れいの観てきた!クチコミ一覧

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廃墟

廃墟

時間堂

シアターKASSAI(東京都)

2011/03/30 (水) ~ 2011/04/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

重厚にして、圧巻。
今までに観てきた時間堂は「限りなく優しくて癒される時間」という印象でしたが、今回は既存の脚本を用いての、緊張感に満ちた圧倒的な重厚感。それは去年夏の黒澤さん演出「ON THE WAY HOME」と同様で、正直、いつもの時間堂よりもこちらの方が私の好みだったりします。

思想が実感に即した演技で魅せる役者さん達、特に菅野貴夫さんと酒巻誉洋さんのぶつかり合いは圧巻。2時間半という長尺ながら、音楽もなく引き込まれる濃密な時間を堪能。舞台は戦後であるけれど、震災後の今と重なり深く深く考えさせられました。

正統派の演劇として、今沢山の人におすすめしたい舞台です。ロングランですので是非。

木

ろりえ

サンモールスタジオ(東京都)

2013/08/22 (木) ~ 2013/09/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

2時間があっという間
もっと観たい・・・。3時間でも観たいし、ずっとずっと客席に座って見つめていたい。そんなろりえへの愛しい気持ちが、この公演を観て益々強くなりました。案内文にあった「木」はろりえ恒例匠の技。客入れの時間にその「顔」を眺めていて、目が開いたり幹が割れたりするところを想像してました。そんな予想の斜め上を行く匠の技、クオリティの高いアレやらアレが出てくる出てくる。そんな遊び心満載の舞台上で、男女ともにキュートな役者さん達が生き生きと息づいていて・・・あまりの楽しさ、面白さ、そして切なさやら感動やらにまみれて、クライマックスの激動からずっと泣きっぱなし。シチュエーションにも絵面にもセリフにも笑わされるのに涙が絶えず泣き笑いの状態。思えば人生ってこんなものなのかもしれないな、泣き笑いの人生が幸せなんじゃないかなとしみじみ感じました。

ネタバレBOX

一人の金髪の男性(しょうちゃん)を時代別に3人の役者さんが演じるのですが、少年時代のイケメンっぷり(志水衿子ちゃん。肌も真っ白でとてもきれいでした)に比べ、青年の男っぽさ、中年になってからのムサさは何なんだ、と心の中で爆笑してましたが・・・クライマックス、目が見えなくなってしまった健ちゃん(高木健さん)に中年のヒゲデブしょうちゃん(山岸拓生さん)がキスをするシーンは、ずっと思いを馳せていた少年時代の美しいしょうちゃんそのものに見えて・・・人生を描くこと、演じることのできる方達の力量に震えました。

でもこの中年ヒゲデブ男性二人のキスは絵面が本当に汚くて(失礼、)ずっと声を出して笑って観ちゃってました。同時に涙が止まらなくて。本気で泣き笑いしてて。この感覚が「ろりえ」なんだよね、と。男性二人の全裸にしても、一人は前を隠すタオルに手を添えないから観ているこっちはハラハラ。心の中で「何故押さえぬ」と突っ込みを入れたりして、はたまた「中2に負けたんかい!」とか「ポリスの妹一瞬かい!」とか「熊くるー!」「馬きたー!」、なんなら「裏で音しすぎ!」まで(笑) 全編ずーっと途切れることのないユルさ(=大好きな奥山さんの感性)にまみれることが出来て私は今とっても幸せです*

あと今回、いつにも増して役者さんの魅力が胸に飛び込んできました。リナちゃん(中村梨那ちゃん)としょうちゃんのフェティッシュなカップルにどきどきしたり。マリアムーン先生を演じる加奈子さんは相変わらずキュート。みのりちゃんは出番は少ないものの、しっとりとした女性らしさに磨きがかかってて。他の皆さんも本当に素敵でした。

しかしそんな中で特別目を引いたのは、青年時代のしょうちゃん・・・化け物級の演技力に途中から釘付け。色気もあるし、どこの誰だと思ったら・・・21歳と聞いて戦慄。天野峻くん、名前覚えておきます・・・恐ろしい若手が出てきたなぁ・・・。
国家~偽伝、桓武と最澄とその時代~

国家~偽伝、桓武と最澄とその時代~

アロッタファジャイナ

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2013/03/27 (水) ~ 2013/03/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

人間を演じるということ
前回の新国立劇場での「ルドンの黙示」のようなエンタメを勝手にイメージしていたので、それとは違うベクトルでの演出にしばらく戸惑ったものの、見慣れてきたら驚くほど役者さん達の表現力に引き込まれて休憩なしの3時間超を夢中になって観てしまいました。

見目麗しい役者さんや実力のある女優さん達の役者力を見せつけるかのような素舞台で、人間が人間を、特に一生に渡る生の重みを演じるということの凄まじさをこれでもかというほど堪能。

中でも遠藤雄弥くんは、最澄という僧侶の思想そのもので舞台の上を生き、肉体は死しても思想を世に残すほどの人間を演じきる表現力は私が今までに観た役者さんの中でもトップに並ぶ鮮烈さ。厳かな佇まいのなか、背負うものの多さや重さをストイックに表現していたのですが、そのストイックさが逆にセクシーで、この役を演じられるのは彼の他には考えられないほどの唯一無二の存在感が素晴らしかったです。

彼の他にも、良い役者さんが目白押し。中でも、桓武天皇の母と石塚を演じたさいたまネクストシアターの周本さんは若さに似合わない貫禄の演技で圧巻。そして安殿を演じた真山くんの魔性の色気にも戦慄。芸能界の第一線で活躍している方たちの魅力に圧倒させられっぱなしでした。

色々初日らしい部分もありましたが、すっごく面白いと素直に思わせていただきましたので☆5つ。ちなみに、より舞台を堪能するために、桓武天皇と最澄をwikipediaで予習することをお勧めします 笑

ネタバレBOX

・最澄の一生とは肉体の一生のみらなず。肉体は死しても思想を残し、長い長いときを経て世を変える力、その思想を伝える人間達を育てる力。そんな力・思想を持つ人間を演じきり、終幕後も魂が舞台の上に浮遊している確かな余韻。それが遠藤雄弥くんが見せた稀有な表現力。

・最澄と桓武天皇の友情はかなりフェティッシュで萌えますね(笑)

・主役なのでその二人に思いを馳せがちですが、安殿と薬子の悲恋に目を移すと途端にロマンチックなファンタジーに心を奪われます。安殿役の超絶イケメン真山くんに手を取られてキスをされる薬子役のナカヤマさんに思わず感情移入。そう、薬子ではなくナカヤマさんに感情移入(爆) あんなに乙女なナカヤマさんを観たのは初めてです。

・信念を演じた山田くんの、遠藤くんの最澄とは対を成す炎のような僧侶にも目を奪われました。

・殺陣の振り付けは三元雅芸さん。キレキレでカッコ良かったです。

・観ていて「終わらないでほしい」と思いました。長さがとても心地よかったです。

・初心者にオススメの理由は、一流の役者さんの凄まじさを観れるから。

また思い出したら追記します*
いしだ壱成主演「俺の兄貴はブラームス」

いしだ壱成主演「俺の兄貴はブラームス」

劇団東京イボンヌ

スクエア荏原・ひらつかホール(東京都)

2015/06/03 (水) ~ 2015/06/05 (金)公演終了

満足度★★★★★

演劇+クラシック
初見の劇団さんで作風を全く知らないまま足を運んだのですが、舞台の上にスタンバイをしたオーケストラを見てテンションが急上昇。蓋を開けると、演劇とクラシック演奏とが同比重で扱われた新ジャンルの舞台でした。

ネタバレBOX

ブログに感想を書きました。素敵な時間をありがとうございました!
http://ameblo.jp/kangeki-jyoshikai/entry-12036049484.html
かもめ~21世紀になり全面化しつつある中二病は何によって癒されるのか、あるいはついに癒しえないのか、に関する一考察~

かもめ~21世紀になり全面化しつつある中二病は何によって癒されるのか、あるいはついに癒しえないのか、に関する一考察~

アロッタファジャイナ

ギャラリーLE DECO(東京都)

2014/02/26 (水) ~ 2014/03/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

【Bチーム】アロッタ流の耽美的古典
まずはBチームを拝見。私にとっては初のチェーホフ、初の「かもめ」ということで、「中二病~」との副題が付けられたこの公演は正統派の古典とはかけ離れたものになるのかなと思いきや、とても真っ当な古典でした。照明や音楽・美術はアロッタらしい耽美的なもので、脚本も分かりやすく翻案されてあり、アロッタファンかつ古典初心者としては嬉しい限り。終盤はあまりの演技力の凄まじさに泣きながら見てしまい、6人の役者さんにこのような演技をさせることが出来る松枝さんの演出力に感服。終演後にお話を聞いて、ドラマターグとして中田顕四郎さんの存在がかなり大きなものだったことも感じ、これからのアロッタ、おそらくあるであろう新国立劇場での本公演にも弥が上にも期待が高まります。

ネタバレBOX

「中二病」とのキーワードが脳裏を掠めることはあっても、6人の役者さんが紡ぎ続ける丁寧かつ重厚な演技に終始釘付けになり、醸し出す濃密な空気に圧倒されながら見入ってしまいました。

特に、ニーナが篭絡された中田さん演じるトリゴーリンの大人の魅力(私がニーナ役だったら本当に恋に落ちそう(笑))、4年後以降ロシアの冷たい空気に本当にさらされたかのような心と美貌を内面から溢れさせた押さえた演技のトレープレフ。演じる塩顕治くんの感情過多でない誠実に時を生きる演技はとても私好み。兼ねてからさいたまネクスト・シアターの川口覚くん(初舞台がアロッタ!)にトレープレフを演じてほしいと思っていた身としては(NHKの「100分de名著」の朗読劇でトレープレフを演じていたので)、彼に通じる誠実な演技をする塩くんにすっかり引き込まれてしまいました。

その4年後のシーン、彼と秋山さん演じる関西弁のメドヴェージェンコの鬼気迫る演技に心臓が痩せる思いで観てしまい、あまりの凄まじさに涙が止まりませんでした。この舞台を見て、好きな役者さんにはトレープレフを演じて欲しいと思うほど、トレープレフという役が好きになりました。

そしてニーナ・・・縄田智子さん。他劇団で勿体無すぎる使い方をされていたとは思えないほど、生き生きとして濃密な時を生きていて。細やかな表情の変化からも目が離せず今までのどの舞台以上にもその美貌が映え、特にラストシーンはこんなに美しい女優さんは見たことがないと思うほどの眩さでした。冷静になるとニーナという役はとてつもなく共感できないのに(地雷系ですよね(笑))彼女が演じるとトリゴーリンやトレープレフを引き付けるだけの説得力に満ちていて、トレープレフに振り向いてもらえないマーシャが哀れで仕方なくなってしまう。

マーシャ役の香元雅妃さんも愛らしく、その健気な表情から目が離せなかったのですが、なんと初舞台らしいです。びっくり。

そしてアルカージナ役の辻しのぶさん。大人で母親で女で女優で、という役を実に感情移入しやすく朗らかな演技で魅せてくれました。縄田さん香元さんにはまだ表現が難しいと思われる、深みのある女性としての立ち位置に立って確りと支えてくれて、安心して楽しめました。

あとあと。衣装がとっても素敵でした!伊藤さんの衣装は白の質感がいつも印象的なのですが、今回はデニム。デニムってちょっと間違えるととてつもなくダサくなるアイテムなので自分で着る時もかなり気をつけるのですけれど(笑) スタイルの良い役者さん達がスタイリッシュに着こなす姿を見てさすがのチョイスだななんて思いました。上下デニムって素人だったらかなり危険ですよ!笑

※補足。圧倒的にBが好きです!
【ご来場ありがとうございました!】Loss / Recover

【ご来場ありがとうございました!】Loss / Recover

劇団パラノワール(旧Voyantroupe)

サンモールスタジオ(東京都)

2011/06/07 (火) ~ 2011/06/15 (水)公演終了

満足度★★★★★

観ないと損。(「Recover」)
しかし、精神的に弱い方と、精神的にお子ちゃまな方は避けた方がいいかと。それほどに過激で、グロテスクにしてエロティック。正直、上演していいのかというほどのレベルです。

非日常が描かれた15本の短編はどれも一見別の精神世界の話のようでありながら、実にはっきりと日常とリンクしているので観客はトラウマを持ち帰ることになるけれど、それはなぜか甘美で魅力的。そのフェティシズムはきっと多くの人をリピーターにするはずなので、観たいと思っている方は早めの予約をオススメします!

ネタバレBOX

男の人のとか・・・女の人のとか・・・

「18禁」というよりは「禁止」というレベル(滝汗
鉄の時代

鉄の時代

劇団霞座

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2013/08/09 (金) ~ 2013/08/11 (日)公演終了

満足度★★★★★

<祝・俳優賞>力のある演劇。
学生らしからぬ、幅広い世代の観客から情操を引き出す力に長けた劇団霞座が、持ちうる限りを発揮した珠玉の舞台でした。ストーリー性は敢えて排除し、最初から最後までがクライマックス。まるでオーケストラが奏でるように、脚本・演出・演技それぞれが観る側の心を引きつけてやみませんでした。霞座の持ち味であるノスタルジーが、こちらの心を否が応にも純粋だった頃に引き戻し、舞台の上の彼らに憧憬を抱かせ、キラキラと輝く時間へと昇華させてくれる・・・そんな魅力は今作も健在。ピアノの生演奏が実に効果的で、終盤にははっきりと理由を書くことのできない涙を流させられてしまいました。全編に渡って幻想的で美しい光景で魅せてくれましたが、特に印象的だったのは「生きよう」とするときの一橋純平くんの目の輝きを増す光景。舞台の上の役者さん・関わっているスタッフさん達の、舞台に掛ける情熱をも髣髴とさせるようで、二重三重もの感動に震えました。

<追記>
一橋くん、学生芸術祭優秀俳優賞受賞おめでとうございます♪あと、制作さんもスタッフ賞受賞!グランプリを逃したのは無念ですが、本当に良い公演でした!ありがとうございました**

ネタバレBOX

これだけ素晴らしい舞台を見せてくれたので、欲を言ってしまいます。役者さんの立ち位置や動きはよく計算されていたと思うものの、役者さんの感覚としてそこに立っている「勘」がまだ足りないかなと思います。この点はまだ経験不足の役者さんが主なので仕方ないのかなと思いつつ、既に小劇場で活躍している一橋くんが確固たる実力を発揮していてさすがだな、と。

ちなみに、個人的な事情で観劇を自粛していたのですが、見逃さずに良かったです。超タイムリーな琴線に触れられて、死ぬかと思いました 笑
フリージアの不可知論

フリージアの不可知論

劇団霞座

ぶーふーうー(東京都)

2014/03/07 (金) ~ 2014/03/16 (日)公演終了

満足度★★★★★

霞座、そして一橋純平、顕在。
カフェ公演でこんなに重厚な演劇を観られるとは思いませんでした。45分間、命を削って臨む役者さん二人。その情動にいつのまにか光景が時代を超え、空気までもが静かに人が狂う戦地のものに変わったかのよう。観る人を微動だにさせない霞座、顕在。休眠は本当に勿体ないです。

ネタバレBOX

アンティークな雰囲気が漂う古いカフェのテーブルの上に散乱するフリージア。黄色のフリージアの花言葉は「無邪気」。その花言葉をみどりさんが体現。無垢の狂気を全身から迸らせる彼女もさることながら、彼女の姿に震えながら涙を見せる一橋くんの感情表現からも目が離せません。

久しぶりの一橋くんの演技には、オープニング、声を発する前から背筋がビリビリさせられました。キレた目線、どこか退廃的な佇まいは、活動休止期間を経て、衰えるどころか凄みを増してました。多分彼は新しい武器を手に入れたのでしょう。同年代の役者が手にしたことのない武器。これからが楽しみすぎます。

なお、最近観たさいたま・ネクストシアターの「カリギュラ」は主演の方が今一つだったのですが、一橋くんが演じたら本気で凄いものが観られそうだと思いました。それほどまでの才能の持ち主です。超期待。
保健体育

保健体育

20歳の国

王子小劇場(東京都)

2013/10/03 (木) ~ 2013/10/08 (火)公演終了

満足度★★★★★

めんどくさいけど愛おしい。
20歳の国の魅力は、誰にでも楽しめるキャッチーな作風なのかな、と「花園」に続いて2度目の観劇で思いました。高校生の女の子+保健の先生と、その同級生から先生に至るまでの男性達との恋愛群像劇。誰もが通る人生初期の恋愛特有の面倒くささや切なさが満載のお芝居に、終始心臓がときめきっぱなし。思うに、女の子ってやっぱり早熟だな、と。ウサギのように発情しっぱなしで、寂しくて死にたくないから浮気しちゃう。それに翻弄される男性達。5人の女優さん達の個性的な魅力で舞台がキラキラと輝く中、同時に男性の役者さん達が多少しょんぼりして見えたのは演出として成功だと感じました。

ネタバレBOX

私はもういい大人なのですが、面倒くさい恋愛は自然と(というか敢えて)避けてしまってて。恋愛は楽しいものだと思ってるし、面倒なことにはなりたくないので(苦笑)、気付いたら合理的な恋愛しかしてない。出会って愛し合って別れて・・・を繰り返す度に、傷付くことを避けるために、言葉や行動にこだわることのナンセンスさを身に覚えさせてしまってるんですよね。「あのときああ言ったでしょ」とか「なんであのときあんなことしたの」などと相手を責め立てることは無意味どころか逆効果。・・・だからこそ、そんな風に口にしてしまう恋愛人生初期の頃の彼女達に、懐かしい愛しさを覚えるのです。二股掛けたり浮気したりしても、恋愛がすべてで全力を掛けられているならそれは純愛。観ていてとてもピュアな気持ちになってしまう。これからどんどん大人になっちゃうけど、こんな頃の自分が愛しいといつか思えるよ、今のうちにいっぱい恋愛していっぱい傷ついて、心の豊かな美しい女性になってねとエールを送ります。

女優さん5人とも自分の役を魅力的に演じてらして素敵でした。中でも川田智美さんがすごーくすごーく可愛かったです。長井短ちゃんの魔性は観る毎に増していく気がします。大人の美女に脱皮する頃にはきっと震えるほどの魔性を発揮すると思うのでそれが楽しみ。

男性の役者さんでは、斉藤マッチュさんの繊細でキレのあるSな演技に、「花園」同様釘付けになってしまいました。演出家として大好きな池亀三太さんのがっつりとした役者の姿も堪能。まさかの男子高校生役、ピュアな役柄の演技で可愛かったです。

そしてフライヤーではめっちゃトガッてカッコいい姿を見せてくれた竜史さんが、素朴・・・というかちょっとキモい役でした(笑) 竜史さんの作演出は早くも「間違いなく面白い」との信頼感があります。なぜが「花園」を見る前からその予感はありました。カトウリョウさんのフライヤーデザイン効果もイメージ戦略として大きいかと。色のセンスとかとても好きで、フライヤーを見るだけで観たい気持ちが何倍にも膨らみます、素敵。

あああととても大事なこと・・・えっちでした!笑 キス多発しかり、暗闇の声しかり・・・ドキドキしっぱなしでした笑 素敵なお芝居をありがとうございました。
贋作 舞姫

贋作 舞姫

劇団ドガドガプラス

浅草東洋館(浅草フランス座演芸場)(東京都)

2008/11/05 (水) ~ 2008/11/08 (土)公演終了

満足度★★★★★

エキス姉さんに惚れました。
女の人の足って、人によってあんなに表情が違うものなのね、と感心しながら観てました。原作の舞姫にはいろいろ文句を言いたい部分があったのですが、そんなストレスがこの「贋作」で解消(笑)思い切り笑って思い切りエキサイトできる、そして「舞姫」もデュマの「椿姫」も、森鴎外の伝記まで?読んだ気になってしまう、エロいのに文学的な作品でした。でも、何より私はエキスというキャラに惚れました(^-^;)どの踊り子さん達よりも、どの男性キャラよりも存在がシンボリックで素敵でした☆ヴィクトリア座に行ってエキス姉さんに会いたいです。かなり本気で惚れてます 笑

スタンス

スタンス

梅棒

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2012/10/17 (水) ~ 2012/10/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

楽しかった!!
の、一言。決して思考停止ではありません(笑) ただただ、目の前のカッコ良くて素敵なパフォーマンスに魅了され続けました。ダンスから浮き上がるストーリーにもキュンとさせられ、とてつもなく幸せな気分になれて。このステージを観て楽しいと思わない人は皆無ではないでしょうか。さすが日本一のパフォーマー。大満足です☆ P.S.ザンヨウコさんのCD聴きまくってます☆可愛い可愛い可愛い☆☆

ネタバレBOX

二つのストーリーを併せてのパフォーマンス、圧巻でした。思わず鳥肌。もう一度観たくなりました♪(時間がなくて行けませんでしたが、、)

すいーつ君はやっぱり可愛い。女性として見習います(^-^;)

※youさんという女性の方がすっごく素敵でした☆☆
しなやかでキレがあって。youさんのダンス、もっと観たいなー。。
MY SWEET BOOTLEG(ご来場ありがとうございました!御感想お待ちしています!次回は10月上旬、同劇場にて)

MY SWEET BOOTLEG(ご来場ありがとうございました!御感想お待ちしています!次回は10月上旬、同劇場にて)

MU

BAR COREDO(東京都)

2012/07/23 (月) ~ 2012/07/31 (火)公演終了

満足度★★★★★

アペリティフのような。
バー公演ということで、いつものMUに比べ、ライトにゆったりと楽しめました。それはアペリティフ(食前酒)のような軽めの味わいで。本家とパロディ、ヘテロな恋愛とゲイセックス、元彼に似た女の子等々。何が本物かで何が偽者か、そんな概念が観ているうちに正に「溶けていく」感覚を、ゆったりとした大人空間で素敵に楽しめました。ああきっとこのお芝居は、メインディッシュを楽しむ為のお芝居。きっとそのメインディッシュは「人生」なんだろうな、と。そんな風に思えます。

そして今回、夏コミに向けてBL原稿描き真っ最中の友達にMUを紹介したところ、普段イケメン芝居専門で観ている彼女にとっては世界が変わる芝居だったような感想を戴きました。このように心に響く芝居に出会えることは本当に幸せなことだと実感します。思えば私も最初に観た会話劇がMU。MUに出会えて本当に良かった。

ネタバレBOX

私も10代の頃少しだけ漫画を描いていて、オリジナルを書く側の気持ちも、妄想して同人誌を書く気持ちもちょっとずつ分かる身としては、「本物」側がどんな意図でどう描こうと同人側には燃料にしかならないという成り行きに納得しすぎてかなりウケました(笑)
しかし徐々に止んでいく作家・・・演じる古屋敷さんの目の表情の変遷に恐怖を感じて。マッサージと称しての喘ぎ声も、最初はただもおふざけかと思って笑ってしまっていたのですが、2回目もそうかと思ったら様相が違い・・・。やはりMUは、期待を良い方に裏切ってくれるな、と変に安心しました。

そして、物語の行方を楽しむうちに、鈴木由里ちゃん演じる結花が、いつのまにか私の心にそっと寄り添っていました。
結花が、酔っ払って先生にキスしようとするシーンで。あっ、と思ったと同時に心臓がふわっとして。そして全力で拒否された結花と共に、私も傷付いて。ショックでした。絶対酔っ払ってキスなんかするものかと心に誓いました(笑)

腐女子のポジティブなBLエロ妄想も、先生とマスターのゲイセックスも。思えばそれは私にとってセクシャリティ的には全く縁の無いもので。だからこそ、一筋の光みたいに結花の思いが心に射してきた瞬間だったんだなと今になって思います。
自分にとって異質なものに囲まれた中で、結花が放った「プロだったら無視しろよ」という言葉がほんと、リアルに胸に刺さるのです。「プロ」を「大人」に脳内変換して、観終わってしばらく経つ今でも、自分の抱えるいろいろなモヤモヤに思いを馳せるのでした。

それにしても、同人誌書いてて処女な姉を説教したギャルな結花が、コンビニでも行くように「デモ行ってくる」と言ったのには、あ、と。そういう時代なんだよな。。
怪誕身毒丸

怪誕身毒丸

花組芝居

駅前劇場(東京都)

2013/12/04 (水) ~ 2013/12/10 (火)公演終了

満足度★★★★★

会心の一作。
シンプルな美術、紋付袴で統一された衣装。そこから繰り出されるインド神話をモチーフにしたどこかアンダーグラウンドの香りのするフェティッシュな舞台、人間の力を前面に押し出した演出・・・それらに彩られた舞台の上の役者さん達が一人残らず美しくて、あまりの神々しさと艶気に終始うっとりした気分で観てしまいました。中でも目を引いたのは加納さんと谷山さんのカーリー対決、谷山さんと涼さんの女形対決・・・そして大介さんのシッダルタの貫禄。阿形と吽形とで同じ脚本なのに、観る側の解釈に異なりをもたらす芝居の妙に、これが26年続く花組芝居という劇団の魅力なのかと驚嘆しきり。花組歴はまだまだ浅い私ですが、ものの見事に「落とされて」しまいました。次回公演も楽しみです!

ネタバレBOX

皆さん本当に素敵でしたが、やっぱり堀越涼さんがダントツで好きです*
ダンスもカッコ良かったぁ。。
グローブ・ジャングル

グローブ・ジャングル

虚構の劇団

座・高円寺1(東京都)

2014/04/04 (金) ~ 2014/04/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

再演!
「エゴ・サーチ」の再演は脚本・演出ともに全く変わらなかったので、劇団員の方達の成長を楽しむ以外に目新しい要素がなく正直ちょっと残念だったのですが、今回の再演は驚くほど舞台にも役者さんの演技にも奥行きや深みを感じて驚きました。根本宗子さんの客演がもしかしたら大きな要因かもしれません。大久保綾乃ちゃんの隙のない緻密な演技も好きでしたが、根本さんの愛らしく柔軟な表現が、新しい風として今までにない虚構の劇団の空気を動かした・・・そんな気がします。ゲイの幽霊を演じた小沢道成くんは、見た目はもちろん大人びましたが、演技でピュアさを軽やかに感じさせてくれて逆に幼く思えました。劇中劇の「桃太郎」、早くDVDで観たいです。ダンスシーン、カッコ良かった><

治天ノ君

治天ノ君

劇団チョコレートケーキ

駅前劇場(東京都)

2013/12/18 (水) ~ 2013/12/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

完全なるリアル
劇団チョコレートケーキの公演を観るのはこれで4回目ですが、毎回「最高傑作」と思わされます。しかし、次回この作品を超えるのはかなり難しいのではないかと思わされるほど、完璧な作品を観てしまったように感じます。目の前には、明治~昭和の時代が確実に在り、現在とは異なる時代の空気が常に張り詰めていました。神格を備えた明治天皇が、人間としての感情に苦悩した大正天皇が、そして再び力強い神の国を目指そうとした昭和天皇が目の前にいました。これはもはや演劇でなく、そこに自分が在ると錯覚する完全なリアル。脚本も演出も役者さん達の演技もどれも完璧なものでしたが、中でも松本紀保さんの「気品」が群を抜いて素晴らしかったです。そして特筆したいのは、美術や衣装の美しさ。細部までこだわった時代考証、特に玉座の妖しさはいつになくフェティッシュでとても私好みでした。

ネタバレBOX

松本さん、別の公演で観たときの何百倍も素晴らしかったです。血筋の活きる演出でした。
『渡り鳥の信号待ち』

『渡り鳥の信号待ち』

世田谷シルク

シアタートラム(東京都)

2012/01/19 (木) ~ 2012/01/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

永遠に続けばいい。
初めて観る本公演、期待以上に素晴らしかったです!!メルヘンチックだったりファンタジックだったり、キュートだったりセクシーだったり。それらが決して散漫になることなく、絵本をめくるように胸の高鳴りを以って、拡がり、展開していく。こんなに多角的で魅力的、かつ芸術的な演出は初めて観ました。

椅子の使い方もダンスなどのパフォーマンスも素敵すぎ。女性の美しさを引き立たせる振付やメイクや衣装も秀逸でした。刹那刹那が愛しすぎて、終わらないで欲しい、このまま永遠に舞台が続けばいい、と思いました。

炎さんの頭の中にはまだまだ沢山のアイデアやいたずら心や素敵な企みが詰まってるのでしょうね。世田谷シルク、また観ます。貪るように観ます。

ネタバレBOX

音楽がやたら好みです♪
最初のsmooth criminalで既に心臓バクバクでしたw
『ロング・グッドバイ』『話してくれ、雨のように』『財産没収』『火刑』

『ロング・グッドバイ』『話してくれ、雨のように』『財産没収』『火刑』

彩の国さいたま芸術劇場

彩の国さいたま芸術劇場 小ホール(埼玉県)

2012/11/22 (木) ~ 2012/11/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

こ れ は 凄 い 。
チケット代2000円、客席50。4つの短編を、劇場内の「倉庫」「通路」「小ホール隅の階段」「ボイラー室」で上演。派手なセットや照明機材などは一切使わず、凄まじいクオリティの会話劇を蜷川さんが観せてくれました。さいたまネクスト・シアターの役者さん達の若く強靭な演技力にはひたすら驚嘆、小規模でもこれだけの力強い演劇を叩き出せるという事実に唸るしかありません。否が応にも小劇場演劇への評価の目が厳しくなります。これは是非、小劇場の演劇人の方々に観ていただきたかった。

ネタバレBOX

川口覚くんがひたすら凄まじかったです。。思えば、彼の演技をこんなに間近で観るのは初めてで。美しく儚く力強く。素敵でした。素敵でした。。
あんかけフラミンゴ2

あんかけフラミンゴ2

あんかけフラミンゴ

王子小劇場(東京都)

2013/02/28 (木) ~ 2013/03/05 (火)公演終了

満足度★★★★★

見逃すな。
初日なので序盤のテンポが少し気にはなりましたが、ここは確実に明日から良くなっていくでしょう。そして見るべきはやはり監禁の過程で凄みを増していく役者さん達の演技。特に主演の笹木皓太くんはやはり逸材、徐々に深みに嵌っていく愛とも狂気とも取れない不可思議な精神状態に、透明感のあるエロスを湛えた残酷な魅力を放つ姿は新たな時代の覇者を予感させるに充分。後ほどネタバレ欄に追記したいと思ってますが、とにかく今は「あんかけフラミンゴを見逃すな、笹木皓太を見逃すな」。これから千秋楽に向かってどんどん化けていくだろうこの舞台、それを想定して☆5です。ああまた観たい。凄かったー。

ネタバレBOX

案の定みなさんの感想が阿鼻叫喚ですね(^-^;) まあそれも想定内でしょう。前回公演の感想は私も酷評でしたが、クオリティが問題なのではなく表現の問題、しかも批判の声の熱量が高いという点でこの公演が如何に観客に爪痕を残したかが伺えます。

それはさておき。

SM監禁で人を支配していく様、遂には殺人まで犯させてしまう様はやはり強烈すぎて胸が焼け爛れるような感覚に苛まれます。序盤はオープニングダンスも軽やかでPOPに描かれるものの、一橋純平くん演じる芸人が平手で何度も殴打される頃にはもう見てられなくて、思わず泣いてしまいました。そこからじわじわと繰り広げられる鬼の所業のような調教に、涙は収まっても動悸は止まらず。実にグロテスクな光景が延々と続くのですが、それでも目の前で凄まじい演技を見せる笹木皓太くんの姿に釘付けになり、自慰からのイキ顔にはすみませんちょっとありがとう(←本当にすみません、)と思ってしまう辺り罪悪感を抱いたり。女優さん達の下着姿はエロスより先に恐怖感を覚えてしまうのですが、それでもやっぱり男性の皆さまはチラッと感謝してたりするのかしらああすみませんごめんなさい。こんな邪な心を抱くときにこれは芝居なんだと実感して、それをこの地獄絵図からの逃げ道にしている気さえします。

とにかく何が言いたいかというと、面白いというには語弊があるけれど、凄い芝居を観てしまった、グロテスクなのにその光景に囚われ続けて昨日も今日もずっとこの芝居のことを考えている自分がいます、と。

あとあと。皓太くんは本当に凄い、凄いけれども同じ役を一橋くんでも観たい。凄いの観れます絶対。

また何か思ったら書きます。

(3/5追記)
見てから4日経ったら、温かい大きな愛の物語に思えてきました。ちぃは真性のMじゃなくて、愛してるから明の性癖に付き合ってた、その包容力に明も惚れ込んだようなそんな気がしたのです。演じた大森さんの魅力もとてつもなく。島田さんが「大森さんと結婚したい」とツイートしてたのも頷けます(^-^) エログロの物語でしたが、今はとても爽やかな気分。本当に素敵な公演でした*
今日も、ふつう。

今日も、ふつう。

アロッタファジャイナ

新宿シアターモリエール(東京都)

2008/12/10 (水) ~ 2008/12/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

アロッタファジャイナ最高傑作。
想像を絶するような性と生、そして美と死に満ち溢れた耽美的な舞台でした。 物語の核となるのは、女性の「性」。 その美しさの根源は、生を凌駕するほどの死への直結。 セックスとは本来産む為の本能から起こされる行為であるはずなのに、 舞台上から溢れ出る性は一直線に破滅へと繋がっています。 エロスで輝いているのは常に女性で、 破滅を恐れて情けない姿を見せているのは常に男性。 思いを遂げられずに叫ぶのも男性。 ああ、斯くも女性は、美しく、残酷であるものなのでしょうか。
薔薇や蔦の絡まる壁、アンティークな椅子や食器の数々といった ゴシックなセットの中で、実に耽美的に、刹那的に。 アロッタファジャイナという劇団の持つフェティシズムが全開! 看板女優である安川結花ちゃんは、どの公演でも毎回 「この役が当たり役」と思わせてくれるのですが、今回も然り。 というより、今まで以上に彼女自身の経験にない(と思う)部分を身体に取り込み、 それを舞台上で説得力のある、且つ魅力のある演技にしてしまうという良さが今回は突然、何かの域を超えてしまったような気がします。

ネタバレBOX

あの、悲劇のラスト。 燃え盛る火の中で狂おしく抱きあい、口付けをして至福のうちに死を迎える・・・。号泣しました。しばらく、席を立てませんでした。 何人かの男性に感想を聞いたところ「どこで号泣?」と不思議がられましたが、きっとこの感覚は受動の性である女性の方が共感しやすいのだと思います(^-^;) 劇団アロッタファジャイナ、どんどん進化しています。 イケメン舞台だった『ルドンの黙示』から一転、美少女演劇に回帰した事でアロッタの魅力、成長の著しさを直で感じさせてくれた素晴らしい公演でした。
サヨナラ サイキック オーケストラ

サヨナラ サイキック オーケストラ

Mrs.fictions

上野ストアハウス(東京都)

2011/08/25 (木) ~ 2011/08/29 (月)公演終了

満足度★★★★★

普遍的にしてリアル。
世界の終わりを前にして、その時をどう過ごすか、今をどう生きるか。普遍的なテーマにして、今の日本では超リアル。隕石衝突という絶望的な日を描きながら、悲観的な雰囲気は全くなく、逆にコミカルな登場人物達が生き生きとしていて愛おしささえ感じる。それにしてもこのラストは・・・面白すぎる(笑) あの恋の行方がどうなるかが全く分からないし、ハッピーエンドなのかバッドエンドなのかさえ疑問(笑) いや、でも。たとえ地球がなくなろうと、幸せならいいのだと。そう思います。

※屋上周囲のビルのセットが可愛かったです♪

ネタバレBOX

地球の行く末も、恋の行く末も。地球が無くなってみんな死んでもハッピーエンドなんだなと思いました。あんな風に世界の終わりに自分は笑顔でいられるかなぁ。。そうありたいな。

それにしても、カゼッタ役の方が面白すぎ(笑) アフタートークでは「普通の人」だったのでびっくりしましたw

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