かたつむり第参部 完結編『彼岸花ノ章』 公演情報 (有)キィーワード「かたつむり第参部 完結編『彼岸花ノ章』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    解決編
    ここまで行き着かなければ終わらないどろどろの世界でした。

    ネタバレBOX

    2011年版では千代子の許に突然妹美代子が満州から戻ってきて、ナメクジがカタツムリの殻を奪い取るように千代子の夫や岡本家の実権を奪い取りましたが、今回は殺された義母糸子の妹琴子が長年サナトリウムで療養していたという設定で唐突に登場しました。

    しかし、この琴子は糸子が殺された事件の真相究明に意欲は持っていましたが、二人がそっくりで千代子や美代子に精神的ショックを与える効果はあったものの、すぐにサナトリウムに帰ってしまうという何とも中途半端な存在でした。夏樹陽子さん的にはその後も糸子の影として登場していたのでどうってことはないのでしょうが…。

    下宿人の大学生のうち一人が金田一耕助風いでたちをしていたので、彼が事件を解決するのかと思っていると、肝心の見せ場になった途端に、学生を始め有力どころが皆退席してしまって、誰も見ていない間に広間に残った千代子、夫、美代子が死に絶える…、私たちには事の顛末は分かりましたが、世間的にはまた新たな闇が追加されたという結果に終わりました。

    そもそも義母と夫のただならぬ関係を知らなければ真相は把握できません。

    千代子は冷ややかに対応していましたが、若いころに夫と恋仲だった美代子は糸子が許せず殺害を企てます。しかし、実行できずに躊躇しているところへ千代子が来て、美代子を解放するには夫と別れさせることが第一と考えていた千代子がぐいっとナイフを突き刺したというのが糸子殺害の真相のようでした。

    そして今回は、まだ心が開放されない美代子のことを思い、千代子は脳病院を抜け出して下宿人となって潜入し、紅茶に毒を入れて夫を殺害します。美代子は悲嘆にくれてその紅茶を飲んで後を追い、美代子の開放に失敗した千代子も服毒死したというのが真相でした。そして、そこには糸子の影がありました。

    白い風車に赤いライトを当てての彼岸花の表現は骨唄のようでした。

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    2012/09/20 11:57

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