満足度★★★★★
アロッタファジャイナ最高傑作。
想像を絶するような性と生、そして美と死に満ち溢れた耽美的な舞台でした。 物語の核となるのは、女性の「性」。 その美しさの根源は、生を凌駕するほどの死への直結。 セックスとは本来産む為の本能から起こされる行為であるはずなのに、 舞台上から溢れ出る性は一直線に破滅へと繋がっています。 エロスで輝いているのは常に女性で、 破滅を恐れて情けない姿を見せているのは常に男性。 思いを遂げられずに叫ぶのも男性。 ああ、斯くも女性は、美しく、残酷であるものなのでしょうか。
薔薇や蔦の絡まる壁、アンティークな椅子や食器の数々といった ゴシックなセットの中で、実に耽美的に、刹那的に。 アロッタファジャイナという劇団の持つフェティシズムが全開! 看板女優である安川結花ちゃんは、どの公演でも毎回 「この役が当たり役」と思わせてくれるのですが、今回も然り。 というより、今まで以上に彼女自身の経験にない(と思う)部分を身体に取り込み、 それを舞台上で説得力のある、且つ魅力のある演技にしてしまうという良さが今回は突然、何かの域を超えてしまったような気がします。