満足度★★★★★
会心の一作。
シンプルな美術、紋付袴で統一された衣装。そこから繰り出されるインド神話をモチーフにしたどこかアンダーグラウンドの香りのするフェティッシュな舞台、人間の力を前面に押し出した演出・・・それらに彩られた舞台の上の役者さん達が一人残らず美しくて、あまりの神々しさと艶気に終始うっとりした気分で観てしまいました。中でも目を引いたのは加納さんと谷山さんのカーリー対決、谷山さんと涼さんの女形対決・・・そして大介さんのシッダルタの貫禄。阿形と吽形とで同じ脚本なのに、観る側の解釈に異なりをもたらす芝居の妙に、これが26年続く花組芝居という劇団の魅力なのかと驚嘆しきり。花組歴はまだまだ浅い私ですが、ものの見事に「落とされて」しまいました。次回公演も楽しみです!