった。しかし、法律に詳しくない娘たちは、子供の頃に約束してもらったのだから自分のものだと思い込んでいる…そういう前提で書かれているとしたら、無知なのは作者ではなく、登場人物なのだと。

    まあ、遺言書を自宅で開封するのは、確かに間違ってはいますが、昔からあまたの映画やTVドラマでそういう場面が繰り返されてきたので、この作者だけを責めるのは酷でしょう。

    2011/06/09 00:36

    〉みささん
    ご自分で登記までやられたのですか?
    初めてなら大変だったでしょう。
    それに、資産家ですね(笑)
    ぜひお近づきになりたいです。
    それはともかく、一般の方でも、そういう方がいらっしゃるわけで、
    ややこしいことはわからないだろうとたかをくくってると、
    こっちがしらけちゃいますよね

    2011/06/04 12:59

    手厳しいですね。笑
    ワタクシもこれは観ますので予習には丁度良いですが。
    実は最近、生前贈与を受けまして法務局に行って自分で登記してきました。
    母の意見では今、不景気なので土地の価格が下がり贈与税が格安とのこと。
    時期的に今が良い。との聡明なる判断で従いました。笑

    そんな理由から専門職ではないですが詳しいです。
    劇の内容ですが、インターネットで何でも調べられるのに調査を怠ったのでしょうか?
    さて、どんな描写なのか楽しみではあります。

    2011/06/03 13:12

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