カモメの観てきた!クチコミ一覧

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無人島で散歩にでかけたカヤ

無人島で散歩にでかけたカヤ

空飛ぶペンギンカンパニー

横浜市長浜ホール(神奈川県)

2015/06/20 (土) ~ 2015/06/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

本当にこのペンギン達は空を飛んでいた!
始めは、若者達の無人島キャンプでの楽しい冒険物語・・
と思って観ていたら・・・

あら。これ、違う!

伏線に重ね合わせるように、またもや伏線の存在!

もしかしたら4年前、日本人全員が迷い込み、落ち込んでしまった
暗く厳しい闇の中から聴こえる叫び声も含まれていたのかも知れない・・・

そんな重みを感じて
身震いしていまったラスト。

お祭り好きだったカヤの無邪気な笑顔には
もう会えない・・・
そして、仲間みんなで心を一つにして、
天真爛漫に大はしゃぎできたあの頃には
もう戻れない・・・

あんなにパワフルに笑って、楽しく過ごした時間の最後に
闇に押し込まれた心情を爆発させ、
美しい思い出さえも、バッサリと断ち切ったラスト。

『空飛ぶペンギンカンパニー』が
今後世の中に打ち出そうとしているものの深さに
興味津々☆
ペンギン達は、本当に空を飛べるのかも知れない。

期待しています☆

消失点

消失点

JACROW

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2015/05/13 (水) ~ 2015/05/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

闇に咲いた薔薇のように☆
「ネグレクト」・・・幼児虐待により、何の罪も無い子どもを死に追いやる
厳しすぎる物語であったにも関わらず、

観劇後、心の中に溢れるように湧いて来た
「優しさ」を生み出す言葉の数々・・・

ただ抱きしめて欲しかった
幼い子供達の想いが突き動かしたのか、

大人達が見失いかけた本物の「幸福」について
子供達が声無き叫びを轟かせたからか、

「消失」してしまった光が残して逝った影に
自らの存在価値に気づかされたからか、

大切に想う同士なら、
出会った頃から、ひたすらに
優しさの花を咲かせる素直な言葉を贈り合うこと☆

そうでもしなければ、
子供達の願いは永遠に叶わない

そんな気持ちに本気でなりました☆
 
今回も、肩の力の抜けない濃密なひとときを
ありがとうございました☆


リチャード三世

リチャード三世

少年社中

あうるすぽっと(東京都)

2015/03/04 (水) ~ 2015/03/12 (木)公演終了

満足度★★★★★

少年社中さんを信じて本当によかった☆
残忍で、暴力のみを信じて生きていたと言っても過言では無い
暴君、リチャード三世を描いたシェイクスピア作品を
少年社中さんが舞台に表現する・・・

それはファンとして少し覚悟のいることでした。

少年社中さんは、
その根底にいつも人間への深い理解と愛情を持って、
夢や希望を描き出します。
どんな心の持ち主でも、深い慈しみを持って
その人物のありのままを、舞台の上で輝かせてきました!

それが今回は、自分の欲望や野望のために、
愛する家族をも次々にあやめてゆく主人公の生き様を
どう愛し抜くのか?!

けれども、信じてよかった。
例えどんなに孤独と憎しみに駆られた心を持つ人間でも、
少年社中さんならきっと読み解いてくれる!
きっと愛し抜いてくれる!

そう信じ抜く勇気を持たせてくれました。

きっとシェイクスピアの450年にも渡る孤独が
この舞台で、解き放たれたことでしょう!

素晴らしい舞台美術☆
心の底まで響き渡る美しい音楽!
物語を語る愛情溢れる衣装!
まるで観客の想いを知っているかのように照らされる照明!
臨場感溢れる命がけの殺陣!
優雅に流れる清流のような清さを描きだしたダンス!

主役を務めた
池田純矢さん、山川ありそさんの熱く胸を打つ
完璧な人物理解と生命を懸けた表現!

ご出演された皆様のチームとしての素晴らしい
溶け合い、生かし合い、互いを信じ合い、愛し合う力!

そして何と言ってもこの難解な作品
現代を生きる私たち観客の心に、ここまで熱く激しく新鮮に
突きつけて魅せた
毛利氏の脚色、演出、読み解きの素晴らしさ!

何度も何度も繰り返し味わいたい
名作です!
間違いなく、人間なら一度は出会うべき芸術作品だと信じて止みません!

素晴らしい作品を創り出してくださって、
本当にありがとうございました☆



隣のきのこちゃん

隣のきのこちゃん

トキメディアワークス

上野ストアハウス(東京都)

2015/02/05 (木) ~ 2015/02/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

是非是非、シリーズ化を!!
感想がとっても遅くなってしまってごめんなさい!

観劇してから3週間ほどになりますが、
今思い出しても、ウキウキしてきます♪
ほんとうに、楽しいひとときを、
ありがとうございましたぁ!!

「日常」って、
本当は、こんなにも愉快で、
ファンタスティックな姿をしているのじゃないかな♪

・・・そんな風に本気で思えて来る、
パワフルで、愛情たっぷりの作品でした☆

ご出演の皆様が、心から舞台を楽しんでいるのが伝わり、
こちらまで、ついついノリノリで踊り出したくなるほどでした☆

ダンス&コント&ホロリ・・・

いいですよね~♪

第二弾!第三弾!
是非是非、シリーズ化してくださいね!

森の太郎・少年社中の
長谷川太郎さん☆
ピッカピカに煌めいて素敵でした♪

PRESS

PRESS

JACROW

サンモールスタジオ(東京都)

2014/12/04 (木) ~ 2014/12/08 (月)公演終了

満足度★★★★★

ハウリングして止まない少女の声なき声
大人の誰もがあまりもの衝撃に言葉を失った
一人の少女が起こしたあの事件が題材。

JACROWさんは、いつも大人達が生み出した
現実社会の闇や歪みと真っ向勝負。

今回の『PRESS』は特に、まだ記憶に新しく、
また消したくても容易には消えてくれないほど
厳しい状況下に置かれた少女と、
彼女をとりまく大人達の
どうしようもなく、やるせない魂の吐露が応戦する。

「何が間違っていたのか?」
「誰が悪いのか?」
「真の責任はどこにあるのか?」

それらを問うことすら意味を無くすほどの
真実をつきつけた、迫真の舞台。

PRESS・・・報道、そして「圧力」

一人の少女が、命と人生を破壊しても
伝えたかったこととは?!

逃げるな、大人達。
向き合え、自らの人生。
思い知れ、真実の「愛」の痛み。

観劇後、少女の声なき叫びが脳内にハウリングして止まない。


JACROW 並びに出演者の表現力が素晴らしい!
あまりもの迫真の演技に、目の前に当事者がいるような錯覚を覚え、
思わず目を伏せてしまったほど・・・。

なにかを伝えようとする強烈な感情が心に突き刺さった。

劇場への階段上から見下ろした隙間に散乱するオブジェ、
少女が残した唯一の「声」。
胸を引き裂かれた。

素晴らしかったです。

ひなたのなかのこども

ひなたのなかのこども

風雷紡

d-倉庫(東京都)

2014/08/13 (水) ~ 2014/08/19 (火)公演終了

満足度★★★★★

「命」よりも大切な「憧れ」と出会う時
「僕たち、どこまでも、どこまでも、一緒に行こうねぇ・・・」

『銀河鉄道の夜』の旅の終わりに、
ジョバンニが、カムパネルラに告げたこの言葉・・・

受け取る者を失った、
ただ銀河空間をさまよい続けるしかない
この言葉が残した余韻・・・

その深淵なる哀しみを
実際の事件の中に描き出した秀逸な舞台。

戦後の混乱期、国鉄総裁が巻き込まれた未解決事件、
『下山事件』を辿りながら、
あの時代と、この現代にも繋がる
日本人の孤独と、言いしれぬ寂寥をあぶり出してくれました。

一人の人間が「自死」を選ぶ。
それは、どういうことなのか。

幼少期から綴られる、
その人だけの物語の中の、
どの部分が「闇」を連れて来てしまったのか!

かつて親友が自死を選び、
近くの踏切から銀河鉄道に乗って逝ってしまった経験のある私としては、

人が「命」よりも憧れる
「何か」に心奪われる瞬間の輝きと漆黒について
想いを馳せてしまいました。

・・・自分らしく生きることを許されぬ現世ならば、
・・・「憧れ」を選ぶかも知れない。自分の命と引き替えに。

まさに身を切るような痛みと哀しみを
一つの芸術として完成してくださった
『ひなたのなかのこども』のカンパニーの皆様に、
心から感謝いたします。

本当にお疲れ様でした☆

皆様が観客の心に残した余韻は、ずっと消えることは無いでしょう。
誰もが今、
自分の人生の中で闘っているその「闇」は、
しばらくの間、未解決のままだと思うから。

ネタバレBOX

『ひなたのなかのこども』を最後まで観終えて
一つの妄想が浮かんでしまったのですが・・・

子母澤さんは生きている・・・
生かされたかも知れない、という希望。

少なくとも「生きていて欲しい!」と
強く願った者が、二人もいたのですから!

大人達がどろどろに、もみくちゃに握りつぶしてしまった
純情を取り返して、

きっと子ども心に還り、
煌めく笑顔で電車ごっこに明け暮れている・・・
大好きな三人一緒、
あたたかな光の中で・・・

そう想いたいのです。

ネバーランド

ネバーランド

少年社中

青山円形劇場(東京都)

2014/07/08 (火) ~ 2014/07/15 (火)公演終了

満足度★★★★★

ネバーランドに、もっともっと一緒にいたい!!
ネバーランド国を囲む地平線に集まった満杯のファン!

再びここで、新しい何かが始まるとあって、
人々は親愛の想いを込めて見つめていました☆

そして、
高らかに響き渡る序曲に突き上げられるように、
4年前に手渡された感動が、一瞬にして涙に変換されたのです☆

なぜなら前よりも、ずっとずっと可笑しくて、楽しくて、
一緒になって、子どもみたいにあばれたい気持ちが溢れ出したから!

自分の重さに絶えきれず、
苦しみもがくこの国の住人一人ひとりのお話しを
もっとゆっくり、もっとじっくり聴きたくなったから!

できれば、もっと一緒に泣きたい、一緒に笑っていたい想いに溢れたから!

止めど無く溢れる涙は、再会の喜びもあるけれど、

ネバーランドの皆様も、ファンの私たちも、
精一杯の4年間を
生き抜いてきたからなんだと気づきました。

伝えたい想いが、もっと強くなっていることに・・・
覚悟しなければならないことが、もっと明確になっていることに・・・
勇気を持って突き進むには、
もっと子どもみたいに遊びたおす力が必要なことに、
気づかされたから☆

私たちの心の中には、
苦しみの数だけ、ネバーランドがある☆
喜びの数だけ、ネバーランドがある☆
夢の数だけ、ネバーランドがある☆

本当に、ネバーランドは永遠なのですね!!









七人みさき

七人みさき

シアターキューブリック

あうるすぽっと(東京都)

2014/05/21 (水) ~ 2014/05/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

とことん人生に食らいつく!「生きてたまるか!」
一つの芸術作品として、気品ある大変質の高い舞台を観せて頂きました☆

全編、どの場面を切り取っても、まるで絵画のように美しく、
役者の方が、ただ佇んでいても、
強い重力と存在感を感じさせる、
深層心理を光の中に浮き立たせるような
深みある作品でした☆

シアターキューブリックさんは、何と言っても、
登場人物の一人一人が、
まさにそこに生きている、身近な人間のように
生き生きと描き出されて行くところが特長です☆

今回も老若男女、身分の差無く、
全員がそれぞれの人生を力強く生き抜いていました!

それが本当に心に染みて、
生きる意欲を観客の心に植え付けてくださいました!

運命は、あまのじゃく。
「生きてたまるか!」と挑み来るものを生かすのなら、
尚のこと、
生きてたまるか!と、とことん人生に食らいついて行きたい☆




刀と天秤

刀と天秤

JACROW

スクエア荏原・ひらつかホール(東京都)

2014/03/21 (金) ~ 2014/03/24 (月)公演終了

満足度★★★★★

JACROWらしい闇と愛
これまでにも、
社会の闇やひずみの中で必死に生きる人間像を
斬新、独特なタッチで描き出す
JACROWさんの作品とあって、かけつけました。

「ジャクロウ、ナンバーセブンティーンハーフ」
のユニゾンが劇場に響き渡った瞬間、
心がにわかに動き出し、心地よい緊張が高まりました。

「侍」をテーマに三つの劇団が作品を競う
それぞれの40分。

観劇後に感じたのは、
これは三つ合わせて一つの主張を完結させた、
オムニバス作品だということ。

現代日本人の心の闇に棲む
「侍」という幻影を蘇らせる斬新な試み。

その中で、JACROWの『刀と天秤』は
異彩を放つ秀作だったと思います。

東電OL殺害事件。
未だ解決を見ない闇の迷宮に挑んだ舞台。

ノンフィクションの悲惨な事件を
克明に描き出した舞台を観るのは初めてだったので、
覚悟して観ました。

でもなぜ「侍」とOL?・・・と疑問に感じていたら、
幕末の志士、土方歳三と
職場で「副長」と呼ばれていたOLが重なりました。

自らが思い描く明日に相応しくない者は、
容赦なく刀を振りかざし、その時代に独自裁判を下した
新撰組副長、土方歳三。

父親との偏愛に結論を見い出せず、
死に別れてしまった、虚無感や怒り、哀しみを、
自分の母親や、ただ性欲に溺れる男達にぶつけるようにして、
ひたすら自傷行為を繰り返すOL。

一晩に4人、と自らに課したノルマは
4人を「斬る」ということ。

なんと自虐的で、むなしく儚い怒りと哀しみの慟哭であることか!


終始、能面のような表情の母親の心の闇に潜む
悪魔の存在に気づいてしまった後半、
現実の審判の下される恐ろしさを感じてしまいました。

劇作家による解説は
この作品にとっては、唯一の救いだと思いました。

主演女優と青年の舞台上における着替えのシーンは、
この作品の生々しさと、肌を通して交わされる体温を
客席に伝えるためには、必要な場面だと感じました。

決死の舞台に、侍魂を魅せて頂きました。







3番目の恋人(終了しました)

3番目の恋人(終了しました)

エビス駅前バープロデュース

エビス駅前バー(東京都)

2014/03/20 (木) ~ 2014/04/02 (水)公演終了

満足度★★★★★

男心VS.女心・・・甘くてほろ苦いカクテルのよう
エビス駅前バーの、小粋でハイセンスなあの空間に
ピッタリの、素敵なラブコメディー♪

二人のささやきが心地よく響き、
揺れ動く二人の恋心も手に取るように感じられて、

大人なら、かつて誰もが経験した、
甘酸っぱくて、ほろ苦い
あの日々に迷い込む、濃密なひと時☆

登場人物、一人ひとりがとっても魅力的!

みんな、みんな、上手く行きますように!
そう祈りながら見守っていたんです!

島田店長!恋の占い、
これからもずっと続けてくださいね☆

「願い」と「現実」の狭間に迷う者達にとって、
お店の名前と店長は、
救世主なのかも知れないのですから☆

贋作・好色一代男

贋作・好色一代男

少年社中

紀伊國屋ホール(東京都)

2014/02/04 (火) ~ 2014/02/11 (火)公演終了

満足度★★★★★

THAT'S エンターテインメント☆
身体の芯から熱くなる☆

この舞台を体験したら、世之介じゃないけど、
出会う人、出会う人、みんな愛したくなる!!

何?!なに?!
この溢れ出す熱い気持ち☆

素敵な素敵な、誰をとっても
もう、一生心に住まわせたくなるほど
魅力的な登場人物に、
身体中のあらゆる器官で恋をする・・・☆

楽しい、本当に生きてるって素晴らしいこと!

人生はエンターテインメント!
誰もが皆、それぞれの物語を紡ぐ主人公☆

ありがとう☆贋作・好色一代男カンパニーの皆々様!!

おめでとう☆少年社中の皆様ぁ!!

最高の、旗揚げ15周年の大パーティーですよ!!


ヒーローズ

ヒーローズ

少年社中

劇場MOMO(東京都)

2013/08/08 (木) ~ 2013/08/18 (日)公演終了

満足度★★★★★

ビックリした~☆そして最高だよ、ヒーローズ!
何と言っても、ストーリーが面白い!!

確かに、シチュエーションコメディーと知らされた通り、
笑った♪笑った♪

でも、こんなに魅力的な
迷宮への入り口が用意されていたなんて!!

どうなるの?!一体何が起きてるの?!
と、グイグイ引き込まれて行くうちに、
とうとう私たちまでも、
密室からの脱出を試みる状況に追い込まれてしまいました☆

まさに、少年社中さんの真骨頂☆☆☆


それから、なんて魅力的なヒーローズ!!

やっと会えた・・・

初めまして、
のはずのヒーロー達なのに、
なぜか、ずっと前から心に描いて、
ずっと探していたその人に会えた
まるで、一つの運命のような、
心に染み入る感動を覚えた、ヒーローズとの出会いでした☆

心憎いほど、
なんて人間的な、愛すべきヒーローズの群像でしょう!

弱くて、情けなくて、
でも、人一倍純粋な夢を持っていて、
キラキラの瞳はどこまでも深く・・・

苦しみもがきながらも、
笑い、笑い飛ばし、笑い飛ばされながら、

思いっきり、心の底から泣く!真実を叫ぶ!

今回は、それぞれのヒーローが
自分のエピソードをプロローグとして日替わり主演で上演☆

プロローグでクローズアップされた
一人のヒーローの想いが、
本編で華と開く!

その瞬間を目の当たりにできる
前代未聞の特典付き!

つまり本編は、ヒーローの数、9変化を魅せる!

まさに真夏の夜の打ち上げ花火のような華やかさ☆

観劇は、2回目からが面白い!!
9変化を目撃せねば!!



カルデッド

カルデッド

JACROW

OFF OFFシアター(東京都)

2013/07/24 (水) ~ 2013/07/31 (水)公演終了

満足度★★★★★

美しい死重奏の響き
圧倒されました。
「死」が放つ、激しい光に照らされ、ただただ驚愕しました。

けれども、美しい弦楽死重奏の響きに酔いしれた
あっという間の2時間でした。

「希望」が、
意識という外界へ放つ光のエネルギーだとすれば、
「自殺」とは、
その何倍にも膨らむ無意識の闇を束ねて支配する
強烈なエネルギーを有することを知りました。

苦しみが外れないのですから!

一人の自殺がもたらす苦しみは、
その人を「死」に追いやった者のみならず、
いえ、むしろそれ以上に、
その人を深く愛する者に対して、より激しくぶつけられる
終わることの無い、「暴力」だと感じました。

決着が、
行き着く場所が永遠に見当たらない闇の旅に
突き落とされるのですから!


でも、だからこそ、
私はこの作品に心から感謝したい!


外れない苦しみを持つ人こそ、
生きるべきだと教えてくださったのですものね、

最終話、声をかけてくださった、内野さん、緒方さん。

・・・~・・・~・・・~・・・~・・・~・・・~・・・~・・・~・・・~・・・

それから、OFFOFFのスペースと雰囲気をとても良く演出された
舞台美術にも、驚きました!

4幕の変化をとても楽しく興味深く構成されていて、
これは、必見です!

人生はまるで、寄せ木細工、積み木くずし・・・
そんなイメージが湧きました。

佐世保バーガーズ

佐世保バーガーズ

東京パイクリート

劇場MOMO(東京都)

2013/07/03 (水) ~ 2013/07/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

笑った♪笑った♪美味しかったぁ☆
楽しかったです!!

佐世保バーガーズの深夜に集う
都会の妖精たちの
なんて、愛らしいこと!!

いえいえ、ファンタジー作品ではないですよ。
でも、登場する人物たちの
何とも言えない素朴で純粋な生き様を見ていると、
どの人も、
観客の心を癒やしてくれる妖精そのもの♪
愛すべきキャラクターたちなのです!

彼らが繰り広げる会話劇のキラキラ☆
まるで、びっくり箱を次々と開けるかのように、
笑いが飛び出す、飛び出す♪
私は確か、10秒に1回は、爆笑していたと思います♪

それに、内容も、なかなかどうして!
深い☆

私は、ハンバーガーと演劇と映画が
こんなにも密接に繋がっている関係にあるとは、
この舞台を観るまで知りませんでした!

それに、映画の題名だけ聴いて、
こんなに涙が溢れてしまったことも
初めての経験です♪
だって、その羅列は本当に、「美味しい」のですもの!

脚本も次から次へと笑いと人情味の爆弾を潜ませ、
俳優の方々の、あ・うんの呼吸!

この舞台は、あらゆる場面にちりばめられた、
極上の「美味しさ」で出来ていることを知りました。

なぜなら、観劇後、
お腹も心も、
あのジューシーなミートとフレッシュな野菜を、
噛めば噛むほど甘みの出る、柔らかなバンズで挟んだ
佐世保バーガーを味わった満足感に包まれたのですから!

心から楽しませていただきました!
ありがとうございました☆



ラジオスターの悲劇

ラジオスターの悲劇

少年社中

吉祥寺シアター(東京都)

2013/05/08 (水) ~ 2013/05/15 (水)公演終了

満足度★★★★★

是非、是非、是非、吉祥寺シアターへ!今こそ!
うわぁぁ。。

今、想うこと、語りたいこと、波のように押し寄せて、、、
でも、まだ深くは語れません。
とにかく、まだの方は、是非、観てください!!

世界初の試みである、ラジオと舞台。
その、素晴らしいコラボレーション!

ラジオが語りたくても、語り尽くせなかったもの。
舞台が表現したくても、しきれなかったもの。

今、少年社中さんの舞台で、成就する!

お互いが隠し続けていた大切な想い。

絶望が希望で、希望が絶望。
光が闇を創り、闇が光を創り出す。

君が僕で、僕が君。

15年間、ぶれることなく一貫して追い求めてきた「生きるとは?死ぬとは?」
その大命題に向かって、無茶な戦いを挑む、
少年社中という勇者じゃない、真の勇者たち☆

もう、可笑し過ぎて、健気過ぎて、可愛らし過ぎて、切な過ぎて、
胸が痛い!
もう一度、もう一度、もう一度、この舞台に会いたい!!
この想いは、もう恋なのか・・・?

でも、初日なのに、もう二度と会えないラジオスター、
土屋裕一さん☆
素晴らしかったです☆☆☆
こんなに、『ラジオスターの悲劇』の世界観を
哀しく切なく美しく最高に創り出し、描きあげてくださったのに、
どうして、もう会えないのですか?!
「悲劇」は、ここからも生まれています。
でも、舞台に生き抜いたその魂は、襷としてつながれてゆくのでしょう。
ありがとうございました。

また、特執すべきは、
舞台美術、懐かしの心揺さぶられる音楽、照明、衣装☆☆☆
本当に素晴らしいです!!
是非、じっくりと味わってください!!

モマの火星探検記 ~Inspired by High Resolution~

モマの火星探検記 ~Inspired by High Resolution~

少年社中

吉祥寺シアター(東京都)

2012/08/03 (金) ~ 2012/08/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

超新星爆発する愛
宇宙。
その果てしない空の彼方に向けた
私たちの夢と憧れ。

そこに隠された
人間の探して止まない永遠の問いを

やはり
少年社中さんは果敢に真正面からぶつかり、真摯に説き明かして下さいました。

ハイレゾ、チャンドラワークス、カゴツルベ、ファンタスマゴリア、ネバーランド、天守物語。
これまでの作品の中で温められ、培われたエネルギーが
まるで超新星爆発する星のように熱量を放ち、
再び新しい星を創る瞬間を目撃した想いです。

日本人初の宇宙飛行士、
毛利衛さんの深い愛情に包まれて

まさにこの宇宙、唯一無二の
少年社中の王道たる舞台を生み出して下さいました!
今、この地球に生きていることの喜びを、
生き抜いて行く勇気を授けてくださるこの舞台。

この時空間を共に生きる皆さんに
観ていただきたい!
沢山の人々と共感したい!
素晴らしい作品を創り上げて下さった皆様、
本当にありがとうございました!

葡萄酒いろのミストラル

葡萄酒いろのミストラル

シアターキューブリック

ザ・ポケット(東京都)

2012/05/23 (水) ~ 2012/05/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

今もなお、これからもずっと心の中に生き続ける賢治の夢
公演から二ヶ月を過ぎてなお、心の中に虹のように浮かんでは感動を蘇らせ、

その度に新しい何かに気づかせてくれる、

この世界に生きる上で、大切なものを教えてくれる、

人間として生きている喜びをわき上がらせてくれる、

どんなに辛いことにも、負けることなく立ち向かう勇気をくれる、

愛することの本当の意味と向き合わせてくれる、

自分が、人を幸せにするための一歩、一歩を踏み出させてくれる、

命ある限り、心に描いた美しい夢を追い求めながら生きる誓いを立てさせてくれる、

果てしない時を超えて輝く星々に、人との繋がりの奇跡を教えられ、

宇宙の荘厳の中に存在する小さな自分を大切に想う心に目覚めさせてくれる、
一言では表せないほど、
いくらでもこの感動を連ねることができるほど、

素晴らしい舞台に出会えたことを、深く感謝しています。

宮沢賢治は、その魂は、生きています。

この世界を、「夢」として想い描こうと試みて、
倒れても、傷ついても、病もうとも、何度でも起きあがって、

美しい本当のこの世界を、夢見続ける覚悟ある者の心の中に、

生き続けているのですね。

本当に永遠なる美しいテーマを表現してくださって、ありがとうございました。

この作品は、この宇宙の大いなる者の御前にて上演されるべき、
尊いものだと想います。

「僕と彼の彼女達」

「僕と彼の彼女達」

セロリの会 

「劇」小劇場(東京都)

2012/07/26 (木) ~ 2012/07/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

魅力的な人間群像・・・この中に自分もいる?!
リズミカルに流れてゆく会話がとても自然で、心地よく聞いているうちに、
すっかり自分もこの家族の一員になってしまったかのような錯覚に陥り、
気がつくと親身にここに起きているトラブルの解決に乗り出していました。

舞台の設定や兄弟姉妹の繋がりがとても懐かしく、親しみを感じ、

この部屋に集まる様々な事情を抱えた女性たちも
とても生き生きと魅力的に描かれているので、
あっという間に感情移入してしまい、
心の中でいろいろな登場人物を応援していました。

舞台に乗らない人物にまで、肩入れしてしまう始末!

素晴らしい脚本と、それを表現された俳優の皆様に心から拍手を贈ります!

どこの家庭にも、人に話せぬミラクルミステリーがある。

それにしても、この家庭に起きたミラクルは
なんて不思議で、優しくて、健気で、胸を打たれたことでしょう!

人間ってやっぱり、魅力的で美しい存在ですね。
 
素敵なストーリーをありがとうございました。


ハムレットォ!!

ハムレットォ!!

少年社中

あうるすぽっと(東京都)

2012/05/25 (金) ~ 2012/05/31 (木)公演終了

満足度★★★★★

魅力満載!ハムレットォ!!
本当に、楽しい2時間でした!

一年間の充電期間を置いて、エネルギーが満タンを越えて、
少年社中さんの魅力が、まさに爆発!していたのですから♪

こんなに人間的に分析されたハムレットとその仲間たちが
今までにあったでしょうか?

遠く雲の上のような存在だったハムレットが、
こんなにも身近で、愛嬌たっぷりに描かれていたので、
シェイクスピアの舞台が、人々の心に里帰りしたかのような
安心感と、肌の温もりを感じました。

人間を愛していなければ、
舞台芸術そのものを愛していなければ、
舞台に立つ役者を愛していなければ、
少年社中を愛していなければ、描き出せない、

魅力満載のハムレットでした!!

役者の方々の生き生きしていたこと!
今でも、スローモーションとなって、
心の中であの舞台が再現されています。。

何度も観たい、素敵な素敵な舞台でした。

GULF -ガルフ-

GULF -ガルフ-

読売新聞社

青山円形劇場(東京都)

2012/01/20 (金) ~ 2012/01/25 (水)公演終了

満足度★★★★★

この後、どうなる?どうする?どう生きる?そして驚きのラストへ!
先ずは、
「二人芝居」の表現する世界の深淵さに感動しました。

思えば、
人と人との繋がりの中で、最小にして最大なものが、
1対1で向き合う、「二人」。

自分には見えていない本当の自分が、
向き合う相手の中には映り込み、鏡に照らすようにして見せてくれる。

思わぬ自分の姿に驚き、怒り、惑い、泣き、笑い。

そんな情けない自分の姿を全部見ていてくれる相手の存在。

二人芝居の醍醐味が、存分に盛り込まれた作品でした。

今を生きる日本人を、等身大に表現しながら、
語り合い、関係が育ち合う中で、
誰もが心入れしてしまうほど、魅力的な人間像へと昇華させてゆく表現。

大和悠河さん、敦士さん、素晴らしかったです。

そして、この作品に散りばめられた
今を生きる私たち日本人に向けて放たれる、数々のキーワード。

二人の止めどなく重ね合わされる会話の中に、
人間の喜びと哀しみを、無造作のようで、
実はこの上なく美しく並べてみせた脚本の素晴らしさ。

会話だけではなく、一つ一つの行動にも、深い心理状態を映してみせる
演出!

特に身体を動かすことが、
その後の展開に大きく影響を及ぼして行く視点の新鮮さと表現の巧みさ。

素晴らしかったです。

舞台美術の美しさ。不安と闇の心理状況に注ぐ、
一筋の希望の光のようでした。

この特異な世界観へと誘う、
迫力と説得力のある音楽の素晴らしさ!

現代人が漠然と抱えている不安がどこから生まれ、
何処へと人々を追いやろうとしているのか?

『GULF』という場所にまつわる
20年間の日本人の心の旅の先にあるものは、
闇なのだろうか。光なのだろうか?

「この後、どうなる?どうする?どう生きる?」
緊迫した状況を辿る中で、解き明かされて行くのは
実は、自分の心の闇。

そして、ラストに明かされる、驚愕の未来。

2011年を生き抜いて迎えた、2012年。
何倍にもパワーアップした毛利亘宏さんの世界に、
深い愛情と覚悟を感じました。

『GULF』が提唱するモニター企画に参加した観客も皆、
きっと、この覚悟を共にすることになるのだと思いました。

素晴らしかったです。
この作品に出会えたことに、感謝いたします。
ありがとうございました。






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