満足度★★★★
少し盛り込みすぎ
かなとも思いましたが、作家さんに力があり、良く練られたストーリーだと思いました。
ネタバレBOX
伝説の大悪党と小悪党、大悪党一味を真似た劇団員たちや大悪党を調査している人たち、それに探偵等々…、登場人物が多く複雑です。
作家さんの原稿用紙に夜な夜な小説が書かれていきますが、これは中国マフィアの手先として小銭を稼ぎ、今は作家と称して日本に潜伏しながら伝説の大悪党を探して上前をはねようとでも企んでいる男への警告のような意図で、大悪党の娘が書いていたものでした。
主人公は要するにセコいチンピラ野郎なのです。大悪党の方も、本来の大泥棒が盗んだお金をその養子が美術品に変えて公共機関に寄付し、さらにその子供がそれが面白く無いとして今度は盗み返しているということです。そしてお芝居に出てくるのはその娘ですから、現在の大悪党本人が登場する訳ではありません。
潜入記者だっていましたし、雑誌の編集者も走り回っていましたが、ホームズ的推理力のある探偵が一応事件を解決します。そういう王道の構図ではありますが、探偵が主人公とも言い切れません。
結局、チンピラ野郎と大悪党の娘の、チンピラ野郎の恋心が少し混じったようなつばぜり合いの心理戦がメインだとすれば、何かを盗むシーンも無ければ、大悪党が見得を切るシーンも無いのは当然ですが、『黒蜥蜴』のような探偵と大悪党の対決といったすっきりした華はあり得ません。色々盛り込み過ぎて複雑にしすぎたのかなとも思います。
ところで、女性編集者が追っかけて行って戻って来たときには服装も異なる大悪党の娘に変わっていましたが、あれは別に女性編集者に変装したという設定でも無いと思いますが、警官など誰も不思議に感じず、作家さんだけが大悪党の娘の名を呼んでいたのには違和感を覚えました。
上演時間は2時間20分近くになっていたでしょうか、急ぎ気味のせいか、半音高いような喋り方は気になりました。
満足度★★★
ベタベタベトベト
こういうのを何とか小説と言うのでしょうか。
ネタバレBOX
観覧車から父母とともに転落した少女、父母は亡くなり、少女は失明。兄たちに育てられていますが、余命一ヶ月くらいの病気が判明し、兄たちが思い出の遊園地の雰囲気を楽しませようとする話。
あの日、帰り際に三番目の兄がジェットコースターに乗りたいと言ったことが観覧車事故につながったとして、三番目の兄は責任を感じて引き籠もりになっています。
一方、長兄が隠していた父母の遺書が見つかり、事故は無理心中だと言うことが分かりましたが、三番目の兄にも、事故が原因で廃業した遊園地の経営者および経営者の息子にとってもとんでもないことです。時間を返せです。
内側から鍵が外せたことは問題ですが、保険金詐欺の問題は残ります。遺書を書くこと自体いやはやです。
これでもか、これでもかというのは、全く好みではありませんでした。
メリーゴーランドはいいとして、転落した観覧車を前にしてそもそもハッピーな気分になれるのでしょうか?!
満足度★★★★
しみじみしてみて
どこかの段階で心の洗濯をすることが大事ですね。
ネタバレBOX
作家として都会で何とか暮らしているものの、男40歳、将来に不安を覚えた主人公が帰省して立ち止まってみた話、ですかね。
主人公は盆と正月に実家に帰っていても級友には会っていなかったのですが、今回帰省して会ってみました。
白日夢の中で病気で死にかけていると聞いた級友が元気だったり、どろどろした恋愛が幸せな恋愛だったり、鈴木と名乗っていた級友がきちんと苗字を名乗り出したり、主人公のマイナス思考がリフレッシュされ、前向きになれたということなんでしょうね。
それにしても、白日夢で少しぼんやりした記憶の象徴なのか、なぜみんなが鈴木姓を名乗ったのかはよく分かりませんでした。
色々なお芝居で犬を見掛けますが、それぞれ表現の仕方は異なっても犬らしいのが不思議で、かつ納得してしまいます。
満足度★★★★
ドタバタで、
個性的な面々が活躍されました。
ネタバレBOX
幽霊は人の心の中にいる、占い師の言葉です。占いがインチキであることを本人は良く分かっているのです。ならば、さっさと占い師なんか辞めなさい。
この人、根はいい人だと分かりましたが、そして、過去の闇の部分を明らかにして、お屋敷の人たちの心を平穏に導きましたが、インチキだと分かって続けるのは犯罪です。と、思ってしまいました。
好きな人の前では英語を使い、いないときにはフーっと安心して日本語を使うなど、考え抜かれたキャラクター設定は素晴らしかったです。
おばあさんが何か一言サジェスチョンして解決に繋がるというのがいつものパターンなので、ラスト近くになるとついおばあさんに注目してしまいます。おばあさんが手にしていた小さなお人形がリモコンではないかなどと勘ぐったりしながら見ていました。ただ、おばあさんのあのステレオタイプのかん高い声は何とかならないものかといつも思います。
そこそこ面白いのですが、何か垢抜けないというのが全体の印象でした。
満足度★★★★★
勢いあるー!
右から左からグワングワン、という感じ。
ネタバレBOX
小さな雪の塊が転げ落ちるにつれどんどん大きくなっていくような、うどんをこねるとき、左からこねて右にはみ出したやつを思いっきり右から左に覆いかぶせるようにこね返すような、生徒の母親と先生たちの暴露合戦は見物でした。
姉の変容振りも凄く、妹よりもいっちゃってました。
大声も特徴で良かったですが、壁に反響して聴きづらかったです。
満足度★★★★
素晴らしいテーマ
いいじゃないですか、舞台挨拶を除いて。
ネタバレBOX
過去は変えられないが、努力すれば未来は変えられる。なんて素晴らしいテーマだったことでしょう。
もう一度楽曲を作ろうと40男の努力の結果、未来は変わりました。サンプリングによる手法、というか、やっぱりパクリグセは直らず、積水ハウスの歌だったのには笑いましたが。
昔からの淡い恋心も成就しそうでハッピーな気分になりましたが、エンディングの舞台挨拶で下平ヒロシさんが占い師にみてもらったなどと言い出して興ざめしてしまいました。努力すれば未来は変えられるがテーマなのに、全く趣旨と反する行動に呆れ果て、あーあもうがっかりしました。
満足度★★★★★
楽しくて奥が深い
とても良くできたストーリー。
ネタバレBOX
喫茶店ジェーンの人たちと、人が亡くなる前に記憶を回収して歩く記憶回収人たちの話。
記憶と現実が混濁する様は見物でした。友人がその父親に、はたまた若いころの友人に、そして本人の姿は現在のままのため、ハゲが髪をたくしあげたりして面白かったです。
銀色のスーツに顔には銀色の三角錐をすっぽり被り、あまりのキラキラさはシャボン玉の宇宙人か、記憶を操作して子供になりすますのは転校生かと思わせるほど。
記憶を操作されることが幸せなのか、不幸せなのか、母親は生まれてすぐ亡くなり、父親との関係が修復されたのは父親が亡くなった直後とは、何とも切ない話でした。
満足度★★★
ピュアというか、
ちょっと青臭いというか、
ネタバレBOX
東西のお笑いの質の違いから、一発芸のドッカーンと来る笑いとじわっと来る笑いの好みの問題から、あるいは面白いお笑いと面白くないお笑いの違いから起きた個人間の対立が、武器を手にしたことによって国家間の陣営の対立のようになっていく話。
あーもーどうしようがアーモンドにしようなどという全くもって面白くないダジャレがきっかけかと思うと寂しくなりますが、些細なことで喧嘩別れするのが人間ですからね。
見た目の武器は拳銃でしたが、鉱石を掘り尽くしたという言葉から原爆保有国同士のパワーバランスの話のように変容していきました。誰がどこの国かなとも考えましたが、これはよく分かりませんでした。
最終兵器を持つことによって起こるパワーバランスの危うさが、純粋に分かりやすく描かれてはいましたが、お子様向け解説書という感じでした。
満足度★★★★
インパクトあり
想像を絶するストーリーでした。
ネタバレBOX
突然、鼻血が出てきたときはさすがにびっくりしました。ブラウスにも血が滲んできて、そしてその凶暴振りに驚きました。
犬の唾液から感染したようで、死んだ人が生き返ったと聞いたときには謎のウィルスによる奇怪な病気という印象でした。ペットレンタル会社に責任があるのか、問題がどう膨らみ、どう解決されていくのかと思っていました。
死んだまま生きているように振る舞うということで、所謂ゾンビの現象でした。
パソコンにアンチウィルスソフトを入れるように、価値のある人間にアンチウィルス成分の入った缶飲料を与える飲料業者の存在という設定は面白かったですが、ゾンビと分かったとたん、ゾンビかゾンビじゃないかに終始し、ペットレンタル会社の話も含め、浮気を誘発させるようにしながら浮気を疑う妻の異常さ、子供を虐待する母親の苦悩、めんどくさがり屋のニート青年の話などは良くも悪くもぶっ飛んでしまいました。大きな災害の前には世の中そんなものではありますが。
で、あの新人さんはどんな理由で世の中のためになるとして選ばれたのでしょうか。
満足度★★★★★
ドヒャ、ドヒャ、ドヒャー!
最初、谷仲恵輔さんの顔を見て、へ~コメディもやるんだーと思い、丸尾みゆきさんを見てかわいい~と思いました。
ネタバレBOX
古臭い歴史のある和菓子屋さんかと思いきや創業一年、それもそのはず理由がありました。
美人になるための三条件、恋をしている人は美しい、仕事をしている人は美しい、守るべきものがある人は美しい…、そしてホチキスBeauty、その名の通り丸尾みゆきさんは美しかったです。
地蔵協会の呪い話の後に再婚夫婦のそれぞれの過去が話されますが、ドヒャ、ドヒャーの連続でした。谷仲さんが出ていただけのことはありました。
看板娘ホライゾンという三人娘によるユニットの歌とダンスでごまかされてしまいましたが、重い課題が残されたままです。どう処理すんの!
お父さんは死体遺棄と重婚を解決して罪を償って、精神的に回復した元々の奥さんと元の鞘に収まってもらうとして、お母さんの会社は摘発を受けてみんな逮捕されます、きっと。ああもう店を続ける意味も無くなってしまいましたが、美味しい饅頭はあるし、看板娘になろうとしていた美人の元次女もどうすんのって。
誰も死なないクーニーとは大違いの結末に、他人ごとながら頭を抱え込んでしまいました。
満足度★★★★★
ある女の一生
色々な話を強引に繋ぎあわせたような印象もありますが、観終わると走馬灯のように懐かしい思い出として過去のシーンが蘇って来ました。
ネタバレBOX
ゲイの夫婦に拾われ、相撲とって、泣いて、西方浄土を目指して、上海で売春して、殺人犯の身代わりになって逃げ帰って、キムチ食って癌になっての一生。
三鷹で見たゴジラかと思わせるような大きなクマの着ぐるみや、乾いた音がするいかがわしい日本人ブローカーの後ろ姿といったお芝居らしい作り物に見慣れさせられていましたので、本物の白い普通の棺桶が出てきたときは死を強烈に現実のものとして認識させられてしまいました。
お芝居自体は、カンさんを思い続ける気持ちを節目節目に出してはいましたが、カヨ子という女の生き様としてはなんだか色々なシーンを強引にくっつけたような印象でした。
しかし、死を目の当たりにすると、お祭りのときのバケツリレーで火を消そうとしたバカバカしさなども遠い過去のように思え、そして上演時間が2時間50分ですから本当に随分さっきのことだったのですが、直接今とは関係ないけれどそんなこともあったなと思い出の一コマとして蘇って来ました。
自分が産んで捨てた娘みの子との最後の対話シーン、どう接していいか分からないみの子のぼそぼそとした声、実の母親をばばあと呼ぶ心境、素敵でした。
もう女優は無理だから、大女優になる!と叫んでいたウェイヨンが大女優になって訪日したときには棺桶の中、日本人ブローカーから離れたことによって道が開けたウェイヨンとその恩人カヨ子、ラストシーンは少しジーンと来ました。
ところで、字幕はよく読めず、中国語も理解できず、ナレーションはほとんど聞き流していました。
満足度★★★★★
すごくいい!
面白くてメッセージ性があって凄く良かったです。
ネタバレBOX
最近は原発事故の影響がどこか背景にあるお芝居が多くて、少々気が滅入りがちですが、本作品は重過ぎることもなく、軽過ぎることもなく、反原発物コメディの最高傑作とも言える作品でした。
冒頭の息を吸い込むような吠え方や、いつもの能狂言的な特徴ある踊り、稽古中は吹き出しながらやっていたんだろうなと思わせながらも、皆さん笑わずにやりきっていました。
言葉遊びは野田地図以上です。元気ですかー?ハーン!、元気ですかー?ハーン!、……、半減期ですかー。
プルトニウムの半減期が24000年ですから、原発事故から12000年経った頃の話ですが、原発跡地近辺では自然淘汰の結果放射線に強い種族だけが原始的な狩猟生活ながら生き延びていて、霞の国から来た長老が横倒しになった原子炉の管理と人々の指導管理をしているという設定。
霞の国云々というのは霞が関から派遣された役人のことで、ふさふさしていた髪がどんどん抜けて若死にしてしまうため次から次に後任が来ますが、とりあえず今から12000年後も日本が存在しているようで安心しました。
しりとりの、最後に「ん」がつくとお終いになるというのも、アインシュタインが未来に与えた影響の大きさを示唆していて意味深でした。「半減期、いつまで経ってもゼロにはならない」も怖いと思いました。
長老の異形さに加え、斜め上的な異質な商人が出てきたり、防護服を着た人が出てきてドキッとさせられたり、笑いとシリアスの緩急も巧みでした。
満足度★★★★★
うら悲しい!
むかしむかしの未来の昔、お伽話も色々背景を考えてしまいます。
ネタバレBOX
婦人会を通して紹介され、再婚相手として本当にキツネが嫁入りしてきた話。
キツネは人間と結婚したからには人間の姿でいないといけないという掟があるそうで、姑や夫の好みに合わせようと体力を使って健気に努力するところは、福寿奈央さんと高橋智子さんの入れ替わりで表現され、可愛くもあり、面白くもありました。
夫の元愛人に化けたと勘違いしたせいなのか、それとも妊娠し易い動物が憎らしいのか、村の唯一の女性の嫉妬はキッとして強烈でした。
それにしても、昔なら山奥に宇宙船でも墜落して危ないから近付いちゃいけないよで済んだ話が、今じゃ原子力発電所か、あるいは使用済み核燃料保管センターの事故による放射能汚染ということで、お伽話も殺伐としたものとなりました。
本当に放射能の影響で染色体に異常が生じ、女性が生まれなくなったり、あんな風になったりしたら嫌ですね。
ラスト近く、甥がちゃぶ台を拭いている姿は、何ともうら悲しい光景でした。
満足度★★★
覇気がない
ベテランには覇気がなく、かと言って若手にも覇気が感じられませんでした。
ネタバレBOX
柄本明さん、ベンガルさん、綾田俊樹さんが揃い踏みの回で嬉しかったです。
しかし、全体に覇気がなく、ベテランは実績があるので仕事はあると思いますが、若手は仕事が来なくて大変だろうなと思いました。
アドリブか仕込みかは分かりませんが、顔を見合わせて笑ってしまうのは楽しくて良かったです。しかし、噛むのは構わないのですが、若手がもといと言ってセリフを言い直すような感じのシーンは見たくありませんでした。
ストーリーもよく分かりませんでした。ベンガルさんは年齢不詳の役、綾田俊樹さんもまあ歳相応の役だとは思うのですが、柄本明さんが中堅サラリーマンの役というのはいかにも無理があるように思えました。
舞台の左右にドアがあるので見切りを防ぐためにA列からD列のサイドブロックを空席にしていましたが、その姿勢そのものがダメだと思いました。前方で観たいと思うお客さんも多いはずです。左右のドアをもっと端に置いてエレベーターホールを広くしてでもやり切るくらいの意気込みがなくっちゃ本多劇場を使う意味無いじゃんと思いました。
満足度★★★
自我を抑制させる薬
テーマは面白いと思いました。
ネタバレBOX
安保闘争に業を煮やした政府の意向を受け、ある製薬会社が自我を抑制させ、結果として権威に従順になる薬リセプタクルを開発し、一部の若者に使われ始めましたが、同じ研究所内で抗リセル剤を密かに研究していた女性研究員の手によって阻止され、一人の少女は回復し、他の被験者も恐らく元に戻ったであろうという話。
成長した少女が告発本を書き、その出版記念シーンから始まりましたが、タネ明かし的でもあってどうなんだろうと思いました。
リセプタクルを投与された若手研究員や警備員のその後が描かれていなくて、本当に全員が元に戻ったのかは確認できませんでした。選挙に行かない若者が多いのを考えると、もしかして現在も使われているのではないかと思ったりもします。
満足度★★★★
初めて受けた
授業はとても新鮮でした。
ネタバレBOX
そして、個人授業を受けに来た女性を殺してしまうサイコ先生の話だったとは知りませんでした。
最初、椅子の下にバッグが置かれていて、生徒さんが来るとそれを片付けて授業が始まり、先生と生徒の背景には心の声のような存在としてそれぞれ別の役者さんがいる…、授業が終わるというか中断されると先生と生徒は退出、運び出され、陰の存在だった先生と生徒が残り、新しいバッグも残る…。
そしてまた次の授業が始まるような感じが素敵なエンディングでした。
満足度★★★
フィナーレが
楽しくて良かったです。
ネタバレBOX
最後の最後のフィナーレ、6月3日までやってまーす♪がミュージカルらしくて楽しかったです。
本編で歌うのは主に主役の二人だけですし、最初の楽曲ではああ高音が出て一曲歌い切ることができた、喉も無事だったというホッと感が表情に現れていました。途中の楽曲ではピアノの音に負けているような感じでした。
断片、断片で、印象に残らないストーリー、美人女優さんが多いのに何か勿体ないなと思いました。
満足度★★★★★
アハハ、クスッ!
ショートコントを繋いでいくような手法が心地良く、しかも一つ一つが面白くて堪りませんでした。
ネタバレBOX
自分は酔っ払っていたので覚えていないが翌朝友人がご機嫌斜め、おざなりでなく心から謝罪してほしいと言われ、別の知り合いから聴取したりして原因を探る…、そんなところから始まる謝罪繋がりの話。
ショートコント風なカットを繋いでいくのがとっても楽しく、しかも一つ一つがくだらなくて、他愛もなく、面白くてクスっとさせられました。
女子高生ネタなどはキングオブコントにでも出ればいいと思わせるくらいの出来でした。とぼけた恋の仲立ちの話で、もう一人の女子高生が地団駄を踏んでクネクネするような仕草は最高、堪りませんでした。
ただ、売れないハチという歌手のツイッターが炎上した話はどんな風に展開していくのかと期待していましたが、燃え上がった方が美味しいという芸人根性が前面に出てきた辺りから普通の話になってしまったのは残念でした。
それよりも、酔っ払ったときのそこじゃなくて言葉ゲームのつまらなさを指摘したことかよとか、すぐ謝罪する人の話、絶対謝罪しない人の話、そしてそれらを引き連れてのできちゃった婚の了解話など、一般人の話の方が断然面白かったです。
満足度★★★
最後部の席は注意
舞台は上下の二層構造、始まっていきなり見切りになった最後部の客席では声にならない声が起き、一斉に前かがみになりました。
ネタバレBOX
義父というので妻のお父さんのことかと思っていましたが、身寄りのない子供の養父のことでした。施設で育った男二人と女一人の固い絆で結ばれた仲間のうち、女の子が施設長の策略で養子とか結婚とかいう名目の下に人身売買されそうになったのを防ぐために殺してしまったというのが真相だったようです。
施設長がいる限り、その子に限らず他の子も被害を受けるかもしれないのですから、取り調べのときに隠さないで喋れば良かったのにと思いました。
刑務所の腐敗構造も暴く内容でしたが、実態はそんなに腐敗しているのでしょうか。
医師がおちゃらけたキャラだったり、刑務所の職員の一人が牛ちゃんという愛称で呼ばれると照れまくるといった設定は、連続ドラマなら分かりますが、一回ポッキリのお芝居でそこまで必要なのでしょうか。
服役者は脱走できたのでしょうか、施設長が拳銃を持っていて使用しようとしていたことなども含めて、色々と違和感を感じながら観ていました。
満足度★★★★★
若さとパワー溢れる!
というか絶対必須ですね。
ネタバレBOX
引っ込み思案の犬のかりんが、病気で外に出られなくて大正11年に亡くなった宮沢賢治の妹の生まれ変わりだったとは。はっとしましたが、その後にその旨の説明は不要かなと思いました。
犬もタンポポもそれらしかったです。お金持ちの家の猫が野良犬のために肉を運んでいたり、汽車に乗るためにみんなが協力したり、動物同士の友情も熱かったです。なんかリトル・チャロの原型かとも思いました。
賢治は昭和8年に亡くなっており、妹が生まれ変わったときには生きていると思っていた賢治がいなかったということなら昭和10年頃でもいいんじゃないかと思ったりもします。
当時の世相が客層みんなに理解され、普通の成人なら生存しているであろう生きていれば50代、更に蒸気機関車が走っている時代ということで昭和23年が選ばれたのかなとは思いますが、ちょっと古臭い感じがします。
本編は今の小中学生に観てもらいたいような作品ですから、設定を現代にしてほしいと思いました。賢治の妹だと気づくだけで充分です。馬は要らないですが、銀河鉄道は登場させればいいと思います。
ところで、かりんの上下左右の走行距離は凄かったです。2時間もの間、風に飛ばされたりして舞台からはけたり登場したり、いったい何キロぐらい走り回っているのだろうかと思いました。それだけで尊敬ものでした!