unicornの観てきた!クチコミ一覧

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『売春捜査官』『熱海殺人事件~友よ、いま君は風に吹かれて~』

『売春捜査官』『熱海殺人事件~友よ、いま君は風に吹かれて~』

★☆北区AKT STAGE

北区AKTSTAGEアトリエ(東京都)

2018/01/20 (土) ~ 2018/02/18 (日)公演終了

満足度★★★

G。95分

ネタバレBOX

木村(浅野鼓由希)…けっこうよい。决めるとこキメてくる感じ。
熊田(島田恭平)…やや硬い。実直なのは役に合ってる気もするけど。内なる柔らかさみたいなのほしい。
鳥居(池田大輔)…うまく言えないけど魅力的な芝居が観たい。芝居的にアクがないのかな。
大山(深沢研一)…けっこうよい。

浜辺とかの情感あふれるようなトコがさっぱりしてる印象。もっとドロっとしててもいいけど。
牛久沼2

牛久沼2

ENBUゼミナール

王子小劇場(東京都)

2018/01/19 (金) ~ 2018/01/21 (日)公演終了

満足度★★★★

85分。

ネタバレBOX

以前見た「牛久沼」の続編。「牛久沼」の20年後を描く。
「牛久沼」で鰻争奪戦に敗れた錦戸さんの娘の美佐江(池ノ上美晴)はうなぎハンターとなり全国のウナギをとっていた。「牛久沼」で乳房が伸びきってしまった石引さんの息子(教仙拓未)は、母の乳房が伸びきってしまった原因を錦戸美佐江に聞こうと、因縁の地牛久沼にやってきて、そこでソーダ売りの八千草さん(川崎麻里子)から予言を受ける。魔女(新井美穂)の予言のとおり凄惨なウナギ争奪戦になったところで八千草さんのソーダを石引が飲むと、時間が巻き戻りウナギ争奪戦を回避することに成功し、石引と八千草は熱いキスを交わす…。
構成は前回同様な感じだけど、相変わらず楽しめる作品。前回ネタも楽しいが、ウナギの争奪戦シーンだけでなく登場人物のひきこもごも部分もボリュームアップしてた。
律子先生(熊谷恵子)と一緒に音楽ステージに立とうとするウルバリン(井口翔登)の、アメコミネタとか好き。自然治癒力の高い夏彦(水流迅風)とその友人のむきんぽ(松原蓮之介)の、俺にむきんぽに夢中ネタとか、魚やの妻で病弱な晶子(新井雛子)が牛久沼の妖怪ムーンウォーカーだったとムーンウォークするネタとかウケた。
時間巻き戻しシーンのわちゃわちゃとか、60cmとかも好き。
郷愁の丘ロマントピア

郷愁の丘ロマントピア

ホエイ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2018/01/11 (木) ~ 2018/01/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

105分。AT30分くらい。

ネタバレBOX

茂治(山田百次)…元炭鉱夫。大夕張が好き。謙三らのアニキ分。心臓の持病あり。展望駐車場で死亡。
謙三(松本亮)…元炭鉱夫。顔に似合わずロマンチスト。セツに片思いしてた。
三郎(河村竜也)…元炭鉱夫。事故で左腕を失い写真屋へ転向した。
紀男(武谷公雄)…元炭鉱夫。セツと結婚した。炭鉱閉鎖時、セツの治療費等に困っていたが茂治から大金をもらった。
セツ(長野海)…紀男の妻。紀男が事故現場へ行っている際に、炭鉱の危険をかみしめていた。
忠(斎藤祐一)…祖父が大夕張に住んでいた関係でツーリングに来た。今は札幌で飲食店店長をしている。
菊子(石川彰子)…忠の妻。茂治らの言葉に傷つき怒った。

炭鉱で栄えた夕張の中でも東側の「大夕張」は、三菱系企業が三菱大夕張炭鉱を開き、町として発展した。が、高度経済成長が進み、国もエネルギー転換を図り石炭の需要が減り、三菱も手を引き始め町は衰退していく。そんな中で三菱南大夕張炭鉱でガス爆発事故が発生し、衰退はさらに進み、地域はダムの底に沈むこととなった…。
そんなさびれた地域の高台にある大夕張メモリアル展望台に集まった元炭鉱夫の茂治だったが、茂治は持病で死亡してしまい、謙三らは茂治の死体を大夕張にあるシューパロ湖(今はダム?)に沈めようとするが…。

じじいらのキャラや会話の面白さと、大夕張の衰退や消失といった寂しさが、波状的に重なって迫ってくる舞台。昭和の過渡期にあった一地域の変動を、社会的・個人的な視点で描き出す良作。

炭鉱閉鎖が決定し、(三菱の建てた)神社も更地になったというエピソードとか象徴的だなと思う。もともと人が住んでいなかったであろう地区に炭田が見つかり、人や資本が流入し町となり神社も建てられたという流れがあり、炭鉱が用無しとなった以上、神社すら不要というのは自然なサマであるが、人の情が一度存
在してしまうと、ここにドラマが生まれることとなる。言い方は悪いけどやっかいだなと思う。
ATでゲスト(てがみ座の主宰)が話していた、宮崎のとある村は地域社会を維持できず、集団で移転することとなり、その移転助成をもらうためには自己の家屋を自己で壊さなくてはならないらしい。
日本の衰退(人口減少や高齢化など)の象徴の一つに地方の衰退もあるだろうけど、色々新しいモノが蠢く東京にいるとそこらへん鈍感になっているなと思う。

なんにせよ良い舞台だった。ラストの、大夕張を愛してる茂治の死体を湖に遺棄しようと話する面々に対して、それでいいと思うと純粋に思わせるチカラがあった。
新年工場見学会2018

新年工場見学会2018

五反田団

アトリエヘリコプター(東京都)

2018/01/02 (火) ~ 2018/01/05 (金)公演終了

満足度★★★★

195分。

ネタバレBOX

五反田団「ドラマえもん」
下北(半島)演劇祭に参加する東京の劇団が青森に乗り込むもモメて東京へ。紀伊国屋ホールでも青森劇団の芝居を乗っ取ろうとするが…。
面白い。人も多くてパワフルだし。
紅戌会「ダンサーインザ獅子」
恒例の獅子舞。ラストの演者(中川幸子?)の笑顔が素敵。泰然君かわいい。
ザ・ぷー「ザ・ぷーの新春ライブ」
面白い。コントが好き。マチオの芝居が特に好き。おならの歌(寄り添い生きた夫婦で遺された妻が夫のおならを懐かしむ)は、ベタでもあるけど好き。
ハイバイ「城山羊の会か別役実のニセモノ」
イマイチ馴染めなった。終盤(城山羊調)の後藤剛範と佐久間麻由の妄想エロやりとりはウケた。
ポリスキル
恒例。黒田大輔のポリスへの怒りがよい。

長いのはやむなしかな。客も満杯でさばくのに時間かかるというのもあるし。改善してくれるとうれしいが。
途中途中の前田司郎と黒田大輔と斎藤庸介のワイン片手のトークは相変わらず面白い。
ハイサイせば

ハイサイせば

渡辺源四郎商店

こまばアゴラ劇場(東京都)

2018/01/06 (土) ~ 2018/01/08 (月)公演終了

満足度★★★

80分。

ネタバレBOX

二次大戦中、軍に呼ばれた沖縄出身の比嘉2名、青森出身の工藤2名。通信の暗号化に方言を用いるという話で、言われるままの文章を方言で電話の向こうへ伝える面々だったが…。
実は(共産主義の?)比嘉幸信(当山彰一)をあぶりだすための罠というオチ。
ちょいちょい笑えるとこもあって、方言ネタもあって、いい感じ。ただ、やや間延びする印象でスパっとした切れ味があるとよいかなと思った。
清掃員の工藤シズ(三上晴佳)の夫が徴兵され、電話の相手は夫じゃないかというくだり(ラストシーンにもつながるが)は、もっと情感あるようにしてもいいかなと思う。
果ての踊り子

果ての踊り子

劇団晴天

王子小劇場(東京都)

2017/12/23 (土) ~ 2017/12/30 (土)公演終了

満足度★★★

95分。

ネタバレBOX

ある砂漠地域の集落的な土地で、竜巻や地下水の水位降下がみられ、土地の神に生贄を捧げるという話。とある土地で窃盗や売春?で何とか生きようとする三人の元に、敵対する土地の者が舞い込むという話。の二つが交互に語られる。生贄編では、神の声が聴ける男の妻であり美しい踊り子の女とその妹の踊り子のどちらが生贄になるのかとか外の国から来た男の影響で土地を捨てようという話が入り乱れ、結局生贄には予想を裏切り妹が指名される。三人の話の方は、敵の土地との抗争?で三人の内の女がどこかに閉じ込められるというような展開で、この女が生贄編の神の元となった?というオチ。

話の魅力に欠ける作品という印象。話の核というか重心がどこにあるのかが掴めなかった。
家族愛的なものがテーマなのかなとも思ったが、三人の方はそういう感じでもないし。終盤の踊り子の女と東から来た女の間にあるのは友情なのかな?。生贄編の方も神の声が聴ける男と美しい踊り子の間に愛情めいたシーンは少ないかなと。終盤の生贄になった妹とのシーンくらいかな。
神話的な群像劇という見方でよいのかもしれないけど、とっちらかったように見えてしまい、誰かに感情移入するでもなく壮大さを感じるでもなく、という感覚だった。
話の魅力に欠けると書いたけど、もしかしたら人物の思考や気持ちの表現の魅力に欠けるのかもしれない。

笑えるとこが少ないのが残念。特に序盤の方の掛け合いとか退屈だった。普通に人物造形とか掘り下げるような会話でよい気がする。
白象

白象

(劇)ヤリナゲ

十色庵(東京都)

2017/12/23 (土) ~ 2017/12/24 (日)公演終了

満足度★★★★

50分。

ネタバレBOX

役に立つものとは何かを問うような作品。相模原の障害者施設殺傷事件をモチーフの一つとして、童話「オツベルと象」を引き合いに出し、出演者の三澤さきや浅見臣樹らを作演の「越」として演じ、表現していくスタイル。言葉で説明するとよくわからんが、妙に魅力的な作品だった。

ただ、観劇前に当日パンフの作演のコメントを読んだから面白味を感じられたんじゃないかなとも思う。もう一作品見てみようと思った。
ラストはもうちょいインパクトあるとよかったかな。好みの問題かもしれないけど。
君のそれはなんだ

君のそれはなんだ

オイスターズ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2017/12/22 (金) ~ 2017/12/24 (日)公演終了

満足度★★★

80分。

ネタバレBOX

深夜、民家もないような山道をタクシーが流していると白い薄着の女(鈴来亜由子)が大きなカバンをもって立っている。タクシー運転手(芝原啓成)は、幽霊だと思いビビりまくるも薄着の女を乗せ走らせる。すると大きなカバンを持った男(田内康介)が立っているので、ちょい安心して男も乗せる。そうこうするうちに、事故りタクシーは崖下へ落下。今度は小学生、中学生、高校生、大学生とだんだんと成長する女(川上珠来)の車に乗せてもらうこととなり、過去の自分を見たいという成長する女は車をもと来た道へ引き返す。なぜか道に迷い、車も溝にはまり困っているとこへ、通りかかりの男(平塚直隆)がやってきて、三人だけ乗せてやると言い出す。タクシー運転手と残し発進した車のなかで、通りかかりの男はタクシー運転手がなぜ血まみれなのか問い始める…。

(多分)通りかかりの男以外は皆幽霊なんだろうなという感じで終幕する本作、そのオチよりも中途の会話が魅力的。白い女を幽霊と思い込むタクシー運転手のオドオドあたふたするサマと、落ち着いた乗客ら対応とか妙にユーモラス。通りかかった男へカバンをもったヤツは幽霊だという謎理論と応対する男の困った感がウケる。
序盤、車を運転していない棒立ち状態にあって、運転していますとナレーションを入れることで、その後全編にわたり表現に幅を生み出したとこがうまい。成長する女の登場シーンの劇場扉の鍵閉めとか(未成年は幽霊だという謎理論を受けて)高校生がコート羽織ってるだけだから見た目女子大生でも未成年だ、という謎解釈とかとっても面白いと思う。
『熱狂』『あの記憶の記録』

『熱狂』『あの記憶の記録』

劇団チョコレートケーキ

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2017/12/07 (木) ~ 2017/12/19 (火)公演終了

満足度★★★★★

「あの記憶の記録」130分。

ネタバレBOX

アウシュビッツ収容所に送られ「特殊任務」に従事させられ、同胞の死体処理や髪の毛を剥いだり金歯抜いたり同胞だましたりして解放時にはカポーなどを集団リンチしたイツハク(岡本篤)とアロン(寺十吾)は、家族にも打ち明けないまま人生を過ごしていたが、イツハクは、SSのビルクナー(浅井伸治)の幻影に悩まされていた。そんな折、息子や娘の学校の歴史教師のサラ(川添美和)のインタビューを契機に、イツハクは過去の罪を皆に打ち明けようと決意する。イツハクの告白を聴いていたアロンはイツハクの記憶のビルクナーが実際とは違い残虐な人間にすり替えられていることに気づき、ビルクナーを殺したイツハクだったと突き止める…。
初演も見たけど、色あせない作品と思った。ルデコの雑居な感じの雰囲気が作品に非常にマッチしていたというのもあって、当時のほうがインパクトあったかもしれないけど。

ラストの仕事に向かう前に、妻デボラ(吉田久美)に「たすけてくれ」と小さく訴えるイツハクのセリフが印象的。ショアをユダヤの結束のシンボルとするというサラの思想とは違ってと言っていいかわからないけど、イツハクが生み出した家族の結束がイツハクのショアに関する苦しみを受け止めてくれれば良いなと思う。
男女逆転版・痴人の愛

男女逆転版・痴人の愛

ブス会*

こまばアゴラ劇場(東京都)

2017/12/08 (金) ~ 2017/12/19 (火)公演終了

満足度★★★★

100分。

ネタバレBOX

(後々わかることだけど)不倫の末、結局赤ちゃんを身ごもることもなく寂しい人生を歩むこととなった私(安藤玉恵)は、ある日バーに迷い込んできた15歳くらいのナオミ(福本雄樹)を家に招き、保護者であり鑑賞者のようにナオミを育てだす。長ずるにつれ、そのワガママ加減は増し、金使いも荒くなり、ほかの女や男とも関係しだすナオミに、私はついに出てけと言い放つ。荷物をとりに戻ったナオミの裸を見てここにいてと縋り付く私だったが、ナオミは「オバサンが色気づくな」と突き放し、私はナオミを絞殺すると同時に性交し、ナオミを腹に宿す…。

生チェロ演奏付きの三人芝居。いろんな役で登場する山岸門人がいい仕事してた。
怠惰でクズい美青年を愛でると同時に親的な愛情でいつくしむという私の葛藤を安藤が好演。ラストの性交は、もっと情感あふれる感じだとなお良いけど。
ブス会ユーモアもありつつ、シンプルで社のような舞台で行われた、一種異様な光景を堪能できた。
オーラルメソッド4

オーラルメソッド4

シンクロ少女

駅前劇場(東京都)

2017/12/12 (火) ~ 2017/12/17 (日)公演終了

満足度★★★★

40歳の童貞男。130分。

ネタバレBOX

家電屋に勤める40歳の童貞男・安藤(諫山幸治)が、同僚らと飲んではしゃいで脱童貞を目指す。そのうち、客のさくら(川崎桜)と恋に落ちるが、さくらには息子・星史郎(小日向星一)がいて、星史郎の高校卒業までSEXはお預けに。さくらの前夫(本井博之)がからんできたことでさくらと安藤はケンカしてしまうが、ドラマにように互いを求めあい、ついに結ばれる…。
序盤は、綾戸(横手慎太郎)やシミケン(野田慈伸)、丸子(泉政宏)らとのバカなテンションで生活に充実を覚えていくシーンがやや長めと感じるが、中盤の吉原のお姉さん(菊川朝子)との会話あたりからが、なんかいい感じになってきた。
愛とかSEXとかってよくわからんものをそれでもこれが愛ですよと、言ってくれてるようで。安藤の視点でも楽しめるが、バツイチ子持ちの女性であるさくら視点でも楽しめる。中年独特の低迷感を吹き飛ばすとでもいうか(とはいえラストのダンスはもっとエネルギッシュでもいいけど)。

人生的な閉塞感、人生の殻、そんなようなものを感じている自分としても、なんだか落ち着かない気持ちになる。そんな舞台だった。
130分は長いかなと思ったけど、なんだかんだ面白味を持続させる作品で、そんなとこでやっぱりすごいなと思う。
お姉さんの息子として出てきた(多分)実子の泰然君の、ぽかんとした落ち着き具合が妙におかしかった。
熱海殺人事件 『売春捜査官』/『モンテカルロイリュージョン』

熱海殺人事件 『売春捜査官』/『モンテカルロイリュージョン』

★☆北区AKT STAGE

北とぴあ ペガサスホール(東京都)

2017/12/13 (水) ~ 2017/12/17 (日)公演終了

満足度★★★★

売春捜査官。100分。

ネタバレBOX

木村(大滝樹)が熊田(時津)に撃たれるver。AKTの卒業公演でみるverがスタンダードくらいに思っているから、こっちの方がより愛憎劇な感じかな。
みな達者な役者でホットな芝居だった。万平を演じた嶋祐一郎はいろいろうまかった。
男女逆転版・痴人の愛

男女逆転版・痴人の愛

ブス会*

こまばアゴラ劇場(東京都)

2017/12/08 (金) ~ 2017/12/19 (火)公演終了

上映会。
「お母さんが一緒」120分。
「女のみち2012」100分。

ネタバレBOX

お母さんが一緒は初見。
ネガティブでストレスフルな母を祝おうと温泉旅行に一緒にきた三姉妹と三女の彼氏の話。このイライラがぶつかりあうパワーが、とても面白い。家族という厄介な関係をうらやましくはないけど魅力的に描いてて。
ラスト、次女がパワースポットで汲んできた水を母が飲んだらポジティブになったという、神的な印象で終幕。ATでも言ってたとおり、ラスト彼氏の上半身裸に光が差し込むサマは、神的なふうにも見える。ちなみに、次女が赤ちゃんの頃から人気があったと嫉妬する長女に対し次女が放った「赤ちゃんはみんな人気者でしょ」はとてもウケた。

女のみち。舞台もみたけど、映像でも楽しめた。シリアスでもあるしがっつりコメディだし。ATの舞台裏話も面白かった。潮吹きの小道具であるウィダーインゼリーを芸劇の清掃員が捨てちゃったとか。
お母さんが一緒もそうだけど、良い方向に向かうんじゃないかと思わせるラストが好き。それでいてしっかり締まってるし。
サバンナモンキーの憂鬱

サバンナモンキーの憂鬱

くによし組

王子小劇場(東京都)

2017/12/06 (水) ~ 2017/12/10 (日)公演終了

満足度★★★

90分。

ネタバレBOX

描いてたら消えちゃったので簡単に。

人間になったサバンナモンキーが人間の女に恋して、自身の金玉が青いこと(人間でないこと)に劣等感を抱くが、友人である猿のトモの助けもあり、モンキーに戻る直前に告白をする、というストーリー。
人の姿はしてるけど、結局モンキーな青介(梅田優作)の苦悩が伝わりにくい印象。青介は恋以外にも人とモンキーとのジレンマに悩んでいたのかな。マドンナ(小畑はづき)の苦悩(家族から認められていない)との絡め方もぼんやりしてるかな。マドンナの苦悩の方がくっきりしてるし。マドンナへの告白のキッカケ部分にイベント性があってもよかった。トモ(澤原剛生)も猿と人との違いに劣等感を感じる描写もあるけど、そういう観点で見ればよかったのか。猿役と猿から人間になった猿の配置の意図がつかめなかった。

キャラはいろいろ立ってて見やすかった。青介にフラれる世話山さん(牛尾茉由)とか好き。自暴自棄からか園長の山田(山田健太郎)と関係してしまい、チャ子(赤猫座ちこ)に好きな人の子を産みなと告げるとことか。チャ子とトモの関係もベタながらよい。
90分ながら、紆余曲折もありつつクスっとできるトコもちょこちょこあって楽しめた。檻をコート掛けで表現したのもデザイン的に好き。
接客も良かった。
『ゴールデンバット』『セブンスター』

『ゴールデンバット』『セブンスター』

うさぎストライプ

アトリエ春風舎(東京都)

2017/11/29 (水) ~ 2017/12/09 (土)公演終了

満足度★★★★

「ゴールデンバット」65分。

ネタバレBOX

憂井おびる…地下アイドル。ラスト瑛子に歌を捧げた。
瑛子…宮城出身。NHK素人のど自慢で優勝したことで、上京し歌手を目指すも、上手くいかずデブる。憂井の歌で再起を目指す。
角田…憂井のマネ兼彼氏。憂井とは別れた。
飯島…瑛子が大学生時代に入ったフォークサークルの会長。瑛子と一緒に流し的なのをやってた。
華…瑛子の妹。デブ。瑛子に連れられ原宿に行くも、竹下通りを何往復もするハメになった。引きこもりだったけど子を授かる。
瑛子母・瑛子父…瑛子ののど自慢出演を応援する。

憂井の観点から瑛子の人物人生を浮かび上がらせる作品。憂井が地下ライブでファンに向けてパフォーマンスしているようなスタイル。歌は多め。
何しゃべってんだかわかんない、60超?の太ったおばさんである「瑛子」と、微妙に年重ねてる将来の見えない地下アイドルの「憂井」の、精神的なつながりが見どころかな。見えそうで見えない、見えないけど見えそうなトコが魅力の作品。ラスト瑛子がライブに来ている感で終わるトコとかね。
見終わった後に響くような作り。60超えて池袋parco前でストライブして、デモテープ作っちゃう瑛子がかわいい(ような気がする)。
瑛子のキャラはドラマな感じがして、瑛子のシーンはなんか楽しめた。憂井のシーンに仕掛けがほしい。
相談者たち

相談者たち

城山羊の会

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2017/11/30 (木) ~ 2017/12/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

110分。

ネタバレBOX

夫(吹越満)…教え子のOLと不倫中。妻に離婚をせがむも断れる。娘の結婚には慎重。
妻(安澤千草)…LINEを見て夫の浮気の内容を知る。精神不安定なアル中。
かすみ(村上穂乃佳)…娘。新人OL。職場の先輩である添島と付き合う。結婚を意識する。両親の離婚には賛成。
添島(橋本淳)…かすみの彼氏。飲みの帰りにあいさつによった。自身の母が男作って離婚している。
保科(折原アキラ)…夫の元部下。妻子ありながら喜多川と付き合い、最近離婚できたが、喜多川が夫と付き合っていると知り、夫宅に乗り込んできて、包丁で夫を殺害しようとする。
喜多川(鄭亜美)…複雑な家庭で育ち、中高とイジメられたせいでか、不倫体質なOL。かすみや添島からは不倫マニアと呼ばれる。

夫と妻が離婚話しているとこへ、かすみと添島がやってきて、そうこうしていると保科が喜多川を連れてやってきて、いい争いと包丁沙汰ののち、妻やかすみらの前で夫と喜多川が濃厚にカラミ出す…。
星のホール館長の前説もユーモラスでよいが、作品の会話のユーモラス具合が最高に心地よい。ニヤニヤしてしまう。ヒリヒリした感じと脱力するシーンの緩急のつけ方がうまいのかな。
演者はみな達者で、キャラクター性も十分。妻の病的な感じとか好き。あと、妻に離婚しないと言い切られ落胆したのち、夫が離婚すると発言した際の喜多川の「あ、あ、ありがとうございます」に幸せが詰まってて笑った。

あくまでストレートにコメディとしてとても楽しめた。
BALLO~ロミオとジュリエット~

BALLO~ロミオとジュリエット~

CHAiroiPLIN

東京グローブ座(東京都)

2017/12/02 (土) ~ 2017/12/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

115分。

ネタバレBOX

チャイロイプリン版ロミジュリ。
大がかりな舞台装置もあり、様々な小道具もあり、衣装もたくさんで、出演者も多い舞台。ネタも豊富。言葉遊びも歌と演奏もちょいちょい入りいい感じ。片桐はいりの宅急便屋も要所要所で活かしてた。手のこんだ作り。数年前に見たっきりだけど、そこらへんの調子は変わってないよう。
ダンスが基調にありながら、ストーリー性も十分感じられる。ロミオ(スズキ拓朗)とジュリエット(エリザベスマリー)の結婚のシーンの服脱がせ合い演出とか好き。ダンスフルでラブリー。あと、ティボルト(本山三火)とマキューシオ(増田ゆーこ)の葬儀の曲とダンスも好き。かっこいい。

ごちゃっとしててエンタメしてた。パンフもしっかり作ってて素敵。
『ゴールデンバット』『セブンスター』

『ゴールデンバット』『セブンスター』

うさぎストライプ

アトリエ春風舎(東京都)

2017/11/29 (水) ~ 2017/12/09 (土)公演終了

満足度★★★★

「セブンスター」60分。

ネタバレBOX

スペースシャトルの部品の一部を製造する会社に勤め結婚し子もいる兄をもつ、萩庭天馬(亀山浩史)は、帰郷した兄家族や兄の帰郷を喜ぶ父とも距離を置いて、独りガレージで自転車を組み立てる。幼いころは、ガレージをスペースシャトルに見立て、兄と遊んで宇宙飛行士になる夢をともに語りあっていたが、人生的に置いてけぼりをくらったような劣等感なのようなモヤモヤから逃げるように、独り宇宙飛行士ごっこに明け暮れる。
種子島でシャトル打ち上げがあるといい、父も行きたいというが、天馬はウジウジしつづける。が、過去の自分や塾で知り合ったあの子のことを想い、打ち上げへ立ち会うべく、塾講師を三週間休み、自転車で種子島を目指す…。

コンプレックス的ないたたまれない感と、天馬が楽しそうに宇宙飛行士ごっこしてるサマとの落差が、みてて哀しくなる。父も兄もそんなに天馬のことを下に見てるワケではないけど、天馬自身が自分を受け入れられない的な感覚かな。それでも、一応気持ちに踏ん切りつけて(もしくは諦めて)、休みとると塾の子たちに伝えた時とか、ラストの(あの子と?)出発のシーンの晴れ晴れしさに、一安心する。
再演時の時は、あの子が印象的な記憶があったけど、今回は天馬自身の方に目が行った気がする。
ふしぎな影

ふしぎな影

世田谷シルク

こまばアゴラ劇場(東京都)

2017/11/24 (金) ~ 2017/11/29 (水)公演終了

満足度★★★

55分。

ネタバレBOX

世田谷シルクは久しぶり。前情報なしで当日パンフもろくによまずに観劇。
人形の扱い上手いなと思ったら専門にしてる人だったのか。その人形は、子供と思わず、中年女性と見えた。んで、神様的な存在なのかなと受け止めてた。

反戦メッセージとかいろいろ詰め込みつつ、落ち着いた風合いの感じは気に入った。タップは単純にすごいと思った(あんまりタップダンス見たことないけど)。
あの人&あの人

あの人&あの人

五反田団

アトリエヘリコプター(東京都)

2017/11/23 (木) ~ 2017/11/26 (日)公演終了

満足度★★★★

100分。

ネタバレBOX

ロミオ(前田司郎)とジュリエット(上田遥)の話。面白い。笑った。

ツボを得たセリフやタイミングや動きが、逐一ユーモア溢れ、ゆるめな空気が心をほぐしてくれるよう。
終盤やや間延びした感があったけど、いいエンタメ舞台だった。
ジュリエットの兄(野口卓麿)の、真人間ぽさとコメディさのバランスが抜群によかった。キャラ的に好感。ジュリエットの乳母(神崎れな)は、中でも一番まっとうキャラだけど、空気を損なわずナチュラルに馴染んでた。メガネ姿もかわいい。

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