満足度★★★★
ハードル↑↑↑
私が初めて時間堂さんを拝見したのは「すごい、ふつうの演劇。ふつうの、すごい演劇」を謳っていた頃で、その小劇場感溢れる温かな会話劇を楽しんでいたのですが、「廃墟」の頃からグッと物語が難しくなっていき、それまでの柔らかさを求めていた私としては、舞台の物語世界への入り込み難さを感じていたのですが・・・今回は思い切って、古典を観るときの気分にスイッチして観たら、舞台芸術としての演劇を存分に楽しめたとともに、ハードルがとてつもなく上がってしまいました(苦笑) 私の知る限り、時間堂さんは小劇場の中でも実力はトップクラスに位置する劇団で。けれど、古典にスイッチしたことで、私の中では比較対象が蜷川さんの舞台になってしまい。去年観た「ザ・ファクトリー」はテネシー・ウィリアムズの4つの短編を小劇場クラスの演出で2000円で観たなぁなんて思ったら、もっともっと上をと望んでしまう贅沢な欲求が生じてしまいました。しかしこれも実力のある方達揃いの時間堂さんだからこそ。これからも黒澤さん解釈の古典を拝見したく、とても楽しみにしています。