今日も、ふつう。 公演情報 アロッタファジャイナ「今日も、ふつう。」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    ふつう。って どうなのよ?
    人はそれぞれの世界で色々な何かを背負い生きている。
    その歯車がある出来事をきっかけに絡み合い、すれ違いそして狂い始める。

    「ふつうだよ。」
    「ふつうじゃない。」
    「ふつうだからこそ、危ない。」
    「ふつうに結婚してふつうに幸せになれるとでも思ったのか?」
    「ふつうに暮らしていきたいのならそれも良い。」

    登場人物が口にする其々の「ふつう。」
    その「ふつう。」がストーリーの展開と共に刺激ある痛みに、
    そして爛れたエロスと変わっていく。


    何もせず、何も云わずただ過していく事、生きていく事が「ふつう。」なのか?
    否。
    それは「ふつう。」じゃなくて「無難。」なのだ。

    「ふつう。」とは本気で、残酷であり、痛くもあり、美しくもあり、哀しくもあり、憐れでもあり、
    厭らしくもあり、爛れているのである。

    「ふつう。」の不思議で重く深い意味を考えさせられた舞台だった。




    ネタバレBOX

    登場人物の彼是が何故か気になってしまい勝手に想像してみました(笑)

    先ずは登場人物の名前。
    ご存知の通り其々色が鏤められています。
    結構凝ってますよネ。

    何故か黄色だけがダブっています(黄久馬・黄衣路)
    闇の世界に生きる男に透き通る(透)
    蔵ではなくて臓(青臓)
    暗い紫と云うよりも試案や思案にかけてるのかも(紫暗)
    アルプスの少女?(灰児)
    その儘水商売(水世)
    オイラは青臓の臓が好きです(^^;

    澄川紅緒。
    女子文化学院3年。
    日本文学党々員。
    紅緒が江ノ島桜だった事について。
    無理が有るんじゃないかと云う意見もある様ですが、
    目や耳が不自由な人の殺人事件や証言になるストーリーがある位なので
    オイラはありかな?そう思います。
    奇病の影響か?
    自分よりも生まれてくる弟を大事にされると思い
    両親に対して寂しさとそして憎悪が芽生える。
    そんな時1人遊びを覚え期せずして澄川橙二郎と運命の出会いを果たす。
    橙二郎に自分を与え続け両親に見つかったのも彼女の計画だったのかもしれない。
    そんな想像をもしちゃいます。
    4人の女子高生の中で絶対に処女だと思っていたのにネ!

    澄川橙二郎。
    殺人者にして児童溺愛のド変態男。
    でも10年もの間、紅緒が記憶を無くしているからとは云え、
    自分の性癖をどうやって隠し通してきたんだろう?

    島田虹子。
    虹プロ社長。
    考えによっては今回のストーリーで一番「ふつう。」じゃない人。
    所属タレント3人とマネージャー1人が殺人事件を起こしたり巻き込まれたり、
    遡って元彼は殺人者でその体験をモチーフに書いた小説を幼馴染に盗用されるも
    弱みとして握り強請り紛いの行い。
    そのせいで命迄狙われる事になるんだから!
    でもしぶとく生きているんだろうねきっと。

    寺内茶々。
    虹プロマネージャー。
    ブランド気分で付き合い結婚迄考えたエリートサラリーマンとの関係に疑問を感じ、
    出した答えが喫茶店のマスターとの恋。
    そのマスターは痴漢行為でドロップアウトした元エリート官僚。
    男を見る目が有ると云うか何と云うかある意味凄腕な女性。
    「女は秘密~ブスを隠し~」冒頭では不細工だったのが
    中盤から後半にかけて、美しく見えてきた。
    一途な思いがそうさせたのかな。
    大島黄久馬さんが出所する迄待っていて欲しい。

    沢渡紺美。
    虹プロ所属タレント。
    別に売れても売れなくてもどうでも良い~みたいな女の子。
    意外と純情。
    彼氏(宮崎黒介)の怪我が重傷じゃない事を祈ってます。
    「Water World」のチイママとして頑張って下さい。

    大島緑。
    澄川橙二郎のフィアンセ。
    実は喫茶店ドトオル店長・大島黄久馬の妹。
    橙二郎と知り合って一月で結婚を決意する。
    それ迄の生活は身体を売って生計を立てていたらしい(本人談)。
    橙二郎と知り合うきっかけ、ツタヤエピソードも強ち冗談じゃないのかも。
    松沼青臓の命令により動いていたと思われるが、
    青臓と何時、何処で知り合ったのかは不明。
    身体を売った時の客の1人か?
    でも青臓は3年もの間刑務所暮らしをしていた筈だし・・・。
    青臓の腕の中で死ねたのは本望か。

    松沼青臓。
    磯田河北組 若頭預かり客人。
    元は江ノ島家に出入りする酒屋だった。
    10年前の江ノ島一家惨殺事件に巻き込まれ新婚早々の妻を失う。
    自分も瀕死の重傷を負うが奇跡的に一命を取り止め、
    真犯人・澄川橙二郎への復讐を誓う。
    10年もの間に闇の世界に身を投じ殺し屋となる。
    自分とそして妻の無念を晴らす為に生き延びるも
    闇の世界で人を殺すとは何とも皮肉である。
    然も復讐の一歩手前でドジを踏み大島緑を失い、澄川兄弟に逃げられてしまう。
    若頭 尾上透の命により島田虹子の殺しを請け負うも、
    この状況じゃ恐らく果たせなかっただろう。
    っとなると今度は自分の命が危ない!気をつけろ~!!

    尾上透。
    磯田河北組 若頭。
    この中りを牛耳っている組の若頭である尾上は常に冷静であり、
    恩や義理を大切にする男である。
    自分の思う通りに仕事をやってのける青臓に対する労いや
    引退後の身の振り方のアドバイスからも想像できる。
    っがもしも島田虹子の件が失敗に終わった場合、容赦なく青臓の命を狙うだろう。
    自分の面子にかけてである。

    大島黄久馬。
    純喫茶ドトオル店長。
    国交省の元エリート官僚。
    自らの痴漢行為により家族が崩壊。
    両親を失い妹・緑からも毛嫌いされる毎日。
    元捜査一課の刑事だとか何とか云って
    バイトの女子高生時田紫暗の持ち込んだ一通の手紙の内容と
    10年前の江ノ島一家惨殺事件との酷似を示唆。
    解決とはいかない迄も糸口の様なヒントを多々与える。
    しかし寺内茶々の目の前で
    彼女の婚約者藤原銀太の侮辱にぶち切れて殺してしまう。
    茶々がずっと待っていてくれる事を祈ってます。

    島村水世。
    スナック「Water World」のママ。
    舞台の設定的には尾上 透の情婦なのかな?
    島田虹子との腐れ縁を断ち切りたい辻村黄衣路に融資先を紹介をしたり、
    殺しを依頼する彼女達を平然と見ていられる!!
    当に裏の世界の女・・・。
    劇中挿入歌「女は秘密」を地でいってるなぁ。

    藤原銀太。
    国土交通省 国土計画局係長。
    「今日も、ふつう。」に登場する人物の中で尤も解り易いキャラクター。
    エリート官僚意識を強く持とうとするも、
    2流(3流)大學出のコンプレックスに打ち勝てずにいる。
    唯一見下し目線で付き合っていた婚約者、寺内茶々にも愛想をつかされる。
    その上、茶々が選んだ男が嘗てはエリート官僚で痴漢行為に由り
    ドロップアウトした、しがないチンチクリンな野郎。
    もしかしたら近い将来の自分を垣間見たのかもしれない。
    罵詈雑言を浴びせ貶すも逆切れされて・・・・・合掌。

    篠原赤矢。
    澄川ねじ製作所 従業員。
    虹プロ所属タレント。
    島田虹子の子犬。
    そんな優柔不断な性格じゃあ役者としても成功しないし
    桃花ちゃんに振られるのも虹子社長にも捨てられるのは当然。
    あの時、桃花ちゃんとの関係をはっきりすべきだったネ。
    例え別れたとしても吹っ切れて却って役者に集中出来たかも。
    灰児と揉みあって刺された時の断末魔の痙攣!!
    迫真の演技でしたヨ!ってあれは演技じゃなかったんですネ!!

    生田白貴。
    澄川ねじ製作所 従業員。
    中卒。
    テンションテンションハイテンション~~!
    So~~~~~~~スウィ~~~~~~~ツ!!
    世の中So~んなに甘くなあ~~~~~い!!!
    その場の雰囲気で思わず嘘ついちゃったんだから、
    イッツ・ジョ~クタ~~イムみたいな乗りでやり過ごせなかったのかなぁ。
    ところで白貴君!
    探し当てたのは紺美ちゃんのお家?それとも黒介のお家??
    探偵の仕事の方が向いているかもヨ。

    猪瀬灰児。
    芸能界に憧れて東京にやってきた青年。
    赤矢の紹介で澄川ねじ製作所に勤め始める。
    何かと赤矢に世話になりつつも赤矢の素性と云うか
    本性を見抜く辺りは鋭い。
    虹子社長が赤矢と桃花の関係を気付いているにも関らず、
    「俺の彼女です!」っていきなりのキス!!かなり強かですネ。
    役者としては君の方が成功する可能性があるかも。
    桃花ちゃんも靡いてくれるし主役の座も手に入れる事が出来ました。
    一番の収穫は事故?とは云え人を殺す事が出来た事。
    何物にも代え難い貴重な経験をしましたネ。
    この経験を仕事に活かして頑張って下さい。
    尤も仕事が有ればの話ですが・・。

    宮崎黒介。
    チンピラ。
    青臓の引退を撤回させる尾上からの殺しの命令に息巻く黒介。
    黒介「何故なんですか?俺~尾上さんに聴いてきます!!」
    青臓「おめぇ~上なめてんじゃあねぇぞ~!!!」
    青臓が尾上の胸の内を、闇の世界に生きる者のタブーを話すこのシーンに
    何故かはまりました。
    演出の松枝さんはスナック「Water World」で青臓の顔色を盗み見る様な黒介の表情が
    お気に入りだそうです。
    怪我が回復したら紺美ちゃんと幸せになって欲しいです。
    もしかしたら青臓の不始末の尻拭いを自ら進んでするのかもしれない!!
    尾上透の片腕となれるか??
    その為には捨てなければならないモノが多すぎるけど。

    辻村黄衣路。
    ミステリー作家。
    超?売れっ子の作家さんもデビューのきっかけとなった作品は何と盗作だった!
    盗作と云うより勝手に自分の作品として応募しちゃっただけなんだけど・・。
    でも10年前の当時、世間を騒がせていたという江ノ島一家惨殺事件。
    それに酷似している内容の「江川家の憂鬱」を最初に読んだ時
    何か疑問を感じなかったのでしょうか?
    鋭い観察力が必要とされる作家、それもミステリー作家なのだから・・。
    その後の作品が映画化される(予定)位なんだから才能はあるのでしょう。
    それだけに島田虹子に強請られるのが我慢ならなかった。
    虹子が殺された場合、水世ママや尾上透から何も無ければ良いですネ。
    でも、女子高生の君嶋黄金ちゃんを可愛がったりするのは、
    虹子社長と同じレベルですヨ。
    早く黄金ちゃんを一人立ちさせないと今度は彼女が・・・・!!

    彩音桃花。
    女子文化学院3年。
    日本文学党々首。総裁。リーダー。
    リーダーと云うわりには作家志望なわけでもない。
    冒頭で本人曰く、
    「ふつうに卒業して」
    「ふつうに大學に進学して」
    「ふつうに結婚して」
    でもその望み?をあっさり叶えちゃった!
    紅緒の死後、何年か経ったクリスマスイヴの再会。
    一人結婚して主婦してた。
    「ふつう。」の定義は難しいけど「ふつう。」に幸せみたいだネ。
    因みに旦那さんってどんな人??

    君嶋黄金。
    女子文化学院3年。
    日本文学党々員。
    作家志望であり、後輩の時田紫暗と共に作品を書いては投稿するも落選の一途。
    そんな彼女が江ノ島桜からの手紙を武器に近づいたのが、
    ミステリー作家、辻村黄衣路である。
    思わぬ展開で黄衣路に取り入る事が出来た黄金ではあったが、
    しかし、敵も然るもの。当然!只と云うわけではないのである。
    「江川家の憂鬱」の秘密と引き換えに黄衣路が出した条件とは
    黄金の身体である。
    「絶対に裏切らない」
    「あたしの女になるって事よ。」
    紫暗に「彼氏を作らないと」ってな突っ込みをいれられるのだから、
    黄金も当然処女である。
    男よりも先に女を知る体験をする。
    しかし彼女は躊躇せずにその関係を受け入れるのである。
    自分の夢の為に。
    これが彼女の「ふつう。」なのか。
    然も絶対に裏切らないって云って
    日本文学党の面々にはぶっちゃけてるんだよネ(秘密の関係以外は。)
    そのお蔭で事件の真相を知る為の京都行きに繋がるのだから凄い。
    紅緒の死後三人で再会したクリスマスイヴ。
    辻村黄衣路に未だ付いていて書かせて貰っているなんて
    云ってたけどどそろそろ一本立ちしないとネ。
    才能は紫暗ちゃん並にあると思うよ!
    遅咲きかもしれないからそれ迄はもっと色んな体験を「ふつう。」にして下さい。

    時田紫暗。
    女子文化学院2年。
    日本文学党次期党首。総裁。リーダー。
    そもそも冒頭での彼女の発言がユニークである。
    紫暗「私達の作品が駄目なのは、「ふつう。」過ぎるからですヨ!」
    「「ふつう。」じゃない体験を沢山して得た経験を元に作品を書く。」
    「それはお金を出しても欲しい情報として売れるんです。」
    紅緒「例えば人を殺すとか・・・?」
    黄金「作品を書く情報が欲しい位で人を殺すか~?」
    紅緒「例えばの話ヨ」
       「例えば私達女子高生が100人の男と寝るとか??」
    これだけ話しが盛り上がるのだから紫暗は目の付け所が違う。
    作家としての才能は4人の中で一番だと思う。
    そして事件の幕開け。
    日本文学党の其々の「ふつう。」
    ネジ工場の其々の「ふつう。」
    芸能事務所の其々の「ふつう。」
    闇の世界の其々の「ふつう。」
    謎の人物たちの其々の「ふつう。」
    全ての「ふつう。」が様々な終わりを告げる時、
    それは、
    紅緒(桜)が兄橙二郎との世界を終わらせる時。
    その最期を見届けた紫暗。
    紅緒が紫暗を選んだ事の意味はあまりにも大きい。
    紅緒の死後、クリスマスイヴに再会した時の会話。
    黄金の「2人の死を止めなかったのか?」の問いに対し、
    「紅緒さんのあんな笑顔をみたら、」
    「それもありかなって思ったんです。」
    これが時田紫暗の「ふつう。」なのである。

    紅緒は兄橙二郎との「FOREVR MINE」を紫暗に託します。
    それを確かに受け取った紫暗は「ふつう。」では得られない経験として作品にします。
    その作品は見事、直木賞に輝く事となります。

    その作品名は



    「今日も、ふつう。」



    以上、誠に勝手で無責任な想像で申し訳ありませんm(  )m





















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    2008/12/20 17:08

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