ぴおんち33の観てきた!クチコミ一覧

301-320件 / 452件中
ザ・ボイスアクター ~アニメーション&オンライン~ (東京)

ザ・ボイスアクター ~アニメーション&オンライン~ (東京)

劇団6番シード

テアトルBONBON(東京都)

2011/11/16 (水) ~ 2011/11/23 (水)公演終了

満足度★★★★★

修羅場のアフレコシーン
のオンパレードで、すさまじいまでの演技でした。オンライン編を見たのですが、
劇としてもすごくよくできた構成で本当に楽しかった!ものすごい台詞量の多さにもかかわらず、ほとんどタイミングを外す事も無く台詞の噛みも無く、特に主演女優さんの声優っぷりは本物としか思えない。熱い声優陣に対し、あくまでクールなウェブ界のディレクター達も好い対比になっていて、劇としての醍醐味を感じさせてくれました。すごいですね・・・・。目の不自由な人たちへの副音声による上演などもいい試み。この構成なら健常者以上に楽しんでもらえると思います。キャスティングのはまり具合もばっちり。会心の作ですね。

ホタルイカの上にいた日

ホタルイカの上にいた日

劇団くりびつてんぎょう

ウッディシアター中目黒(東京都)

2011/11/18 (金) ~ 2011/11/20 (日)公演終了

満足度★★★★

救い
亡くなった人々との不思議な邂逅を描いた劇。こんなことが本当にあったらどれほど大きな救いになるだろう、と思わせる暖かい仕上がりになっていました。それぞれの人生とエピソードを持つ震災と津波の被害者という難しいテーマにあえて挑み、劇としても一応成功している。客席からも暖かい拍手が鳴り止みませんでした。勇気を持ってこのテーマを選んだことに敬意を表して☆ひとつおまけ。

ネタバレBOX

劇としてはバンドのファンの女の子など完全に不要。脇の空間も使うので話が煩雑になり、後々のエピソードに繋がらないため邪魔な感じでした。なるべく多くの団員を出演させたいということでしょうが、これをやるととたんに仲良しグループという素人感が出てくる。あの小さな劇場にしては多すぎる出演者数と余分なエピソード数だったと思う。
祈り

祈り

劇団だるま座

座・高円寺2(東京都)

2011/11/15 (火) ~ 2011/11/18 (金)公演終了

満足度★★★★★

演劇の王道
とも云えそうなけれんみの無いストレートな演出とお芝居でした。50人を超す役者さんが舞台に上がるにもかかわらず、スポットライトを多用したライティングで、舞台はむしろ静謐感に溢れている。思い切って簡素化した美術も、このお話に不思議な清潔感と品格を添えていた。お話の始まりはいつも一個のバックライトから。導入部が明快で分かりやすく、観客側も話の受け入れ準備ができる。こんな細かい工夫がいっぱいで、誰もが感動できる舞台になっていました。役者さんの達者な演技は言うに及ばす、いつもながらに美しい台詞回しと真摯な演技に感動。終幕の一つ残された荷車に、その後の彼らの人生を感じさせられました。だるま座渾身の作品ですね。レパートリーにぜひ加えて欲しいです。

ネタバレBOX

圧巻は愛憎を経た後に分かれるテヴィエと肉屋の別れのシーン。二人の男が抱き合い、背中を叩き合いながら、大家族を率いていかねばならない男と、たった一人見知らぬ土地に旅立たねばならない男が万感の思いを込めて、互いの越し方、行く末を思い抱きあう。哀しく、少し滑稽で、そしてとても印象に残る美しいシーンでした。もうね、ここでこらえていた涙がドバーッと。本当に魅せられました!
ケントの伝言 ~横濱湊屋始末~

ケントの伝言 ~横濱湊屋始末~

Project ONE&ONLY

「劇」小劇場(東京都)

2011/11/16 (水) ~ 2011/11/20 (日)公演終了

満足度★★★★

いい舞台でした!
舞台美術や衣装がすばらしく、役者さんも達者。ストーリーも良く練られていて安心して見ていられる、とてもいい舞台でした。特に美術、衣装の完成度が高く、おまけに遊び心にあふれている。瓦版屋の衣装にまず、「おおっ!」美術に「美しい!そうか、屋内からだと逆文字になるんだ~。ユニーク!」役者さんの着物の所作の美しさにも感服。小劇場でこんなに完璧な着物の所作を見たのは初めてです。ストーリーもいいが、こうした細かいところにまで神経が行き届いていて、
とても楽しめました。劇「小劇場」の狭いはずの空間がすごく広く感じた。素晴らしかったです!だからお願い、肝心なところで台詞噛まないで~。もう、私的には間違いなく☆5つなんですが、初日のせいか噛みが気になりました。台詞回しが素晴らしいだけにわずかの噛みが目立ちました・・・・。残念。
あと、私の希望ですが、最後のシーンで娘の千代の衣装が替わっていたら、視覚的にも完璧だったと思います。若い女性の着物姿はそれだけでも美しいもの。何倍も印象深いラストシーンになったことと思います。

ネタバレBOX

衣装さん、素晴らしいアイディアでしたね。ケントの胸の箱ポケット(手間のかかることを・・・・)にガラスの首飾り、湊屋の主人のネクタイを縫いつけた襟元と絞りを入れこんだ裾、瓦版屋のベルト通しまできっちりとつけた着物に派手なとげとげのベルト・・・・。どれも西洋化を迎えた日本を象徴していて、お芝居に楽しさと分かり易さを添えていました。こういうの、いい仕事と云うんでしょうね。大満足です。
アラカン!

アラカン!

劇団テアトル・エコー

恵比寿・エコー劇場(東京都)

2011/11/11 (金) ~ 2011/11/23 (水)公演終了

満足度★★★★

新作オセロー
すごく楽しめました!達者な演技とよく出来た構成であっと言う間の2時間20分。劇団の内幕も楽しく、生まれ変わったオセローもすばらしい出来でした。
素人役者を演じる役者さん達の巧いこと。劇中劇でうまく演じるより素人らしく演じるほうがずっと難しいんだろうな、とは思うのですが、あまりに自然な下手さにうなってしまいました。こんな劇団が本当にあるといいなぁ・・・・・。

かんながら

かんながら

SORAism company

萬劇場(東京都)

2011/11/11 (金) ~ 2011/11/13 (日)公演終了

満足度★★★

初見でしたが
テンポのいい台詞と、にぎやかでカラフルな舞台で楽しめました。神社の特殊性や知られざる内幕など、ちょっと紹介してくれればお話しに深みが出たかな、と思います。

トンデモ医者

トンデモ医者

劇団新和座

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2011/11/10 (木) ~ 2011/11/13 (日)公演終了

初のモリエールだったので
期待大でしたが、わりとあっさり感がありました。17世紀の脚本ってこんな感じだったのか~という感じ。短い上演時間の間に当時の世相や雰囲気をどれだけ反映させられるかがキーだと思いますが、もうちょっと衣装などの助けを借りても良かったのでは・・・・・。私たち観客はやはり衣装などにかなり影響されます。

「Idiot~ドストエフスキー白痴より~」

「Idiot~ドストエフスキー白痴より~」

TOKYO NOVYI・ART

シアターX(東京都)

2011/11/11 (金) ~ 2011/11/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

見ました。美しい手の演技
弦楽器の深い音色で始まるドストエフスキーの「白痴」 ロシアの雰囲気満点。いつもながらにミニマムな渋いライティングに今回はフラッシュシーンを加え、より鮮烈な印象に。配役表を見た時、登場人物の多さに恐れをなしたが、分かりやすくまとめられ、その美しい台詞回しと手の演技に圧倒されました。主人公の、燕尾服の上にだらりと伸ばされた手が絶えず物言いたげに、もどかしげに動いている。「白痴」が自分の考えを表現できない苦しさを、男性にしては華奢な手が美しくよく表現していた。特に「白痴」の訥々とした語り口に周囲の人がまぶたを濡らしていくシーンは圧巻。素晴らしかったです!その後の激しい展開も見ものでした。青い照明やタフタっぽい女性の衣装もロシアらしく、雰囲気と美しさを盛り上げていました。緊密で鮮烈な3時間。すごすぎです。

Surprise Guest どっと COME

Surprise Guest どっと COME

東京おいっす!

「劇」小劇場(東京都)

2011/11/05 (土) ~ 2011/11/13 (日)公演終了

満足度★★★★

最初ドタバタかな~って
それが倍々でドタバタになってきて、そのうち超ドタバタになってきて、やがて信じられないくらいドタバタになってきて、もうドタバタもここまで来ると半端じゃない!
神がかり的?感動しました・・・・。役者さんたちがんばりました。すっごく面白かったです!

Waiting ~とりあえず、黙って待ってみる…~

Waiting ~とりあえず、黙って待ってみる…~

いいむろなおきマイムカンパニー

こまばアゴラ劇場(東京都)

2011/11/02 (水) ~ 2011/11/06 (日)公演終了

満足度★★★★

マイム初観劇
だったので、すごく楽しく、興味深く見ました。ほとんどダンスに近い。美しい手の動きに見惚れました。一つ一つのポーズが明快に決まり、分かりやすい。国籍不明の言葉もよくこれだけ話せるものだとびっくりしました。最も印象に残ったのは、いいむろなおき氏が集団に追いかけられているシーン。すごかったです。
ただ、もっとアグレッシブな表現や変わったストーリーも十分表現できただろうに、と思ったことも確かです。

お母さんの十八番

お母さんの十八番

アジア舞台芸術祭制作オフィス

水天宮ピット・中スタジオ1(東京都)

2011/11/05 (土) ~ 2011/11/06 (日)公演終了

満足度★★★★

面白かった!私は好きです
こういうの。水天宮ピットという、元学校だった劇場をうまく使っていた。ここ、借景とでも云えばいいのか、外の景色や照明を舞台の中に取り入れることができ、面白いですね。この劇の中でもとても印象的に使われていました。お芝居のほうは、役者さんがみな達者。再々かかってくる長女の電話の内容が何だったか知りたいが、分かりやすいお話の中でこうして少しだけ謎の部分を残しておくのもテクニックというものでしょうか。人生の哀しさと面白さをとてもよく感じさせてくれました。

犬笛

犬笛

ThreeQuarter

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2011/11/03 (木) ~ 2011/11/06 (日)公演終了

満足度★★★★

歴史を貫く意志
というものの存在をうまく表現できていて、相変わらず熱く、楽しめる舞台でした。台詞が甘く噛みも多いが、この劇団の特徴で、だんだん気にならなくなってくる。脚本がいいのでしょうね、最後はきっちりと感動させてくれます。それにしても、「花は桜木、人は武士」と云われた江戸時代、最後まで武士としての美学を貫いたのは農民出身の近藤勇や土方歳三だったのは、歴史の皮肉と言うものでしょうか。だからこそ新撰組は今でも人気があるのでしょうね。「犬笛」という演題も面白い。聞こえる人にしか聞こえない、歴史に流れる潮流のことか、あるいは歴史を動かす人間を呼ぶ笛か。気になったのは女性の衣装。戦国時代からいきなり現代風のお太鼓だったのにはびっくりしました。これはちょっと・・・・。いつの時代の話なんだろうと考えてしまった。しかし、いつもながら放出される熱量の多さに☆ひとつおまけ。観客の多さにも驚きました。

いつも誰かのせいにする

いつも誰かのせいにする

箱庭円舞曲

駅前劇場(東京都)

2011/11/03 (木) ~ 2011/11/13 (日)公演終了

満足度★★★

最近客席の設営をも手がける
凝った舞台美術のお芝居をよく見かけますが、こちらの舞台も中央に三角に大きく張り出した2階のある舞台をしつらえ、舞台の左右にも椅子を置くという斬新なもので、劇場がとても広く感じました。照明もいい。音楽は・・・・時々うるさかった。でも、色々と進化しているなぁ。お芝居は群像会話劇で最初の緊迫感を最後までうまく持続できていたと思います。しかし、各人ができることをただ一生懸命やればいいという単純な考えしか持たない私には、何が問題になっているのかよく分からないのでした・・・・・。業界人が状況をチャンスと捉えそれを利用するのは当たり前のこと、自分の身を守るのはAt your own riskで大人なら当然。それこそ、放送されないからというのはTVのせいにしているような気がする。何で彼女のせいになるのかよく分からない。煽動した、というなら分かりますが映画の題名くらいで何で?と。人死が出るほどの騒ぎなら、あのオフィスまで騒音が届いているはずですがオフィスは静かなものだし・・・・(こういう所に疑問を持ってはいけないんだろうか)思い切って背中を見せる演出など、すごくユニークでした。鳴り止まない拍手の中、私も感動したかったなぁ、と思った。 

「さらば冬の殺し屋」

「さらば冬の殺し屋」

enji

OFF OFFシアター(東京都)

2011/10/29 (土) ~ 2011/11/06 (日)公演終了

満足度★★★

コメディ?でもない
う~ん、前半コメディっぽいところも多いのですが、やはり基本テーマからしてコメディは無理ですよね。そのせいか前半がコメディにならず、私には大げさな演技や台詞に感じられてしまいました。前半笑えないとかなりしんどい。後半に入ってその理由が分かり、うまく収束していき、衝撃のラストになるのですが、前半の違和感が後々まで尾を引いてしまい、いかにも演劇っぽい台詞回しや演技が印象に残ってしまいました。時計の針などの小道具も痛い。前半、「ハリーの災難」のようなブラックコメディになるのかな?と思ったのですが、さにあらず、いかにも日本的なエンディング。このエンディングとコメディ色の組み合わせにはなんだか無理があるような気がする。

ネタバレBOX

特に「チリッ」とか「ズキューン」などの擬態語がくどくて痛い。それで人間性の回帰を表すというのは演劇としてどうなんだろうか・・・・。
狼少年ニ星屑ヲ 総動員数773人!

狼少年ニ星屑ヲ 総動員数773人!

おぼんろ

パフォーミングギャラリー&カフェ『絵空箱』(東京都)

2011/10/19 (水) ~ 2011/10/31 (月)公演終了

満足度★★★★

大人のファンタジーですね!
美術、音楽がすばらしかったです。なんとなくミュージカルの「キャッツ」を思い出しました。でも、劇場に入ってまず感じたのは「ああ、これは江戸時代の歌舞伎の雰囲気だな」ということです。江戸時代、歌舞伎を見に行く人々は競って着飾り(参加型)茶屋から料理を取り寄せ、座長や化粧途中の役者がごひいきに挨拶に表われ・・・・となかなかにぎやかだったらしいです。そんなお芝居のルーツを見るようないい雰囲気でした。でも、何よりも観客を虜にしたのは、ほとばしるような若さと才能だったと思います。それに情熱かな。お芝居は分かりやすく、達者な演技もあって楽しめました。小舟で島を出るシーン、すばらしかったです。(友人もここがすごく印象に残ったと言ってました)しかし・・・以下ネタバレ

ネタバレBOX

う~ん、たくま氏喉やられていませんでしたか?他の役者さんに比べ、明らかに声の伸びが・・・・。最終日が近いせいもあると思うけど、ちょっと気になりました。これが、「キャッツ」のようにロングランを張るお芝居だったらどうだろう?2週間やそこらでつぶしているようでは話になりません。それから、普通公演中は「観てきた!」に返信なんてしません。つまりほとんどの役者さんはなるべく体を休めているのだと思います。また、チケプレで行ったのですが、他の観客と同じようにドリンク券が出ました。普通、これ有料にします(笑)借金地獄を経験した劇団とは思えない。細かいことですが、こうした様々なマネージメントが完璧にできてこそ、大きな夢が叶うのだと思います。普通であることもまた、大事なのでは。
百光年の詩【無事終演致しました。沢山のご来場ありがとうございました。】

百光年の詩【無事終演致しました。沢山のご来場ありがとうございました。】

TOKYOハンバーグ

千本桜ホール(東京都)

2011/10/25 (火) ~ 2011/10/31 (月)公演終了

満足度★★★★

観客巻き込み形の座席の設営が
面白く、いつもとは違った角度からの観劇が可。ミニマムな美術だが効果音やライティング、衣装で宇宙船の雰囲気がよく出ていた。ただ、こうしたスペースファンタジー物として謎を謎のまま残されるとなんだかモヤモヤ感が・・・・・(笑)アメリカ映画のように明瞭にエンディングして欲しいな~というのが私の希望です。劇中のあの詩は地球の鼓動でもよかったし、マグマのうねりでも、風の音でもいい。それらに反応する人間のDNAでもいい。謎として残したことで演劇らしいもったいぶった感じが残ってしまった。それが残念。宇宙の旅を美しく見せてくれただけで十分だったような気がします。私が一番好きなシーンは宇宙船のアテンダントによる船内の案内シーン。動きが美しくて、見惚れました。

雲心「満員御礼!ご来場ありがとうございました!」

雲心「満員御礼!ご来場ありがとうございました!」

東京カンカンブラザーズ

シアターブラッツ(東京都)

2011/10/26 (水) ~ 2011/10/30 (日)公演終了

満足度★★★★

わりと惹きこまれました
最後は感動的で色々突っ込みどころはあるものの、素直に泣けました。役者さんがみな巧いな~、と感心。前半がやや冗長の嫌いがありましたが、典型的なストーリーテラーの劇団の良さがよく出ていて、ゆっくりと観客を惹きこみ最後は泣かせるというパターンがよく決まっていたと思います。キャラもよく立っていて分かりやすく、細かい笑いもうまく取れていた。ただ、若くて美形の役者さんが多いのに、いまいち活かしきれていなかったのが残念。ごく普通のキャラでしたね。もっときらきらするようなキャラでもアクの強いキャラでも十分演じられたんじゃないかな、と思います。次回作ではやってほしいな~。
関係者席の多さと位置は私も気になりました。

三人姉妹

三人姉妹

華のん企画

あうるすぽっと(東京都)

2011/10/26 (水) ~ 2011/10/30 (日)公演終了

満足度★★★★

ロシアの清澄な空気
を感じられる美しい舞台でした。美術、衣装もいい。「三人姉妹」は初見なので、演出の面白さなどは分かりませんでしたが、基本的に二人の会話がずっと続き、それ以外の役者さんは後ろを向いているという思い切った演出。これをスタイリッシュと呼ぶなら、なるほどそういう気もする。
ままならぬ人生を生きる三人姉妹の話だが、輝く青春のある一日から少しづつ夢、希望、若さを失っていく姉妹の姿はまさに人生そのもの。現代のように退屈を紛らわす手段とてなく、生活苦にあえぐというわけでもなく、ただ自分の人生と真摯に向き合うしかない姉妹は近代知識人の象徴にも見える。劇中おしゃべりに時を費やすしかないロシアの地方都市の生活感がよくでており、その無為さ、退屈さのみならず、ろうそくや薪の匂いまで漂ってきそうでした。ただ、フライヤーに書かれている「チェホフの笑いのつぼ」はどこにあったんだろう?初日の緊張のせいか、ひとつも見受けられませんでした。

ネタバレBOX

私が見つけた笑いのつぼらしきものは兄のへたくそなヴァイオリン。この兄の血はどうも姉妹にも流れているらしい。あまり芸術に親しむということがないのか、、姉妹の会話にはウィットや遊びが全くない。自室をあてがわれて自分の人生に感謝するほど喜ぶばあやに比べて姉妹はいつも不満顔で、お兄さんを悩ませたりする。なんだか幸せになるやり方を知らない姉妹に見えて、そこが笑いのつぼであり、ロシアの空気感でした。
リーボア・ヴォイクト

リーボア・ヴォイクト

おちないリンゴ

Com.Cafe 音倉(東京都)

2011/10/22 (土) ~ 2011/10/23 (日)公演終了

満足度★★★★

可愛い一途な女、
やさしくて怖い女、ひたむきな女、男を愛する女はみんな美しく愛おしい。そんな三人の女を演じ分けた女優さんの女三変化は見事でした。映像とのコラージュもこういう小さな舞台によく合っていた。ただ2番目の劇のWISH=COSTの映像がちょっと力不足だったのが残念。というより想像不足?色々な映像が可能だったような気がしますが・・・。具体的な映像もお芝居が分かりやすくていいけれど、抽象的な映像にもどんどん挑戦して面白い絵を創ってほしい。WISH~は抽象映像を試すのにぴったりな劇だったと思うけど。水の映像は美しかったなぁ・・・・。

ひとよ

ひとよ

KAKUTA

シアタートラム(東京都)

2011/10/21 (金) ~ 2011/10/30 (日)公演終了

満足度★★★★

じんわりと、ボディーブローのように
人生の喜びと悲しみが迫ってくる群像劇。一人一人が劇中のキャラクターとしてではなく、それぞれの人生を背負った人間に見えるところがすごいです!何度でも見たくなる名作。シアタートラムの大きな舞台も上下にうまく使われ、さまざまな人の一瞬をうまく切り取っていた。すごい、実力派ですね。
劇中15年も経っているのに、苦労を重ねたはずのお母さんが全く外見も性格も声も変わってなかったのがちょっと不自然な感じだったかな。

このページのQRコードです。

拡大