KAEの観てきた!クチコミ一覧

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パパは犯罪者!?

パパは犯罪者!?

LEMON LIVE

駅前劇場(東京都)

2010/01/30 (土) ~ 2010/02/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

愉快痛快傑作コメディの掘り出し物
こんなに幸せな気分で、小劇場で、楽しく笑えるコメディを観たのは、チャリT企画と8割世界以来かもしれません。

青年座の山路さんと、文学座の浅野さんが、小劇場で共演する面白そうな芝居と、作品そのものには、ほとんど期待もせず行ってみたら、これがもう、宝くじに大当たりしたような気分になる、素敵な超傑作コメディの決定版でした。

後ろ席の小学生の男の子が、ひきつけおこさないかと心配になるくらい笑い続けで、お母さんに笑いすぎをなだめられるくらい、万人受けする、ホントに傑作痛快劇でした。
作演の斉藤栄作さんは全くどんな方か何の知識もないのですが、一度で、大変気になる作家さんになりました。さりげなく、哲学的なメッセージを織り込まれる手腕も見事。作演のあざとさが微塵もなく、本当に観客本位の舞台創りをなさる方とお見受けしました。
コメディを愛する方や、コメディを上演する劇団の方には、必見劇だと是非おススメしたい、文句なし、超一級喜劇でした。

ネタバレBOX

何度か拝見して、あまり好きな役者さんではなかったみのすけさんが、初っ端から、信じられない好スタートで客席の笑いをかっさらい、その後登場される役者さんも、皆さん、すごく自然に客席に笑いを生み出す方ばかりで、始まり5分で、この芝居は大当たり!の確信を持ちました。
山路さん、強面の革命家が、拘るとこはそこかい!と、突っ込み入れたくなる、愛嬌のある役を楽しげに演じてらして、浅野さんは、カトケンでも何度かコメディのご経験はあるものの、今回程、コメディセンスを磨き上げられたなあと感嘆させられることはありませんでした。
紅一点の山神友恵さんの雰囲気もとても好感が持てて、一度でファンになりました。
皆さんのコメディならではの間の取り方が抜群なので、自然に楽しく笑えるし、ストーリーも予測できない展開で、最後のオチも気が利いていて、文句ない超一級娯楽劇の傑作でした。一回目のカテコで役者さん退場の後も、いつまでも熱い拍手が鳴り止まず、再度登場された皆さんのコメントがまた素敵で、久しぶりに幸せな気持ちで、劇場を出てまいりました。
LEMON LIVEさんに、心からのお礼を言いたい!!
広い世界のほとりに

広い世界のほとりに

TPT

ベニサン・ピット(東京都)

2008/10/29 (水) ~ 2008/11/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

様々な登場人物に共感して、泣きました
千葉さん、役者さんとしても名優ですが、演出家としての才能もある方と認識して、大変見応えある舞台を堪能できた時間でした。
若者、その親、またその親と3世代の苦悩が色濃く、繊細に描かれ、近年にない重厚な家族劇でした。
それぞれの役に、自身の思いが投影でき、誰彼共感しては、泣いてしまいました。
安奈淳さんがお元気になられたことも、涙の一因ではありましたが。

どん底

どん底

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2008/04/06 (日) ~ 2008/04/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

ケラさんの才能に気付かされた作品
「どん底」は、昔々、滝沢修さんの舞台を拝見したことがあり、もうとにかくひたすら暗いという印象しかなかったのですが、今回のケラ版を観て、あまりの面白さに面食らいました。
キャストも適材適所だし、生演奏などもあり、2幕の明るい外の風景にも目を奪われました。
こんな、若い人には見向きもされないだろう、新劇の古典を、若者向きに見事にアレンジした、ケラさんの天才肌の演出にただただ感服しました。
映像役者さんではダントツごひいきの江口さんの好演も嬉しくなりました。
ずっと以前から、江口さん、舞台でも活躍されたらと期待していましたから。
山崎一さんの演技が切なくて、涙が出ました。段田さんは、まさにはまり役。
こんな「どん底」なら、また見たくなると思いました。

フットルース

フットルース

劇団スイセイ・ミュージカル

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2013/08/08 (木) ~ 2013/08/11 (日)公演終了

満足度★★★★★

小野田レンは大成功!
小野田さんの歌唱力は、高校時代のデモテープを拝聴した頃から認知済みですが、ダンスはどうかな?とやや心配でした。

でも、幕開きから、その不安は払拭されました。

彼は、メインとしての華があるだけでなく、チームを統率するリーダーシップも併せ持っているようなので、この役には、ピッタリでした。

「ヒーロー」は、いつ聴いても、元気をもらえるし、歌唱力のある人の歌う「オールモストパラダイス」は、心に沁みます。

行けて、観られて、聴けて良かった!

若かりし頃、彼と観た映画館での会話も懐かしく思い出され、60近い年齢になっても、胸キュン現象、起きました。

ネタバレBOX

カーテンコールで、牧師役の川崎さんと、奥さん役の川島さんが、劇中では歌わない「オールモストパラダイス」をデュエットされ、そうか!何十年も前なら、このお二人のレンとアリエルの組み合わせも良かったかもなんて思いました。レンの母役は、たぶん、「ひまわり娘」の伊藤咲子さん。ずいぶん、時は流れたなあと実感するばかりでした。

牧師役が、熟練の川崎さんなのも、成功キャスティングだし、川島さんの奥さん役が、意外とはまり役で、舞台に真実味を増しました。

スイセイミュージカルの方達のダンスも息が揃い、観ていて、爽快感がありました。

この作品、何度観ても、レンとアリエルの気持ちが接近して、高架線の陸橋下での「オールモストパラダイス」のデュエットに繋がる場面には、心が揺さぶられます。今回は、小野田さんと、星野さんの歌唱力も安定し、二人の声もピッタリ合わさっていたので、尚更に感動的な場面でした。
非常の人 何ぞ非常に ~奇譚 平賀源内と杉田玄白~

非常の人 何ぞ非常に ~奇譚 平賀源内と杉田玄白~

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2013/07/08 (月) ~ 2013/07/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

名作ではないでしょうか
マキノさんの舞台はずいぶん拝見していますが、面白い時とそうでもない時が両極端で、正直、この舞台には、それほど期待していませんでした。

でも、観てビックリ!とても切り口が斬新で、素敵な人間賛歌の作品だったように感じました。

キャストが、これまた秀逸!岡本さんの舞台もかなり拝見していますが、今回の杉田玄白役、私は、最高に好きです。たくさんの役を演じ分ける、篠井さん、奥田さんの演技力も、魅力のひとつ。

特に、篠井さんは、ありとあらゆる脇役を楽しげに演じていらして、こちらまで、嬉しい気持ちになれました。

高校時代、「天下御免」で、平賀源内には興味を持った私ですが、彼の内面の悲劇には、その頃は思い至ることはありませんでした。今回の舞台を観て、改めて、源内の生涯に興味を感じてしまいました。

それにしても、マキノさん、万人受けする劇作の方法を体得された気がします。この作品、杉田玄白や平賀源内のことを何も知らなくても、十分楽しめる作品です。空席があまりにももったいないので、是非、皆さまいらして下さい。
もちろん、蔵之介さんファンには必見舞台間違いなしです。

ネタバレBOX

先人というのは、とかく、その時代には受け入れられないものですが、源内の悲劇的な最期は、観ていてかなり辛い気持ちになりました。

あまりにも天才過ぎて、彼の気持ちに同調する人間がいなかったのだろうとする玄白の言葉が胸に応えました。

長く庇護して来た佐吉を庇って、殺人の身代りを名乗り出る場面で、佐吉を抱きしめる蔵之介さんが、暖かそうに抱いていると思ったら、その後源内が、「佐吉を抱いて、人は暖かいと初めて感じた」というような台詞を言うので、驚きました。蔵之介さん、そこまで、人物の気持ちを体現できる役者さんなんだと改めて、感動!!

源内と玄白をどういう視点で描かれるのかと興味があって、観劇したのですが、ただの年表芝居にはならず、二人の人間関係と、性格の違いに主軸を置き、丁寧に、歴史上の人物を舞台上に蘇らせた、キャスト、スタッフの力量に、演劇の楽しさを満喫できる、見事な名舞台だったと感じました。

素直に笑える要素がふんだんにあった点も、とても嬉しくなる作品でした。

ただ、私は、大学時代、西鶴の書物を読み漁ったので、衆道、男色、蔭間などの言葉の意味はすぐにわかりますが、他の観客にはどうだろう?とちょっと気がかりな部分はありました。
沈没のしらぬゐ【池袋演劇祭にて豊島区町会連合会会長賞受賞!!有難う御座いました!!】

沈没のしらぬゐ【池袋演劇祭にて豊島区町会連合会会長賞受賞!!有難う御座いました!!】

蜂寅企画

小劇場てあとるらぽう(東京都)

2012/09/05 (水) ~ 2012/09/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

恩師に、時代劇作家中尾ありと報告したくなる
今でも、心の中に往き続ける、時代小説の大家である、我が恩師に、「知り合いの中尾さんという劇作家が素晴らしい才能なんですよ」と墓前に報告したくなってしまいました。(バックの中の遺影には、早速報告しましたが…)

旗揚げから、拝見していますが、今回の作品は、今のところ、最高傑作だと思います。

人物一人ひとりの心情が丁寧に描かれているし、観客に、情報提示する、脚本の頃合が絶妙で、構成の巧みさに感心します。

舞台セットのセンスも抜群。

役者さんも、公演の度に、進化されて、有名な脚本家の作品を、商業演劇で上演する時代劇などより、悠にクオリティの高い作品でした。

ただ、欲を言うなら、髪型と、帯に、もう少し、配慮がほしいと思いました。
特に、花嫁姿の場合において。

会話の中に、人魚のたとえ話が出て来ますが、ヨーロッパならともかく、あの時代の日本で、人魚という概念があったかしらと、その部分も、ちょっと違和感を感じました。
「浦嶋太郎」の方は、似たような伝承が、中世から伝わっていた筈で、OKかなとは思うのですが。

ネタバレBOX

花嫁の死因を、関係者が、それぞれ、証言していく構成。

導入部分から、観客の興味を持続させる、脚本の構成の巧みさに、舌を巻きました。

何人かの関係者の証言によって、構成する芝居は、ともすると、時間経過が不明瞭になったり、同じような場面が微妙に変化しつつ、何度も繰り返されたりして、観客としては、頭が混乱したり、結局、何が真実なのか見えなくなって難解な芝居になりがちですが、中尾さんの脚本は、その情報提示の頃合や、人物の心情描写の順序設定などが、絶妙で、ストーリー運びとしても、矛盾が一切なく、終始不愉快な気持ちにさせられずに済み、爽快でした。

登場人物の人数や、性格づけ、エピソード、他の人物との関係性等、全てが、脚本的に卓越していました。

見終えてみたら、悪人が誰もいなかったなと気づき、その点でも、好感触でした。

キャストの皆さんも、それぞれ、役をしっかりと生きて良い演技をされていましたが、特に、たつき役の山口さんの健気さが、胸に沁みました。
ミス・サイゴン

ミス・サイゴン

東宝

青山劇場(東京都)

2012/08/22 (水) ~ 2012/09/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

新妻キム、更に良し!!
今日は、当初観る予定ではなかったのですが、ひょんなことから、観劇。

先日、新演出に、驚嘆したので、今日は、わかった上で、丹念に、注視して、再観劇。更に、満足度が高まりました。

先日は、気づかなかった、エレンの新曲も、よく耳を欹てて聞いたところ、メロディは、以前の曲の方が印象深いものの、内容的には、エレンの心情を良く説明していて、理解度が増した気がしました。

新妻さんのキムは、初演の時には、ぎこちなかったのですが、その後、いろいろな難役を経験されて、深みの増したキムとして、戻っていらっしゃいました。

こうなると、知念キムも、もう一度拝見したくなりますが、時間もチケットもなくて、残念無念。

相変わらず、幼少のタム役者君に、脱帽!

ネタバレBOX

いつも、公演中盤から、市村さんのアドリブが加速するので、今回も危惧していたら、先日は、なかった台詞が幾つか加味されていました。

今日のところは、舞台内容に支障がない範囲ですが、基本的に、コメディでない作品に、あまり個人的なアドリブを持ち込むことには、賛成出来かねる思いがあります。

客席のカーテンコールの拍手が、喜びに満ちていて、一緒に行った長男が、幕間に、「ミス・サイゴンって、こんなに、面白い作品だったっけ?」と驚いていました。彼も、本田美奈子さんと岸田聡さんのコンビから、観て、今回の観劇は4回目でした。

満席の理由がよくわかる、素晴らしい、改良「ミス・サイゴン」、更に、実感を強めました。
華麗なるミュージカル音楽の世界 ガラコンサート2012~サットン・フォスター来日記念スペシャル~

華麗なるミュージカル音楽の世界 ガラコンサート2012~サットン・フォスター来日記念スペシャル~

サンライズプロモーション東京

新国立劇場 中劇場(東京都)

2012/09/15 (土) ~ 2012/09/16 (日)公演終了

満足度★★★★★

申し訳ないような気分
トニー賞を2度も受賞された、サットン・フォスターさん、皆さん、日本のミュージカルシンガーが口を揃えて、「可愛い!」とおっしゃっていた通り、お人柄も素敵な雰囲気で、日本キャストの中にも自然に溶け込んで、全てに魅力的な女優さんでした。

歌良し、ダンス良し、演技良し、スタイル良し、性格良しで、非の打ち所がない感じ。

他の日本側の出演者も実力派揃いで、日本にいて、こんなチケット代で、堪能させて頂けるなんて、幸せな一夜でした。

ネタバレBOX

サットンさんは、特別枠で、ご出演なのかと思っていたら、普通に、日本キャストと同じ配分で、歌唱曲数も、出演時間も、特別扱いなし。

それを、嫌な顔もせず、真面目に、ステージを務めて下さる姿に、一目でファンになりました。

毎年、トニー賞の授賞式はテレビで観ているので、目の前に、本当にサットンさんがいるだけで感激!夢のようでした。

いつもなら、しゃしゃり出過ぎな俳優さん達も、サットンさんがいるからか、悪目立ちする人もなく、静かに、ミュージカルの名曲を、心ゆくまで、堪能することが出来ました。

サットンさんは、もちろんのこと、いつもより10歳は若返って見えた綜馬さん、
歌がどれもピッタリだったシルビアさん、キュートな昆さんと藤岡さんの微笑ましいデュエット、保坂さん真骨頂の「マンマミーァ」、姿月さんの「レベッカ」、石井さんと彩乃さんの「ウェストサイド」のデュエットなど、見どころ、聞き所満載でした。

玉野さんも、「クラブ7」が終ってすぐの振り付け、ご出演で、大変だったでしょうに、見事に、統一の取れたステージを見せて下さいました。
最後の、サットンさんの「モダン・ミリー」は、日本キャストの上演を観なくて正解だったとつくづく思わされました。英語の歌詞はわからなくても、表情と歌い方で、彼女が如何に演技力が素晴らしい方か、存分に思い知らされた歌唱に息を呑みました。

サットンさん主体の選曲なので、無理もないのですが、最初に、日本のミュージカルファンには、比較的馴染みの少ない、コール・ポーターの曲を集中させた点と、「エニシング・ゴーズ」で、アンサンブルのタップの音がややうるさかった点を除けば、選曲、構成共に、充実した内容だったと思います。

ただ、欲を言えば、綜馬さんと石井さんの「チェス」の女性デュエット曲の選択は、やはり選曲ミスではと感じました。

先日の「ミリオンダラーカルテット」と言い、トニー賞受賞者を3人も、日本にいながらにして拝見できて、何だか申し訳ないような気分です。

そうそう、気になっていたことがあり、演劇ライフを見たら、じゅれさんのご感想で、腑に落ちました。レミゼの「ワンディモア」のアンジョルラスの陰声はどなたかと思っていたら、どうやら姿月さんだったようです。
今思えば、2度と拝聴できないレミゼカンパニーですね。しっかり記憶に留めます。でも、できれば、姿月さんのアンジョルラス、肉眼で観たかった!
(以前、記念公演の余興で拝見した、大浦アンジョの雄姿が未だに忘れられません。)
ベスト・ミュージカル ~新日本フィルとともに~

ベスト・ミュージカル ~新日本フィルとともに~

DISK GARAGE

すみだトリフォニーホール(東京都)

2009/09/26 (土) ~ 2009/09/26 (土)公演終了

満足度★★★★★

登録されてたんだ!
実は、企画、選曲で参加したステージでした。
準備が大変でしたが、アンケートが、好評で、それまでの疲れが一気に吹き飛びました。
また、できるといいなあ!

トーチソング・トリロジー

トーチソング・トリロジー

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2006/11/20 (月) ~ 2006/12/07 (木)公演終了

満足度★★★★★

篠井さんの名演に、同じ時間を生きたように共感
橋本さとしさんを観たさに出かけ、思わぬ名舞台に出くわし、帰り道は、篠井さんの大ファンになっていました。
本当に、人間描写が秀逸で、何度涙したことか!
一緒に行った友人が号泣して、劇場の人に追い出されるまで、席を立てない舞台でした。
是非、もう一度再演してほしい舞台の一つです。

ネタバレBOX

木内みどりさんと篠井さんの、母子の葛藤場面が特に秀逸で、何度も泣いてしまいました。
ミリオンダラー・カルテット

ミリオンダラー・カルテット

TBS

東急シアターオーブ(東京都)

2012/09/05 (水) ~ 2012/09/17 (月)公演終了

満足度★★★★★

陰の名プロデューサーの悲哀に涙
たぶん、日本広しと言えど、こんな気分で、泣きながら、この舞台を観ていたのは、私一人だけかもしれない。

この歴史的一夜の出来事は、私がまだ2歳の冬。ですから、当然、この出来事に個人的思い入れも皆無なら、プレスリーを、当時、テレビ映像で観た以外は、後の3人の歌手のことはほとんど知りません。

では、何故、こんなに、涙が頬を伝うのでしょう?

それは、この作品が、陰の名プロデューサーの悲哀をきちんとドラマ化しているからだと思うのです。

祖父や父や叔父や主人を通して、これまで、たくさんの無名な名プロデューサーのその世界(出版界、演劇界、映画界、音楽界)への愛情と悲哀の歴史を、山ほど見聞して来ました。

先日も、演歌界のゴタゴタのニュースを見たりしました。

だから、この舞台に登場する、サン・レコードのサムが、私には、祖父や父や夫の姿に見えました。何もかも、心の琴線に触れて、涙を堪えることができませんでした。

ロックンロールの上手い下手はよくわからないのですが、キャスト陣、噂に違わず、超一流揃いでした。

もっと、物真似ショー的なステージを想像していたのですが、さにあらず!
本当に、素晴らしい人間ドラマでした。

何だか、宣伝が、画一的で、ロックンロールファンでないと、観る価値がなさそうに感じる宣伝の下手さが、この作品の素晴らしさを一般に伝えていない気がして、非常にもったいないなと思いました。

経済とHの佐藤さんが、現地でご覧になった感想をネットで発表されていて、大絶賛はされていなかったので、逆に、観てみたいと思ったのですが、行って本当に良かった!!劇場も、大変観易くて、素敵でしたし、これは音楽ファンでない方にも、是非おススメしたい舞台でした。

ネタバレBOX

構成が、なかなか巧みでした。

奇跡のセッションの単なる物真似ショー的な、ストーリー性の弱いステージを想像していましたが、全く違います。

細かい部分まで、登場人物の心象表出がしっかりと演出されています。

ところどころで、サムの回想シーンをうまく織り交ぜ、4人のシンガーの代表曲の披露などもあり、エンタメと、人間ドラマの交互の見せ方が上手でした。

プレスリー役のエディーさんの歌唱は、耳に覚えのあるプレスリーにそっくり。ジョニー・キャッシュ役のデレクさん、プレスリーの恋人役の女優さんの歌が抜群!カール役のリーさん、サム役の男優さんの演技の確かさ、ジェリー・リー・クライス役のリーウ゛ァイさんは、演技も、ピアノ捌きも文句のつけようがない、芸達者ぶり。

久しぶりに、質の高い来日ミュージカルに魅了されました。

最後に、サムが育てた歌手が、皆自分から離れて行くことを知らされた彼が、「記念写真を撮ろう!」と提案して、シャッターを切った瞬間、一瞬場内が暗くなり、フラッシュがたかれ、明るくなると、実際の4人の本物の記念写真が壁に映し出され、客席に歓声が沸きあがりました。

何と、感動的な幕切れかと、更に涙で、見えなくなってしまいました。

その後の、カーテンコールでの、ミニコンサートは、往年のファンの方には溜まらないスペシャルサービスのひと時でした。
ZIPANG PUNK ~五右衛門ロックⅢ

ZIPANG PUNK ~五右衛門ロックⅢ

劇団☆新感線

東急シアターオーブ(東京都)

2012/12/19 (水) ~ 2013/01/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

若手二人が美しい!!
還暦間近のおばさんのクリスマスは、一人新感線。

「シレンとラギ」が今一つだったので、あまり期待せずに行きましたが、やっぱり、五右衛門シリーズは、文句なく楽しいわ!

細かいことは置いといて、ともかく、充実の客演陣と劇団主要メンバーが、久々に、一堂に会して、新感線ファンなら、大満足の舞台だと思いました。

三浦さんと、浦井さんという若い実力派が、華麗な殺陣で新風を吹き込み、年齢を重ねた、古田さんとじゅんさんは、あえてご愛敬的なデフォルメ殺陣で、逆に、舞台にもコントラストが出て、楽しい空気でした。

蒼井優さんは、か細いんだけど、円やかで、曰く言い難い魅力ある歌声。

高橋さんは、もはや重鎮の域。草葉の陰で、山岡久乃さんが、目を丸くしていらっしゃるかも。

地球ゴージャスで、驚いた三浦さんの歌はふんだんにあり、姿、顔立ち、美声と何拍子も揃って、この人、ズルイ!と思う程。彼が演じる「レミゼラブル」のマリウスをいつか拝見したいなあと思いました。

麿さんの秀吉は、まさにこんな人だったろうと思うはまり役。出番が少なく、残念でした。「SHIROH」の江守さん同様、村井さんのような、ベテラン舞台人が、こういう役どころで、新感線に出ると、やはり舞台が締まって、大好き!!

やや、今の日本の状況を皮肉る台詞などもあり、エンタメ作品なれど、なかなか奥深いものもありました。

ただ、残念だったのは、音響の反響のせいだろうけれど、歌になると、歌詞がほとんど聞き取れず、画面に出る歌詞以外は、想像を逞しくして、聴かなければならず、やや疲れました。

カーテンコールで、出演者名を、本人の横にテロップで出すアイデアは、観客に親切で、好感が持てました。

ネタバレBOX

浦井さんが、「薔薇とサムライ」のシャルル役だったのは、全く知らなかったので、登場した途端、サプライズプレゼントのような喜びでした。

天海さんの映像出演のおまけもあり、贅沢!

最近、暗号を解くのに、凝っているので、謎解きとしても、かなり楽しめる内容でした。

浦井さんとじゅんさん、浦井さんと三浦さん、浦井さんと高橋さん、三浦さんと蒼井さん、それぞれのデュエット曲が、視覚的にも聴覚的にも美しいのですが、もう少し、メロディアスな曲調なら更に良かったのにと、惜しまれます。

それにしても、浦井さんの腕の上げ方の美しさ、三浦さんの華麗な裾捌きには、見とれてしまいました。
このお二人の共演、また別の舞台でも、是非拝見したいものです。

「白波五人男」風な、勢揃いの場の名乗りあげは、観ていて、爽快!!
新感線らしい、年末の舞台に、元気をもらって帰途につきました。
フォーカード

フォーカード

劇団青年座

紀伊國屋ホール(東京都)

2016/04/15 (金) ~ 2016/04/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

劇作力と、演技力の見事なコラボ
久々の鈴木聡さん作の青年座の芝居。楽しみにしていた反面、正義感の強い自分には、不向きな作品ではと、内心危惧していましたが、杞憂でした。

面白いの何の!

それに、うまい具合に人情喜劇になっていて、改めて、鈴木聡さんの劇作力脱帽!

昔、映画の「スティング」にワクワクした自分を思い出しました。

時事ネタもうまく織り込み、それが、この芝居の裏テーマにもなっているおつな趣向。

役者さんは、新劇の養成所出身のフォーカード役の4人は、もちろんのこと、喫茶店に集う客全員が、パーフェクトの演技で、またしても、青年座は凄い!を実感しました。

ネタバレBOX

詐欺を働く、4人の、養成所卒業生の、ペテンの稽古がとにかく愉快!

喫茶店に集う、カップルや、親子、友人関係の描写がこれまたお見事!

最近の文春ネタを、ただ盛り込むだけではなく、そのネタを通して、主人公の4人以外にも、きちんと、ストーリーを肉付けできる、鈴木さんの劇作家の才に、呻りました。

千鶴が、ペテンに、昔の同期生を誘った理由も、現代の問題を照射していて、随所に、作者の問題提議がほの見える塩梅も、素敵!

最後のどんでん返しも巧妙だし、終幕の、喫茶店の店主と、老婆の会話も、味があって、青年座の芝居を、世のたくさんの演劇ファン全員に観てほしかったと強く思いました。

青年座の芝居は、なかなか映像に残らないのが、とても残念でなりません。
上手に笑えないまさこさん

上手に笑えないまさこさん

ペテカン

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2013/09/04 (水) ~ 2013/09/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

益々好きになる劇団
長く演劇を観ていると、最初好きでも何度か拝見する内に、手の内が見えたり、個人的に裏切られた思いがしたりで、自然と足が遠のく劇団もあるのですが、ぺテカンは、拝見する度、満足度が大きくなる劇団で、今回の芝居は、とても自分好みで、久しぶりに、笑顔で会場を後にすることができました。

遊び心と優しさに満ちた脚本、お洒落な演出、強靭な役者力で、私にとっては理想形に近いお芝居でした。

19人もの登場人物を配して、ストーリーが散漫にならず、各人に存在価値がある芝居が書ける本田さんの才能に感嘆してしまいます。 

結婚式場に打ち合わせに訪れるカップルそれぞれに、親近感が湧き、登場人物全員に愛着を感じてしまいました。

笑って、泣いて、とても素敵な舞台でした。

ただ、お父さんは、ラサールさん以上に、適任者がいたのではという気もしました。

ネタバレBOX

結婚式場の両側にある椅子に、交互に、打ち合わせカップルが座るのですが、出捌けの時に、もう少し、他方を暗くして、目立たなくした方が、進行を妨げないのではと感じました。

まさこが、書き溜めた格言の名文句に一々同感し、何かと注文の多い綾乃を宥める大熊の殺し文句にときめき、気弱な新郎を差し置いて、しゃしゃり出る姑と嫁の、シュガーの「ウエディング・ベル」の替え歌デュエットに大笑いし、昔俳優をやっていたという駒田の出演作を聞く、トリオ漫才風なシーンに受け、デフォルメ表現の芸能人カップルに笑顔を貰い、来ない彼女との思い出を語る児玉にやや気持ちを持って行かれ、…etc.

とにかく、登場人物それぞれのエピソードが、一々、心の琴線に触れました。

人気番組の「相棒」や「あまちゃん」や「半澤直樹」のネタの出し方にもセンスが光り、最後のミスチルの「花火」のカラオケのビデオクリップの出来栄えには、感嘆ものでした。役者をやっていたという駒田が、上記のような「人気番組には出たことないけれど、どこかで、映像で観たら笑ってやって下さい」と言った台詞を受けて、あのカラオケの映像では、駒田が最初に登場するんでしょうね。そういう細部の作りに、本田さんのセンスが感じられて、本当に、この劇団、大好きです。

役者さんも、美男美女揃いで、その上芸達者な方ばかりで、いつ拝見しても、類稀な劇団力に、感激します。

もう役者の足を洗ってしまった家族に、役者時代に、ぺテカンの芝居を見せてやりたかったと激しく後悔しきりでした。
幽霊たち

幽霊たち

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2011/06/14 (火) ~ 2011/07/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

傑作舞台に興奮!相性の良い佐々木・白井組
終演後、たくさんの方が異口同音に、「難しかったね。よくわからなかった!」と感想を述べていましたが、私は、ワクワクするほど、面白かったし、佐々木さんの演技も、白井さんの演出も、共に、近来稀に見る必見舞台だと感じられました。

カフカの描く世界にも似た、一見不条理系の芝居にも見えるのですが、実際は、人間誰しもが抱えている、根源的命題がテーマの非常に卑近なストーリーなのだと感じます。

白井さんと佐々木さんの取り合わせは、大変相性が良く、終始ワクワクし通しでした。

奥田さんは、もちろん存在感では、何も申し分ないのですが、やはり舞台慣れされていないせいか、時々、台詞を咬みそうになったり、つっかえたりする一瞬、慌てるご本人が顔を出してしまった時があり、その一点が惜しい部分でした。

私が蔵之介さんのファンになったのは、舞台がきっかけでしたから、今でも、舞台俳優の佐々木さんのファンで、彼の舞台は、チケットが入手できなかった時以外、全作品拝見しています。

そして、いつも思うのは、舞台俳優、佐々木蔵之介は、当代一の名役者だという感嘆にも似た喜び!
ファンとしては、こういう喜びを感じさせて下さる役者さんには、感謝の気持ちが溢れます。
映像のみの蔵之介ファンの方に、是非とも観て頂きたい舞台でした。

ネタバレBOX

白井さんの演出には、いつも本当に驚かされます。

どうして、原作の良さを更にレベルアップして、こんなに、白井流においしく料理できてしまうのでしょう!

最初のシーンから、最後のシーンまで、何度、心の中で、お見事!と賞賛の声を発したか、わからないくらいでした。

この作品、登場人物の名前が色で統一され、もちろん衣装もそのカラーなので、一人何役もしていても、色で見分けがつくし、これが、演出的にも大変効果的。

スリリングな展開ながら、途中、挿入される、主人公の過去の記憶の中の出来事が、実にわかりやすく提示され、難解な芝居を単純明快に描く演出の技量が並外れて秀逸です。

探偵であるブルーは、仕事で見張っていた筈のブラックに、自分がどんどん同化して行き、結局、ホワイト=ブラック=ブルーとわかるのですが、内面の自己と対峙し、協調したり、共鳴したり、敵対したりといった、人間の自己内面の複雑さを、舞台上に、切り取って表出するこの作品の独自性を、白井さんは、オリジナルのソースで、巧みに味付けされ、極上のお料理を堪能させて頂き、観客として、大変幸せでした。

まだ、ブラックの正体が解明されない時にも、ブルーが、最初にナレーションする「オレンジは、後のミセスブルー」という紹介により、この芝居の帰結が、悲惨なものにはならないだろう予測がつき、安心して、舞台に身を任せられていたようにも思います。

ポール・オースターの作品も、この芝居の中で、例示される別の作品も、共に、興味が湧き、読みたい小説や観たい芝居がまた増えました。

蔵之介さんには、いつか、カフカの作品を、また白井演出で、取り上げて頂きたいなという新たな期待もしたくなりました。
OH!マイママ

OH!マイママ

劇団NLT

博品館劇場(東京都)

2009/10/22 (木) ~ 2009/10/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

大好き!こういう作品
ただ単にドタバタコメディに終始せず、ほろっと人情を感じさせる、心憎い上質コメディで、こういう舞台は大好きです。
私の好きなミュージカル「ラカージュオフォール」にも通じる世界観で、最初から最後まで、快く笑って楽しめる舞台でした。

NLTの中でも、素敵な演技をされるキャストの集結だったので、安心して、話の流れに身を委ねることができました。

最初のダンスシーンが、後になって種明かしされる構成も、小粋で、しゃれた演出でした。

コメディ老舗劇団の面目躍如たる公演でした。

フリック

フリック

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2016/10/13 (木) ~ 2016/10/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

大好きなんです、こういう芝居
市井の若者の人間模様が秀逸。

ほぼ3人芝居で、同じ職場で働く若者達が、日々の会話の中で、御互いを深く知るようになり、関係性を深めて行く様が、実にリアルに投影されます。

アメリカやイギリスでの上演では、もっと人間描写が、ギスギスした感じなのではと想像しますが、マキノさんの演出は、どこか、日本の人情喜劇風な色彩でした。

木村さん、ソニンさん、菅原さんの、等身大の人物造形が秀逸で、3人とも大好きになってしまいました。

マキノさんは、群像時代劇などより、こういう登場人物の少ない、現代劇の演出手腕は抜群だなあと、嬉しくもなりました。

観客の入りが少ないのが、何とももったいない公演でした。

ネタバレBOX

寂れた映画館で、エイウ゛リーと新入りのサムの二人が、客席の掃除をするシーンが、概ね、8割を占める芝居。

掃除をしながら、二人が会話を重ねて行く内に、映画の趣味は全く違うのに、お互いに、好感を持つようになり、やがて、映写室で働くローズも加えて、3人の関係性が変化して行く様が、絶妙な描写で進行して行きました。

会話で、語られる映画を全て観ていたら、より深く、この作品に共鳴できたのにと、ちょっと残念!

人間は、誰しも、秘密や不安を抱えていて、それを、心を通わせられる相手をみつけると、相手に依存したり、相手に期待し過ぎてしまったり、勝手に、信じすぎて、裏切られたような気持になったり、そういう、誰にでもある経験を丹念に掬い取った戯曲が秀逸で、あるある度100%で、舞台の3人に、気持ちを同化させて、観ていました。

もっと、宣伝して、再演してほしい芝居です。
三大ミュージカルプリンスコンサート StarS

三大ミュージカルプリンスコンサート StarS

アトリエ・ダンカン

東急シアターオーブ(東京都)

2013/05/08 (水) ~ 2013/05/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

和やかで楽しいコンサートでした
井上さん、浦井さん、山崎さんと、どなたも初舞台から拝見しているミュージカル俳優さんなので、、半ば、身内意識的な思いも加わり、期待半分、心配半分で、観に行きました。

これを機に、3人で「Stars]というミニアルバムも出され、そのトリオとしてのコンサートなので、3人で一緒という形式の選曲、構成が多く、本音を言えば、もう少し、各自のソロを楽しみたかったという欲もありますが、結果的に、チームワークも良く、トークも愉快で、和やかな気持ちになれる素敵なコンサートでした。

歌手としての実力は、やはり、ダントツ井上さんですが、浦井さんの、人柄の出たフリートークが、とにかく愉快で、何度も笑ってしまいました。

最近の楽曲は、つまらないものだらけなので、是非、ヒットチャートを賑わせて、ミュージカルを観ない方にも、三人の存在を知らしめてほしいものだと思いました。

ただ、チラシやポスターの3人の写真の髪型のセンスの悪さには閉口しました。
衣裳のセンスも今一つ。3人ともせっかく素敵なのに、実物より悪く見えるこのフライヤーは、ファン層を開拓するには、逆効果だと思うのですが…。

ネタバレBOX

普通、コンサート形式のステージは、稽古も付け焼刃的な興行の方が多いように感じますが、3人でのユニット結成ということもあってか、舞台構成に、きちんと3人の配置や選曲に配慮工夫した様子が見て取れ、ダンスの振りも、息が合い、嬉しくなるほど気持の良いステージワークでした。

8日に発売されたミニアルバムのオリジナル曲も、それ程変な曲でもつまらない曲でもなかった点も、ほっとしました。

浦井さんのボケと、井上さんの突っ込みみたいな、和気藹々のトークに、理路整然とした育三郎さんの解説が入り、3人3様の絶妙なバランスの良さに、何度も顔が綻びました。

3人で歌うと、やはり、井上さんの歌唱力が群を抜いてるなと感じますが、このユニットは、大成功ではと思いました。

井上さんの「最後のダンス」、3人で変則的に歌う「闇が広がる」の構成の妙、3人のハーモニーが美しい「影を逃れて」、新訳の「明日に架ける橋」、「ディス・イズ・ザ・モーメント」などが、特に印象に残りました。

3人のスケジュールを調整するのはなかなか大変でしょうけれど、日本にもこんな素晴らしい実力のある、歌い手が存在するのだということを、世の中の人に認知して頂くためにも、是非、継続的に、このユニット活動を続けて頂けたらと、ファンとして、期待したいと思います。

ミュージカル「シルバースプーンに映る月」

ミュージカル「シルバースプーンに映る月」

Quaras

東京グローブ座(東京都)

2013/06/14 (金) ~ 2013/06/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

監視社会を体感!
芝居の内容に言及する前に、どうやら、テロリストの嫌疑を掛けられたらしい顛末を…。

楽しく観劇中、いきなり、係員の女性に、「お客様、バックの中の点滅がとても気になります。中を見せて下さい」と言われたんです。一瞬、何のことかわからず、あー、携帯の電源を切ってから、バックの奥底で、充電中だったと気づきました。でも、膝に乗せたバックは、私の肉眼では、点滅なんて確認できません。たぶん、どこかで、赤外線サーチか何かで気づいたんでしょうか?
周りのお客様にも迷惑だし、休憩がない公演でしたから、もし盗撮とか盗録とかを疑われたのなら、終演後、私をとっ捕まえて詰問すればいいわけで、わざわざ観劇中に尋問するなんて、爆弾でも持っていると疑われたのかしら?
バックから携帯を出して、「充電してただけですが」と言ったら、充電辞めてとも言わず、何か囁かれて、無罪放免になりましたけど…。

しかし、あまりにも驚いて、その後の芝居はどこか心ここにあらずで観ていました。こういうことがあるのなら、事前に、「観劇中の携帯の充電も御遠慮下さい」と御忠告頂けたら良かったのにと思いました。

そんなわけで、途中からは集中できない環境でしたが、芝居そのものは、キャストも素晴らしい人材ばかりで、脚本も、G2さんのオリジナル作品の中では一番好きなタイプの芝居で、大いに内容的には満足しました。

ただ、セットも洋館風ですし、この舞台、日本の設定にするよりは、どこか架空の国だとしても、外国の設定にした方が、内容に馴染んだ気がします。

グローブ座、久々に行ったら、観切れの多い3階席最前列に、背もたれのマットが置かれていて、舞台の観難さが緩和されていたのは、大変ありがたく感じました。

ネタバレBOX

坂本さんのミュージカルは、以前からずいぶん拝見していますが、観る度、立ち姿がカッコ良くなられてビックリします。V6の坂本さんをカッコいいとは思ったことはないのですが、舞台の坂本さんは、拝見する度、カッコ良くなられて、素晴らしい舞台役者さんだなあと感心するばかりでした。

キャストが、端役に至るまで、申し分なく、中でも戸田さんが、相変わらず秀逸!

最初「レベッカ」のような、サスペンスタッチで始まり、またG2さんの,観客騙しタイプのお芝居かと、警戒しましたが、さにあらず。

シチェーションコメデイと、ハートウオーミングな味付けが程良い、なかなか素敵な、心がほっこりとするミュージカルでした。

荻野さんの音楽も良くて、またいつかこのメンバーで再演して頂けたらなと思いました。
野鴨

野鴨

メジャーリーグ

THEATRE1010(東京都)

2007/11/01 (木) ~ 2007/11/30 (金)公演終了

満足度★★★★★

セットもリアルで、凄かった
会場に入った瞬間、度肝を抜かれました。
まるで、森林の中の他人の家を盗み見している気分。
家政婦は見たを地で行く進境で、初めての異質な観劇経験でした。
タニノクロウさんに興味を持ち、その後ぺ二ノも観に行きましたが、こちらはやめておくんだったと後悔。
タニノさんとイプセン劇は非常に相性がいいので、オリジナル作品でないタニノさん演出舞台は、今後も楽しみです。

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