満足度★★★★
同時多発的悲劇
いくつかの断片的な場面で登場人物を紹介して、そのつながりを早めに明らかにしつつ1つの謎を提示する序盤でツカミはオッケー。
以降、序盤で示された謎が徐々に明らかにされて行き、行き着くところはロミジュリばりの悲劇。ちょっとした嫉妬や出来心(?)から起こった事件が10年の歳月を経て迎える哀しく切ない結末、的な。
また、中心となる澄川兄妹だけでなくその周辺の人物たち3組にも悲劇が訪れ、「同時多発的悲劇」の様相。
しかもこれらの悲劇が「ふつう(=日常)」と隣り合わせていて、ホンのちょっと歯車がズレただけで起こり得る「ふつうじゃない」状況なのが巧みなところ。
あと、それまで好人物でどちらかと言えば被害者側だと思っていた登場人物が実は…という終盤の展開にロベール・トマの『罠』も連想。
満足度★★★
舞台はよかったけど
作品はとても楽しめました。ストーリーはもちろん、音楽や照明を含めて満足です。ただ一つ残念だったのは、何の手違いかCoRichでの予約特典が届かなかったこと。メールで問い合わせても反応がないようですし、この辺は改善してほしいですね。というわけで★3つ。
満足度★★★★★
ふつう。って どうなのよ?
人はそれぞれの世界で色々な何かを背負い生きている。
その歯車がある出来事をきっかけに絡み合い、すれ違いそして狂い始める。
「ふつうだよ。」
「ふつうじゃない。」
「ふつうだからこそ、危ない。」
「ふつうに結婚してふつうに幸せになれるとでも思ったのか?」
「ふつうに暮らしていきたいのならそれも良い。」
登場人物が口にする其々の「ふつう。」
その「ふつう。」がストーリーの展開と共に刺激ある痛みに、
そして爛れたエロスと変わっていく。
何もせず、何も云わずただ過していく事、生きていく事が「ふつう。」なのか?
否。
それは「ふつう。」じゃなくて「無難。」なのだ。
「ふつう。」とは本気で、残酷であり、痛くもあり、美しくもあり、哀しくもあり、憐れでもあり、
厭らしくもあり、爛れているのである。
「ふつう。」の不思議で重く深い意味を考えさせられた舞台だった。
満足度★★
点描写を強引に結びつけてる感じ
最後のシーンを描きたかったのはわかるし、それは美しいとも思うが、ここに辿り着くまでの展開が冗長かつ強引で消化不良。137分。
満足度★★
エンターテインメントは危険なものである
上演時間は2時間半というアナウンスを聞いたときは、どうなることかと思ったけれど、フタを開けてみれば、結局、飽きることなく、寝ずに、観ることができた。
長いうえ、2時間半で40回以上という暗転の回数は異常。それでも、小出しにされる情報を追いかけているうち、あまり気にならなくなって、終演後には不思議な達成感すらあった。
でも、僕は、この舞台に高い評価を与えることはできない。それは、この舞台のあり方が、危険なものを含んでいると考えるからだけど、それでも、この舞台は、ある面ではなかなか面白くできていて、話は単純ではないのである。
満足度★★
作品はとっても素敵でした。
愛憎がとてもリアルというか、エロチシズム的に描かれていて。
素敵な作品でした。前回より遥かに好感です!
役者さん達、特に男性陣の演技に圧倒でした。
しかし、客席で携帯見ながら写真とりまくっている人がいて・・・・
それが何やら出演者の関係者の方らしく・・・・
それゆえにこの満足度です…
満足度★★★
良く出来た脚本に役者も熱演!
前作「ルドンの黙示」の評判が物凄く高かったので、期待して見に行ってきました。
モリエールに入ったのは2回目だったけど、舞台を両面から客席が囲むような形。
真ん中の舞台は真っ赤な絨毯が敷き詰められ、壁には薔薇や装飾がキレイにされている。
雰囲気作りが素晴らしい、けど、個人的にはこの対面型の客席は特別な意味がない限りは苦手な形で。
狭い会場だと逆に一体感が出て良いのだけど、今回のようにしっかり世界観を演出しようとしている時には、舞台の向こうにお客が見えてしまうと興ざめするので。
あと、高低差の少ない客席で、舞台は更に下にあるので、舞台上が非常に見づらかったのも話に入っていくのを阻害する要因になってしまっていました。
演技は皆さん熱演だし、話も凄く凝っていて美しい話だっただけに、もっと集中して見たかったな。
満足度★★★★★
アロッタファジャイナ最高傑作。
想像を絶するような性と生、そして美と死に満ち溢れた耽美的な舞台でした。 物語の核となるのは、女性の「性」。 その美しさの根源は、生を凌駕するほどの死への直結。 セックスとは本来産む為の本能から起こされる行為であるはずなのに、 舞台上から溢れ出る性は一直線に破滅へと繋がっています。 エロスで輝いているのは常に女性で、 破滅を恐れて情けない姿を見せているのは常に男性。 思いを遂げられずに叫ぶのも男性。 ああ、斯くも女性は、美しく、残酷であるものなのでしょうか。
薔薇や蔦の絡まる壁、アンティークな椅子や食器の数々といった ゴシックなセットの中で、実に耽美的に、刹那的に。 アロッタファジャイナという劇団の持つフェティシズムが全開! 看板女優である安川結花ちゃんは、どの公演でも毎回 「この役が当たり役」と思わせてくれるのですが、今回も然り。 というより、今まで以上に彼女自身の経験にない(と思う)部分を身体に取り込み、 それを舞台上で説得力のある、且つ魅力のある演技にしてしまうという良さが今回は突然、何かの域を超えてしまったような気がします。
満足度★★★★★
初めて・・・。
何もかもが、はじめて。
舞台を見るのも、アロッタの公演を見るのも、井川さんのお芝居を見るのも。
とにかく、楽しみにしてシアターモリエールに行ってきました。
最初の感想は、会場が「ちいさっ!!」
しかも、舞台を挟んで客席とは・・。まずは、コレに驚き。
やっぱり、はじめてだったので、固く見てしまいました。
満足度★★★★★
ミステリー映画を観てるような
とにかく、素晴らしい!の一言!大絶賛!
何が素晴らしいかって、ドキドキワクワクの展開とそれをカバーする役者陣の演技力。
物語は最初、断片的でパズルのピースにすぎなかったが、その一つ一つのバラバラだったピースが見事に繋がる。そのネタはそこここに散りばめられて、最後は一つの風景画になる。
その風景画と青い海を見渡せる崖の上の白い一軒家だったりする。
以下はネタばれBOXにて。。
アロッタファジャってきた。
誰が被害者で加害者だったのか。全員が当てはまった様にも思えるし一人もいなかった様にも思える。辿り着いた結果は一つでも、それに至った経緯を誰の目線で観るのかによって意味は変わる。愛し愛されるのは幸せな事か?死は悲しい事か?ふつうって、なんだ?
名前はよく見聞きしたものの、自分含め周囲に観た人がいなくて気になっていた団体。ふつうに面白いと思いました。しかし普段はふつうじゃない題材を扱っているらしいので、そっちも気掛かり。今回初見だった自分にとってはこれが現状でのアロッタファジャイナのふつう。
やる側がやりたい事をやれている芝居。尚且つ客席は何処に座っても観易いし、スタッフワークもナイス。アンケートの作りにも加点。ボードを付けて、名前などの記入欄を上にした様式。記入率を上げる為の工夫がされていました。公演として質が高いですね。140分という長尺ながら落ち着いて観ていられました。個人的には場転及び暗転の多さはあんまり気にならなかったです。最初から最後までを通して一つの集中力で観たらそれは確かに疲れると思う。自分の場合はこういう作りの芝居を観る時、場転であえて一度冷静になって次の場面で新たに集中する様にしています。ちゃんと作られていれば、その内に流れで観て自然と移入出来る構成になっているはずなので。
満足度★★★★
「ふつう」に愉しかったです^^
いくつものピースが次第に繋がっていき,それぞれに結末をむかえる。ミステリ感覚で2時間15分の時間も気にならず,楽しく観ることができました。個々の結末にはもっとオチがほしいところですが,それだと時間がもっと長くなるし・・・本筋が素敵だったので,良しとしますか^^舞台と客席のかたちも良かったです。
満足度★★★★
全体的に満足だが消化不良。
かなりいっぱい人物が出てくる割に、全員関係性がきちんとあって、こんなところで貴方が関わってくるのね!と感心&引き込まれました。
私はミステリーものの犯人が読めない人間なのでドキドキしっぱなし。
でもわかる人にはわかっちゃうのかも。
満足度★★★★★
いい意味で、「ふつう」
ふつうということは、ふつうじゃないこと。それがよくわかった。実際に観るまではどんなストーリーかわかりにくい(チラシなどでは情報が少ない)けど、観ると十分に納得できる。費用対効果も文句なしで、面白い!キャストが多彩で、しかも美少女が4人もいるから舞台は華やかだ。この美少女たちが、想像とは違ってちゃんと役者している。セリフも間違えずに文句なし、演技もなかなか板についていた。舞台を挟んで向き合ったレイアウトだった客席は初めてだが、とくに違和感はなかった。