満足度★★★★★
日進月歩
キリッとした男前でした。
ネタバレBOX
『JIN-仁-』 脳の中に胎児痕を残した謎の入院患者を手術した仁が、男と胎児痕と共に幕末の江戸時代へタイムスリップしてしまい、後の世を変えるのではないかとの懸念を持ちながらも手術したり、コロリを治したり、ペニシリンを作ったりして日進月歩の医学の発展に尽くしつつ、謎の頭痛に悩み、そして運命を受け入れるという坂本龍馬を助けるべく京へ上ったものの、龍馬暗殺に立会い、そのショックで現在へと戻って来るというストーリー。
手術前には恋人を乳がんで失くしたものの、その彼女は戻ってくると江戸時代の婚約者の子孫として医者をしていて、自分を手術してくれた…?。
胎児痕は何かの拍子に入り込んじゃった龍馬なのか、謎の男が仁で、あの時手術したのも仁?。しかし、現在に戻ってきた頭に包帯を巻いた仁を手術したのはお咲の子孫…、恋人を死なせないための壮大なロマンだったということでしょうか。彼女の持つ家宝の婚約指輪には、その後も医者として生きたお咲の気持ちも伝わってきますし、医者となった元恋人と再び恋仲にならんことを切に願いました。
ちょっとせわしなく少し説明不足のところもあったかなとも思いましたが、スピーディな展開で、1時間45分によくもこれだけのことを収めたなと感心しました。
『GOLD SPARK!』 キンキラキン。ラインダンスが素敵でした!
満足度★★★★
楽しい夢の計画
政治物で男性客は一割ほど、キャラメル効果は絶大です。
ネタバレBOX
『幹事長、出番です!』と同様にタイムリーな政治物。
友人の政治コーディネーターの誘いに応じて、消費税に反対票を投じて離党した政治家が総選挙に無所属で戦い、自身のアイデアが他党にパクられたり、娘のスキャンダルがあったりしてすったもんだした挙句、全てがプラスに働き成功する話。
利息で暮らしている人もいるでしょうから、そういう国家があっても不思議はないですが、世界に占める日本の経済力は大きいため日本が利息で暮らしていこうとしても結局は合成の誤謬的なことになってしまうのだろうとは思いますが、日本民営化計画っていいですね。
まさか、抜擢人事でその担当大臣になるとは。笑いが止まりませんね!!
満足度★★★★
el cambio
初見。
ネタバレBOX
el cambioは上手にある娼館の名前、変革という意味のようですが、フランコ独裁政権下の1960年代に置き換えたということの表れか、その当時のスローガンか何かでしょうか。
主役は理髪師で何でも屋のフィガロ。
アルマヴィーヴァ伯爵がロジーナに惚れ相思相愛になったものの、ロジーナの後見人バルトロも結婚を狙っていて二人は会えない状態に。フィガロのアイデアで何度もバルトロ家に入り込んだりして一足先に結婚契約書にサインしてメデタシ。
18世紀とか19世紀の当時は紙が貴重だったのか、バルトロはロジーナの部屋の紙の枚数を管理していて、6枚あったはずだと手紙を書いたことを疑うなど執拗でした。
満足度★★★★
日常のほんの一瞬
台風は人の心をひっちゃかめっちゃかに乱すのか。
ネタバレBOX
誤解していました。へちゃむくれとはちょっと古い茨城弁で意気地なしのことでした。
不倫して、妊娠しているかもしれないのに、結局は悩んだ挙句付き合いをやめ会社も辞めた意気地なしの満智子、すっかり意味が違ってきました。
しかし、へちゃむくれは満智子だけではありません。一人ひとりには人知れない面があり、この数日間に問題が起きて解決するという単純なものはなく、この前もこの後も延々と問題を引きずっている日常のほんの一瞬を描いていたに過ぎませんでした。
トチ狂ったお父さんを始め、みんなどうなるんでしょう。
満足度★★★★
応援歌
思いを伝える会でした。
ネタバレBOX
心臓が悪くて死期を感じていた男が、今一番近しい二人の知人に死後数人の知り合いを招いて偲ぶ会を開催するように頼み、結果その会が催された話。
主催者が秘匿されていたため疑心暗鬼のまま、各自恐る恐る男の思い出を語り始めましたが、直近から遡ると、女装してツンデレキャラでメイド喫茶でバイトしていて、金があるときは病院に行き、記者の取材を受け、追っかけていた地下アイドルに惚れられたものの美学というか掟を守って別れ、宝塚志望の同級生の影響で初めて女装させられて…、こんな感じでしょうか。
順不同だったり、真の目的が分からないままの進行でしたが、それぞれが男の知らない面を知ることで彼の人間像を膨らませていくというよりも、心臓が悪くなってからは一期一会の気持ちで人々と接していたでしょうから、それ以前の知り合いに思いを伝えるのが目的だったような気がします。
不自然な別れをした地下アイドルに謝罪するとともに、何よりも宝塚には入れなかったもののタレントとして活動している同級生の由香里に今も応援していることを伝えるのが一番の目的だったのだと思います。
記者は外観についての言葉はありましたが、結局は彼のことを取材しきれていませんでした。どちらかというと、記者は邪魔でした。
満足度★★★★★
25年の重み
約二人による2時間半ほどの長丁場、ここに描かれた浮気の記録は決して誉められたものではないと思いますが、25年に亘るそれぞれの家庭の歴史であるとともにアメリカの歴史でもありました。
ネタバレBOX
ジョージとドリスの1951年から1975年までの年に一度の逢瀬物語。それぞれの家族、特にパートナーの様子が良く見えました。
会う度のドリスの変化、社会的に成功していったのを描いていたのが特徴でした。戦争中日本軍の捕虜だった男と知り合った彼女は18歳で子供ができて結婚し、ジョージと出会った頃からの数年は社会的に無知で、無知を意識して大学に行きウーマンリブに目覚め、商才があって起業して成功し、チェーン店に売却して悠々自適の小休止。
会計士のジョージはこの間、長男をベトナム戦争で亡くし、会計士を辞めてからはしばらく卓球のコーチをしたりして、その後大学で会計学の先生になり、彼もまた成功者でした。
ドリスの成功に自信を失くして失踪した彼女の夫からの電話にどう答えるのか、ジョージのあの短時間の葛藤を描くのは非常に難しいことです。一周りしてワインを一杯飲んでが正解かどうかは分かりませんが、物足りなくなったと言っていると言うこともできたのに、神父を騙ってドリスが夫を愛し続けていることを告げました。
善人というか、自分の家庭を守りたいがための言葉でしたが、自分の妻が亡くなって再婚を申し込んだときには今度は自分に跳ね返って来ました。タイミングが悪いというか、自業自得というか、至極当然のことというか、それでもまた来年の浮気を約束する懲りない二人でした。
満足度★★★★★
壮絶、無残、達観
ちょっと古臭い言葉に戦後を聞きながら、まさかこんな話に展開していくとはと感じ入りました。
ネタバレBOX
単純に世間から隠れる話かと思っていましたが、閉じ込められ、死を目前にしての話にまでなろうとは思ってもみませんでした。
せっかく戦争で死なずに生き残ってきたのに何ということでしょうか。助けが来たと錯覚したり、洞窟内では使えない札束に執着したり、子供を残したいと願ってみたり、そして飢えと酸欠で死んでいくのでしょう。世間に助けを求めようとしても繋がることができずに死んでいく未練が心に沁みます。
洞窟内で死ぬのも冒険、外で死ぬのも冒険、どうせあと数十年で死ぬのは同じ、と達観はできませんが、多かれ少なかれ誰にでもそういうことはあるのかもしれません。
満足度★★★★★
ウィー!!
一部を除いてフツーの家族のフツーの日常、観終わって爽やかでした。
ネタバレBOX
プロレス好きの小6の弟、吹奏楽部の中学生のお姉ちゃん、近所に住むおじいちゃん、長期入院中のおばあちゃん、週何日かパートしているお母さん、家で寝泊まりせず時々顔を出すお父さん…、最後だけ特殊ですが、そげなこともあるがの家族の日常でした。
弟はプロレスの雑誌やプロレスのビデオばかり見ていて、そうそう子供は同じ物を何回見ても同じところで感動するんだとか、きょうだいは喧嘩ばかりするもんだとか、息子が母親の見舞いに行きたがらないのはどこも同じなのかなとか、家族の風景を眺めていました。
みんな役柄にぴったりでした。そして、『エキスポ』でもそうでしたが、宮崎の家族の中心にはお母さんがいました。
おじいちゃんの言葉「そげなこともあるが」…、いいことも悪いことも折り合いをつけながら生きていく生き方は爽やかでした。
お父さんですが、他に女でも作ったのかと思っていましたがそうでもなく、おじいちゃんから土建会社の社長を引き継いだ後の運営方針を巡ってお父さんとおじいちゃんの間には確執があり、それもあって家に帰れないようになっているようです。久し振りの親子一緒の食事がきっかけになればいいですね。
子供が親を超えていたら、今頃世界はどんな理想郷になっていることやらと思います。超えたり超えなかったりです。違いを出そうとしがちですが、肩肘張りなさんなと言いたいです。
満足度★★★★★
マクベスでした!
予想に反しマクベスでした。
ネタバレBOX
平成のマクベスと言うので、帝王切開どころではなくiPS細胞などによって生まれた人間に殺される近未来のSF的な話かと思っていましたが、女の股云々すら省略してしまい、森が動くだけに徹した本格的なマクベスでした。
殺害シーンや魔女が鍋を炊くシーン、マクベス夫妻の妄想に悩むところなど迫力がありました。歌舞伎のように床に置いた板を拍子木で叩く附け打ちがあったり、歌謡曲が取り入れられたり、スタンド・バイ・ミーに合わせた魔女のダンスの趣向もありました。
比較的短めに上手くまとめ上げられていて素敵でした。
満足度★★★
予想通り
次男の登場シーンは予想通りで驚きは無く、しかもその理由を聞いてなめとんのかと思いました。
ネタバレBOX
妹帰る。
しかも、ゲイになって女装しているのではなく、たまたまゲイバーで働くことになって今では女性物の服しか持っていなかったからなんて、次男がオカマになって帰ってきたということで大騒ぎしたのに、最初に否定しないで最後に自分はゲイじゃないなんて言われても、ストーリーの流れや客をなめとんのかと思いました。途中で着ていたジーパンとTシャツぐらいいつでも買えるでしょうに。
いつも感じることですが、半音高い喋り方はとっても気になります。
生内香織さんの脚本のときが一番面白かったです。
満足度★★★★★
クレームはヒット商品の母
メーカーの流行をソフト面にも取り入れたような話は、バカバカしくも結構生真面目でした。
ネタバレBOX
「なべじんの爆笑健康カーニバル」という番組の制作現場の話。苦情に対応して視聴率が上がると苦情を待つ姿勢になり、苦情が来なくなると苦情が来て当然の特番にする…、会議室の様子も実際の番組もバカバカしくて面白かったです。実際の番組を静止画の漫画で表現したのも緩くて効果的でした。
型にはまった制作者を批判しつつも、もはやこれすら型にはまっているとなると、一体これからどうすればいいのか分からなくなってしまいますが、スポンサーの不祥事から番組は突然終了することに。最後の10分はクレーマーにクレームを言い放ち、でも視聴率上がってありがとよーって爆笑問題カーボーイ風のツンデレ方式でなんとか収めました。
プロデューサーの帰り際に問題が発生することや、作家とアシスタント・プロデューサーの女同士の言い争いなど、毎週のベタな繰り返しはベタなりの面白さはありますが、長くなる要因でもありました。
ディレクターの生真面目な側面が随所に見えましたが、そんなことすら取っ払って爆笑に徹しても良かったのではないかと思いました。
満足度★★★★
観客参加型
恥ずかしながら初っ端から騙されました。
ネタバレBOX
陽子と月子、偽装結婚、トロンプルイユ号の回廊、そもそもトロンプルイユ号等々騙されました。
ただし、観客に対してはフェアであってほしいと思います。陽子と、月子のお面を付けた黒子さんが一緒に登場するシーン、二人が同時に実在するシーンを見せつけるのはアンフェアではないでしょうか。せめて顔を見せてから足を見せるとか、あるいは別に出て来なくても良かったのではないかと思いました。
初日ということもあったのでしょうか、ちょっと硬かったですかね。ダレ画伯の特徴といえばそれまでですが、彼が少し浮いているようにも感じました。
いずれにせよ、もう一つのカップル誕生で会社は救われ、ダレ画伯も自信が持てたようで、先ずはメデタシでした。
満足度★★★
DJの雰囲気はありましたが…
またしてもでした。
ネタバレBOX
FMのDJの父親で下町で印刷業を営むお父さんが、子どもたちにメッセージを残そうとしたためたラブレターですが、家庭の事情を色々見せてもらった割にはあまり感動はありませんでした。ただ、美空ひばりが歌うスタンダードナンバーをリクエストしたセンスは素敵でした。
すぐに元気になり退院はしましたが、心臓病で倒れたことが契機となって書かせたのでしょう。普段口数の少ないお父さんです、あれが精一杯、仕方のないことなのかもしれません。
それにしても、イジリー風ではありましたが、長女の夫は可哀想でした。単なるイジリなのでしょうか、ホントにイケメンじゃないからという理由で跡継ぎにさせてもらえないのでしょうか、お父さんの真面目な顔からは窺い知れませんでした。
ところで、この劇団さんのお芝居には、会社の経理のことで時々納得行かないことがあります。小切手を入金しに銀行に行くときは、誰かに頼むとしてもやはりいつも使っているカバンに入れて持っていかせると思います。通帳を紛失した際は、銀行は現在残高をお客さんに確認してもらいますから小切手が盗まれたことはその時点で分かるはずです。こういう不自然さがあると、一気に熱が冷めてしまいます。
満足度★★★
アイデアは面白いのですが…
いつになったら大人になれるのか、まだまだですね。
ネタバレBOX
確か、紀元前8000年ぐらいから始まったお芝居、主役の女の子が生まれたのが紀元0年辺りだったでしょうか。
9歳ぐらい(平安時代)で女らしくなって恋したり、16歳(戦国時代)で生首のプレゼントをもらったり、19歳(文明開化)で外国人に抱かれたり…、世紀を歳に見立てる手法は面白いアイデアでした。お父さんが原始人というのも納得です。
でもそれだけ。内容も乏しく、特に面白くもありませんでした。解説者による説明も必要性を感じませんでした。
文明開化後のエレベーターの不思議さに喜ぶ人々のシーンは何なんでしょう。あんなつまらないシーンで時間稼ぎされても困ります。
ところで、いつを起点にするかで答は異なりますが、今が21歳だとすると、我々人類が分別のある大人になるにはあと2000年ぐらい必要なのかもしれませんね。
満足度★★★★★
中身の濃い60分
途中で状況が把握できた時の快感は堪らないものがありました。
ネタバレBOX
コンビニ店長の家で、店長とバイトのカツオが酒を飲んでいるシーンからカツオと彼女のシーンへ移りましたが、そこに彼女がいるのに店長は知らない様子で、場面転換したのかしないのか分からない不思議な感覚に囚われました。
そして、男女が集まって、「13、ならず」というダウトに似たトランプゲームで金を賭けての勝負が始まります。
雷で家に帰るのが遅くなった人、全然関係ない人がいたのはさもありなんでスルーしましたが、西と東という言葉で取締の条例や気質の違いを強調したり、無精髭が伸びかかっているのに女だと言い張る人がいたりして、なんじゃろかと思っていました。
そして全ては、店長の家にいながらカツオがネットで非合法な博打をしている状況と分かると、一瞬にして脳内の雲が晴れました。そのときの快感といったら堪りませんでした。
ただそうなると、見学の女がカツオの手札を盗み見たという行為は、不正アクセスということなのでしょうか、ちょっとモヤモヤが残りました。
小学生の時のハルカかどうかは確信が持てませんでしたが、あの時間、雷のあった関東のどこか、ネットで調べればある程度は特定できます。店長のクレジットカードを使って博打したり、コンビニで不正発注する糞野郎カツオですが、三次元の恋が実ることを願いました。
最初のシーンで、店長の問い掛けに対して、「そうなんですかねえ」でしたか、何か曖昧な肯定の言葉にカツオの性格が良く現れていると思って感心しました。
満足度★★★★★
【オアシス編・デルタチーム】観劇
とっても楽しい。そしてチームワークが良かったです。
ネタバレBOX
武装地帯で無人の家屋を破壊する任務を担っていた傭兵部隊が、部族間の抗争に巻き込まれ命を狙われた少女をゲリラ地帯を突破して隣国に亡命させるために奮闘する話。
そもそも馴染みの薄い傭兵部隊をお芝居にしようとしたことに驚き、兵士一人ひとりに個性を与え、エンタテインメント性の高い作品にまとめあげたことに再度驚きました。
本部の指示に従って少女を武装地帯に放置するよう命じる糞は垂れるが冷静な伍長、猛反対するボンクラ、命令にも拘わらず少女を見捨てることのできない他の仲間たち、そして伍長のケンダマ作戦決行宣言…、けん玉やボンクラの専門性の妙味、ガクレキの銃の練習、伏線の回収も心地良かったです。
満足度★★★★★
真相を暴く!
緊迫感があり、スピーディな場面転換は素敵でした。
ネタバレBOX
ケネディ兄弟の悲劇をモチーフに、ケンドリック大統領暗殺事件の真相を暴く話。事件は16年間に亘って大統領職がケンドリック兄弟に独占されることを恐れた副大統領の陰謀によって引き起こされたものでした。
大統領側にも体調や薬物使用などのことで公にされたくない事柄もあり、検死をいい加減にして単独犯で済ませるなど事件を早期に収束させた面もあったようです。
登場人物それぞれの特徴が良く表現されていました。特に、FBI長官の裏と表の暗躍、漫画チックな体型が印象的でした。
満足度★★★★★
二人の愛情と執念と確執
座り芝居が多いため舞台は高目に設置、配慮が行き届いています。そのような中、淡々と、静かに、時間が経過していきました。
ネタバレBOX
出版社の紹介で定時制高校の先生をしながら作家活動を続ける夫が、不治の病で倒れた妻の看病をし、看取る話。
夫は作家志望で、恐らく二人は妻の両親に結婚を反対されたため駆け落ちをした夫婦だと思われます。作家としては地方の文芸誌に載るところまで成功はしていますが、性格的には人付き合いが苦手で全日制高校の先生を長期休養しており生活は苦しい状態が続いています。そして、元々身体の弱かった妻が倒れた当日は、夫が学校でクビを宣言された日でもありました。
編集者や大家さんはいい人でした。三好十郎作『浮標』と同じです。大家さんは溜まった家賃の請求をしませんし、出版社は原稿料は少額でしょうが金払いは良好でした。
不治の病にも拘わらず妻の親族に連絡しなかった夫の行動は、確執があったとしてもいささか不人情でした。
後妻候補に看護師さんを推し、以前の担当の女性編集者だけは絶対嫌だと意思表示をする、死を意識した妻のあざといまでの執念も大したものでした。
ところで、大家さん夫婦が彼女の異変に気づくまでの時間ですが、その前にも台所に行ってかなり時間が経ってから出て来ていましたから、少し早過ぎたように感じました。もう少しだけ間があればと思いました。
いずれにせよ、押さえておくべき作品を観られたことが幸せでした。
満足度★★★★
楽しい楽しい音楽劇!!
ひえー、そういうことでしたか。
ネタバレBOX
長年、妻がいなかった理由がそんなこととは驚きました。
音楽に乗っての進行はとても楽しいものでしたが、喉をからすほどの楽曲でも無いのに約1.5人の女優さんが声がかすれていたのは残念でした。脳内で美声を補って聴いていましたが、お客さんにそんなことさせてはいけませんですね。
中国人役の鯨エマさん、中国人ウマ過ぎでした。
ラストのトミーとお父さんの誓いのときに息子たちがお父さんを奪って出奔するようなシーン、意味が良く分かりませんでした。息子たちは父親の生き方を認めてあげたと思っていましたが…。
満足度★★★★
大衆エンタメ系
とっても楽しい活劇時代劇。
ネタバレBOX
阿片を扱っている黒幕の自作自演に巻き込まれた形の殺し屋グループの顛末。黒幕の思惑は、自分が殺し屋に狙われる程の大物で、かつ殺し屋を撃退できる能力を持つことを喧伝すること、さらに長年の悪事仲間が仕掛けたとして彼らを抹殺し旨味を独占することでした。主役の殺し屋、綿毛の千吉は死にましたが、黒幕始め悪人を退治、今後千吉の娘も殺し屋稼業をやめることになり、先ずはめでたし。
綿毛の千吉にはあまり華はありませんでしたが、娘役の一條こまさんは大衆演劇の劇団花月らしい匂いがし、キンキラキンの衣装の悪役どもにはそれらしい華がありました。
壺振りでのしょんべん、サイコロが壺からこぼれる現象が起こったり、刀がガシャーンと落ちたりもしましたが、それも一興、とても楽しい活劇でした。