れいの観てきた!クチコミ一覧

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かもめ~21世紀になり全面化しつつある中二病は何によって癒されるのか、あるいはついに癒しえないのか、に関する一考察~

かもめ~21世紀になり全面化しつつある中二病は何によって癒されるのか、あるいはついに癒しえないのか、に関する一考察~

アロッタファジャイナ

ギャラリーLE DECO(東京都)

2014/02/26 (水) ~ 2014/03/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

【Bチーム】アロッタ流の耽美的古典
まずはBチームを拝見。私にとっては初のチェーホフ、初の「かもめ」ということで、「中二病~」との副題が付けられたこの公演は正統派の古典とはかけ離れたものになるのかなと思いきや、とても真っ当な古典でした。照明や音楽・美術はアロッタらしい耽美的なもので、脚本も分かりやすく翻案されてあり、アロッタファンかつ古典初心者としては嬉しい限り。終盤はあまりの演技力の凄まじさに泣きながら見てしまい、6人の役者さんにこのような演技をさせることが出来る松枝さんの演出力に感服。終演後にお話を聞いて、ドラマターグとして中田顕四郎さんの存在がかなり大きなものだったことも感じ、これからのアロッタ、おそらくあるであろう新国立劇場での本公演にも弥が上にも期待が高まります。

ネタバレBOX

「中二病」とのキーワードが脳裏を掠めることはあっても、6人の役者さんが紡ぎ続ける丁寧かつ重厚な演技に終始釘付けになり、醸し出す濃密な空気に圧倒されながら見入ってしまいました。

特に、ニーナが篭絡された中田さん演じるトリゴーリンの大人の魅力(私がニーナ役だったら本当に恋に落ちそう(笑))、4年後以降ロシアの冷たい空気に本当にさらされたかのような心と美貌を内面から溢れさせた押さえた演技のトレープレフ。演じる塩顕治くんの感情過多でない誠実に時を生きる演技はとても私好み。兼ねてからさいたまネクスト・シアターの川口覚くん(初舞台がアロッタ!)にトレープレフを演じてほしいと思っていた身としては(NHKの「100分de名著」の朗読劇でトレープレフを演じていたので)、彼に通じる誠実な演技をする塩くんにすっかり引き込まれてしまいました。

その4年後のシーン、彼と秋山さん演じる関西弁のメドヴェージェンコの鬼気迫る演技に心臓が痩せる思いで観てしまい、あまりの凄まじさに涙が止まりませんでした。この舞台を見て、好きな役者さんにはトレープレフを演じて欲しいと思うほど、トレープレフという役が好きになりました。

そしてニーナ・・・縄田智子さん。他劇団で勿体無すぎる使い方をされていたとは思えないほど、生き生きとして濃密な時を生きていて。細やかな表情の変化からも目が離せず今までのどの舞台以上にもその美貌が映え、特にラストシーンはこんなに美しい女優さんは見たことがないと思うほどの眩さでした。冷静になるとニーナという役はとてつもなく共感できないのに(地雷系ですよね(笑))彼女が演じるとトリゴーリンやトレープレフを引き付けるだけの説得力に満ちていて、トレープレフに振り向いてもらえないマーシャが哀れで仕方なくなってしまう。

マーシャ役の香元雅妃さんも愛らしく、その健気な表情から目が離せなかったのですが、なんと初舞台らしいです。びっくり。

そしてアルカージナ役の辻しのぶさん。大人で母親で女で女優で、という役を実に感情移入しやすく朗らかな演技で魅せてくれました。縄田さん香元さんにはまだ表現が難しいと思われる、深みのある女性としての立ち位置に立って確りと支えてくれて、安心して楽しめました。

あとあと。衣装がとっても素敵でした!伊藤さんの衣装は白の質感がいつも印象的なのですが、今回はデニム。デニムってちょっと間違えるととてつもなくダサくなるアイテムなので自分で着る時もかなり気をつけるのですけれど(笑) スタイルの良い役者さん達がスタイリッシュに着こなす姿を見てさすがのチョイスだななんて思いました。上下デニムって素人だったらかなり危険ですよ!笑

※補足。圧倒的にBが好きです!
【前売り完売!当日券は若干枚数販売予定です】夏葉亭一門会vol.10

【前売り完売!当日券は若干枚数販売予定です】夏葉亭一門会vol.10

夏葉亭一門

王子小劇場(東京都)

2014/02/19 (水) ~ 2014/02/19 (水)公演終了

満足度★★★★★

マチソワでうっとり
落語に明るくないのでついつい「役者さんの演技」として観てしまうのですが、それでもすっごく楽しかったです。昼の部の枕部分での撮影OKは、あやめさんのご贔屓へのサービスかしら?笑 そりゃもう撮らせていただきましたよ。バシバシ笑
あやめさんという師匠がいた今回の白萩くんは、前回に比べて実に生き生きとしていて、その楽しげな様子に心がほんわかとして。さすがのあやめさんにはやはりうっとり。もうね、どうしましょうね。なんでこんなに素敵な方が存在するのでしょうね。笑

ネタバレBOX

キングと言われた永島さんにはただただ驚かされました。夜の部、うっとりの原因は後方から聞こえていたあやめさんの笑い声でしたごめんなさい笑
2014年・蒼白の少年少女たちによる「カリギュラ」

2014年・蒼白の少年少女たちによる「カリギュラ」

彩の国さいたま芸術劇場

彩の国さいたま芸術劇場 大ホール(埼玉県)

2014/02/15 (土) ~ 2014/02/27 (木)公演終了

満足度★★★★★

川口ケレア。
川口覚くんのケレアが素晴らしすぎて、色々思うものの彼のおかげで☆5つ。もう毎日でも観たい。あの広い舞台を隅々まで支配する存在感のクールさ。瞬き一つで空気が凍り、マントを翻して巻き上がる風でさえもがケレアの色に染まるよう。貴族に相応しい立ち居振る舞いは彼の演劇界における覇者の未来を想像させるに難くなく、揺れるピアスに色気さえ感じて、ああもう一瞬たりとも見逃したくない、素敵な素敵な役者さん・・・。彼がカリギュラを演じれば、一昨年のハムレット同様「勝ち」は明白なのですが、そこに内田くんを配して脇に覚くんや小久保くんを置くあたり、蜷川さんの『育てる』という目的が明示されていて、やはりこの劇団の志は高い、と唸らされます。周本さんのセゾニアもやはり絶品でカリギュラの残虐性に説得力を与えていて流石。彼女も大好きなのですけれど、今回オーディションで合格した安川まりちゃんも個人的には応援したい。

ネタバレBOX

覚くんの発する台詞の一つ一つが誠実さに満ちていて、その精神にとてつもなく共感されられます。「私は自分の中の彼に似たものを黙らせた」。その言葉がこの物語の全てで、登場人物も、観客もカリギュラの孤独に魅せられるのを必死に押し殺している。そんな気がします。

そして、蜷川さんの空間を演出するセンス。78歳になってもここまで顕在かと驚かされます。素舞台に鏡の壁、シャンデリア。シンプルな照明で彩られる役者の美しいことこの上なく。初日と一週間後では内田くんのカリギュラが大きく進化。疲れもあるのか、追い詰められた眼差しが狂気を帯びていて、また一つの才能がさいたまネクストという劇団から出たことを嬉しく思います。ただ、もっともっと行けるはず。出来ればもう一回観たかったけど日がないです残念、、
ろりえの鬼

ろりえの鬼

ろりえ

シアター風姿花伝(東京都)

2014/01/28 (火) ~ 2014/02/03 (月)公演終了

満足度★★★★★

ろりえ大好き。
徳橋みのりちゃん演じる時代遅れのヤマンバメイクのギャルと、彼女の記憶だけを無くした母の物語。いらいらしてついキツい言葉を投げ掛けることへの罪悪感や後悔・・・多かれ少なかれ誰もが感じる家族への感情が、ろりえテイストのナンセンスな笑いに溢れた舞台からひしひしと伝わり、いつの間にか大号泣。泣かされながらも小気味良く笑わせてくれる奥山さんの脚本は、女々しさなんて全くなくて。人生を描いたらそこに自然と涙があって、観客には笑って欲しい、観て笑顔になって欲しい、そんな思いが脚本に込められてる。そんなように思えます。観終わった後はいつもながら声にしちゃう、「ろりえ大好き」。ほんと、いつもこればっかりですみません(笑) あと、みのりちゃん素敵*

ネタバレBOX

前回の工場や今回のケントさんの役柄の描き方を観ていると、社会的弱者の描き方が実に潔く、奥山さんの社会を観る目の広さというか偽善の無さに心を洗われる思いです。
あと、慶應卒の「デブ」良かったですね。役者さんも、キャラも。二人には幸せになってほしいなぁ。
新宿コントレックスVol.11

新宿コントレックスVol.11

Aga-risk Entertainment

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2014/01/28 (火) ~ 2014/02/07 (金)公演終了

満足度★★★★

笑いって何だろ。
先に書かれてる方々の評価にびっくりなのですけど、私が見た回は客席の雰囲気良かったですよ?38と津和さんのはごめんなさい、作演のオカさん含めご本人達も好きな方ばかりなのですが、今一つ笑えなかったかな・・・。ずるちゃんはご本人の魅力が爆発、にこにこして観ちゃいました。そして大好きなMU。変態すぎてお腹痛くなるほど笑ってたのですが、会場も爆笑に包まれてたと思うのですが。不思議だなぁここの評価。アガリスクはさすがの実力。王道のコントで面白かったです。まあ、コントの祭典なのでコントじゃなきゃって言うのも分かるのですけど、そんなことを考えて客席で観てるのってなんか勿体ない気がする。笑いってなんだろ。

真田十勇士

真田十勇士

日本テレビ

青山劇場(東京都)

2014/01/07 (火) ~ 2014/02/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

制作費100億円。
お金の掛かった壮大な演出は、さすが堤幸彦監督(やはり映画のイメージが強いのでどうしても「監督」って言っちゃいます笑)プロジェクションマッピングや、大阪城での斬新なアングルでの映像効果、クライマックスでの回転舞台を使った迫力のある殺陣・・・正に一大エンターテイメント。殺陣のクオリティもアンサンブルの一人一人まで最高に高く、ダンス要素は一切ないのにダンサブルな心地良さで圧巻。中村勘九郎さんはもちろん、加藤一樹さん石垣佑磨くんの超一流の身のこなしは青山劇場で観るに相応しく、高いチケット代に見合った大満足の舞台でした。欲を言うと前半の十勇士集めはちょっと間延びしてたかな?でもまあ大満足です。カーテンコールでの佑磨くんがやんちゃすぎて素敵 笑

【公演終了】ステロタイプテスト/パス

【公演終了】ステロタイプテスト/パス

The end of company ジエン社

d-倉庫(東京都)

2014/01/10 (金) ~ 2014/01/14 (火)公演終了

すみません分かりませんでしたm(_ _)m
全面的に土下座します。分かりませんでしたm(_ _)m 安藤さんや岡野さん、川田さんや伊神さん・・・素敵な役者さんが沢山いらしたのに理解できないことが辛く、終演後のお茶会でもやはり何も掴むことができず残念でした。しかし、主宰の作者さんの熱心なお話には演劇への情熱が伺え、歩み寄りが出来なかった自分の不甲斐なさに悔しい思いをしていたり。うーん、でも、演劇って何だろう。もっと楽に楽しんで観たいな。いえ、あくまでも私の好みの問題です。

黎明浪漫譚-れいめいロマンティック-

黎明浪漫譚-れいめいロマンティック-

エムキチビート

吉祥寺シアター(東京都)

2014/01/07 (火) ~ 2014/01/12 (日)公演終了

満足度★★★★

一貫したヒロイズム
奇をてらわずストレートな脚本はいつも通りのエムキチビート。でも今回はおぼんろ末原拓馬さんという太陽のような魅力に満ちた役者さんを主役に据えて、実に生き生きとした物語に世界を拡げていた、そんな印象。元吉さんの作る舞台は殺陣を入れたいためか現実と虚構の世界を行き来するという構造が多いですが、今回も例に違わずクライマックスは殺陣満載のファンタジー。考えてみると、小劇場出身で一貫してヒロイズムを貫いている作家さんは私が知る限りでは珍しいので、是非ともこの路線で一つのジャンルを確立してほしいところ。よくあるイケメン舞台とは一線を画した団体になり得ますよう静かに見守ってます。

ネタバレBOX

末原拓馬さんの人懐こい笑顔はヤバいです笑 しかし、エムキチの看板はやはり若宮亮くんなので、センターに立つのは彼であってほしいなと思ったり。
耕太、宙に浮きながら

耕太、宙に浮きながら

EPOCH MAN〈エポックマン〉

キッド・アイラック・アート・ホール(東京都)

2014/02/07 (金) ~ 2014/02/11 (火)公演終了

満足度★★★★★

時を繰る「静」、時を駆ける「動」
初日に渡辺×菊池組、アフターイベントの小沢×一色組、そして翌日に小沢×西川組を拝見。結果、小沢×西川組にて想像を遥かに超える奇蹟を体験。役者としての天性の勘に恵まれた二人の相乗効果で上り詰める至福の対峙、会話劇を超えて淡いファンタジーに演出される脚本。前日同じ物語を観ているはずなのにファーストシーンから震えが止まらないほどの緊張感。そしてラストシーンでは様々な光景が見えて感涙。吹雪の中観劇に向かい、大荒れの中帰宅しましたが、極上の演劇を堪能して極寒の今でも絶頂の幸せに浸っています。

ネタバレBOX

初日渡辺×菊池組、正直に言うとその演技から小沢くんの演出や演技を透かして観てしまい、小沢組では奇蹟が起こるだろうなと思って観てしまってました。もちろん、渡辺組お二人とも素敵な素敵な役者さんではあるので、これからブラッシュアップして会話劇独特のスパイラル感でどんどん良くなっていくのだろうなと感じてました。

翌日の小沢×西川組。前日に同じ脚本で観ているはずなのに、ファーストシーンの小沢くんの指先の生み出す緊張感、表情筋が動く度にそれが意味するものが露になる瞬間の到来に心臓が震えて。奇蹟の連続の70分に、小沢道成という怪物の存在に感嘆し続けました。

この類稀な「舞台に立つだけで空間を支配する」のは小沢くんの天性の才能で、正直、男性との二人芝居との発表を見たときは「小沢くんと対等に芝居を出来る役者さんが他にいるのかと心配だったのですが、西川康太郎さんを拝見してびっくり。対等どころか、凄い勢いで互いの力を引き出して極上の会話劇を見せてくれて。この物語が単なる会話劇に終わらなかったのは、ゲキバカでとびきりのエンターテイメントをこなす西川さんの力があってこそだと思いました。キレの良い身のこなし、スタイリッシュなルックス。特にセーラー服を着て回想シーンに入る瞬間は、小沢くんの「時を操る『静』」と西川さんの「時を駆ける『動』」の対比が凄まじい美しさで、さながら動く絵画のようでした。

素敵なシーンは書ききれないほど続くのですが・・・中でもハッとしたのは。エプロンをサッと着ただけで耕太の母親にスイッチする小沢くん・・・性別も年齢も、時空をも超えて。周囲の空気でさえ温かな色に変わり、ラストシーンでは郷愁感と、愛に溢れる母親の死の表現、そして耕太の思いが動く様(ちなみに台詞は一切無し)に涙が止まりませんでした。

演技はもとより、こんなにも小沢くんの脚本演出が素晴らしいものだったかと嬉しく思うとともに、この芝居だったら狭い箱ではなく、もっと広い劇場でも行けるのではないかなと思いました。大雪で客足が鈍ってしまわないかと心配ですが、沢山の人に観ていただいて、心を温めて帰っていただきたいななんて僭越ながら思いました。

※アフターイベントは、一色洋平くん脚本演出「紀伊國屋の虎」。
小沢くんと洋平くんが「紀伊国屋ホールの楽屋直結のエレベーターに閉じ込められて」のドタバタコメディ。いやもう、登場の女装で爆笑。小沢くんの女装芝居はガチでヤバいです笑 終いには洋平くんが肉体美を曝け出しての力業芝居(褒めてます)、これはもう伝説ですねw しかしラストの水を飲むスローモーションで小沢くんの怪物級の演技力にまたまた感嘆。腹筋死にました笑
なお、あんな状況を好きな役者さんに見られたら、私、死にマス。
夏葉亭一門会vol.9

夏葉亭一門会vol.9

夏葉亭一門

王子小劇場(東京都)

2013/11/25 (月) ~ 2013/11/25 (月)公演終了

満足度★★★★

落語に馴染みのない素人ですが
5人の方の5演目を聞いて、落語って面白いなと思いました。少し視野が拡がって、新しい世界を知るきっかけになるような、そんな会でした。

108の煩悩のひとつひとつを教えて差し上げましょうか?

108の煩悩のひとつひとつを教えて差し上げましょうか?

ツリメラ

下北沢GARAGE(東京都)

2013/12/28 (土) ~ 2013/12/28 (土)公演終了

満足度★★★★★

サーベル・・・!
ブレイドフェチの私にはたまらない演出でした* 衣装やヘアメイクも素敵で楽しかったのですけど、そろそろ新しいアルバムが欲しいな・・・対バンではなく単独でずっとツリメラを堪能したい。当方、豚ではなくツリメイクの女ですが、どのようなお願いの仕方をしたらいいのでしょうか 笑

ネタバレBOX

あ、シシャモもすごくよかったですよ!タクシーさんのミュージシャンとしての器に吃驚しました。楽しかったー。でも何故最後はTRF?笑
みてみぬふりするな

みてみぬふりするな

コロブチカ

Live & Bar Shibuya Milkyway(東京都)

2013/12/25 (水) ~ 2013/12/25 (水)公演終了

満足度★★★★

ツリ目で行きました!
ライブハウスでのクリスマスパーティーということで、勝手にスタンディング気分で行ったのですが、椅子ががっつり並べられて大人しく座って観る雰囲気に、あれれ?と。そして一人芝居が始まってからも鳴り響くほかの階のライヴ音・・・集中できなくて、せっかくの浮かれ気分が一気に消沈。でも、「肥後系 麗月」が始まった途端、目の前のコロさんに急激に引き付けられて、騒音も空調も全く意識から消え失せてお芝居を堪能してしまいました。細かく付けられた演出の向こうに涼さんが演じる姿も見えるようで、コロさんの独特の魅力もさることながら、涼さんの演技でも観てみたいな、なんてうっとり。そしてツリメラライブで大熱狂。やはり良いものは全てを陵駕するんだななんて思いました。お酒はもちろんコロブチカオリジナル。少し強めで程よく酔って、楽しい気分でパーティーイズオーバー。

Romantic Love?【ご来場ありがとうございました】

Romantic Love?【ご来場ありがとうございました】

劇団競泳水着

サンモールスタジオ(東京都)

2013/12/19 (木) ~ 2013/12/26 (木)公演終了

満足度★★★★

新生競泳水着は
日常の中にキラキラと光る言葉やシーンが印象的な上野さんの作風に、田中沙織さん・斉藤マッチュさん始めフェティッシュな魅力の役者さんの演技が加わって、以前よりも私の好みに合っているかなと感じました。主人公の流されるような恋愛の日々に胸を痛めながら共感したりもしましたが、その流れでのラストのセリフには「あれ?」と。神様ぁ、という言葉があまりに軽く感じてしまい残念に思ったものでしたが・・・後日、とある観劇おじさんとお話をしたところ、その流れからのあのセリフになる意味の解釈を伺い、なるほどそういうことだったのかと納得。でも出来ればその「成長」を体感出来たら良かった・・・その点、ちょっと惜しかったです。

ネタバレBOX

これはとっても個人的なことなのですが・・・直前にDULL-COLORED POPの「アクアリウム」を観てしまい、ゲストシーンの濃密さにすっかりヤラれてしまっていたもので、こちらのゲストシーンのあっけなさに(堀越涼さんを観たくて来たので)愕然としてしまいました、、アフターイベントの濃さで元は十分に取れたので満足しましたが。

あと、松下仁さんが出番が少なくて勿体無かったと感じました。とても良い役者さんなのになぁ。。
アクアリウム

アクアリウム

DULL-COLORED POP

シアター風姿花伝(東京都)

2013/12/05 (木) ~ 2013/12/31 (火)公演終了

満足度★★★★★

山崎彬さんゲストの回を拝見。
とあるお二人が熱演する冒頭のシーンから、ダルカラという劇団に出演できるということは至極の幸せなんだろうなと感じました。最近W受賞を果たした新進気鋭の作演出家である谷賢一さんの力が随所から伝わる「芸術」としての演劇。現在31歳である少年Aは評判を聞きつけて観に来るのかな、観てどんな感想を抱くのかなと山崎彬さんの研ぎ澄まされた鋭利なナイフのような演技とその演出を見て思いました。

ネタバレBOX

全然盛り上がらないパーティーからシュークリームが飛び交う大惨事まで、息つく暇もないほど笑いましたが、その笑いの部分とゲストが演じる酒鬼薔薇のシーンとのギャップが凄まじい限り。セリフは当時世間を騒がせた声明文。スッパ抜かれた少年の顔写真を雑誌で見て、不覚にもカッコいいと思ってしまった後ろめたさを思い出しました。アクアリウムは世界の縮図、というのは分かりやすい命題ではありますが、そこに紐付ける過程の描き方が実に繊細で緻密。今まで演出家としての手腕に引かれていた谷さんの、脚本家としての力に魅せられた今作でした。
治天ノ君

治天ノ君

劇団チョコレートケーキ

駅前劇場(東京都)

2013/12/18 (水) ~ 2013/12/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

完全なるリアル
劇団チョコレートケーキの公演を観るのはこれで4回目ですが、毎回「最高傑作」と思わされます。しかし、次回この作品を超えるのはかなり難しいのではないかと思わされるほど、完璧な作品を観てしまったように感じます。目の前には、明治~昭和の時代が確実に在り、現在とは異なる時代の空気が常に張り詰めていました。神格を備えた明治天皇が、人間としての感情に苦悩した大正天皇が、そして再び力強い神の国を目指そうとした昭和天皇が目の前にいました。これはもはや演劇でなく、そこに自分が在ると錯覚する完全なリアル。脚本も演出も役者さん達の演技もどれも完璧なものでしたが、中でも松本紀保さんの「気品」が群を抜いて素晴らしかったです。そして特筆したいのは、美術や衣装の美しさ。細部までこだわった時代考証、特に玉座の妖しさはいつになくフェティッシュでとても私好みでした。

ネタバレBOX

松本さん、別の公演で観たときの何百倍も素晴らしかったです。血筋の活きる演出でした。
怪誕身毒丸

怪誕身毒丸

花組芝居

駅前劇場(東京都)

2013/12/04 (水) ~ 2013/12/10 (火)公演終了

満足度★★★★★

会心の一作。
シンプルな美術、紋付袴で統一された衣装。そこから繰り出されるインド神話をモチーフにしたどこかアンダーグラウンドの香りのするフェティッシュな舞台、人間の力を前面に押し出した演出・・・それらに彩られた舞台の上の役者さん達が一人残らず美しくて、あまりの神々しさと艶気に終始うっとりした気分で観てしまいました。中でも目を引いたのは加納さんと谷山さんのカーリー対決、谷山さんと涼さんの女形対決・・・そして大介さんのシッダルタの貫禄。阿形と吽形とで同じ脚本なのに、観る側の解釈に異なりをもたらす芝居の妙に、これが26年続く花組芝居という劇団の魅力なのかと驚嘆しきり。花組歴はまだまだ浅い私ですが、ものの見事に「落とされて」しまいました。次回公演も楽しみです!

ネタバレBOX

皆さん本当に素敵でしたが、やっぱり堀越涼さんがダントツで好きです*
ダンスもカッコ良かったぁ。。
SOU - 双・相・想 -

SOU - 双・相・想 -

演劇ユニット ランニング

ザムザ阿佐谷(東京都)

2013/11/20 (水) ~ 2013/11/24 (日)公演終了

満足度★★★★

再演!
2010年7月に上演された「終末の天気。」、ルデコよりも今回のザムザ阿佐ヶ谷での方がきっと物語の世界観に合うだろうなと思いましたが、その予感は見事に当たりました。天井の高い劇場で、シンプルながらも美しい演出で会話劇にファンタジー色が程よく上乗せされて。明日世界が終わるという事態の中、「日常」の続きを生きる登場人物たちの繊細な思いがごくごく自然に引き出されて実に素晴らしい再演となりました。3年前は今一つ引っ掛かるものがありましたが、今回は心臓の高まりに自然に胸を締め付けられ、最後の主人公の慟哭とともに涙が流れてしまいました。音楽もその使い方も物語に合っていて良かったですし、客席も笑いと涙に包まれていて心温まる時間を過ごせました、感謝。

ネタバレBOX

演出の元吉庸泰さん、役を生徒からOBにシフトしての出演の若宮亮くん。私にとって思い入れの深いお二人の芝居の再演を観て、お二人にも私にも確かに3年半という月日が流れたんだな、なんてしみじみ思いました。「続けるのにも諦めるのにも才能が必要」。痛みの走るセリフ。
飛龍伝は、初演では黒木メイサでしたが、今は中屋敷さんがネタにされてしまうのですね(苦笑)

「パンジーの乙女達」の方は、面白く拝見させていただいたものの、今一つ死んだ作家の人間性が浮かび上がってこず、妻の思いつめた心情に今一つ共感が出来なかったかな・・・というのも、実は去年同じように死んだ作家を取り巻く女達の物語の舞台を観てまして、脚本に既視感を覚えたせいでそれと比べてしまいまして、、すみません、、
僕の偉大なるアイザック・ニュートン

僕の偉大なるアイザック・ニュートン

feblaboプロデュース

駅前劇場(東京都)

2013/11/13 (水) ~ 2013/11/17 (日)公演終了

満足度★★★

もう少し突き抜けたものを
せっかくの駅前劇場ですもの、暴れてもいいのではと思いました。初見の佐々木瞳さんの脚本は、語弊を恐れずに言えば厨二とラノベの狭間を彷徨っているように感じ、この持ち味を活かして行くなら、瞳さん以外が持ち得ない魅力を持たないと観客の既視感に負けてしまうのではないかなと思いました。そして池田さんは相変わらず良い男優さんを起用することに長けていて、人柄の良さが伺えるもののそこが今一つ突き抜けたものを感じられない理由なのかなとも思います。後藤さんありそさんを始め男優さんは実力派揃い。そんな中で光っていた白井愛弓さんがなんだかとてつもなく化けそうでこれからが楽しみ。そして、笹木皓太くんを会話劇で初めて観ましたが、相手役の役者さんと心が繋がって相乗効果で芝居が高まるような、そんな力を会話劇で育んでいけたら今よりもっともっと良い役者さんになるだろうなと思いました。

ライク ドロシー

ライク ドロシー

森崎事務所M&Oplays

本多劇場(東京都)

2013/11/08 (金) ~ 2013/11/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

初日拝見。
大好きな川口覚くんが本多劇場に進出ということで、喜び勇んで駆けつけました。倉持さんの誠実さに溢れた脚本演出はなんて人を幸せにするのでしょう。ちょっとメルヘン、ちょっとファンタジックな世界に長澤まさみちゃんや片桐仁さんといった超人気の役者さん達が魅力的に息づいていて。高橋一生さんの演技力にも感嘆しながら、悪人のいない楽しい世界を堪能。客席全体もとても温かく、笑いの絶えない空間で赤い緞帳を見て、ああこれが「劇場」なんだなぁと優しい感動を覚えました。

ネタバレBOX

構図としては、オズの魔法使いのように長澤まさみちゃんにメインの3人の男性が協力させられるというもので。過激な市長に銀粉蝶さん、その息子に川口くん、そして脇を固める二人、の8人。

一見脇に思えた川口くんが、実はまさみちゃんのお兄さんで、その魂を取り戻すためにまさみちゃん達が奮闘するというお話。市長の息子の魂が入った兄、しかし実は兄の魂のままで市長の息子を演じてきた・・・そんな入り組んだ役どころで、その事実を露にするときの目の色の変遷とビフォアーアフターの違いが素晴らしすぎて、さすが川口くんだなとゾクゾクしてしまいました。この大舞台で確実に一番実力を発揮できる役で、キラキラと輝いていた彼を観ていて、ファンとして誇らしくて涙してしまいました。これからもどんどんチケット代が高くなっちゃうんだろうな・・・嬉しい悲鳴。
森の別の場所

森の別の場所

時間堂

シアター風姿花伝(東京都)

2013/11/01 (金) ~ 2013/11/11 (月)公演終了

満足度★★★★

ハードル↑↑↑
私が初めて時間堂さんを拝見したのは「すごい、ふつうの演劇。ふつうの、すごい演劇」を謳っていた頃で、その小劇場感溢れる温かな会話劇を楽しんでいたのですが、「廃墟」の頃からグッと物語が難しくなっていき、それまでの柔らかさを求めていた私としては、舞台の物語世界への入り込み難さを感じていたのですが・・・今回は思い切って、古典を観るときの気分にスイッチして観たら、舞台芸術としての演劇を存分に楽しめたとともに、ハードルがとてつもなく上がってしまいました(苦笑) 私の知る限り、時間堂さんは小劇場の中でも実力はトップクラスに位置する劇団で。けれど、古典にスイッチしたことで、私の中では比較対象が蜷川さんの舞台になってしまい。去年観た「ザ・ファクトリー」はテネシー・ウィリアムズの4つの短編を小劇場クラスの演出で2000円で観たなぁなんて思ったら、もっともっと上をと望んでしまう贅沢な欲求が生じてしまいました。しかしこれも実力のある方達揃いの時間堂さんだからこそ。これからも黒澤さん解釈の古典を拝見したく、とても楽しみにしています。

ネタバレBOX

時間堂さんを観たきっかけが菅野貴夫さんなので、菅野さんが重要な役を背負っていて実力を発揮しているのを見るとやっぱりすごく嬉しいです。ヒザイさんと鈴木さん、3人の劇団員さんでのクライマックスは圧巻でした。

戯曲は、なんだかとても不思議な物語でした。一番正論を吐くのは娼婦で、他は皆とてもではないけど愛すべき人達ではなく。その光景を傍観者として観ていると、人間のリアルな姿を見ているように思えて、誰が悪役なんて思えないものだから、ラヴィニア夫人の言葉も全く信じるに値するものとは思えず・・・狐につままれた気分。けれど、最後のコラリーの主君を見る視線を見て、そこに真実を見た気がしました。見応えのある舞台で、さすが時間堂さん。面白かったです!

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