ぴおんち33の観てきた!クチコミ一覧

1-20件 / 452件中
櫻ふぶき日本の心中

櫻ふぶき日本の心中

椿組

ザ・スズナリ(東京都)

2014/01/15 (水) ~ 2014/01/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

始まってすぐ、
「あ、これはヤバい・・・・」と。まさに「ザ・お芝居」という感じだったなぁ。舞台美術、衣装、演技などすべて素晴らしかったですが、何といっても他の劇団にはないお芝居の毒みたいなものがたっぷりで、こんなものを見てしまっては他の劇団が物足りなくなってしまうのではないか、と本気で心配しています。大衆演劇などのけれん味とは全く違う、お芝居のエッセンスが滴るような舞台でした。ストーリー云々よりも、何というか、持っていかれてしまいました。危ないです。

Pride -プライド [傲慢] -

Pride -プライド [傲慢] -

演劇レーベルBo″-tanz

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2013/07/03 (水) ~ 2013/07/08 (月)公演終了

満足度★★★★★

ああ、終わってしまった・・・・・。
見応えのある見事なラストでした。麻薬捜査に有りがちな錯綜するトラブル、警察内部の思惑。麻薬捜査の水面下のストーリーを描いて社会的な問題を浮かび上がらせていました。しかし、何という多重なストーリーだろう。しかも解り易く感動的。これをまとめて上演するのは・・・・・やっぱり無理かなぁ。レパートリーシアターシステムで上演出来ないものだろうか。

伝奇浪漫「芳一(ほういち)」

伝奇浪漫「芳一(ほういち)」

劇団め組

吉祥寺シアター(東京都)

2015/07/30 (木) ~ 2015/08/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

すごいっ!感動しました。
なんというか、全体に凄みがあり、十分に楽しめる娯楽作品であるにもかかわらず普遍的な人間の業を感じさせ、深い感動を呼ぶ舞台でした。それに、色々と美しかったですねぇ。まず美術がすごい。金泥や緑青を使ったかのような深みのある色と大胆な構図が面白く、それだけで十分に素晴らしい劇を予見させる。効果や音楽も素晴らしかった。開演時の前方から聞こえてくる琵琶の音と後方から響く澄んだ鉦の音。うわぁ、凝ってるなあ、とびっくり。そして衣装。平安時代の衣装や公家の装束を作るのは大変だったと思いますが、とても丁寧に作られており、目を惹かれました。清盛の太刀が江戸時代の刀とは違って、湾曲が大きく作りが華麗であったり(細かい~)女性の裾を引く華麗な衣装など、吉祥寺シアターが狭く見えるくらい。でも、何よりも崇徳院と芳一の佇まいの美しさには驚きました。二人ともボロボロの衣装で、でもその立ち姿の美しさはどうだろう。どんなに激しく動いても倒れてもやはり美しい。時代劇の型というのはすごいものですね。崇徳院の悲劇と幕末の動乱期をうまく噛みあわせたストーリーも面白く、陰陽師の存在やその台詞も、こうした職業の人々が歴史に果たした役割を彷彿させる力強さがあり、とても説得力があった。ラスト、芳一にフォーカスしたライトが次第に暗くなっていく時はエンディングの定法とはいえ、消えてしまうのが惜しいほどでした。

ネタバレBOX

和宮像は有吉佐和子氏の説に拠ったものでしょうか、色々と不思議な説がある女性ですね。和宮以前にも力が弱ってきた徳川家に、京から不具に近い公家の女性が輿入れしたという記録があり、その女性はどんな人生を送ったのだろうと思ったものでした。大きな歴史の流れと様々な伝説、伝奇を見事に活かした、息をもつかせぬ素晴らしい舞台でした。
デッサン

デッサン

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2014/06/11 (水) ~ 2014/06/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

この美術あってこその
このお話。舞台美術の美しさに圧倒されました。劇小劇場が林の中の一軒家のアトリエに見事に変わっていた。美術だけでなく、音楽、効果音などすごくセンスあるなぁ、とまずその美しい空間形成に感動。ライティングも素晴しかったです。時間軸に関係なく語られるストーリーも、人間の記憶の在り方を示唆しているようで興味深い。仏画などでは、重要な仏や人物が遠近法に関係なく大きく描かれるが、人の記憶もそれに似たものかもしれない、と実感した。会ったことのない舅など出てくるのも面白かったなぁ。捉えどころのない記憶というものの不思議さ、儚さ、面白さをこれほど描き切った作品を他に知りません。私は大好きな作品。目立たないけれど、夫婦の衣装なども細かく計算されており、泣かせる。

ネタバレBOX

ちょっと全体に一本調子だったかな、とも感じましたが、それを補って余りある美術でした。枝が風に揺れていましたね。脱帽です。
通る夜・仰げば尊し

通る夜・仰げば尊し

劇団芝居屋

ザ・ポケット(東京都)

2014/11/19 (水) ~ 2014/11/24 (月)公演終了

満足度★★★★★

う~ん、どこを泣き所と捉えれば
いいのかわからないほど、泣かされました・・・・。劇団の主旨が泣かせることにないのは明確なのですが、通夜の雰囲気がリアルで、始めっから涙腺が緩んでしまいましたね。お通夜って、悲しいのだけれど旧知の人々が集って妙にハイになるところとか、みんなが気丈に振る舞って、何とか湿っぽくならないようにしようとする共通意識とか、「うん、あるある」と深くうなづいてしまうことばかりでした。こんな暖かいお通夜は周りから見ていると本当に悲しい。一人ひとりの悲しみがしみじみと伝わって来ます。分かり易いストーリーと緻密な演技はいつにも増して素晴らしかったです!

ネタバレBOX

劇中で「仰げば尊し」が3番まで歌われましたが、1番はちょっとバラバラ気味に、2番は綺麗にハーモニーが入り、3番はそれにエコーを効かせ・・・・と、こんなところにも細心の注意が払われていて、さすがだなぁと感じ入りました。他にも素人にはわからないが、劇を一本調子にしないための細かい演出がいっぱいあるんだろうなぁ、と思った。
Call me Call you

Call me Call you

劇団6番シード

吉祥寺シアター(東京都)

2013/06/27 (木) ~ 2013/07/04 (木)公演終了

満足度★★★★★

うわぁ・・・・・
これ、最高ですね!吉祥寺シアターいっぱいに設えられた警察トレーラーといい、(思い切った美術だ~。もうこれしか無いってやつですね)入場前からのものものしい雰囲気といい、(もう、SITの制服カッコ良すぎ~涎出そう・・・・)ストーリーの巧みさ、結末の意外さ、展開のスピード、その他のサイドストーリーもすべて完璧!でした。これはもう誰が見ても五つ星でしょう・・・。でも、この劇団には珍しく、わずかですが台詞の噛みが目立った。いつも完璧に近いのであれっという感じでした。すごい大人数の出演でしたが、これでもAチームとBチームがあるとか。地力があるなぁ、と驚きです。交渉人の「コール!!」の声の使い分けが素晴らしかった。

35丁目にも奇蹟

35丁目にも奇蹟

東京AZARASHI団

銀座みゆき館劇場(東京都)

2014/12/12 (金) ~ 2014/12/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

このテイストすごく好き!
真面目な大人のためのファンタジー、すごくいいですね!ストーリー、テンポもよく、何よりもクリアーな台詞に的確な演技など素晴らしかったです。安心してみていられて、お話の中に没頭できました。ルシファーや閻魔のデザインや衣装も何というか、堂に入ったもので、美しさと説得力がすごい(笑)クリスマスの大売出しのような惣花的な楽しさがあって、この季節にピッタリなお芝居が見られて幸せな気分になれました。

ネタバレBOX

ええと、ファンタジー社だったかな、短いボトムを着ている女性の方でしたが、この方のパンストが、座るとストッキングの部分よりもっと黒いパンティの部分がモロに見えてしまって、同じ女性としてかなり恥ずかしかったです。ご注意を!
Stay of Execution

Stay of Execution

メガバックスコレクション

錦糸町SIM STUDIO 4F C-studio(東京都)

2016/02/20 (土) ~ 2016/02/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

久しぶりのメガバックスの新作、
見ることができて幸せです!B班を観劇しましたが、この長尺のお芝居にセリフの噛みもほとんど無く、素晴らしい出来でした。なんかね、台詞が言霊になる瞬間を何度か感じた。以前から台詞に力のある劇団でしたが、今回は始めから死者たちの会話劇と分かっていたせいか、現世への執着、自分自身の感覚や家族への愛着、無への恐怖などがストレートで、感情移入がしやすい。役者さんの顔ぶれが変わっても、滝氏の脚本の持つ力は、以前と同じように美しい台詞回しや真摯な演技として溢れ出てきて、「ああ、これがメガバックスの舞台だ・・・・」と感動を生む。今の日本人が何よりも恐れている、茫漠と広がる老後の長い時間にくさびを打ち込むかのような素晴らしい舞台でした。音楽、照明、それに美術も(JRの改札まである!)素晴らしかったです。A班はキャスティングが男女逆転したりしているんですね、こちらも観たいなあ!

ネタバレBOX

う~ん、何なのですかね、この死後の世界のリアルさ・・・・。私は割と死後の世界とか、どうやって死んだら一番いいかなんて考えるほうだけど、大抵の人は「何だってそんなこと考えるの?もっとポジティブに楽しいこと考えましょうよ!」と会話にならない。どうも死のことを考えるのは現代ではタブーらしい。昔の人のほうが、もっと死が身近で考える機会も多かったのだろう。でも、知らないことをそのままにしておくのは、夏休みの宿題を一切手を付けずにほったらかしにしておくようで気持ちが悪い。この舞台で示された「死」のクリアーさはその一つの回答だ。たぶん私たちは現世の思考の範囲内でしか、死をとらえることはできないと思う。現世で死について十分な思考を積んでおかなければ、死後も十分に「死」を受容できない。滝氏の脚本の素晴らしさは
「死」についての考察の深さと明快さ、そこから照らし出される「生」の輝きに尽きると思います。
祝祭

祝祭

Trigger Line

小劇場B1(東京都)

2015/07/18 (土) ~ 2015/07/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

不穏な不協和音で始まる
事実に基づいたストーリーで、演劇としての面白さと事実の重みががっぷり四つに組み合わさった素晴らしい舞台でした。幕開け直後からのものすごい緊迫感、スピード感、そして中盤から後半にかけての一人一人のドラマ、もうすべてが面白くって一瞬も目が離せない。この事件についての日本人の手記を読んだことがあったので、ゲリラのキャラクターや身の上など、うまく活かされているな、と感心。ナイフで殺された人がいた、ということについてもドラマチックにうまく仕立てたな~とびっくりしました。音楽や効果音、ライティングも見事。この目まぐるしい展開を時には同時に二つの情景を見せ、時には一極に集中させ、わかりやすく時系列が追いやすく処理した手腕は驚愕ものでした。本当によく練られ、磨き抜かれた素晴らしい舞台で、いつまでも拍手してダブルコールしたかったです!

ネタバレBOX

前回は「La Fiesta」という演題だったんですか、なるほど~。帰宅してから、手記に書かれていた、日本人の人質の見張りに立っていた少年のことを思い出しましたが、観劇中は完全に忘れていました。これほどのドラマの後で、あの少年の存在は重すぎる。また、神父を最後に持ってきたことで、現在の不穏な世界情勢に繋がる展開になって、色々と考えさせられました。
凛として

凛として

東京ストーリーテラー

シアターKASSAI(東京都)

2014/04/23 (水) ~ 2014/04/29 (火)公演終了

満足度★★★★★

平日のマチネにもかかわらず、
通路席が出るほどの満席。でも、この満席も当然、といえる出来でした。分かり易く、丁寧に作られていて、感動的。特に目新しいエピソードがあるわけではないけれども、丹念な取材からくる物語の一つ一つ、台詞の一言一言に命が宿っていて、それは俳優さんも感じているのだろう、無理なく感情移入が出来ていて戦後の苦しい時代の光と影を隅々まで見せてくれました。薄いカーテンで仕切られた生と死のシーンがリアル。哀しいなぁ。演目はもう、これしかない、というほどぴたりとはまっていて、凄みを感じました。劇中、現在の日本への警鐘のような台詞は一言もないけれども、私はたくさん受け取ったような気がします。すべての人に見てほしい作品。

とける記憶

とける記憶

劇26.25団

駅前劇場(東京都)

2014/05/14 (水) ~ 2014/05/18 (日)公演終了

満足度★★★★★

すっっっっっごく面白かったです!
下北沢の駅前劇場という小さな劇場で、よくぞここまで・・・・と唸らされた。ソウルフルな歌声といい、沢山の視点からの事件の解釈といい、重層的でいてどこかとぼけた雰囲気といい、人間というものの摩訶不思議さを十分に描き切っていたと思います。スピーディーな場面の切り替えもお見事。あ~、これだから小劇場通いは止められない!音源は特に素晴らしかったです。選曲、音量ともに、大胆細心という感じ。何というか、音が活きていました。これ、現実の事件を思い起こさせますが、多くの真面目な男性が若くも美しくもない女性に魅入られて身を滅ぼしていったように、私もすっかりこの舞台に魅入られてしまったなぁ。危ないです。

ネタバレBOX

わがままを言えば、犯罪者の家族である早苗の人生よりも、富子が犯罪を犯すに至った経緯、環境、心理などをもっと見たかったなぁ。あの事件への脚本家の方の一つの解釈を見たかったです。
プロタゴニスト

プロタゴニスト

ハグハグ共和国

テアトルBONBON(東京都)

2013/09/11 (水) ~ 2013/09/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

いやぁ・・・・・やられました。
開幕時の白黒の衣装や大上段の台詞など、大丈夫かなこの劇・・・・・とちょっと不安が広がりましたが、すぐに丁寧な作りに惹き込まれました。これといった物のない田舎町にもこれほどの激動の歴史があったことを、少し視点を変えることで浮かび上がらせるその手法には感動です。力量のある俳優さんがあってこそできる、プロタゴニスト集約型劇ですね。でも、そこに至る丁寧な物語があってこそのラスト5分だと思います。大人数の劇団員の使い方の巧さにも脱帽!!初見の方はぜひプロタゴニストの意味を調べていくといいと思います。

パダラマ・ジュグラマ終演いたしました!総動員3672人。ありがとうございました!

パダラマ・ジュグラマ終演いたしました!総動員3672人。ありがとうございました!

おぼんろ

王子MON★STAR(東京都)

2014/07/09 (水) ~ 2014/07/21 (月)公演終了

満足度★★★★★

ああ、なるほど、それでこのフライヤーなのね、
と納得。誰にも顧みられることのない命を描いて、香気ある舞台に仕上がっていたと思います。あれですね、タクマ氏はかなりこうした命の生産現場、処理現場などを調べたのではないかな、と思われる節があって、私たちがあえて見ないようにしている現実や、鈍感を装っている事実を直視して、そこからこの物語を紡いだんじゃないかな、と感じました。だから、とてもダークファンタジーの一言でくくれるようなお話ではない、と思います。動物も人間も、生きていくためには原罪を犯さざるを得ないのだけれど、一番罪深いのはたぶんそこから一番遠いところにいるつもりの現代の消費者なんだろうと思う。たった一人、その罪を負わされる工場長の叫びが悲しい。舞台はすごく分かり易く、演技はいうまでもなく、衣装、音楽も素晴しかったです。歌も生で聞けるようになると言うことないですね。

ネタバレBOX

実は私は子供のころ、卵がすごく恐かった。有精卵に当たったりするとパニックになっていました。もう、絶対、どんなに料理してくれても食べられなかった。今は羽毛が怖い。あの紙吹雪が鶏の羽根を表わしていると分かった時ショックでしたね。ああ、本物の羽根じゃなくて良かった~。それにあまり羽根っぽくなくて良かった~。
バグダッドの兵士たち

バグダッドの兵士たち

ピープルシアター

シアターX(東京都)

2015/11/18 (水) ~ 2015/11/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

凄すぎて長く感じるという、稀な舞台でした!
1時間半という短さにも関わらず、2~3時間分の重量を感じさせる稀な舞台でした。実際長く感じた。それは決して退屈という意味ではなく、演技、舞台美術、映像、音響、演出などの一つ一つが見事で、私がそれらすべてを噛み締めるように見たせいだと思う。美しいオブジェを配した美術は開始前から素晴らしい舞台を予感させたし、きっちりと兵士の体を作ってきた俳優さんたちの体も見事だったし、(汗滲み、しっかり見せてもらいました)何よりもアメリカの兵士たちとヘジャブを着たイラク人の母を配した演出が素晴らしかった。映像も効いている。これはあの「映像の世紀」か?とふっと勘違いしそうになる。特に生の映像らしきものが流れると、臨場感がありすぎて自分の観客としての立場があいまいになる。おそらくこれこそが演出家が狙ったものなのだろうな、と気付いたのは帰りの電車の中でした。

ネタバレBOX

ヘジャブの女優さん、すごかったですね。アラブ人っぽい顔立ちの人だなぁ、と思って観ていましたが、最後の挨拶の時、巧みなメイクでびっくりしました。(すみません、女なのでこんなことが気になる)この人の舞台開始前からの長時間の静止も、また途中の体が溶けていくような動きも、慟哭と恐怖に凝り固まった怨霊を見るようで、舞台に凄みを添えている。いつも間にか消え、そして現れ、最後は冷徹に死んだ人々を撮っているのも、バグダット中に漂う女たちの怨念のようだ。いや~、凄い演出でした。アメリカ兵の中では、トレバーが死んでカーテンの中に消えていくシーンが印象的。彼を愛し慈しんだ人も、また彼が愛した人もいたであろうに、壊れていく魂にはその愛の意味すら縁遠くなってしまったのか、あっさりと美しく消えていくのは悲しすぎる。
煙が目にしみる

煙が目にしみる

劇団だるま座

アトリエだるま座(東京都)

2014/09/24 (水) ~ 2014/10/05 (日)公演終了

満足度★★★★★

日常生活の中でなんとなく抑え気味な
感情が、ここに来ると綺麗に溢れ出すのが分かる。これ、私だけではないと思います。お芝居の力ですね~。それと思い残すことがない人生って清々しいようだけれど、やっぱり思い残すことがいっぱい有る方が豊かな人生なんだなぁとつくづく実感した。愛する人がいるから別れがつらい。でもそれはとてもとても幸せなことなんだと・・・・・。

ネタバレBOX

インドネシアに長いこといる息子が出演者の誰よりも色白と言うのはちょっと・・・・。何だか違和感があって浮く感じ。
ラバウル食堂

ラバウル食堂

劇団芝居屋

ザ・ポケット(東京都)

2015/11/11 (水) ~ 2015/11/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

日々失われていく戦争の記憶
や歴史が、フイと鮮やかに甦り身近になってくる瞬間を描いて深い感動を呼ぶ舞台。「ラバウル食堂」といってもあまり戦争とは関係ない人々が一生懸命に生きていて、それぞれに人生に悩み迷ったりするのだけれど、その冗長とも思える普通の時間が、ラストに至って宝石のように輝いて見える。戦争を描くのに、こんなやり方もあるのだな、と唸らされました。すごい手腕だなぁ・・・。過去というものはいつもこんな風に私たちの傍にあって、発見されることを待っているんですね。

イチエフ・プレイズ

イチエフ・プレイズ

ワンツーワークス

ザ・ポケット(東京都)

2015/07/17 (金) ~ 2015/07/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

あれ?眼がおかしくなった?(ジレンマ観劇)
かと一瞬焦ったぐらい、最初のシーンのストップがすごい。全員蝋人形に見えた。動き始めても止まるとやはり蝋人形に見える。なにこれ、恐い・・・・・。まあこれは動きに磨きがかかったということですね。完璧主義の困った劇団だなぁ、と思いながら観劇。やはり凄まじい会話バトルが魅せる。なんというか、以前より完璧さが自然になった感じだ。再演のせいもあるかもしれませんが、噛んじゃうとダメ~という感じが無くなって、少々の台詞の噛みなどモノともしない迫力があって、見ているこちらは非常に疲れるけれど三昧の境地に。いや~、見られて幸福です!何だか、すごく高度なジャズのインプロを見たような気分だ。アフタートークを見てその理由が分かったような気がした。お芝居は生き物とよく言うけれども、こうした台詞バトルは本当に俳優さん同士の演技バトルなんですね。それにしても、いつから言われなくなったんだろう「がんばろう日本」。何度でも、何十年でも、イチエフの惨禍に苦しむ人がただの一人もいなくなるまで、言い続け伝え続けたい言葉だと思う。

目々連ー覗き込む葉ー【千秋楽当日券あり!】

目々連ー覗き込む葉ー【千秋楽当日券あり!】

鬼の居ぬ間に

「劇」小劇場(東京都)

2014/10/16 (木) ~ 2014/10/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

うう、これぞまさしく
日本的な恐怖。日本人の隠蔽体質とことなかれ主義が次々と表面に表れない陰湿な犯罪を生むという・・・・。しかもこの犯罪、伝染していく。村の世話役の八郎の、優しげで妙に明るい声が活きていますね。←このせいで恐さ倍増です。これ、いわゆる共同体意識ってやつですね。この中ではその意識に入り込むことこそが重要。う~ん、ネトウヨを見るようだ・・・・。
狭い「劇」小劇場の舞台いっぱいに広がる恐怖。劇が始まった途端空気が変わったのはさすが。照明、音響など、一級品の怖さです。これが怖いのは、私たちの日常感覚にすごく近しい物だからかな。告白、懺悔、弾劾など日本人の苦手なことをしないでいると、こういう流れになっていくのが容易に想像できるという・・・・。幽霊のほうがまだ怖くない。

ガイラスと6人の死人

ガイラスと6人の死人

メガバックスコレクション

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2016/04/29 (金) ~ 2016/05/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

テンポと台詞の間が素晴らしくよく
(あんまりいいので笑うタイミングをいくつか逃した)すごく楽しめました!4つの作品のうち、こうしたコメディを持ってくるというのもこの劇団の幅広さを感じさせて唸ってしまいます。ガイラスが上着を取ったら意外にこざっぱりしたこぎれいなランニング着ていて笑った。設定も動機もシュールでいいっ。女性保安官のストッキング、とってもセクシーでした。納得の衣装。衣装はこんな風であってほしい。

マリオン

マリオン

青☆組

こまばアゴラ劇場(東京都)

2013/06/15 (土) ~ 2013/06/23 (日)公演終了

満足度★★★★★

とても静かで美しく、力強い
物語でした。この静かなお話を全くゆるみなく演じきった役者さんたちもすごいですが、何よりも脚本の力に脱帽です。日常に溺れ、時間に忙殺される私たちの人生観を思わず見直すほどの力強さを感じてしまう。生命とは、時間とは、そこに流れる歴史を貫く意思とは何だろう。何だか久しぶりに哲学を感じるお芝居でした。

このページのQRコードです。

拡大