満足度★★★★
プロとは何か!
そして何だそういう劇風なのかと、初めからタネ明かしされたように感じました。
ネタバレBOX
前と後ろで、後ろは父親が率いる海外登山チームのベースキャンプの様子、前では娘がリーダーを務める大学山岳部が国内登山中に遭難して山小屋に緊急避難している様子が描かれていました。
父親の方は、天候が悪化して、山頂を目指した二人の内一人が動けなくなってしまい、一人が何とかベースキャンプに戻って来たという状況で、安否を心配しています。
どちらも無線機が調子悪く…、何となく両方が混線することが想像でき、今月、『消える魔球』を観たばかりなので、タイムスリップすることも容易に想像できてしまいました。
確かに、『ぼくとおおかみ』はタイムスリップ物ではありませんでしたが、ラビット番長はそういう劇風かと、それを知っていたら『消える魔球』でもそれほど驚きや感動は受けなかっただろうなと思いました。
それでも父親が娘の山小屋に来て助言を与えたことは、あるいは寒さの中で二人とも会話したように妄想したのは心温まる素敵な出来事でしたが、野口健さんの「プロには死ぬ自由がない」という言葉が思い浮かび、スポンサーから資金を集めてチームを編成したことを考えると父親の無謀な行為は絶対やってはいけないことだと思いました。
満足度★★★★
エメラルドの秘密
なるほどね。
ネタバレBOX
エメラルドを回収する執念…、なぜそこまでと思っていたら、クズエメラルドだったからという訳でコカイン密輸の不思議な裏事情。
身体を切り傷だらけにして殺すのは異常ですが、コカインの影響で自分の身体を虫が這いずりまわる感覚から発した行為だったとは、色々奥が深いというか、事情に詳しいですね。
映像を多用するのはあまり好きではありませんが、時限爆弾のカウントダウンやヘリの墜落シーンなど、効果的でした。
違法ドラッグ派とコカイン派の抗争、コカイン密輸ルートは今回叩きました。天宮の弟の登場はでき過ぎですが、いよいよ次回は天宮儀(きたる)との対決ですね。
満足度★★★
逃げた!
題名が、『最後の五人のアッコちゃんから、一人の新たなひみつのアッコちゃんへ』に変わっています。
ネタバレBOX
子役の出ないお芝居。父母から話を聞くことで子供の性格を判断したり、人気が出た後に子役自身や家族関係が崩壊しないかなどを確認しようとする考え方は立派です。
友達感覚の親子、ハーフでずば抜けて美人で他人と違っている子、離婚した母に姿を見せたいと願う子、アニーに出たかった母親の娘、父母共に応援しIQが高く気配りのできる子…、少しは判断材料になりますが、やはり子役本人を見ないことには判断できません。それに、キャスティングディレクターの台詞にもありましたが、オーディションの途中でこの子だーってピンと来なければダメなじゃないかとも思います。悩んで選ぶこと自体このオーディションは失敗だったのかもしれません。
ラスト、女流監督の結論は観客には示されませんでした。逃げたと思いました。どんな結論でもいいから、誰を選んだか、その理由をはっきり表現してほしかったです。
また、話を聞くことが中心のオーディション風景は動きが少なく少し退屈でした。
満足度★★★★
解決編
ここまで行き着かなければ終わらないどろどろの世界でした。
ネタバレBOX
2011年版では千代子の許に突然妹美代子が満州から戻ってきて、ナメクジがカタツムリの殻を奪い取るように千代子の夫や岡本家の実権を奪い取りましたが、今回は殺された義母糸子の妹琴子が長年サナトリウムで療養していたという設定で唐突に登場しました。
しかし、この琴子は糸子が殺された事件の真相究明に意欲は持っていましたが、二人がそっくりで千代子や美代子に精神的ショックを与える効果はあったものの、すぐにサナトリウムに帰ってしまうという何とも中途半端な存在でした。夏樹陽子さん的にはその後も糸子の影として登場していたのでどうってことはないのでしょうが…。
下宿人の大学生のうち一人が金田一耕助風いでたちをしていたので、彼が事件を解決するのかと思っていると、肝心の見せ場になった途端に、学生を始め有力どころが皆退席してしまって、誰も見ていない間に広間に残った千代子、夫、美代子が死に絶える…、私たちには事の顛末は分かりましたが、世間的にはまた新たな闇が追加されたという結果に終わりました。
そもそも義母と夫のただならぬ関係を知らなければ真相は把握できません。
千代子は冷ややかに対応していましたが、若いころに夫と恋仲だった美代子は糸子が許せず殺害を企てます。しかし、実行できずに躊躇しているところへ千代子が来て、美代子を解放するには夫と別れさせることが第一と考えていた千代子がぐいっとナイフを突き刺したというのが糸子殺害の真相のようでした。
そして今回は、まだ心が開放されない美代子のことを思い、千代子は脳病院を抜け出して下宿人となって潜入し、紅茶に毒を入れて夫を殺害します。美代子は悲嘆にくれてその紅茶を飲んで後を追い、美代子の開放に失敗した千代子も服毒死したというのが真相でした。そして、そこには糸子の影がありました。
白い風車に赤いライトを当てての彼岸花の表現は骨唄のようでした。
満足度★★★
【Aチーム】ファンタジー
分かっても分からなくてもいいの意味、長く感じられました。
ネタバレBOX
殺し屋の父親に育てられて善悪が歪になった男が失くした記憶を呼び覚ます話。掘ると彫るの言葉遊びを入れたところはちょっと地図風。
夢か現か良く分からない…、Aチームの解釈では、リンゴが大地に落ちたのではなく、リンゴが大地に飛び込んでいったということのようで、つまり妹を殺したのではなく、妹がナイフに向かって飛び込んできた、即ち自殺幇助だったようですが、詩人殺しの方は、詩人というものは嘘つきですから、詩人が死んだとか死んでいなかったとか、テロによる大量殺人は本当にあったかどうかなど、どうとでも決めつければいい訳で疲れました。
Aチームのこの話にしたって色々解釈できるのに、更にBチームでは別のエンディングだとか、何でもありもいい加減にしてほしいと思います。
妹殺しのシーンが終わって、これで折り返し点だと言われたときには、まだ続くんかいと心底ゾーッとしました。
佐藤睦さんのサービスカットが救いでした!
満足度★★★★
日本の誇り、円谷
円谷の名前からある程度は予想していました。
ネタバレBOX
清楚で美人の宇宙人がいました。そして、悪い宇宙人が攻めて来ました。
武田と上杉の時代から今日まで対立してきた円(つぶら)村と谷(たに)村が合併して市となった円谷(つぶらや)市、そもそもつぶらやという名前になった事自体が不思議です。円の方は読み方が変わらないので問題はないでしょうが、谷(たに)がやに変わるのはどうなんでしょう。旧村民が了解したとはとても思えません。
電波塔がロボットに変形したのは凄いし、あっさり宇宙人に壊されたのも凄いことでした。あそこはもっとドッカーンと行きたかったですね。唖然として見ていてそのまま終わってしまいました。最後は政府が秘密裏に作った要塞が地下から出現し、悪い宇宙人の宇宙船を撃墜したということでしょうか、ビックリですが良かったです。
全体として役者さんたちの硬さ、一本調子さが目立ちました。
ファックス用紙が全く動かずにファックスが届いたというのも無理がありました。宇宙人の超能力かと思ってしまいました。
満足度★★★★
面白くてシュール
1時間10分、歴史的名作ですか、楽しませて頂きました。
ネタバレBOX
北島と他の3人が、刑事役と犯人役を切り替えながら進行しました。先輩デカはテレビの刑事物と現実とは違うことを力説、隠語も全然違う言葉を使ったりしてこちらも煙に巻かれますが、犯罪の方は少女誘拐という重罪です。
逆探知というものはテレビの世界だけなのだなどと面白可笑しく進みますが、一方で拉致された少女が自殺してしまうなどシュールです。そしてラスト、なぜか北島は何かを悟ったように犯罪者側に立ったようになって上司のデカと撃ち合うところで終了。ぼーっとしていて、ラストの本当のシュールさが今一つ理解できませんでしたが、歴史的名作を観ることができて良かったです。
30年前の作品ということで、テレビの刑事物に戦車が出てくるというような西部警察の話題もありました。本日は踊る大捜査線の影響でもあったのでしょうか、無類の○○がむろいの○○に聞こえるなど、北島が時々言葉がきちんと言い切れていなかったのが少し気になりました。
ただし、北島は愛嬌のある顔で親しみが持てました。上司の鈴木はどう見ても犯人役の方が適任でしたが、一度見たら忘れられない丸顔の個性派で素敵でした。
満足度★★★
舞台の中心で、愛をさけぶ
やはり長いと思いました。
ネタバレBOX
さりげなく笑われるタレントを揃えたプロダクション、それはそれで奥の深い仕事、それでもお笑いがあきらめられない人もいます。アリtoキリギリスの石塚義之さんの真剣さが伝わって来ました。
舞台挨拶が終わったのが21時15分ぐらい、3時間近いのはやっぱり長いと思いました。それほど出番のない人気女性歌手が恋人で、なおかつ病気手術後に急変したとかで死んじゃうようじゃ長くもなりますね。
気が動転し時間がなくノープランというのは分かりますが、笑われることには慣れていると言って、ネタがないことをネタにして、舞台上で亡くなった恋人に語りかけるというのはお笑いタレントとしては如何なものかなと思いました。舞台の中心で愛をさけぶじゃないんだから。やはり、笑わせる側に立とうとしているんだから笑わせなきゃ、こういう状況ですから辞退もあり得ると思いました。
歌の力というのはあると思います。しかし、後で説明的台詞で内容の説明がありましたが、歌詞の意味は一回聞いただけでは正直把握できませんね。
満足度★★★★★
事情があって集まる町
底辺で人々が蠢く話。嫌なやつもいるもんです。
ネタバレBOX
寿町が舞台。DV被害から無理心中を図り、一人生き残って12年の刑期を終えて寿町に流れ着いた女性が食堂兼簡易宿泊所ビルのオーナーの計らいで食堂で働き始めるところからスタート。
生活保護ビジネスに従事する男が粘着質な感じで執拗に女を虐めるのが不気味でした。毎日毎日ねちっこくやられたら精神的に参ってしまいます。それでもムショ帰りの女が生きていくにはここしかないということで、逃げ場のない悲しさがつきまといます。
欝で働くのがきつい女性や、借金まみれでも風俗に向かない女性たちに、40%のピンハネ率で生活保護を斡旋するNPO法人の男たち、働く意欲の乏しい人間を見つけると嬉々として声を掛ける様子の何とも胡散臭いことと言ったらありません。違法ではないが脱法だと、便利な言葉があったものです。
粘着質の男は殺してしまった夫の弟ということが分かり、事情が飲み込めました。NPO法人も暴力団関係者が関わっていたことが分かり、最終的には雲散霧消しました。そして、ビルのオーナーも経営に行き詰っていながら食堂に流れ着いた女性に入れ上げているダメ男ということが分かりました。
そして怒涛のラスト、オーナーの保険金詐欺を狙った放火計画に、粘着質の男の自滅的行為、…、そして大団円。えっ、なんか綺麗にまとまり過ぎの嫌いはありましたが、働ける人は働くというテーマに沿った大団円、暗い話の最後ぐらいは明るくハッピーに。
ところで、以前、尾上町辺りで勤務していたことがあったのでとても懐かしかったです。寿町も日中ですが通ったことがあります。開演前の横浜ご当地ソングヒットパレード、よこはま・たそがれ、ブルーライト横浜、港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカなども雰囲気が出ていました。ただ、伊勢佐木町ブルースが無かったような。ブルーライト横浜が由紀さおりバージョンだったのが今年の流れでおしゃれ。
満足度★★★★
【アンドロメダチーム】丁度いい感じの重さ
ダンディズムを知る旅、いい男になれよ、少年。
ネタバレBOX
ハンカチは紳士のたしなみ…、ダンディズムを知る旅でした。
未来に影響を与えるでもなく、若いうちから悲しみを受け入れることを知らしめる旅。でもって、16年後の自分も、この若い自分のしでかしたタイムトリップ犯罪に便乗してもう一度母に会っておく、ちゃっかり屋さんでした。
金田一少年、いや青年、いい男になっていました。
ハーフタイムシアターとしては、これくらいで丁度いいのではないかといった感じの重さでした。
満足度★★★★
最後のオムニバスということであれば
勝田美咲さんに軍配!
ネタバレBOX
『七人のトムライ』(作・演出 渡部靖郎)
妻の不倫相手が親友で、その親友の妻も浮気をしているというどろどろとした話。過去に遡っていく形で表現。
浮気を承知で夫婦を継続してきたのに、ここに来て離婚協議中とのこと、なんで今さら、それに中ってなんだ、未練があるのかな、さっさと別れっちまえとも思いました。
客演呼んだりするのも別々にしていたのかな。別に最後のオムニバスのような儀式も必要ないと思います。未練があるのかな。
『おもちゃの兵隊さんへ、』(作・演出 勝田美咲)
無垢な人、自分より弱い人に対する強者の汚さ、優しくしているというおごりはいつの世にも、どんな年代にもあることで、兵隊さんだったおじいさんの思いが高校生の孫に伝わればいいなと思いました。
中途半端な優しさがいじめや自殺問題に通じることの今日性を教えられました。何となく途中で放置してしまうのが一番いけないようです。
相手にもよりますが、ここまで面倒見たのですからあとは自分でやってください、これ以上は関わりません的なはっきりした言葉が大事なのかも。やっぱり、最後のオムニバスはけじめを付ける意味で必要なのかもしれませんね。
満足度★★★★
贅沢なアンサンブル
華やかで嬉しい!!
ネタバレBOX
例えれば歌舞伎町のような町、裏唐町の町医者寺雷矢治五郎と弟六郎が巻き込まれ、解決した事件簿の一つ、シリーズ第一弾という感じ。
夫婦の会話がなくなって二時間サスペンスドラマに没頭していた主婦がひょんなことから一年署長になったことがきっかけで、銀行強盗団を結成し悪事を働く事件を軸に、キャバ嬢たちとホストたちの対立やトップ同士?の恋愛をウエスト・サイド・ストーリー風に描き、兄貴分は弟分を助けるという熱い心を持つ治五郎たちが活躍して解決するというストーリー。
悪役側のゲスト主役ザンヨウコさんの活躍振り、ホチキス三人娘の持ち味も生きていましたが、何よりもキャバ嬢グループの贅沢なこと、華やかでとても嬉しくなりました。今月初めにトープレで小学5年生だった李そじんさんがもうキャバ嬢にまで成長されていたとは、月日の経つのは早いものです、ちって。
あっそうそう、ロンドンオリンピック女子柔道の金メダリスト松本薫さんの目を見たとき小玉久仁子さんにそっくりだなあと思いました。そして、テレビでは誰も言わないことに、小玉さんはそこまではメジャーじゃないんだなと少し淋しくもあり、どこかで記録しておかなければいけないなと思ったことを思い出しました。
満足度★★★★
なかなか面白い
偶然性もあり、頭も使うゲーム。
ネタバレBOX
犯罪者たちによる偶然プラス頭脳サバイバルゲーム。
残り二人になった瞬間に、もし相手のことを思うのであればボタンを押すのではないかと思いました。しばらくしてゲームを面白くするためにシステムを解除していると言っていましたが、そんなことは二人には関係なく、とにかく押すのかなと思いましたが、どちらも押しませんでした。
恋人の女性が自ら少しむっくり起き上がるので空砲かと思いましたが、やはり怪我はしていたようです。一人が生き残るということは、確実に他の者たちが死んでいることが前提ですから、男も本性を表すのが早過ぎです。
ラストは凝っていましたが謎でした。音声認識装置が働いていたと思うのですが、強姦致死の男が生き残っていたのでしょうか。司会者も確かに首輪を付けていたようにも見えましたが、死んだ理由がよく分かりませんでした。
それにしても、警備担当者が拳銃を二回も落としたのに犯罪者たちがそれを拾わないのは…、というか落としすぎでしょう。司会者が首輪を付けるときにもたもたしてました。詰めの甘さが気になりました。
満足度★★★★★
フィガロの結婚?!
まあビックリ、どっちがいいか…。
ネタバレBOX
基本は、新潟県と長野県の県境に位置する寒村において、この村出身の娘が東京の男と結婚するに当たり、伝統儀式と称して初夜権を行使しようとした村長が事前に娘より通告を受けて張り込んでいた新潟県警の刑事によって強姦未遂で逮捕されたという話で、如何にも帰郷なんですが…、
実際は東京の男の視点から描かれた話で、二万年後の人類が出てきたりして、死んだとされる元カノが生きているようにも思え、神奈川県の葉山で二人で暮らしている方が真実なのか、やはり新潟出身のこの娘と結婚する方が真実なのか、モヤモヤするストーリーでした。
二万年後のΩ(オメガ)族とΠ(パイ)族の争いに巻き込まれ、お互いから記憶操作がなされたとしたらどちらが真実かは良く分かりませんが、脳が認識して理屈が納得できれば落ち着けるとすれば、私なら美人と結婚できて芥川賞を受賞して、売れっ子小説家として葉山で暮らしているΠ族側の方がいいなと思いました。
初夜権については『フィガロの結婚』を観たときに初めて知って、そのような制度がヨーロッパにはあったことに愕然とした記憶があります。それにしても、オペラや歌舞伎には信じられないような因習のシーンが残されていることがあり、貴重な生きた資料だと思います。
突然の二万年後の出現にはビックリ…、オズの魔法使いのようなΠ族にもビックリ…、そして何より元カノの言葉、「私たちには時間の概念が無いけど時間が無いのよ」には、ジワーっと笑いがこみ上げてきてしまいました。
満足度★★★★★
時を経た
悲劇が重なり合ったファンタジー、良くできた脚本でした。
ネタバレBOX
母親の病気を治したいと願う気持ちから生じた悲劇と、400年前の鍛冶屋が化物に変貌する原因になった悲劇が重なり合った物語。
廃工場というか、機械類を取っ払った工場建屋の一階と二階を全方位的に有効活用していました。ライティングの関係でゴベリンドンの沼に住む化物の身悶える様子が影となって二階の壁に映るのも効果的でした。
母親の不治の病を治すため沼に住む化物にこれから生まれてくる弟の命を売った兄…、後にそれを知った母は第二子(弟)を助けるために我が身を差し出そうとするが、病気では死ねないため自殺して思いを遂げる。弟の命が救われたことを知らない兄は、母親が死んだことを約束違反だと恨み、弟の命を差し出す必要は無いと考えて化物退治を決意…、村の忌み嫌われている婆さんから400年前に魔力のあった銃に再び魔力を注ぎ込む方法を教えられ、魔力を得るために大量の村人たちをその銃で殺戮してしまう。最後、兄は化物から母親の死の真相を聞くも時既に遅く化物を撃ち殺し…。弟も悲しみのあまり沼に沈んで全ては終わりました。
そしてその銃は、400年前に鍛冶屋が娘の身体が溶け込んだ鉄で作ったもので、その悲しみから鍛冶屋が化物になった経緯があり、自らの銃で殺されるというもう一つの悲劇があったのでした。
親を思う子の気持ち、子を思う親の気持ち、そのすれ違いが伝わって来ました。
満足度★★★
ようやく
ラストで少し腑に落ちました。
ネタバレBOX
とにかく辻島衆ニが何者なのかでずーっとモヤモヤしていましたが、ラストで色々なことが判明、あるいは一つの解が得られたようで、少し腑に落ちました。
辻島衆ニが太宰治(本名津島修治)の最初のペンネームだったことを知らない私は同一人物なのかやはり違うのかと終始考えていましたが、知っている人にとっては分かり切っていることを意味深に扱うことにむしろイライラしたかもしれませんね。タネ明かし的には知らなくて正解でした。
走れメロスの走るもよく分かりませんでした。辻島衆ニが走っただとか、太宰治が走ったのだとか言っていましたが、分かってしまえばどうでもいいことでした。
ラストシーンで太宰の妻が幼い子供のために、日々の生活のために走り回っているという言葉を聞いて、そう、そういうこと、それでいいんだと、ふっと力が抜けました。
楽曲的には、メロディに乗って歌えた人もいましたが、半音ずれたようなミュージカル風歌い方をする人には、ああまたかぁとがっかりさせられました。
大澄賢也さんのダンスは別格ですね、素晴らしかったです。
満足度★★★
やっぱり
内容的にも演技的にも予想通りでした。
ネタバレBOX
魔女の質問「一つだけ叶う夢、何を希望しますか」に対して少し間をおいてロゼットの発した返答は、私が心の中で叫んだ「みんなを元に戻せ」と一字一句違いませんでした。そして、思った通り彼女の顔にあった天然痘の痕のような傷も消えました。
おとぎ話的ストーリーで、仲間を大切にしようというテーマは子供向けファンタジーにピッタリだと思いました。
満足度★★★★
豚を食べても豚にはならない、
食育について考えました。
ネタバレBOX
新婚旅行で行ったアラスカで偶然イルカを食べてから夫が病みつきになり、自宅のいけすでアラスカヒメイルカを飼い、食していた夫婦の物語。
イルカが人間っぽく進化したためペットとして飼うことになり、一方夫の方はイルカ食を止めてから次第にイルカになり始め夫婦は悩みます。イルカになることを防ぐには人間を食べたらいいのではないか、いや、豚を食べても豚にはならないなどの葛藤を経て、結局は可愛いイルカを殺して食すというストーリー。
夫に代わって会社まで行くようになったイルカちゃん、肌ツヤの良いイルカでした。
家畜とペットの違い、人間が生きていくということはどういうことか、食育について考えさせられるブラックコメディでした。面白かったですが、ちょっと教訓臭いかなと感じました。
人間は他の動物から見ると青鬼のような残酷な生き物なのでしょうか。でもそうしてしか生きられないのが人間ですから申し訳ないです。
満足度★★★★
豚を食べても豚にはならない、
さすがバンタム級、ヘビーな話でした。
ネタバレBOX
脳や肝臓などを持ち去る猟奇的殺人事件に取り組む神奈川県警の話。
猟奇的な様相が前面に出ていますが、裏で行った美容整形をネタに強請られた元女優の付き人が強請った相手たちを殺害したというのが本筋で、医学的知識を基に内臓を取り出し、以前ヒットした私の血を吸い取って病気を治して的な少し異常な恋愛ドラマ「ルルドの森」のモデルとなった実母に渡し、一部が人肉を食べてその人になりたいという願望を持つ人などにも渡っていたというのが真相のようです。
カニバリズムを扱った話ですが、豚を食べても豚にはならない、そういうことですし、異常信奉者に何を言っても無駄かもしれませんが、プリオンの怖さが知れ渡っている現状を若干無視している嫌いはあるかなと思いました。
それにしても、主人公の三島を始め、刑事たちの単独行動が目立ちました。私憤に駆られて行動し、容疑者を殺害し、最後は三島と上司が撃ち合って二人とも死ぬなんて、神奈川県警には牟田刑事官の穏やかなイメージがありましたが、こちらの神奈川県警はバンタム級、ヘビー級クラスの自滅型暴走集団でした。
三島が事件を通して知り合って半同棲のようになったウブでしなしなっとした女性が実は犯人の実母で、共犯者的立場の人だったとは…、三島は料理を美味しい美味しいと言って食べていましたが、冷蔵庫の中身を考えると今更ながらゾッとします。
満足度★★★★★
素敵なSF作品
エンターテイメント性溢れるストーリー、大迫力で臨場感もありました。
ネタバレBOX
紛れ込んでいたミュータントによって裏切り者とされた結果、敵の攻撃を前にコロニーの仲間と一緒に地球へ旅立つことが叶わず死んでいった夫を、タイムマシーンを使って50年後に助けに行った妻と孫の話。
ロケットが飛び立つときなどは舞台から客席に向かって風が吹いてきたりして臨場感がありました。戦闘ロケットによる戦闘シーンなども迫力があり、真の裏切り者は誰かを探る一連のシーンはハラハラドキドキの緊迫感がありました。こんなことを言うのも変ですが、大の大人が何の照れもなく、真剣にSF作品を演じきっていることに感動しました。
一方では変な宇宙人の姫も登場したりして、なんじゃこれーって感じで可笑しくて笑いました。
若い夫と若い妻をタイムマシーンに乗せて地球へ送りクリスマスツリーを見させてあげて、70代の妻と孫は敵の攻撃を受けて死んでいく…、若い二人の夢が叶ったのだから自分はどうなってもいい、悲しい美談で終了…
かと思ったら、タイムマシーンは便利です。
パラレルワールド物は何でもありに陥り易く注意が必要ですが、今度は若い二人がタイムマシーンを使って70代の妻と孫を助けに戻っての大団円。ハッピーエンドだもの、これくらいは許します!