㐂(よろこび) 公演情報 ろりえ「㐂(よろこび)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    ある女の一生
    色々な話を強引に繋ぎあわせたような印象もありますが、観終わると走馬灯のように懐かしい思い出として過去のシーンが蘇って来ました。

    ネタバレBOX

    ゲイの夫婦に拾われ、相撲とって、泣いて、西方浄土を目指して、上海で売春して、殺人犯の身代わりになって逃げ帰って、キムチ食って癌になっての一生。

    三鷹で見たゴジラかと思わせるような大きなクマの着ぐるみや、乾いた音がするいかがわしい日本人ブローカーの後ろ姿といったお芝居らしい作り物に見慣れさせられていましたので、本物の白い普通の棺桶が出てきたときは死を強烈に現実のものとして認識させられてしまいました。

    お芝居自体は、カンさんを思い続ける気持ちを節目節目に出してはいましたが、カヨ子という女の生き様としてはなんだか色々なシーンを強引にくっつけたような印象でした。

    しかし、死を目の当たりにすると、お祭りのときのバケツリレーで火を消そうとしたバカバカしさなども遠い過去のように思え、そして上演時間が2時間50分ですから本当に随分さっきのことだったのですが、直接今とは関係ないけれどそんなこともあったなと思い出の一コマとして蘇って来ました。

    自分が産んで捨てた娘みの子との最後の対話シーン、どう接していいか分からないみの子のぼそぼそとした声、実の母親をばばあと呼ぶ心境、素敵でした。

    もう女優は無理だから、大女優になる!と叫んでいたウェイヨンが大女優になって訪日したときには棺桶の中、日本人ブローカーから離れたことによって道が開けたウェイヨンとその恩人カヨ子、ラストシーンは少しジーンと来ました。

    ところで、字幕はよく読めず、中国語も理解できず、ナレーションはほとんど聞き流していました。

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    2012/06/01 11:36

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