KAEの観てきた!クチコミ一覧

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凡骨タウン

凡骨タウン

モダンスイマーズ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2010/02/05 (金) ~ 2010/02/21 (日)公演終了

満足度

「夜光ホテル」観ていないし…
私には、残念ながら、何一つ、心に飛んで来るもののない舞台でした。
登場人物の中に、僅かでも共感できるものがあれば、印象は違ったのかもしれませんが、私としては、「トワイライツ」の方が、ずっと感じるものがありました。
それに、萩原さんや千葉さん等、客演陣に依存し過ぎている印象がありました。
モダンスイマーズらしさが、どこかに置き去られているような淋しさがありました。
そろそろ、モダンスイマーズは、これを機に卒業しようかなと思っています。

アイ・アム・マイ・オウン・ワイフ

アイ・アム・マイ・オウン・ワイフ

燐光群

吉祥寺シアター(東京都)

2010/02/06 (土) ~ 2010/02/16 (火)公演終了

満足度★★★★★

燐光群の面目躍如
まず会場に入った瞬間、へえ!吉祥寺シアターってこんな使い方もできるんだ!と何だか秘密クラブに案内されたような高揚感。
「ハシムラ東郷」の時のように、今回の芝居も、何人もが一人の人物を演じる形式ながら、実際何人もいた「ハシムラ東郷」と違って、一人のシャーロッテを16人が代わる代わる演じるこの形式は、今回は、シャーロッテの実像がわからないというこの作品のテーマとも重なって、秀逸な手法だったと思う。
それに、久しぶりに、燐光群の役者さん達が、生き生きと役を演じている様が嬉しかった。
時々、坂手さんのオリジナル脚本は、役者さんが、坂手さんのメッセージの代弁者に過ぎないと感じられて、演じ手としての達成感はあるだろうか?と、余計な心配が頭をかすめるけれど、今回は、同じ役やその他の役を、皆さんがそれぞれ工夫して役作りされている感じで、何やかや言いつつ燐光群ファンの私には、気持ちの良いステージでした。
他の国の公演と比較できないけれど、、この舞台における坂手演出は、なかなか他にはないオリジナリテイを感じて、やはり坂手さんは、二人といない演劇界の異才かもしれないと、思いを新たにしました。

ネタバレBOX

最後に、16人のシャーロッテが、客席を回り、テーブルに置かれた、シャーロッテがまだ男の子だった当時の可愛らしい写真に自分の真珠のネックレスを掛けて行く。そうして、客席に写真への喚起を促した後、静かに語られる、写真のエピソードが、シャーロッテの人生を一気に私達に近づける、素敵な演出効果になっていました。
結局、長年に亘ってインタビューしたダグ・フライト自身も、彼女が語った自伝が真実かどうかはわからなかったのでしょうけれど、でも、シャーロッテが、持てる力を最大限駆使して、激動のドイツを生き抜いたのだという事実は、巧みな演出により、「アバター」のような、実際には見えない3D眼鏡を、心に掛けて観たような感覚で、鮮明にシャーロッテの人生を追体験した気分になれました。
And You 1'(ダッシュ)

And You 1'(ダッシュ)

+ new Company

ひの煉瓦ホール(日野市民会館)(東京都)

2010/02/14 (日) ~ 2010/02/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

清々しさではピカイチのカンパニー
わざわざ日野まで出向いた甲斐のある、素晴らしいレビューミュージカルでした。
ストーリー自体は、良くありがちなベタな内容ですが、とにかく、志ある若いカンパニーの潔いまでの熱い思いが心にズシズシ響き渡って、初演を観ているのに、また同じシーンで、涙腺が緩んでしまいました。
今回新たにオーディションで選んだというメンバーには、看護婦さんなど、社会人として働いていらっしゃる方もいるらしく、1ヶ月半前までは、歌も踊りも未経験の方もいるのだとか。
でも、そんなこと全く信じられない、クオリティ高いパフォーマンスの連続に、息子達の卒業式や合唱コンクールで、感涙した時と似た感動と高揚感を感じ、何度も胸が熱くなりました。
悩める高校生を演じた中村槙一郎さんが、役にピッタリの好演で、私が金八先生のプロデューサーなら、即刻生徒役にスカウトしたくなる感じでした。
エムキチビートの和田さんのダンスには惚れ惚れするし、麻衣子さんの殺陣はぞくぞくする程美しく、先生役の鈴木啓司さんは、期待通り生徒思いの先生がまさに適役でした。パテシエに憧れる高校生役の松本稽古さんは、純粋な思いが伝わり、一目でファンになりました。佐藤さんの「迷いつつ」は、相変わらず胸に染み渡る歌声…
何年も、助成金で、感動も面白さも皆無のつまらないミュージカルを上演し続けている劇団も数多いけれど、こういう真摯で、心打つカンパニーにこそ、助成金を出してもらえないかとつくづく思いました。
皆が心を一つにして、「そうらんぶし」を踊り、アンジェラアキの「手紙」を合唱し、その姿にたくさんの感動と、希望をもらえました。
次回、杉並の公演は、また違うメンバーになるのでしょうが、この志がある限り、次の公演もきっと素敵なものになるに違いないと確信しました。

そして彼女はいなくなった

そして彼女はいなくなった

劇団競泳水着

サンモールスタジオ(東京都)

2010/02/11 (木) ~ 2010/02/21 (日)公演終了

満足度★★

涙を呑んで★二つ、残念無念な思いのワケ
冒頭シーン、全ての登場人物が舞台に顔を出され、わあ、こんなに人が多くて覚えられるかしらと心配したのは杞憂に終わり、実にたくさんの人物の事情とストーリーを絡ませて、描く手法がお上手だと、まずは、作者の技量に感服しました。
役者陣も、皆さん、役のキャラクターをうまく表出される好演で、4幕になるまでは、★4つか5つかとワクワクしながら感じていました。
しかし、最後に、全ての事実が明らかになった時点で、その★は3つ消えました。
その理由は、このミステリー劇の最大の犯人が、誰あろう、作者自身であると気付いたからです。それも、相当な確信犯!
人物造型、時系列でない並べ方の妙等、大変手腕がある作家でいらっしゃるようですから、ミステリーではない上野さんの作品世界をまた拝見させて頂きたいと思いました。
永山さん、岡田さん、荒井さん、高見さん、村上さん、川村さん、たくさんの役者さんを、心に記憶致しました。
競泳水着の、ミステリーでない次回作に期待しています。

ネタバレBOX

本当に、皆さんが指摘され、大賛辞を贈られているように、細部に亘って実に緻密に計算された、申し分ない作品でした。彼女の失踪以前のストーリー運びにおいては。
でも、最後に、全ての真相がわかった時、瞬時に、作者のついた嘘が露見しました。
変質者でも何でもない人間が、あんなことをしでかして、その後、あんな風に、のうのうと日常生活を送っているわけがありません。
第一、真相がわかる直前の場面で、知世が書店に来た時、本屋が言うじゃないですか!「もう来るな。あれから、彼女(幸恵)はおかしくなってしまっているんだ」と。そのおかしくなった筈の幸恵が、涼子の失踪後、知世と喫茶店で会った時、何食わぬ顔で、事件について、平然と知らばっくれている場面がありましたよ。そんなことが、あり得るかしら?
私なら、あの後、幸恵は発狂して自分自身飛び込み自殺でもするか、彼女の方が、行方を眩ますか、とにかく、あんな風に普通に生活はしていないと思います。
本当に、役者さんも、全員好演でした。直接、事件に関与しない脇役の描き方も秀逸でした。時系列でなく、徐々に観客に事実を提示して行く、構成や、同じ場面の繰り返しも、お見事と言うしかありません。
それ故に、だからこそ、私は、作者がついたこの嘘を見過ごすことはできないのです。
帰宅して、レビューを書こうとしたら、皆さんのコメントに、作者ご自身が、ネタばれになりそうな語句を削除依頼されていることがわかりました。
こんな経験は初めてなので、大変驚いたと同時に、ここまで、ご自身の作品に愛があって、冷静に、皆さんの書いたレビューの難点を指摘できる方なら、ご自身の書いた台本に、人物造型上の矛盾や破綻があることは、重々ご承知に違いないと思いました。観客に真相を最後まで気取られないために、確信犯的に、作者は、このご自作の矛盾に蓋をしてしまったとしか思えません。
本当に、素晴らしい人物造型と役者陣の好演があって、それまで、感嘆して見守っていただけに、この作者の仕業は、私には裏切り行為のように、残念な出来事でした。
★二つは、役者さんに贈ります。
この森で、天使はバスを降りた

この森で、天使はバスを降りた

東宝

シアタークリエ(東京都)

2009/05/05 (火) ~ 2009/05/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

宣伝が下手でもったいない!!
シアタークリエは、どうしてこうもユーザーの心理に疎いのかと、いつも歯がゆい思いでいますが、この舞台も、好舞台でありながら、一般客を動員できる要素に欠けていたため、大変空席が目立ち、残念でなりませんでした。
主演の大塚ちひろさんが、女優さんとして、躍進の演技で、驚かされました。
剣さん、土居さん、田中梨花さんと、どちらかと言うと、女優陣が皆好演されていましたが、人の良い保安官役を演じた藤岡さんが、マリウスとは異なるキャラクターの役を自分のものにしていて、好感を持ちました。
何とも、心を浄化される、素敵な作品でしたから、是非、東宝さんには、仕切りなおして、再演して頂けたらと思います。

血は立ったまま眠っている

血は立ったまま眠っている

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2010/01/18 (月) ~ 2010/02/16 (火)公演終了

満足度★★

体感する舞台故に
昔も今も、どうも寺山作品は食わず嫌いで、敬遠しがちですが、今回は、森田剛さんと寺島しのぶさんに興味が湧き、観に行きました。
寺山作品は、頭で理解するより、体感する芝居だと、私は勝手に認識しているのですが、窪塚さんの演技には、まだ迷いが感じられ、寺山を感じさせるだけのパワーには欠けていた気がしました。
その意味で、寺山を、肌で感じさせるパワーが一番漲っていたのは、少年役の大橋一輝さんでした。
寺島しのぶさんは、独白の時の台詞が凛として、言葉の持つ意味が心にダイレクトに浸透し、さすがだと思いました。
でも、一番、私の心に響いたのは、森田さんの、演技者としての力量の確かさでした。核とした信念を持てないままに、兄のように慕うテロリストに、迷いつつ追随して行く17歳の青年の危うい生き様が見事に体現されていて、改めて良い役者さんだなあと感嘆しました。
キャスト陣は、皆さん個性的でしたが、演技者としての力量にバラツキがあったのが残念でした。

ネタバレBOX

コクーンの搬入口の外を見せてしまう手法は、コクーン歌舞伎でもお馴染みながら、最初から、外の光景が見えた舞台は、初体験でした。
開演前、その外の光景を目にしながら、寺山がこの作品を書いた頃からこれまでの日本国の生き様に思いを馳せてしまいました。
台詞に、山本富士子が出て来るので、私が小学生の頃の作品でしょうか?
若い皆さんはご存知ないと思いますが、山本富士子さんは、確か美人コンテストとかにも優勝された、それはそれは美しい、でも、演技はいつまでも素人っぽかった美人女優さんで、当時は、大人気でした。
あの頃の若者は、森田剛さん扮する良のように、皆が、今のままじゃいけない、何かをしなきゃと、もがき苦しんでいたような時代でした。
今の若者は、世界のことより、自分一人をもてあまし、自己の解放に悩んでいる人が多くなったのかも。
芝居を遠目で眺めつつ、そんなことを逡巡した、不思議な観劇体験でした。
遠ざかるネバーランド

遠ざかるネバーランド

空想組曲

ザ・ポケット(東京都)

2010/02/10 (水) ~ 2010/02/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

公演終了したので、改めて
フライヤーの絵に何かを感じ、ほさかようさんのコメントに、「この人は本物」の予感がして、一切事前の予備知識なく、観に行きました。
結果は、予感的中、いやそれ以上!!
半世紀以上の観劇歴で、こんなにも、静謐な感動に満ちて、劇場を後にした記憶がありません。
もしかしたら、「ピーターパン」ファンの方には不快な思いを感じさせるストーリー展開かもしれません。でも、子供の頃から、ファンタジーに現実逃避する童話等に何となく反感を感じていた私には、ダイレクトに心に響くストーリーでした。明確なメッセージがあり、それを具現化できる作演ほさかさんの才気、作者の構想を助ける美術等のスタッフの力量、作者の思いを完璧に体現した全ての役者陣の心ある演技に、心から惜しみない拍手を贈ります。
最近、高いチケット代を取りながら、ファン心理にあぐらをかき、再演舞台をより良くなどという気概もない、おためごかしの商業演劇を上演している、似非演劇人や、長台詞だらけの割には、空疎な演劇まがいの作品を舞台に乗せ、悦に入っているような、どこかの劇場主宰に、是非是非、この心ある舞台をご覧頂きたくなりました。そうして、少しでも、演劇人としての初心を思い出してもらいたくなります。本当の演劇の美しい姿が、この舞台には満ち溢れていました。
この舞台を創り上げて下さった全ての関係者に、心より、お礼を申しあげます。
★5つでは、とても足りません!

ネタバレBOX

冒頭、誰でも知っている「ピーターパン」のストーリーがテンポ良く、ダイジェストで語られる中、何故か、ちょっと胡散臭い感じのピーターパンの登場。何故だろう?と違和感を感じ、話はどうなって行くのか見当がつかないでいる内、だんだんと、誰もが知るネバーランドとは異質のストーリーがはめ込まれて行き、そのストーリー運びの巧さに、終始興味が尽きず、拝見しました。
ネバーランドの背景画がチャチなのも、ピーターパンが、詐欺師っぽい胡散臭さがあったのも、話が進むに連れ、大いに納得。
ネバーランドに、ウエンディの現実社会での情況が少しづつ織り込まれ、「飛ぼうとするな」と何度も訴える謎の少年の言葉が、実は飛び降り自殺を必死に阻止しようとする同級生の声だとわかった時、チャチなネバーランドの背景画が崩れ、一瞬にして、学校の屋上に変貌を遂げた様は、見事とただただ感嘆しました。
人魚なのに泳げないビスカと、敵役のフォガーテが心を通わせるシーンにはカタルシスを感じました。
以前から噂に聞く、ホチキスの小玉さんのタイガーリリーは、本当に存在感がピカイチで、クロムモリブデンの奥田さんは、同性でも惚れ惚れする愛らしさ。このお二人が、美術室での端末を異口同音に言う場面は、まるで双子のように息が合い、お二人の演技者としての並々ならぬ力量を物語っていて、良い意味で鳥肌が立つ程でした。
ティンカーベルの武藤さんは、最初犬山イヌ子さん似だと思ったのですが、母親役に変容されてからの演技には、何度も涙腺が緩み、すっかり彼女の演技に魅了されました。
謎の少年役の斉藤陽介さんの、必死に友達を救おうとする台詞には、心からの叫びがあり、この芝居を、全国のたくさんの若者に是非観てほしいと心底思いました。
少年と少女の指が近づくところで、照明が落とされて行くラストシーンは、本当に秀逸でした。
素晴らしい脚本と、それを体現されたこのカンパニーの全てのスタッフ、キャストに、賛辞を惜しみません。
CURTAINS(カーテンズ)

CURTAINS(カーテンズ)

テレビ朝日

東京国際フォーラム ホールC(東京都)

2010/02/06 (土) ~ 2010/02/24 (水)公演終了

満足度★★★★

意外と楽しいミュージカルでした
「キスミー・ケイト」とか、「42ストリート」風な、古き良き、ブロードウエイミュージカルのバックステージ物テイストに、一応殺人事件の謎を解くという、謎解き要素も加味した、娯楽ミュージカルで、肩が凝らずに、2時間50分、気楽に楽しめました。
東山さんの舞台はかなり久しぶりでしたが、ちょっとコロンボや古畑風の軽妙な警部役を、リラックスして演じていらして、大変好感が持てました。
変に、カッコいいだけの役どころでなかったから、逆に新鮮な魅力がありました。
鳳蘭さんの出番は意外にちょっと少なめで、残念でしたが、マルシアさんと綜馬さんの、元夫婦役コンビは、とても相性が良く、別の作品でもまた観たい組み合わせでした。
曲も耳馴染み良く、東山さんのコメディセンスとダンスの美しさも、堪能できて、良い意味で期待を裏切られた作品でした。

ネタバレBOX

コメディとは言え、やや、人が殺され過ぎる気がしました。最後の殺人事件はなくても、話は成立したのでは?
実の娘を思う故の犯行という件が、ちょっと跡付け的印象でした。でも、鳳さんの力で、納得はさせられてしまいましたが。
謎解きにシェークスピアの台詞がヒントになるという趣向が、」なかなかおつな感じで、センスを感じた脚本でした。
三日月堂書店

三日月堂書店

弘前劇場

スタジオ・デネガ(青森県)

2010/02/12 (金) ~ 2010/02/14 (日)公演終了

生まれて初めて拍手をせずに退場しました
劇中、映画の予告編に関する台詞がありますが、まさに、つまらない映画の脈絡のない予告編だけを延々1時間半見せられたような、生理的に不愉快な気持ちにさせられた作品でした。
スケッチだけで、ドラマ性が皆無。まだ、最初から理解不能だと認識できる、ポストドラマなら、納得もできるけれど、評判高いと聞いて期待した劇団だけに、本当に体に変調をきたしそうなくらいガッカリしました。
わかったのは、長谷川さんが博識でいらっしゃるということと、頭では気付いていらして、琴線に触れるような台詞を書ける方なのに、それを具現化されるのが苦手な作家さんなのかなということだけ。何度かちょっとだけ心に響きそうな台詞があったけれど、それをそのまま長谷川さんに投げかけたい気分でした。
ずっと、起きて、舞台を注視したにも関わらず、台詞の内容もほぼ全部、頭の周りを素通りして、一体この舞台上で繰り広げられている得体の知れない時空間は、何のための時間だろうと、終始腑に落ちない思いでいました。
私の心が動いたのは、ただ一点、最後に出てくるそうめんがおいしそうに感じたことだけでした。
たとえ、この劇団にどんなに親しい人が出演したとしても、金輪際観たくない劇団でした。
青年座のオムニバス劇で、長谷川さんに興味を持ちましたが、あれは、単に主演の嶋田翔平さんの好演のせいで、才能ある作家だと見誤ったのだと悟りました。
本気で、チケット代を払い戻したい気分でした。

標的家族!

標的家族!

流山児★事務所

Space早稲田(東京都)

2010/01/31 (日) ~ 2010/02/11 (木)公演終了

満足度★★★★★

杞憂でよかった!
実は、フライヤーのストーリーを読んで、これを流山児事務所でやるなんて、さぞ後味悪い思いで、劇場を後にすることだろうと予測していました。
ところが、あにはからんや!
初めて拝見する、演出の小林七緒さんの手腕がお見事で、非常に希望を感じる芝居になっていました。
前から拝見したかった佃さんの劇作の巧さにも感心しました。
次世代を担う育成公演のどん尻がこの芝居で、本当によかった!
育成対象の、演者小暮さん、音楽の諏訪さん、美術の小林さん、お三方とも、育成に相応しい技量をお持ちでした。
この育成公演①の俳小の舞台は、皆さんの演技の仕方に生理的に耐えられないものがあり、こんな演技者に助成しないでと内心思いましたが、この舞台の育成対象者はどなたも大変将来が楽しみな方ばかりで、ほっとしました。
いじめの標的にされる3家族の話ですが、一人でいじめに耐えるのではなく、家族同士が支え合えるという設定が、どこか安心して、舞台を直視できる所以だった気がします。
いじめられっ子だった経験のある佃さんならではの作劇だったと思います。
竹内銃一郎さんの「悲惨な戦争」をモチーフにした、不条理劇の体裁を取りながら、そこにどこにでもあり得るリアルな状況が活写された、実に胸に痛く、それでいて優しく届く、意外な秀作舞台でした。

トーチソング・トリロジー

トーチソング・トリロジー

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2006/11/20 (月) ~ 2006/12/07 (木)公演終了

満足度★★★★★

篠井さんの名演に、同じ時間を生きたように共感
橋本さとしさんを観たさに出かけ、思わぬ名舞台に出くわし、帰り道は、篠井さんの大ファンになっていました。
本当に、人間描写が秀逸で、何度涙したことか!
一緒に行った友人が号泣して、劇場の人に追い出されるまで、席を立てない舞台でした。
是非、もう一度再演してほしい舞台の一つです。

ネタバレBOX

木内みどりさんと篠井さんの、母子の葛藤場面が特に秀逸で、何度も泣いてしまいました。
朧の森に棲む鬼

朧の森に棲む鬼

松竹

新橋演舞場(東京都)

2006/12/29 (金) ~ 2007/01/27 (土)公演終了

満足度★★★★★

染感線ものの傑作
染五郎と新感線のコラボでは、阿修羅城の次に好きな作品です。
先に観ていた、70代の母がしきりに阿部さだおさんを大絶賛していましたが、私も同感!
大人計画は好きでないので、阿部さんには、もっと客演増やしてほしいと思いました。

ロープ

ロープ

NODA・MAP

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2006/12/05 (火) ~ 2007/01/31 (水)公演終了

満足度★★★★

前半と後半の出来がまるで違う
前半は、全然面白くもおかしくもなく、あー、やはり野田さんは好みじゃないなんて思って観ていたら、後半、予想だにしない展開となり、宮澤りえさんの迫力の好演に息を呑んで、見守りました。
ベトナム戦争についてはかなり調べたことがあるので、胸に痛くて、感動下と言うより、辛い気持ちで劇場を後にしました。

ひばり

ひばり

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2007/02/07 (水) ~ 2007/02/28 (水)公演終了

満足度★★★★★

松さんの台詞覚えに驚嘆!
橋本さとしさんを観たくて、行きましたが、松さんの凄さに驚嘆して、橋本さんの影が薄くなってしまいました。
それに、ストーリーがとても面白く、帰ってすぐ、映画の「ジャンヌ・ダルク」と見比べました。
山崎さんの悩める王様振りが秀逸でした。

コペンハーゲン

コペンハーゲン

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2007/03/01 (木) ~ 2007/03/18 (日)公演終了

満足度★★★★★

信じられないけど、面白かった!
鵜山さんの大ファンなので、物理学の芝居なんてチンプンカンプンだろうと、予想しつつ、観に行ったら、驚くことに、非常に面白く観られました。
村井さんてやっぱり名優だなと再認識。新井純さんと今井さんと、3人のベテラン役者さんと、名演出家のお陰で、万人受けする芝居になっていて、感嘆しました。

Angels in America

Angels in America

TPT

ベニサン・ピット(東京都)

2007/03/20 (火) ~ 2007/04/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

役者魂の宝庫的舞台
途中休憩を挟み、両方観劇。寒かったけれど、椅子は痛かったけれど、その苦痛を払拭する役者さんの熱演に感動しまくりの舞台でした。
中でも、エイズ患者役を、全裸で好演された斉藤直樹さんの熱演には、涙が禁じえませんでした。
エンジェル役を大熱演していた、チョウ・ソンハさんにも、この公演で、初めて注目。
長い観劇体験でも、新しい演劇を目にして、カルチャーショックを受けました。

夏の夜の夢

夏の夜の夢

新国立劇場

新国立劇場 中劇場(東京都)

2007/05/31 (木) ~ 2007/06/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

初めて面白いと感じた「夏の夜の夢」
昔々、自分も演劇部で上演したけれど、ちっとも何が面白いのかわからなかった作品。それから、あれこれ観ましたが、今回のケアード版はダントツの面白さでした。チョウ・ソンハさんのパックは圧巻でしたが、神田さやかさんもよかったなあ!
村井さんと麻実さんのコンビは、演劇の醍醐味を感じさせてくれました。

ウィキッド

ウィキッド

劇団四季

電通四季劇場[海](東京都)

2007/06/17 (日) ~ 2008/08/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

これはよかった!
基本的に、最近の四季には食指が動かないのですが、これは観に行って大正解でした。
とにかく、話がよくできている。「オズの魔法使い」のストーリーに矛盾なく、それ以前のお話をこんな風に新しく書いてしまえるなんて天才!
曲もとても良かったし、大好きなミュージカルの一つです。

野鴨

野鴨

メジャーリーグ

THEATRE1010(東京都)

2007/11/01 (木) ~ 2007/11/30 (金)公演終了

満足度★★★★★

セットもリアルで、凄かった
会場に入った瞬間、度肝を抜かれました。
まるで、森林の中の他人の家を盗み見している気分。
家政婦は見たを地で行く進境で、初めての異質な観劇経験でした。
タニノクロウさんに興味を持ち、その後ぺ二ノも観に行きましたが、こちらはやめておくんだったと後悔。
タニノさんとイプセン劇は非常に相性がいいので、オリジナル作品でないタニノさん演出舞台は、今後も楽しみです。

BALM in GILEAD(バーム・イン・ギリヤド)

BALM in GILEAD(バーム・イン・ギリヤド)

the company

新宿シアターモリエール(東京都)

2008/04/04 (金) ~ 2008/04/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

アッカーマンはスゴイ
うらぶれたダイナーで、同時にたくさんの人間が喋り倒す手法に圧倒されました。
薬中患者が禁断症状が出る中、ひとしきり独白する、チョウソンハさんの体を張った熱演に感動しました。
そして、何より、あの名優、中嶋しゅうさんがたった一言の台詞もなく、ただ徘徊している浮浪者ぶりにただもう感嘆してしまいました。

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