満足度★★★★★
『凝り性のサンタ、苦労する』観劇
明るく楽しかったです。
ネタバレBOX
子供の欲しいプレゼントを調べ上げ、父母に伝えるお仕事をしているサンタクロースが、一人の男の子の本当に欲しいものが分からず、苦労するミュージカル。
みんな可愛く、明るく、素敵な一時間。そして、次の30分は即興劇によるお楽しみイベント会でした。
追っ掛けも存在するくらいのアイドル性の高さでした。
満足度★★★★★
究極の選択
このくらいのパラレルワールドが丁度いいと思いました。
ネタバレBOX
預かった金庫は単なる金庫ではなく、実は三種の神器の一つである剣を保管するためのものであり、タイムマシンでもあったということから起こる大騒動。
同時期に一人の人間がダブって存在したことによってタイムパラドックスが生じ、この世界や神話などの虚の世界が崩壊するということで、タイムパラドックスを解消するために、①ホワイトな選択として、せっかく競馬で10億円儲けたことをフイにしてまでリセットするか、②ブラックな選択として、ダブって存在した林修司さん演じる不動産屋の社員をそもそも歴史上存在しなかったことにしてみんなで10億円を山分けするかの究極の選択を迫られ、登場人物と観客全員が意思表示をしてエンディングを決めました。
林修司さんのファンが多いせいか、この回はホワイトな結末になりました。
ルドビコ★のパラレルワールド物といえば、 『深沢ハイツ302~もう一つのニュートンの林檎~』が思い出されますが、深沢ハイツ302では金持ちになったかと思えばそんなこと無くなったり、もう作者の勝手でしょと言わんばかりに何でもありのパラレルワールドが延々と繰り返されました。その点本作品はスッキリしていました。
ただ、善良なお客さんが多いことや林修司さんのファンが多いことで、ホワイトな結末ばかりが演じられるようなことになれば少し残念です。最初から10億円を山分けしてウハウハしつつ、何かの拍子にかすかな記憶が蘇り、リセットするというのもありかなと思いましたが、先ずは単純に多数決によって、ブラックな結末である一人約60百万円を手にして大騒ぎする正直バージョンを見てみたいと思いました。
満足度★★★★★
徹底してる!
褒め称えるしかありません。
ネタバレBOX
天皇家の世継ぎ争いを演出し、これに乗じて台頭しようとした華族らをあぶり出して殲滅することを企てた天皇が、いったんは成功したかにみえたその矢先、これら華族らの謀反に遭って殺されてしまい、大日本帝國の統治機構がまさにこれから変化していくのではないかと思わせるような話。
ストーリーも過激なら、いつものように音量も過激でした。光量も過激になったようで、ライトが目一杯輝くと、凄まじい放射熱量が感じられました。
徹底した独自性は集客力にも繋がっていて、評価し、感嘆するしかありませんでした。
満足度★★★★★
からのー
イライラ系、面白かったです。
ネタバレBOX
大学近くの一軒家に住めることになり、入学したら学生生活を大いに楽しもうと考えていたのに、実際はヤンキーの溜まり場になってしまい計画が狂わされた大学生の転落人生。
衝撃の冒頭シーンが妄想だったと思わせておいて、からの理不尽な展開、意味不明な登場人物もいましたが大学生は鬱状態だったこともありそのせいか、そして抗鬱剤が原因となっての転落へととても興味深く観、さらにはテンションの低い一気飲みなど、知らない世界を垣間見ることができました。
満足度★★★★★
美しい!
鷹の羽の動きがとても綺麗でした。役者の妖しげな美しさと表現力に感服!
ネタバレBOX
あやかしは人を殺すと鳥になると云う。あやかしを恨む弟によってあやかしはあらかた殺され、今では絶滅してしまい見ることはできない。そして人は、悩みながら、協力しながら黙々と生き続けている。
それにしても、少年社中のビジュアルは素敵です。色合いといい、容赦なく傷つけ、容赦なく殺す、歌舞伎の世界のような美しさを堪能しました。
満足度★★★★★
女子パワー炸裂!
常に動きがあり、明るく元気で本当に楽しかったです。
ネタバレBOX
著作権の問題があるのか、ある風なのか、鼻歌でごまかしたりして、キン肉マンと断言しているのか、していないのか微妙ですが、キン肉マンをリスペクトしているのは確かで、そのキン肉マンたちの娘さんが通う超人女学園における超人女子高生たちの友情とバトルの話。
石原さんが黒子になって立体的にプロレス技を見せるなど高さもありました。
女子で立体的と言えばひげ太夫…、ひげ太夫が日替わりゲストの日が楽しみですね。ぜひ組体操で鍛えられてください。
満足度★★★★★
地獄のこちら側の地獄
じわっとした恐怖と一瞬の恐怖、どちらも怖かったです。
ネタバレBOX
間引きされた実の妹とダブり、死んだ赤ちゃんが忘れられない君枝と、赤ちゃんを虐待したことから赤ちゃんから遠ざけられているキミエが親しくなり、症状が緩和されたように見え、良い方向に向かったと思った矢先、二人の似て非なる境遇から悲劇が起こりました。
赤ちゃん殺しに至るまでの過程の恐怖と絶望感は凄まじいものでした。窓ガラスに張り付いた君枝の姿も怖かったです。
賽の河原の子どもは最後は菩薩に救われるそうですが、こちら側の地獄では人間が心穏やかになることは並大抵ではないことが窺われます。
満足度★★★★★
【エピソード3】鑑賞
かーいい
ネタバレBOX
香帆とイサキがメインで、1×0というSNSに少し迫るサスペンス仕立ての回。
ゼペット博士は殺さないといけないのか、トゥービーコンティニュー。
エピソード4が二葉、エピソード5はウサキとラコちゃんということは分かりましたが、ラコちゃん本当に辞めちゃうのか心配です。
満足度★★★★★
一途
モニターが集められたのは、歌舞伎町2-45-2のビルの4階、まさにここでした。
ネタバレBOX
心理実験に集まったのは5人、初日は夕方から始まり、三日目は午前中で終わる合宿型。日程は観客にも知らされており、その通り実施されると思っていましたので、素早く二日目の朝食後に事件が仕組まれていたことで一気に緊張感が増しました。良かったです!
朝食のサンドイッチに遅効性の毒が盛り込まれていて、解毒剤争奪戦を巡る心理実験の様相でしたが、実はワンダーフォーゲル部の冬山歩きで一緒に行った恋人を亡くし、失望感と責任感から引きこもりになり、オンラインゲームの世界で二人で一緒に冒険したり、まったりと遊んだりして、ゲームの世界に永遠に閉じこもったままの状態に陥った女性の心を開放させるために、ゲームの中の彼女を死なせてゲームを終わらせようとしたワンゲル仲間の壮大な企画でした。
この会場自体がネット上の仮想空間でした。気持よく騙されました。
最後、一つ残った解毒剤を恋人に飲ませ、彼女は死を選択しました。ゲームの中の恋人は生き残ったはずですが、操作する人がいなくなったため恋人も動かなくなりました。切ないですね。
腐れ縁のように言いながら、一途な彼女が素敵でした!
ところで、彼氏が解毒剤を飲む直前に蓋を取ったビンを手にしていましたが、そんなに傾けていたらこぼれてしまうと思いました。他の人たちがビンを落としたときも本当にこぼれたのか良く分かりませんでした。実際に水ぐらい入れておけばよかったのにと思いましたが、カンパニーの誰も信じられないのかなと勘ぐったりもします。
満足度★★★★★
熱く、面白く
全員が個性的で素敵でした。
ネタバレBOX
尾崎豊や、尾崎に憧れていた17歳頃の自分に勇気づけられながら理不尽な社会、会社を生き、妻を愛する男の話。
女だか男だか分からないような加藤美佐江さんが素晴らしかったです。カップルの臭い仕種に笑い、少年尾崎の股間を触りながらのエアギターには女を捨てたのかと思わせるぐらいの演技で笑わせてもらいました。
追い出し部屋の所長が非正規社員なんて強烈です。
ダメ社員として元東京バンビの二人も出ていて、元気でなによりでした。
満足度★★★★★
距離感と、
距離感の変化が良く表現されていました。
ネタバレBOX
イラク戦争の取材中に死にかけの負傷をしたフォトジャーナリストのサラが、現地の病院で付き添ってくれたジェイムズとともにニューヨークに戻り、リハビリを経て、リハビリ中に人間関係を再構築して、再び取材のために戦地に赴こうとする話。
登場人物はフォトジャーナリストとして使命感に燃えたサラ、編集部員としてジャーナリストと営業マンの両面を持つリチャード、サラとともにイラクに行っていたものの、取材中に目の前で爆発が起こり、肉片等を浴びて精神的に参り帰国していたジェイムズ、リチャードの恋人でイベントプランナーをしている若いマンディの四人。
そこにもう一人、ジェイムズが帰国した後でサラが愛するようになったフィクサーのタリクが重要人物として存在していました。タリクはサラが負傷した際に死亡しましたが、ジェイムズからすると今もなお嫉妬の対象でした。
当初の戦争報道に対する熱意は、サラ、ジェイムズ、リチャード、マンディの順でしたが、最終的にはサラ、リチャード、ジェイムズ、マンディの順となりました。
マンディは私に近い存在でした。サラに、どうして死にかけの子どもがいるのに助けないのと聞きます。サラは、悲惨な状況を世界に伝える使命感を話し崇高振っていましたが、別のシーンで現地の人から写真を撮るなと叱責され倫理的に苦しんだことも告白していました。また、悲惨な方にばかり興味を示すサラやジェイムズに対し、明るい現実を見ることも大切だと力説していました。さらに、マンディは、リチャードが話した例え話の内容を聞いてくれました。薬物中毒で死んだロック歌手とその恋人の名前のことでしたが、そんなん知らんがなでした。
サラとジェイムズはいったんは結婚したものの別れました。リチャードの出版社から出すサラの写真集の文章を担当したジェイムズは、下書きの段階ではタリクの存在を一切無視した書き方しかできませんでしたが、サラとの生き方の違いを悟り達観した後は、フィクサーとしてのタリクの存在の大きさを感謝する形で表現することができるようになりました。
そのフィクサーですが、フィクサーとは取材の段取りをつける人のことで、フィクサーなしでは何もできないと言われると、取材そのものの在り方に何がしかの虚しさを覚えます。
マンディは赤ちゃんを産んでから子育ての重要さに目覚め、仕事に復帰することをやめました。ジェイムズは戦争から離れた感じの作家兼ジャーナリストの方向に舵を切り、穏やかになり、新しいパートナーも見つかりました。そして、サラは戦地に向かうことになりました。
ところで、サラがファインダーを覗くラストシーンは必要だったのでしょうか。サラは右目を閉じてから望遠レンズを付けたキヤノン製のカメラを構えました。常に周囲の状況を把握しなければならない戦場カメラマンがそもそも片目を閉じて写真を撮るのでしょうか。人それぞれだとしても、そんなに初めから片目を瞑るものでしょうか。余計な所作で馬脚を現してしまったように思えて仕方ありませんでした。
満足度★★★★★
素晴らしい!
ほぼ那須佐代子さんの一人舞台、素晴らしかったです。
ネタバレBOX
中東の紛争地域内の一室で、銃で撃たれ意識不明の夫を看病する妻の様子を描いた話。
ほぼ那須佐代子さんの身体を張った一人芝居、素晴らしかったです。中田顕史郎さんはシーッ、シーッと呼吸音を立てるだけでしたが存在感がありました。最後までそうなのかと思っていましたが、ラストシーンは衝撃的でした。
人形やペットに語り掛けるように、意識を失くした男は理想的な性格に見え、自由に扱えることで本音をぶつけることができました。しかし、意識を取り戻した夫は日本でいうと明治時代の家長のような男で、本性を取り戻し妻の首を絞めました。
ラストシーンで妻が動いたのは驚きで、したたかに生きる女の強さを感じました。
希望をもって努力することは大切ですが、祈れば叶うという宗教観が存在することが諸悪の根源だと痛感しました。
祈れば叶う、叶わないのは祈りが足りないからというのは、新興宗教にありがちですが、古くからの宗教にもあることはとんでもないこと、金儲けの手段に使われることが多く許せません。大間違いです。
満足度★★★★★
千秋楽
ちょっと悲しい側の、スケールの大きな物語、とってもいいです。
ネタバレBOX
かつて四季のあった星で過ごし、今は一年に秋が三回ある星の誰も住まないニッポンにいる女性、どっちが地球なのか頭がクラクラしますが、遠い遠い未来の昔話のお話です。
最初の男と女の会話からは原発事故のことがとんでもない誤解だったかと思いましたが、終盤の会話からはやはりそれでも良いのだと思い直しました。
これだけは言っちゃいけないような気もしますが、アテ書きの妙、大西さんは本当にゾウガメにピッタリでした。福寿さんも藤川さんも。そう考えると、林さんの柴犬のワン公も見たかったなと、松本さんには申し訳ないですが今さらながら思ってしまいます。
満足度★★★★★
素晴らしかったです!
本歌取りとはいえ奇想天外な展開、ツボを心得た笑い、凝った手法、そして楽しそうな役者さんたち、素敵でした。
ネタバレBOX
月人の念力光線を手鏡で反射させる技を持ちながら、ついかぐやのスカートの中を覗く誘惑に負けて光線を受けてしまうおバカさ…、団結を謳いながら全員が抜け駆けしている…、そして一人はかぐやのタカピーな要求に応じなかったのかと思っていると、いきなり母親が冷蔵庫を持って現れる…、本当に笑いのツボを心得ていると感心しました。
地球人にとっては何の影響もありませんが、月人は月人に対して顔や容姿を変えたように見せられるという催眠術的変身能力を持っています。ブサイクな母親がかぐやに変身したときは我々は地球人の立場から見ているので容易に理解でき、月人ってバカだねーと笑い飛ばすことができましたが、本来ゴリラのような体育教師が普段イケメンに変身しているという現象は、彼がイケメンに見えるだけにどうも我々も月人の立場から見ているようで、頭が気持良くこんがらがってしまいました。
月の姫だった母親の息子だけがイケメンと言っていて、他の生徒が否定していたことが理解できましたが、この自分の立ち位置を困惑させる凝った手法はさすがだなあと、作・演さんの才能に驚かされました。
姫が生存していたことが分かり、自由恋愛故に逃走したことも明らかになり、留学制度も一週間という短いものではなく、もっと自由に行き来できるようになることも想像できます。月と地球の未来が明るくなってとっても嬉しいです!
そして何より、生徒5人の楽しそうな雰囲気が素敵でした!
満足度★★★★★
意味のあるタイムスリップ
彼ら二人にとって、そして世界にとって意味のあるタイムスリップでした。
ネタバレBOX
催涙弾か何かの衝撃は二人を元の時代に戻せるだけのエネルギーがあったんですね。そして、その時代の人がまともに受けると死んでしまうだけのエネルギーだったんですね。
お父さんとお母さんの青春、まだくっついてはいませんでしたが素敵でした。お父さん、歌上手い!!リーダーが今でもアフガニスタンで医療に従事しているとは感動でした。
1968年、沖縄はまだ返還されていなかったこと、お母さんのお腹の中で体内被曝した人が大学生の年代だったこと、改めて実感しました。
まともな学生運動の頃は熱気がありました。私達もこの後の時代でしたが、高校の校則のことで熱くなったことを思い出します。そして、早く選挙権がほしいと思っていました。とても素敵なお話でした!感動しました!!
満足度★★★★★
衝撃的
リアルで迫力ありました。
ネタバレBOX
日本人は抵抗しないと思い込んで大暴れしたフーリガンに立ち向かい、フーリガンをぼこぼこにしたことで、意に反して外国人排斥運動のカリスマに持ち上げられた男を中心に、一般から青と呼ばれた彼らの顛末を描いた話。という訳で、青とはサムライブルーの青でした。
ネウヨが現実世界で狂暴化して殺人する様や、男の本性を試そうとバットを振り下ろすシーンなど暴力表現にリアルさがありました。
ラストシーンもリアルで衝撃的でしたが、日頃の行動からするとかんぬきは掛けていたはずで、少し都合よすぎるかなとは思いました。
女性を監禁してDVを繰り返していたのが元々の男の本性だとすれば、狂暴性の根源が説明できて理解できますが、DVシーンは大嫌いであるとともに、悪いのは自分だと自虐的に振る舞う女性の存在も見るに堪えませんでした。
満足度★★★★★
【夜の部】
『於染久松色読販(おそめひさまつうきなのよみうり)』、別名『お染の七役』がこんなに面白いものだとは知りませんでした。
ネタバレBOX
七之助さんの早替りの素晴らしさ、驚嘆ものです。駕籠からどのようにして抜けたかなど今でも不思議です。ただ、一ヶ所、二ヶ所、久松の体型が七之助さんとあまりにも異なっていてバレバレという場面があったのは残念でした。
お染久松の話というより周辺のワルたちの話と言った方が適切な感じ、鬼門の喜兵衛の悪事がバレても平然とにやついたままというような態度も素敵。
雰囲気が一変した大詰の気が狂れたお光と女猿廻し夫婦?の踊りは見応えありました。
満足度★★★★★
本気(マジ)、ド迫力!!
こんなに真剣(ガチンコ)で本気(マジ)な芝居は初めてでした。
ネタバレBOX
女剣劇をやる人って凄い!1オクターブテンションが高く、遠慮容赦なくずけずけポンポン本音をぶつけます。
演技とは思えないマジな反応に、ドツキ漫才のような動きも加わって迫力がありました。
「座長に向いてない。辞めろ」、こう言われた沖縄の女座長さんも全体を通じて頼りなげで好演でした。ただ前座長の直系への遠慮があるとはいうものの、少し頼りなげ過ぎで無責任な嫌いはありました。ラストシーンで麗子と丸子の二人の座長の向こうを張った決めポーズでもあれば二人を見返すこともでき、また座員にも今後の決意を示すことができたのではないかとは思いましたが、そこがまだまだ未熟なところ、今後の精進に期待ということでしょう。
役者に持たれている陰の面も表現されていて芝居一座の雰囲気が良く漂っていました。
寸借詐欺の小悪人もとことん徹底的でしたね。
恋あり、笑いあり、ラストの臭い芝居で感動したのは初めてです。
満足度★★★★★
ドツボ
はまりました。
ネタバレBOX
突然飛び出してきた自転車をはねた鈑金屋の男が内縁の妻の屁理屈に丸め込まれてその場から逃げ、その後も悩みつつも家計維持のために出頭できず、さらに前妻との間のクズな息子の登場で家族全体がドツボにはまってしまう物語。
暗転後の息子は刑期を終えた後の姿かと思いましたが、単にグズグズしているだけのことと知り、クズの中のクズ、余りのクズさ加減に驚嘆しました。
あってはいけないことと思いつつ、しっかりしていないとこんな流れに陥ってしまうのだと、真面目な感想ではありますが反面教師にしたいと思いました。
満足度★★★★★
やってくれました!
これまでの概念を覆す問題作、ホンマかいな。
ネタバレBOX
性犯罪者も開き直って屁理屈こねりゃあ粋な人に見えてきて、真っ正直に生きている人は人生の酸いも甘いも知らない野暮ったい人種に見えてくる、というお話。
純愛がダサく、変態が、戦後押し付けられた戦わないで解決を図るのが良いとされる道徳に対抗する主義主張かと思えるくらい、格好良く思えてきました。
思春期ゆえの過ち、林間学校でどのような暴行事件が発生したのかなと思っていると、えっ、女子トイレの覗き!ってことで肩すかし。しかし、単純な覗きかと思えた事件は藪の中のような奥深さがあり、真っ正直な人にとっては性犯罪に見え、告げ口することが正当化されるのでしょうが、覗き覗かれるという静かな行為は好いた者同士にとっては耽美譚であり、心の中は燃え上がっています。そこが分からないのは粋じゃない、変態万歳です。
校長は今回も校長でヘタウマ、愛人の女先生の性行為を徹底的に覗きまくるド変態男でした。
警察に訴えた愛人の夫の男先生が、男と女を知らない野暮な男に見えてくるのはさすがです。でも、変態でしょ!の一言で一瞬我に返りそうにもなりますが、痴漢王子の格好良さなどもあり、また変態万歳の流れに乗っかります。
ラストの、ある女子生徒に彼氏ができて、別の男子生徒にいつまでも友だちでいようという純愛路線にありがちな言動が、本当にダサく見えました。
そして、この男子生徒もまた一人、粋な道に進んで行くのでありましょう。変態万歳!