血は立ったまま眠っている 公演情報 Bunkamura「血は立ったまま眠っている」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★

    体感する舞台故に
    昔も今も、どうも寺山作品は食わず嫌いで、敬遠しがちですが、今回は、森田剛さんと寺島しのぶさんに興味が湧き、観に行きました。
    寺山作品は、頭で理解するより、体感する芝居だと、私は勝手に認識しているのですが、窪塚さんの演技には、まだ迷いが感じられ、寺山を感じさせるだけのパワーには欠けていた気がしました。
    その意味で、寺山を、肌で感じさせるパワーが一番漲っていたのは、少年役の大橋一輝さんでした。
    寺島しのぶさんは、独白の時の台詞が凛として、言葉の持つ意味が心にダイレクトに浸透し、さすがだと思いました。
    でも、一番、私の心に響いたのは、森田さんの、演技者としての力量の確かさでした。核とした信念を持てないままに、兄のように慕うテロリストに、迷いつつ追随して行く17歳の青年の危うい生き様が見事に体現されていて、改めて良い役者さんだなあと感嘆しました。
    キャスト陣は、皆さん個性的でしたが、演技者としての力量にバラツキがあったのが残念でした。

    ネタバレBOX

    コクーンの搬入口の外を見せてしまう手法は、コクーン歌舞伎でもお馴染みながら、最初から、外の光景が見えた舞台は、初体験でした。
    開演前、その外の光景を目にしながら、寺山がこの作品を書いた頃からこれまでの日本国の生き様に思いを馳せてしまいました。
    台詞に、山本富士子が出て来るので、私が小学生の頃の作品でしょうか?
    若い皆さんはご存知ないと思いますが、山本富士子さんは、確か美人コンテストとかにも優勝された、それはそれは美しい、でも、演技はいつまでも素人っぽかった美人女優さんで、当時は、大人気でした。
    あの頃の若者は、森田剛さん扮する良のように、皆が、今のままじゃいけない、何かをしなきゃと、もがき苦しんでいたような時代でした。
    今の若者は、世界のことより、自分一人をもてあまし、自己の解放に悩んでいる人が多くなったのかも。
    芝居を遠目で眺めつつ、そんなことを逡巡した、不思議な観劇体験でした。

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    2010/02/12 21:59

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