パントマイム舞☆夢☆踏 LIVE vol.17
パントマイム舞☆夢☆踏
早稲田小劇場どらま館(東京都)
2009/03/06 (金) ~ 2009/03/08 (日)公演終了
満足度★★★★★
面白い!楽しい!勉強になりました!
観劇させて頂きました。この公演はパントマイムの公演でしたが、それぞれの作品タイトルをもとにして構成された複数オムニバス作品集公演でした!。面白かったですし、楽しかったです!そして、少し考えさせられるほど勉強させていただきました!この公演に出演されてパントマイムを披露されている方々は、早稲田大学の学生さんたちとOBの方だそうですが、若い方たちの発想の柔軟さがいい年代の自分からしたら新鮮に感じてしまいました!日頃は気づいてもいないし、思ってもいませんが、やはり自分ぐらいの年代になるとどうしても固定観念を持っていて、自分では柔軟なものの考え方をしているつもりでも、これまでに蓄えてきた知識や経験をもとに考えることが多くなり、まだ若いはずの学生の方々の本公演を観劇させていただくと、今まで自分が気がつくことのなかったことを多々観させていただけて、「面白いなぁ~」「楽しいなぁ~」「勉強させて頂きました」とただただ思うしかなく、公演時間が「アッ」という間に過ぎていきました!パントマイムの身体動作表現は観ている全ての者に、ほとんど台詞らしいものなどなくとも、ハッキリと何を表現描写しているか伝えられるところが魅力ですが、本公演を観劇させて頂いていると、もし言葉で説明するならばかなりの量を必要とし、あるいはそれでもうまく伝わらないかもしれない事柄・状況・心理などを、観ている者の誰もが共通してイメージ出来る非常に分かりやすい身体動作表現のみにより、観ている者が瞬時にイメージを最大限に膨らますためにもっとも適切な動作表現をパントマイムを用いて教えてくれているようにも感じてしまいました!観ている者の頭の中でイメージしてもらいたいことなどを、これほど瞬時に大変分かりやすく伝えることが出来るパントマイムは、自分から観ると非常に魅力的な表現手段に思えてしまいます!それにしても本公演のパントマイム・オムニバス作品集は、台詞らしいものもほとんど無いにも等しいにもかかわらず、何一つ考えることなどなく、終演時間いっぱいまでとにかく楽しんで、笑って、面白い時間を過ごさせていただきました!ですが、少しだけ驚いてしまったことは、今の早稲田の女子学生はこんなに頑張っているのかぁ~、と今どき時代錯誤かもしれませんがビックリしてしまいました!こんなところがやはりいい年をした自分の固定観念に縛られてしまっている表れかもしれません。本公演の評価については、当然普段観劇させて頂いている演劇作品と比較して評価するべき公演ではないようにも思えますし、また自分はパントマイムの作品について評価できるほどパントマイムを詳しく知っている分けではないので、本公演を終演まで十二分過ぎるほど楽しませていただいた個人的な満足度を星の数で表しています!スタッフの方にお聞きしたところ早稲田大学の学園祭においても公演をされる予定だそうですので、ぜひまた観たい自分としては年甲斐も無く今年の早稲田の学園祭に潜り込もうかなぁ~、と思っております!今日はパントマイムの魅力に触れさせていただき、笑いましたし、面白かったですし、勉強もまたしっかりとさせていただき、非常に楽しい一日でした!
獨道中五十三驛
松竹
新橋演舞場(東京都)
2009/03/04 (水) ~ 2009/03/23 (月)公演終了
満足度★★★★
年数回の観賞分野ですが・・・
観賞させて頂きました。この日は歌舞伎観賞で、自分はいつもこちらのサイトの「観てきた!」を拝見させて頂き、勉強させていただいている分野ですので、作品についての解説は自分の後に書き込みをされる方のものを読まれることをお勧めします。自分の場合は、年に数回ほどこのような分野の観賞をお供でしなければならない理由があります。親戚が茶道を教えていますが、自分がまだお恥ずかしい10代の反抗期の頃に「気持ちを安らげるために」との理由で習わされることになりましたが、その後そのまま年月が過ぎ20代前半になった時に簡単なお茶会がありました。茶道をされる方は女性が非常に多いのですが、その時男は自分一人でした。お茶会では正客と言うお客の主になる方がいますが、この日男一人の自分が、ぜひ男性の方がなるべきだ、となることになりました。ですが、この正客はお手前を頂いた後に茶器や掛け軸や生け花などを話題にして教養のある風雅な時間を提供しなければなりませんが、自分の場合は「萩焼ですか・・・、・・・結構なお軸で・・・、・・・」茶道には着物を着れる機会があるという理由で若い女性もまた多いですが、まだまだ若かりし頃の恥じらいのある自分には長い、長い拷問のような時間が過ぎていきました。その後さらに月日は過ぎますが「教養がないから、大恥をかかされた」と言われ、年数回お供をしなければなりません。しかし、本公演は観る者を楽しませる「観どころもいっぱい」で、観る者を選ばず・気軽に楽しめる「分かりやすく・楽しい作品」でした!ただし、本公演は休憩時間を含めると4時間を軽く越える作品で、長時間の観賞が苦にならない方でないと少し苦痛を感じてしまうかもしれません。歌舞伎の作品に対して専門的な解釈などとても加えられる立場にはありませんが、観賞させて頂いていて思いましたが、その舞台上の色彩感覚が目に非常に優しく映り、その台詞のリズム感覚や間が非常に心地良く感じられ「やっぱり自分は日本で生まれ、日本で育ったんだなぁ」と妙に納得してしまいました!今回の作品の評価については、とてもではありませんが自分が評価できる分野ではなく、この後に書き込みをされる方々のものこそ正しいもので、自分はたんに個人的な満足度を星の数で表させていただきます。長時間の観賞でも苦痛を感じることがないならば、「分かりやすくて・楽しみどころいっぱい!」で誰でも気軽に楽しめそうな歌舞伎にも思えましたが、休憩時間も長めとはいえども4時間を越えますから、それが苦に感じるかどうかも本作品を楽しめるかどうかにかかわってくるような気もします。たまには自分が普段好んで接する機会を持とうとしないことも、触れてみるとこれはこれでまた楽しい時間が過ごせるような気がしますが、自分の場合はなかなか楽しい時間が過ごせました!
double face
ノアノオモチャバコ
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2009/02/27 (金) ~ 2009/03/03 (火)公演終了
満足度★★★★★
好みかもしれませんが、自分は出揃いました!!!
観劇させて頂きました。この作品はあらすじを基本とした作品でしたが、男女間の恋愛も絡んでくる話だとチラシか何かで拝見させていただいていたので、自分にとって理解できるものなのかどうなのか若干不安なものも問題としてあり、観劇させて頂く前に少しビクビクしていました。ですが、まさかここまで自分の好みが揃えられていた作品だとは思いませんでした!剥き出しのコンクリートをも思わせる無機質とも思える舞台空間で次々と繰り広げられる演出表現・身体動作表現を観ていると、事前にこちらの劇団が舞台空間演出での評価が極めて高いとのことを知っていたせいか、実に絵画的な光景に観えてしまいました!その舞台上の進行を観ていると絵画のコンポジションが制作されていくようにも思えてしまい、特に身体動作表現をこれ以上ないほど次々と取り入れ物語が進行していく光景を観ていると、自分の場合はなんだか「カンディンスキーのコンポジション」が終演に向かって完成されていくようにも思えてしまいました!しかし、今夜観劇させていただいた自分の席は舞台から二列目の席でこれが良かったのかどうか・・・厳選された役者さんたちだけでならまだ分かるのですが、劇団の大勢の方により繰り広げられる身体動作表現で、これほど個人単位でも全体単位としても高いレベルで揃えられるものなのか、と少しビックリしてしまいました!個人としての身体動作表現としても舞台上の役者さんたち一人一人の細かい動作まで全て観ていても見応えがあるのに、舞台中央あたりでも役者さんが台詞を話されているので、舞台上の全ても観なければならないし、その上台詞も聞き取らなければならない、観ている自分もまた舞台上に時間いっぱい集中していなければならない、おかげさまで終演後の一服が実に美味しくなるくらい気持ちいい疲れかたをしてしまいました!しかし、終演まで自分の場合は「アッ!」という間に感じられるほど舞台上に集中させていただきましたが、一回だけ自分の腕時計を見た瞬間がありました。どう考えてももう終演に近づいているだろうと思われる時間帯に役者さんたちが横一列になりその場で足踏み行進の身体動作表現をされていた時、その足踏み行進が見事なほど完全に揃っていて、終盤に入ってもこれだけの集中力があることに驚いてしまい腕時計で思わず確認してしまいました!その後も正面を向き横一列で非常にゆっくりとした足踏みをその場でされて演出されていましたが、自分が非常に意地悪な観かたで役者さんたちの足の揃えられ方を観ていても着地の瞬間が本当にわずか数センチだけずれることが数回あっただけの丁寧さと集中力に脱帽してしまいました!舞台上に非常に近いというのも考えもので、自分の場合は舞台上の全ての役者さんたちの身体動作表現を一瞬たりとも見逃さないようにしなければならないし、台詞も聞き逃さずにいなければならない、もはや観ているだけのいい年の自分の方が後10分から20分公演時間が長ければ集中力が途切れていたと思います!最初に舞台上の光景が絵画的に思えたせいで役者さんたちの演技・身体動作表現・舞台演出は絵画を完成させる心象的なものまでも含めた色彩の役割にも思えてしまい、そうするとこの無機質とも思える舞台上の背景はキャンパスにもあたるのかなぁ、とも思えましたが、このコンクリートを思わせる無機質の空間で役者さんたちが台詞を発していると、その声は結局どこにも届くように思えず、よく考えたら一般大衆のほんの一個人の声などどこにも届くことなく、類まれなる幸運に恵まれた者のみに話す機会が与えられ、かりに悲鳴を上げたとしても身の回りにいるものにしか聞えず、それを聞いた者でも好意を持っていてくれるものでなければ声もかけてもらえず、好意を持ってもらうにはこちらから好意を持たれるように近づいていかなければならないなぁ、と観劇中に思いましたが、そう考えると自分の声を本当に聞いてもらいたいと望むならば、一番望むものはやっぱり目の前にいる相手との愛情になるのかなぁ~、とあれもこれも手を出しているうちにそのような時間が見つからなくなり後回しにしていて、ひょっとしたら自分のしていたことは大失敗だったのではないのか、と少し後悔もしてしまいました!今回の作品の評価については、自分としてはこの作中全編に使用されている音楽もまた非常に肌に合う好みで、ひょっとしてこちらの劇団の方々は自分の好みのものばかりわざわざ揃えて創ってくださった「オーダーメイド作品なのかなぁ」と非常に図々しいことを終演後の煙草を吸っている時に、罰当たりにも思ってしまいました!自分としてはこれだけ好みが揃ってしまった本作品に躊躇なく最高評価をつけさせていただきます!ただ、その終演後に吸っている煙草をもつ指先が小刻みに震えてもいるほど、舞台上に集中し過ぎてしまい、自分がもう本当にいい年をしていてまず健康を考え禁煙した方がいい年なのでは?とも思わされてしまいました。もし本作品のような作品を次回にも公演されるのでしたら、いい年をした自分としては次回公演からはこちらの劇団の公演には土日か、それとも開演前・終演後のための栄養ドリンクを持参させていただきます!久しぶりに観劇させて頂いた終演後少し疲れてしまいましたが、非常に心地の良い疲れかたでした!
ワンダーランド2400 ★グリーンフェスタ2009「Box in Box THEATER賞」受賞作品★
マグズサムズ
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2009/02/25 (水) ~ 2009/03/02 (月)公演終了
満足度★★★★
ちょっと戸惑いましたが、面白かったですよ!
観劇させて頂きました。この作品は、あらすじに書かれていた通りにネットカフェ「ワンダーランド」を舞台としたコメディー的作品でした。本作品を観劇させていただいた感想の結論から先に述べると、「結局面白かったし、会場でも結局一番自分が笑っていたかなぁ~。」でした!実は本作品の舞台となった「ネットカフェ」と言うところに、自分は今だに行った経験がありません。最近のニュースで「ネットカフェ難民」という言葉を聞くようになり、どのような所なのか一度行ってみようかとは思ってはおりますが、ついつい先送り状態のため、やはり本作品を観劇させて頂き「ネットカフェってそんな仕組みになっているのかぁ~!」と興味を惹かれました。ですが、これが本作品を観劇させていただくことに良かったのか・悪かったのか・・・物語としての興味深さと、役者さんたちの演技に少しの間、自分の場合は作品物語の流れにちょっとだけピンボケしてしまったような感じで観始めてしまいました。物語としては自分のほとんど知らない話なので少し社会的な側面がうかがわれるようにも感じられ、そして役者さんたちの演技がコミカルなパロデイ的な演技なのか、それとも実際に存在していてもおかしくない人物像を自然な感じで演じているのか、自分には少し判断に戸惑ってしまい、開演からしばらくの間、ある意味で正反対になるかもしれない「コミカルさを笑おうとする視点」と「じっくりと自分の知らない世界を知ろうとする視点」の2つの視点を同時に持ちながら観劇させていただいていたため、「笑えそうな場面」に遭遇しても瞬間的に気持ちの切り替えが行うこと出来ずに、せっかくの物語展開に乗り遅れてしまいそうになりました。しかし、こんな自分に決定的な考え方を促してくれたのは「ロリ系少女の登場」でした!実際に自分の身の回りにこのような女性がいるわけもなく、その動作一つ一つが妙に自分には面白く感じられ、この瞬間に「コミカルさを笑おうとする視点のみ」で観劇させて頂く覚悟をしましたが、これが結局本作品を楽しむためには自分にとっては大正解でした!ただ、物語自体には自分の知らないせいか、社会的な話しにも感じられましたので、ひょっとしたら自分以外にも観劇された方で同じように「2つの視点」から観ていて瞬間的な切り替えがうまく行えなかった方々もいらっしゃるかもしれません。客席からの反応からも「ロリ系少女の登場」から一連の流れになっていく時が一番敏感に「笑いの反応」が起こっていたような気がします。そして、その余韻を残して「笑い」が次々起こり始めていたようにも感じられました。ひょっとしたら、役者さんたちの演技をネットカフェを舞台にしたことに合わせて、漫画的なパロデイ的人物描写のみに統一していたらどのような印象の作品になっていたのかなぁ~、と思ったりもしてしまいました。案外笑おうと意識して思っていないと笑えないものなのかもしれませんが、自分の場合はネットカフェ事情に興味を強くさかれていただけなのかもしれません。ですが、一度どの視点から観劇させて頂くか定まると、よく笑いましたし、また最後まで楽しめました!本作品を観劇させて頂いていて思いましたが、当たり前ですが漫画やアニメに対する世間の印象も随分と変わりました。自分の若い頃は、少なくとも男の中ではアニメの話しを好んでするような者は少し距離を置かれていたような気がします。しかし、世の中には例外もありアニメであってもアニメではない扱いをされ、誰もが夢中になり話せたものに「ルパンⅢ世」「宇宙戦艦ヤマト」「ガンダム」が時代の流れの中にありましたが、それらの作品をよく考えてみると別にさほど特別なものではなく、たまたま大多数の者が良いと言い出し、結局誰が話しても「アニメであってもアニメではない」ような共通認識になりましたが、その時その時の判断評価は恐ろしいものも感じられ、先にあげた3作品だって最初に放送された時はなんら特別な反応はなく、再放送を繰り返していくうちに認められた気がしますが、人のその時その時の評価などあまり当てにならないものがあるのかなぁ~、とも思ってしまいます。とても信じられない話でしょうが、昔々ヤンキー少年たちは「ディープ・パープルやレッド・ツェペリンなんかガキの聴くもの、キャロル最高!」といった会話を本気でしている光景も見られました。それはいくらなんでもと思ってしまいますが、そう思えてしまったらそれが通ってしまうのでしょう。ただ、オタクを認めてくれる人たちが多くなり、オタクにはありがたい世の中になりました。今回の作品の評価については、最初は少し戸惑ってしまいましたが、覚悟を決めると最後まで楽しむことができましたし、役者さんたちの演技も自然な感じの人物とパロディ的人物と両面でうまく演じられていた印象を受けましたが、自分の場合はひょっとしたら「ロリ系少女」の登場がなければどのような観劇をしていたか少し迷ってしまっただろうとも思え、その点からほんのちょっとだけ減点してしまいそうですが、やはりそれを大幅に上回るこちらの劇団の次回作品以降に期待したくなる片鱗が随所に観えていたのも事実なので、その点もほんの少しだけ星の評価に加わっています。ただ、本作品を観劇させて頂いている間に思いましたが、笑っているうちに、当たり前かもしれませんが登場人物一人一人に親近感を感じてしまい、たとえ事前に先の流れが想像がついたとしても、逆にその通りになってもらわないと、むしろ面白くないなぁ、との思いも生まれ、実際その通りに物語が進行すると面白さに満足感が加わる、不思議な思いが生まれ出しましたが、自分が本作品のみで生まれてきた気持ちなのかもしれないし、そうではないのかもしれないし、何とも判断のつかない、妙なことも本作品を観劇させて頂き感じました。ですが、ひょっとしたらそれ以前に自分の場合は、オタクに対して親近感を最初から感じていたのかもしれません。
関東アクトリーグ開幕戦
アクトリーグ
スタジオアルタ(東京都)
2009/02/26 (木) ~ 2009/02/26 (木)公演終了
満足度★★★
開幕戦は会場内「えぇ~!」不満の声続出!
観劇させて頂きました。この日は、本年度関東アクトリーグ開幕戦で大変楽しみにしておりましたが、自分がこれまでにアクトリーグを観劇させていただいた限りで、今夜の終演後ほど観に来られた方々から不満の声が出たことはありませんでした。関東アクトリーグ「カルツ」「ミラクルアクトスターズ」「デビルドリーム」「ソニックテイル」の4チームが、観客から頂いた「お題」をもとに、起・承・転・結それぞれ3分間の合計12分で1作品を各チームが創り上げ、それを点数化してこの日の順位を競うインプロ公演ですが、結論から言うとそれぞれのチームが創り上げた4作品は全て平均以上の作品に仕上がっていました。ただ、観劇させて頂いて思いましたが、恐らく今年から採点の基準が変わり、作品としての完成度などに去年よりも多くの点数を審査基準にしていたように感じられました。そのため、各チームかなり昨年よりも物語を創り上げることをハッキリと意識していたように思われました。その分去年よりも若干笑いを抑えてでも、作品の完成度などにまわす時間帯が多かったようにも観えました。それはそれで面白かったですし、笑いが抑えられたといっても若干でしかありませんので、昨年とは全く違うものになったわけではありません。問題は今夜の結果順位発表の時でした。アクトリーグの順位発表は最下位から発表されますが、そのチームの名が告げられるたびに会場内からは「えぇ~!!」と大きくどよめきの声が上がりました。司会の方が審査員の方々を茶化す場面もありましたが、今夜の順位を書いておくと、1位「ミラクルアクトスターズ」2位「カルツ」3位「ソニックテイル」4位「デビルドリーム」でした。自分が各チーム4作品を判断してこの順位をつけたのならば明らかに昨年より「笑い」の採点点数を低くし、その分「物語の完成度など」をかなり多く採点点数化した結果だと思います。自分としては審査を任された方々がどのような判断基準で「物語の完成度など」を採点点数化したかは、一切口を挟む気はありません。誰が行ってもその作品のレベルが上がれば上がるほど非常に差別化して点数とすることは困難なものがつきまといますし、結局何らかの不満の声が上がるのは仕方がないほど、観ている者の側からすると「不透明なもの」がどこまでもついて回ります。「笑い」を採点点数化するならば会場内で起こる「笑い声」の強さを目安にすれば点数にしやすいですし、観ている者も実際にその「笑い声」を聞いているから十分納得しますが、「物語の完成度など」を重視して点数にするとなるとハッキリと納得がいく場合は極めて低いようにも思えてしまいます。基本的なところまでは点数化できるでしょうが、それから上に乗せていく1点1点をどのような判断基準でつけているかは、観ている全ての者を全員納得させることは不可能に近いことと思われます。結局のところ「作品の完成度など」が4作品すべて互角ならば最終的には審査委員の方々の好みでしか点数として差別化することはまず無理でしょう。ですが、そうなってくると観ている者には明らかに順位が違う作品として納得するかどうか・・・今夜の審査発表の会場内のその明らかに不満の声だと分かる強さからハッキリとしていることと思われます。今後もこの採点方式ならば何回公演しようが、毎回客席からは常に不満の声が上がり続けることは避けられない気がします。ただ、観る側からするとかなり不透明に感じてしまう「物語の完成度など」を多く採点点数にするならば、観ている者でもハッキリと分かる「物語の完成」の基準が、もっとも基本的なアクトリーグのルールにあるように思います。アクトリーグの起・承・転・結各3分・合計12分で1作品を創り上げることがそれで、この日1位になった「ミラクルアクトスターズ」の場合ですと最後の結の部分が3分間タイムアップになってもまだなお台詞をしゃべり続けていました。観る者が単純に判断するならば時間内ではまだ物語りは完成されてはおらず、まだ数秒かもしれませんが先にならなければ物語りは完成してはいなかった、厳格なルールを適用し時間内で考えるならば「観る側からハッキリと分かる未完成物語」と、誰もが納得する「物語の完成度など」の基準となるものが、もっとも基本的なルールのなかにあることと自分は思います。ですが、昨年末にテレビ放送をご覧になられた方で興味をもち来られる方には、もともと演劇鑑賞を趣味とされていない方も多くいらっしゃられる気がします。にもかかわらず演劇鑑賞を普段から趣味とされている方々でも完全に納得する形では物語の完成度の差別化した点数の基準をハッキリとは分からないような気もしますし、一般の方々がどこまで理解を示せることが出来るか不安になります。この日の帰りのエレベーター内では「面白かったけど、結果は大いに不満!」と声高々と上げられる方々も現実にいらっしゃいました。今回の作品の評価は、4作品をそれぞれ作品として評価するならば星4つつけてもいいのですが、これだけ終演後に観客から不満の声が上がったアクトリーグを観劇させていただくことは初めてなので、この日の会場内の観客の不満の声星1つ分引かせていただきます。自分としてはアクトリーグに最大の魅力を感じていたものは、演劇鑑賞を普段からすることが趣味の者でも、そうではない一般の方々でも一緒になって会場内で楽しめる点でしたが、テレビ放送がされた今はさらに一般の方々が公演会場に足を運ばれることが考えられると思いますが、そのような現状になっているのに演劇鑑賞を趣味としている者ですらその判断には、よほどレベルの違いがハッキリしていなければ大体としてしか点数として「物語の完成度など」はしにくいようにも思いますし、新しい審査基準のためか、各チーム物語の完成度などを割りと意識するせいか、昨年よりも「笑いの中心」として物語に強くかかわってこられた各選手たちは昨年よりも自由がきかずに、物語の構成に昨年度ほどの大胆さで関われなかったようにも思いました。今年度の採点審査基準に対しては1年間試してからどうするか再検討するのでは遅いようにも思えますが・・・早急に手を打たないと毎回この日の公演会場と同じ、終演後は不満の声が上がり続け、結果としてよくないことが起こりそうな気もします。
メガネに騙された
箱庭円舞曲
OFF OFFシアター(東京都)
2009/02/18 (水) ~ 2009/03/01 (日)公演終了
満足度★★★★★
確かに、騙されました!!!
観劇させて頂きました。この作品は、農村における村社会に生きる人たちの人間模様を描いた作品でした。この作品の開演前から流れる音楽、そして開演からの音楽とその音楽の組み合わせ方が、懐かしくも昔の自分が良く聴いていた音楽を思い出させ、プログレではないけれどもなぜだか妙に元オタクの血が騒いだのですが、やはり今でも自分のオタクの直感は変わっていませんでした!この作品の開演からの役者さんたちの台詞の一つ一つを取り出したならば重いものを感じるはずなのに、舞台上の役者さんたちから発せられる台詞からだと、むしろ飄々として軽薄にすら聞えてくる、役者さんたちの力量を十分把握し逆算したとしか思えない台詞構成が自分の「笑いのツボ」にピッタリと合い、よく笑わせていただきました!ですが、元々は重いものを感じてもおかしくない台詞ですから、人によってはシュール、あるいはブラックユーモアぐらいに口元を少し緩めるぐらいの笑いになってしまう方もいらっしゃるでしょうし、それ以前に拒否反応を示す方もいらっしゃるかもしれません。それは、観る方各自の好みなのでしょう。自分の場合はこのように役者さんの演技力の力量から逆算して、重い言葉でも舞台上の役者さんたちが一度口にするだけで、飄々として軽薄なものすら感じさせられる「逆算された台詞」の組み立て方が妙に気に入って肌に合い、面白いものを感じてしまいました!そして、開演前から流れる音楽も肌に合っており、その音楽のリズムが肌に残っていたのか、本作品の物語展開もまた自分には非常に肌に合うリズムの刻み方のように感じられて、物語の展開の仕方もまた妙に気に入って肌に合ってしまいました!ですが、本作品を農村における人間模様を深刻になることなく飄々と軽薄にすら思えるように描いた作品かと思いましたが、違いました。自分とは全く関係のない、これからもまず関係のないことだろうと思われた農村における人間関係だと思って、気軽な気持ちで笑っておりましたが、本作品の光景は日本の社会の縮図にしか観えなくなってしまいました。よく考えてみれば、日本の社会そのものが村社会。「組織」や「宮仕」という言葉を良く知り、仕事帰りには会社の仕事や上司の愚痴を散々言いながら酒を飲み、「そんなに嫌ならば辞めてしまえば」と言われても辞めることなく、仮に辞めたとしてもまたどこかの人間関係で例えどんな嫌な相手であっても、頭をペコペコと下げることもあれば、どこかのほんの小さな組織、地域に加わらないことには、少なくとも日本では生きていけないように思え、そんな普段の傍から観たら指をさして笑われているかもしれない自分の姿が、舞台上の役者さんたちの演技する姿から観え出してしまい、もはや役者さんたちの台詞から飄々とした軽薄さが消えた時には重い言葉が自分に「ガブリ!」と噛み付いてきてしまいました!そして、舞台上の役者さんたちの演技を通して、悲しいくらい自分で自分を物語の最初とは「全く違った質の笑い」で嘲るように口元で笑い、それを最後まで浮かべてしまいました!今日は笑うことが許される完全に傍観することが出来る客席にいましたが、明日になれば自分が悲しくなるくらい滑稽な姿を誰かに晒し、その場にいた完全に笑うことの許される誰かに笑われてしまいそうな気がします。今では「組織」「宮仕」どころか、自分だっていつでも「肩たたき」「リストラ」と言う言葉を受ける対象になるかもしれません。ですが、少なくとも日本で生きていく限り、自分にはそのような生き方しか出来そうにありませんので、自分もまだこの先の人生をあまり重く考え過ぎることなく飄々と時には軽薄に、時には自分で自分を笑って誤魔化し誤魔化し生きていくしかないかぁ~、と今から飄々とした軽薄さを身に着けようかと思ってしまいました!今回の作品の評価については、自分好みのリズム感の物語展開と、役者さんたちの力量を十二分に把握し逆算し、その上物語の最後からも逆算して、「二重の逆算」を精密に計算したとしか思えない、重い意味の台詞のはずが飄々として軽薄にしか聞えず存分に笑い、やがて軽薄さが完全に消えた時、重い意味の台詞が客席にいるはずの自分に向かって噛み付き飛びかかってくる、悲しいくらいに自分の好みがそろい、悲しくなるくらい最後には自分の完全に忘れていた自分自身の滑稽な姿を、皮肉にも笑わせていただいたことから、自分は本作品に最高評価をつけさせていただきます!確かに、騙されました!メガネどころか全ての役者さんたちに!そして、こちらの劇団の全ての方たちに!少なくとも自分は完全に騙されました!開演時に感じた今でも流れているオタクの血が自分に告げます!「この劇団は買い集めろ!」と「この劇団の次回公演以降の作品を徹底的に集めろ!」と、ここでもまたまた元オタクの血が完全に目覚めてしまいました!客席に飛んでくることすら騙されそうになるくらいに、自分は本作品「メガネに騙された」に間違いなく騙されました!
PIECE ~失われた欠片~
PLANET RUNNER
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2009/02/20 (金) ~ 2009/02/24 (火)公演終了
満足度★★★
思いが強過ぎたのかもしれません
観劇させて頂きました。この作品はあらすじを基本とした、大人のためのファンタジー作品とも呼べそうな作品でした。本作品を観劇させていただく前に、当サイトにこれまでに観劇記を書き込まれた方々のものを拝見させて頂いていたのですが、この作品のあらすじとファンタジー的な作品を想像してみると、それほど大崩れしそうに無いものが感じられて、少し不思議に思っておりました。そして、本作品を観劇させていただき、その開演すぐに身体動作表現から物語に入っていく構成が自分としては好みのものを感じましたので「これは、これまで観劇記を書き込まれた方々と違った、むしろ好評価を与えてしまいそうだなぁ」と思いましたが、最後まで観劇させて頂いて、これまでに観劇記を書き込まれた方々の評価に納得してしまいましたし、自分もまた同様なものを感じました。おそらく、自分を含めこれまでに観劇記を書き込まれた方々は、細かい所では各自若干違ったものがあるかと思いますが、まず間違いなく全員一致した全体的な作品の印象をお持ちになっておられることと思われます。おそらく、こちらの劇団の方々は本作品を通して観劇されている全ての方に、本来でしたら誰もが知っていて当たり前のことを再び思い出し、その意味の重要性を伝えたい・気づいてもらいたい、非常に強い思いが本作品に込められていた事と思います。ですが、その思いが強過ぎるために作品の最初から最後まで全編に色濃く出過ぎていた気がします。ファンタジー的な作品ですと最後に、すっかり忘れていた誰もが知っているはずの小さな小さなもっとも重要なことを、再び思い出してもらえれば一番効果的に自分は思います。ファンタジー作品の世界に観る者も身を投じて物語展開と共に歩んでいき、大切なことにたどり着ければ、それが理想的に自分は思ってしまいます。本作品の場合ですと、最初からその思いが非常に色濃く出ていて、大変ご不快になるような厳しい言葉になってしまいますが、小さな小さなもっとも重要なことを物語を通してたんに立証していくような印象を受けてしまいました。そのために、作品に対して感情を移入することなく、距離を置いた所から、極めて冷静な目で舞台上の物語展開を観ていたに留まってしまいました。おそらく、笑いが起きてもおかしくない場面でも何ら客席に反応が起こることが無かったことからも、そのような理由で作品物語に感情移入することなく、冷めた視点から観劇されていた方も多かったかもしれないような気がします。自分としては、場合によっては伝えたい思いが強いものであればあるほど、それを抑えられるだけ抑えることもまた必要なような気もします。全く本作品とは関係ない個人的な話になりますが、数年前に偶然老人ホームを見学させて頂ける機会がありました。そして、そこに入居されている方に、お孫さんが会いに来られる度にぬいぐるみを1つおみやげに持って来てくださられる方がいらっしゃられましたが、その方のお部屋を拝見させて頂くと天井までほんの隙間無くぬいぐるみで埋め尽くされた、まさにぬいぐるみの部屋と呼ぶのが相応しい光景を見させて頂いた瞬間に、その方の人生そのものが無性に羨ましくて羨ましくて仕方がない思いに駆られました。自分としては、大切なことだからこそ人から教えて貰うのではなく、自分自身で感じ気づく瞬間がもっとも胸の内に残るような気がします。今回の星の評価については、おそらくこれまでに観劇記を書き込まれた方々と自分も全員一致して「惜しい作品」の一言に集約されることのように思われます。そのようなわけで本作品の評価において自分だけ星の数におまけを加えることは出来ません。ただ、「惜しい作品」とするだけあって、作中に「これは」と目が惹かれてしまうことも数多くありました。本作品においては、根本的に間違えている点はないことと思います。ただ、ファンタジー作品に対して観る者の側からすれば、どのような作品とのかかわり方・距離感があればもっとも作品世界に感情移入できるか、ちょっとだけ計算が間違えていたようなところがあったような気がします。また、自分の好みの身体動作表現としましては、音楽に合わせるならば、あと少しだけハッキリと止まることを意識して動作に角をつけた方が、観る側の目からするとスムーズな動作表現に映るようにも思えました。今回の観劇記においては、こちらの劇団の方々がお読みになられたのならば、大変不愉快なものをお感じになられることばかり書き綴り、大変申し訳ございません。ですが、観劇された誰もが本作品からこちらの劇団に次回作以降も期待してもいいものを作中多々お感じになられていることと思われます。本作品と比べれば全く馬鹿馬鹿しい話になってしまいますが、女性からあまりにも強く思われ過ぎると、場合によっては逃げ出したい衝動に駆られることもある瞬間が時にはあるようにも思います。
サーチライト
ユニークポイント
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2009/02/18 (水) ~ 2009/02/23 (月)公演終了
満足度★★★★
池袋もいいですよ!!
観劇させて頂きました。この作品は、どこかの日常生活にあるだろう、と思えるような話を物語にした作品でした。自分には、この作品は非常に肌に合います!極めて日常的な話しがたんたんと進行し、淡白にも感じてしまうかもしれない台詞表現のリズム感・・・何かが起こっているようでも、実際は流れにすっかり身を任せて、起きるべきことが起き、そして、そのまままた流れに身を任せることで、これから起きるであろう想像のつくこともまた受け入れて過ごしていく毎日、そんな当たり前の特別な変化があるわけでは無い日常を描いた作品でした。この作品は、ひょっとしたらまだまだ夢があり体力の有り余っている若い方が観劇されたら、ほとんど何も起きないに等しい物語に不満を感じられる方もいらっしゃるかもしれません。ですが、もはや中年の自分としては、大きな夢など現実では持つことも無く、今まで過ごしてきた人生を振り返ってみても、若い当時はそうは思わなくても、別に特別な何かなど起きてはおらず、成り行きに任せるように毎日を過ごし、起きるべき事柄をごく当たり前のこととして受け入れてきて、今後の人生も成り行きに任せていくしかない、現状を維持出来てこのまま死ぬまでの人生を逃げ切れればそれこそ十分と思ってしまう年代から観ると、本作品の「淡白な当たり前過ぎる何も起こらない物語」ほど、十分な説得力を感じ、肌にしみこんでいく感覚の作品はありません!「当然のことしか起こらず、特別なことは何も起こらない」だからこそ、本作品に非常に魅力を感じてしまいます!そして、自分が本作品の手法で、面白いなぁ~、と思ってしまったことは、家の内と外の会話の感覚・表情などです。やはり、当たり前ですが誰でも家の内にいる時と外で人と会う時・あるいは誰とも会うことも無く一人で外にいる時では、会話のリズムから表現の数まで全く異なってしまいますし、家の内にいる時の姿こそ装飾のない、その人自身の姿なのでしょう!そんな当たり前のことですが、本作品の淡白さの中で比較してみると、何かが起きるであろうと期待し家の外での表情をしてみても、結局特別なことは何も起こらずに、極めて当たり前のような時間がただただ毎日経過していくだけの本作品には、ある程度の年代に達していらっしゃる方々には、むしろだからこそ本作品を好意的に受け止めるであろうと思われます!今回の星の評価は、本当ですと自分の好みからだと星を5つつけるのですが、極めて日常的な物語であるにもかかわらず、自分にははっきりと判断できるような基準を持ち合わせていない、女性の立場の恋愛観が本作品にはありました。お恥ずかしい限りの恋愛経験からは、女性がそこまで男を愛せるのかは実際には知りません。そのような、極めて浅い恋愛観しか持ち合わせていない自分としては、自分の中だけでも確信に近いものを持って判断することは出来ませんので、こちらの劇団の方々には大変申し訳ございませんが、とりあえず現時点では星4つと個人的な事情で保留の星が1つある状態での、表向きの星の数とご理解ください!もはやこの年では極めて望み薄ですが、ひょっとしたら宝くじがあたる確立で、女性の恋愛観が理解できる時が来るかもしれませんので、非常に気の長い話ですがその日まで、保留の星1つの確定はお待ち頂けないでしょうか?今回は、極めて日常的な何ら特別なことが起こるわけではなく、当たり前のことが当たり前のように起き、たんたんと時間が過ぎていく、自分にとっては非常に心を許してしまう日常の時間経過感覚でしたが、女性の恋愛観が全く分からない自分がこれまでの経験からただ一つ言えることは、恋愛だけは多少深入りして自力で流れを変えない限りまず手に入れられない、と言うことです。もはや、自分はすっかり中年男に相応しい感覚を身につけており、自分の恋愛など望むことなく、むしろ若い男女をくっつけたがってしまう、そんな年代の自分は確かに本作品に納得してしまいます。ただ全く同じ流れに身を任せていても、身の回りが違った景色に思えてくるだけで、自分の気持ちの中でだけは確実に違った毎日が過ごせてきた気がします。
カブ太が嘘をついた
劇屋いっぷく堂
新宿シアターモリエール(東京都)
2009/02/18 (水) ~ 2009/02/22 (日)公演終了
満足度★★★★
これがライトコメディかぁ~、ビックリです!!
観劇させて頂きました。この作品はライトコメディとのことですが、自分は勉強不足のため、ライトコメディ作品と呼ばれるものを観劇させていただいた経験がありませんでしたので、この機会に観に行かせていただきました。しかし、この作品がライトコメディと呼ばれるコメディ・ジャンルの手法なのでしょうか?もし、本当にそうならば、自分としてはビックリしてしまいます!ライトコメディと呼ばれるものは、コメディ作品をもっと分かりやすく気軽に楽しめる、軽妙な作品展開のものぐらいのつもりで観劇に行かせて頂きましたが、まさかこれほど自分としてはレベルの高い作品のことを「ライトコメディ」と呼んでいたとは思いませんでした!この作品が本当にライトコメディの作品だとするならば、自分にとってはまさに好みにピッタリとしか言いようの無い、自分の知らなかったコメディ・ジャンルです!この作品の物語は、あらすじ通りの話しを基本としますが、自分が可愛らしいチラシからイメージしていた物語とは違い、物語も・笑いの部分もほとんど「大人の事情」と思えるものを非常に分かりやすく、コミカルに描ききった作品だと思います!この作品は、社会人になられて実際に近い状況や会話に触れたことがあるかどうかで、若干面白さの意味合いが変わってくるかもしれません。自分の観劇させていただいた回の客席の反応からは、年配者の方はわりと敏感に反応されていた気がします。役者さんたちの台詞・表情・・・自分はすべて思い当たってしまいます!社会人になったばかりの頃、「笑顔の練習」を鏡に向かってしていましたし、お得意様との会話での頷き方などを意識的に行っていましたが、やがてそれらがごく当たり前の普通の表情などとして出せるようになりましたが、役者さんたちの表情・演技・台詞などすべて思い当たってしまいます!舞台上で台詞を話されていない役者さんたちも一人残らず、その場面に遭遇した時の表情・動作などを、どこを観ても本当に細かいところまでよく描写していたと思います!そして、本作品を観劇させていただいて驚いてしまった最大の点は、「会話と会話の間」を非常に重要視して、積極的に取り入れていた点でした!今まで「ノンストップ・コメディ」と呼ばれる、台詞表現のスピーディーさを重視した作品を観劇させていただく機会は多々ありましたが、本作品は全くの逆!「ストップ・コメディ」とでも呼びたくなるほどの、会話と会話の間や台詞の無いところでの面白さを追求した作品とでも呼びたくなってしまいます!全く台詞の無い「会話の間」の部分の面白さをこれほど感じたコメディ作品を、自分はよく思い出してみないと、思い当たりません!そして、台詞の無いはずの「会話の間」の部分がコメディ作品の物語展開にこれほどリズム感を与えるものだとは全く思ってもいませんでした!まさに「逆転の発想!」でしょうが、個人的にはこのような「台詞の無い」ところを最大限に生かして、面白いと思ってしまったコメディ作品が、大変失礼ながら、観劇させて頂けるとは思ってもいませんでした!自分にとってはまさに「好みのコメディ作品!」としか言いようがありません!「笑えるコメディ」と言うよりも「面白いコメディ」を堪能させていただきました!今回の星の評価については、恐らく爆笑の連続を求められるならば、ちょっと消化不良の残られる方もいらっしゃるかもしれませんが、個人的には「笑いのツボ」に見事に一致してもいますし、それ以上に作品全体の「会話の間がもつ面白さ!」を十分過ぎるほど堪能させていただいた点が、自分の星の評価になっています!もし、本作品が本当にライトコメディと呼ばれるジャンルの作品手法ならば自分にとっては好みにピッタリのコメディ・ジャンルとしか言いようがありません!この日観劇させていただいた自分の感想を一言で述べるならば「ライトコメディ、恐るべし!しかし、自分はいつでも大歓迎します!」今夜は、十二分にライトコメディ作品に満足させていただきました!
続々オールド・バンチ~カルメン戦場に帰る~
流山児★事務所
本多劇場(東京都)
2009/02/08 (日) ~ 2009/02/15 (日)公演終了
満足度★★★★★
最後まで大暴れ!!
観劇させて頂きました。いつもでしたら、作品の簡単なあらすじなどをご紹介するのですが、「伝説」のファイナルだそうなので、やめておきます。ただ、この日の千秋楽の舞台上の光景は、演劇界の重鎮たちの舞台と堅苦しく呼ぶよりも、「演劇界の歴代の番長たちが、舞台上で大暴れ!」と言いたくなるような光景が次々と繰り広げられていました!
どこまでも続く「面白さ!」と「楽しさ!」が、終演どころか帰宅中の自分の頭の中にまで依然終わることなく繰り広げられていました!このようなことが起こるのならば、若い役者さんたちが奮起してさっさと引導を渡しておいた方が良かったのではないでしょうか?劇場の舞台上は、ほんの隙間もなく今だ歴代の番長たちの縄張りみたいです!舞台上で次々と展開される光景に、観ている者はもはや何一つ注文することはありませんでした!舞台上で大暴れしている歴代の番長たちに、どこまでも付いていくのみでした!どこまでもどこまでも続く舞台上に対して、ただ「楽しむ用意」をしていればいいだけの、最終公演でした!また、この日観劇させていただいた自分の席の隣の方は、出演されている方の元生徒さんだったそうですが、公演時間内をおおいに「笑い」そして絶えず「涙を流され」ていらっしゃられました。世の中には羨ましくなるほど、全ての者に愛される方々がいらっしゃられることを実感してしまいました!こんな人生を送られる方々は幸せです。それも、まだまだ愛され続けるのですから幸せ過ぎます!今回の作品の評価については、自分の場合は本作品がどのようにいい作品かそれとも悪い点があるのか、といった点からは一切観劇させて頂いておりません。開演から終演まで、ただただ歴代の番長たちの後を付き従っていたのみです!そのような意味での星の評価です!終演後の舞台挨拶では「さようならは言いません。また会いましょう!」とのことでしたが、ぜひともまたお会いしたいので、自分もまた「また会いたいです!」と言うのみです!ただ、この日の終演後の様子では完全燃焼したようには観えず、むしろかえって役者魂に火がついてしまったようにも観えてしまいました!あと一ヵ月後ぐらいには「今の若い連中にはまだ任せてはおけない!」と舞台上に殴り込みをかけて来るのではないでしょうか?そんなことを期待してしまいます!
ギリGIRI!セーフ?
劇団フリースマイル
アドリブ小劇場(東京都)
2009/02/13 (金) ~ 2009/02/15 (日)公演終了
満足度★★★★
のほほ~ん、バレンタイン!!
観劇させて頂きました。この作品は、バレンタインデーをめぐる男女の恋愛話しをコミカルに描いた作品でした。今も昔も変わらずに、若い男女にとっては「ドキドキ」する日なのでしょう!随分と懐かしいバレンタインデーの想い出を思い出して、楽しませていただきました!男は全く気にしていない振りをしていながら、女の子が近くに来るだけで「ドキドキ」してしまい、寝るまでは「ひょっとしたら・・・」と期待に胸いっぱい・翌日朝起きて「ガッカリ」してしまう罪な日でもありましたが、この日は自分が観劇させていただいた公演では若い女性が多く観に来られていて、開演まで会場の外の喫煙所で煙草を吸っている自分のすぐそばでも、「今日、この後に○○くんにチョコ渡す!」と言った話しを目をキラキラさせて熱心に話されていました。○○くんを自分は知りませんが、その女性を見る限りではかなりのイケメンなのでしょう、自分がもし若い頃に貰っていたら「デレデレ」してしまうような女性でした。そんな若い男女にとってはドラマだらけの一日を物語にした作品でした!この作品には、大爆笑の連続はありません。日常生活における身の回りから取り入れた会話などしかありません。ですが、自分にはそれがひどく心地良く感じてしまいます!こちらの劇団の「マラソン同好会、ピッチをあげルンだよ!」シリーズを観劇させて頂いていた時も感じていましたが、自分の身の回りの会話などを非常に注意深く観察していると思います!作品全編ありきたりにも思えてしまう会話・演技などにも感じてしまいますが、自分の場合は身の回りから取り入れるべき会話・表情・動作などを良く見抜いて選んでいるし、それらがごく自然の流れとして組み立てられていると思います。そのため、自分はこちらの劇団の作品を観劇させていただく際は、作品中ずっと「あった、あった!」「そう、そう!」と頷きつつもひどく心地良く、くすぐられるような楽しい時間を過ごさせていただいております!そして、「ピッチをあげルンだよ!」シリーズが若者の青春物語だとしても、まだ少し野暮ったい学生時代の印象を残した役者さんたちの演技でしたが、今回の本作品は同じ青春物語でも社会人ものに相応しく、役者さんたちの演技が以前よりも随分と垢抜けた印象でビックリしてしまいました!本作品は「ギリGIRI!セーフ?」の続編だそうですが、こんなことなら前回の作品を観劇しておきたかったです!どういう訳かこちらの劇団の作品を観劇させていただくと、自分にはひどく心地良くのんびり公演時間を過ごすことが出来てしまい、のほほ~んとした一日を毎回過ごしてしまいますが、自分は本作品は「ピッチをあげルンだよ!」シリーズよりもさらに磨きがかかった作品に仕上がっていると思います。役者さんたちの台詞・演技など日常にありふれている所からのみ取り入れたものしかありませんが、よく選び抜いていると思いますし、よく見つけていると思います。自分としては「自分の身の回りに向けるセンス」の良さを感じてしまいます!目立たずに、気づかれることの無いかもしれない「小さなファイン・プレー」が作中のいたるところに溢れていたと思います!おかげ様で、今まで観劇させていただいた時よりもさらに、「ゲラゲラ」笑い転げはしませんが、開演から終演までずっと口元が緩んで気持ちのいい時間を過ごさせて頂くことが出来ました!今回の評価においては、自分にとっては面白くも気持ちのいい時間を過ごすことにピッタリの台詞・演技などで肌に見事に合いましたが、爆笑の連続を求められる方にはちょっと物足りないものを感じられるかもしれません。あくまでも自分にとってはくすぐったくなる様な心地良さを時間いっぱいまで感じることが出来たことが星の評価になっています。また、自分の観劇させて頂いたこの日は、バレンタインデーということで終演後に出口で可愛らしい女性からチョコレートを頂けるお楽しみ!がありましたが、現在自宅に戻りパソコンに向かっている自分としては、なかなか例年にない思い出深いバレンタインデーになりました!そして、数年前になりますが、「ピッチをあげルンだよ!」シリーズの完結編を観劇させていただいた際に、後日わざわざ公演DVDを送ってくださいましたが、礼状をお出ししたかどうか記憶が定かではありませんので、この場をお借りしまして、改めて御礼申し上げます!そしてまた、出来ましたならば、来年のバレンタインデーもよろしくお願いします!
真夜中の桃
イマカラメガネ
OFF OFFシアター(東京都)
2009/02/11 (水) ~ 2009/02/15 (日)公演終了
満足度★★★★
キュートな作品だと思いますよ!
観劇させて頂きました。この作品はあらすじ通り、シェア生活を送る四人の女性たちを中心にしたひと夏の物語でした。常に何かが起こっているようで、大きく観ると特別な何かが起こっているわけではない、極めて日常的な身の回りを切り取って、舞台上で物語にしたような作品でした。ですが、それが女性の考えなど何も分からない自分にはありがたかったです!極めて日常身の回りで聞きそうな会話で構成された物語でしたが、だからこそ納得がいってよく分かるし楽しめる作品でした!毎日「今日は何か良いことがあるかもしれない」と思っても、何も特別なことは起こらず、けれども特別な不満など無く、むしろ案外楽しい毎日を過ごしている、そんな日常的な毎日に非常に近い物語でした!大きく観れば何も起こらないこの物語が、自分には非常に良く分かり楽しめましたが、自分の観劇させていただいた回の客席は若い女性が多かったのですが、女性のことは良く分かりませんが、この作品が本当に楽しく思えるとしたら20代後半以降の女性かもしれません。もはや遊びもさして楽しいとも思わなくなり、好んで街中に出かけて行く気も無くなった方ぐらいからが、この作品の極めて日常的でありふれた毎日の中における楽しさに実感を持たれるかもしれません。男の自分の場合は若い頃は、街中に出て行くだけでも楽しく感じられましたが、そのうち月日の経過と共に街中に遊びに行くこと自体馬鹿らしく感じるようになりました。ですが自分の見てきた限りでは、若い頃中途半端に遊んでいた者ほどいくつになっても遊びを止められない傾向があるような気がします。遊ぶなら徹底的に遊び、そのうち馬鹿馬鹿しく感じてしまってから結婚していった男の方が、意外と家庭的で夫婦円満な例が自分の身の回りでは多いです。遊びに飽き始めると、意外と何も起こらない毎日が楽しく感じられるようになる気がします。そんな、特別取るに足らないようなひと夏の毎日を物語にした作品でしたが、作品中にはお茶目で愛嬌のある遊び心を多く取り入れており、作品としてはキュートな作品に仕上げていました!ただし、街中へ出て行く前に疲れを感じてしまう年代の男の視点から観た場合ですが。今回の作品の評価については、客席の多くは若い女性でしたので、女心など何も知らない自分の視点からは客観的な評価など出来るわけなどなく、個人的な好みとしてつけさせていただきますが、好みと言っても本作品を女性に例えたら、こんな女性が自分の好み、といった基準です。決して街中を歩いたら誰もが振り返るような美人ではないですが、自分の身の回りにいたらなぜだか気になる、お茶目で愛嬌のある、そんなキュートな魅力を感じてしまう作品でした!ただし、もういい年をした自分の場合は美人にかかわるとろくなことが無い、と避けてしまいますし、アイドルの顔もみな同じに見えてしまう女性観を持っている、そんな自分の女性の好みで本作品を女性に例えた場合の評価です。しかし、細かいことのようですが、その手つきでお金を賭けてマージャンをしてはいけません。やるんだったら、1000点十円のレートでやらないと・・・。今回は本作品のような女性がいたら、真夏の夜にカンパリ・ソーダでも飲みながら作中のような他愛も無いけれども、ひどく心地良く感じてしまう会話をしてみたいと思う、そんな作品でした!
焼跡のイエス
シンクロナイズ・プロデュース
東演パラータ(東京都)
2009/02/11 (水) ~ 2009/02/15 (日)公演終了
満足度★★★★★
確かに、石川淳でした!
観劇させて頂きました。この作品は、石川淳の戦後まもなくに発表された「焼跡のイエス」を原作とした作品でした。しかし、「焼跡のイエス」の物語を基本にしてはいましたが、大幅に解釈・加筆された作品でした!公演タイトルは「焼跡のイエス」でしたが、作品に描かれていたのは「石川淳そのもの」でした!もともと「焼跡のイエス」は非常に短い小説で、そのまま演劇作品にしたのならば10分もあれば済んでしまうのではないかとも思える程の短編作品です。個人的には石川淳の作品を演劇作品にするならば、中篇の「鷹」や「紫苑物語」あたりの方がそのまま演劇作品にでもなりそうな物語だとも思いますし、そもそも芸術祭公演のために書かれた「おまえの敵はおまえだ」「一目見て憎め」といった、ちゃんとした戯曲があるのにもかかわらず、なぜ短編の「焼跡のイエス」を選ばれたのかが、個人的には非常に興味がありました。本公演時間は80分でしたが、10分もあれば済んでしまうだろう「焼跡のイエス」には大幅に加えられた物語がありました。本作品は石川淳の中期以降の作品を思わせる、極めて日常的な世界から出発してどこまでも広がっていく世界観、場合によってはSFとも思える世界にまでたどり着いてしまいますが、そこに行き着いても描かれるのは「人間の姿」、と言う世界観そのものが本作品の物語でも展開されていました!そして、その中では石川淳そのものの考え方が多く観られました!石川淳の小説は非常に重厚で読み応えがある作品ばかりなのですが、なぜか出てくる女性をさながら崇拝するように描くところがあります。その他にも、いろいろと独特な考え方がありますが、本作品は「石川淳」そのものが描かれていました!石川淳をよく調べ、理解していると個人的には思います。石川淳の小説は非常に読み応えがある幻想感と独特の文体で書かれていますが、そのまま演劇作品にしてはまず大半の観劇客には理解できないかと思いますが、本作品では非常に分かりやすい比喩表現と呼ぶよりもいい意味で洒脱で軽妙な言葉遊びと言いたくなる表現と、詩的とも思える非常に短い台詞で構成されています!人によっては難解に感じられる方もいらっしゃるかもしれない石川淳の独特の文体がこれ以上ないほどに分かりやすい台詞で構成されています!そして、石川淳の小説の幻想的物語を舞台演出で表現していました!舞台上にはほとんど何も無いのですが、役者さんたちが単純な小道具や身体表現等で本作品全体に幻想的世界観を創り出していました!この作品は「焼跡のイエス」とされていますが、基本的なところにはその話があっても、全体としてはほとんど別物の作品とも言ってもいいような作品でしたが、石川淳は演劇についても書いており「原作を忘れさせるものこそ芝居」「芝居は総合芸術だが、その総合という操作を役者がどのように引き受けるかが見もの」とも述べており、自分としてはその日・その時で「その通り」とも思うし、「ちょっと違うのではないのか」とも思ったりしてしまいますが、本作品においては石川淳がもし知ったら大喜びしそうな作品になっていました!今回の作品の評価においては、自分の年代には少し懐かしい気がする台詞表現・舞台演出などでしたが、今ではもうすっかり観ることが出来なくなり、久しぶりに観るとやはり「いいなぁ~」と思ってしまいますし、もし今の若い方が観劇されたのならば恐らく観たことがほとんどなくて、むしろ斬新的に思われるかもしれません。個人的には、いい意味で巧みな言葉遊びとも思える饒舌な台詞表現と詩的とも思える台詞表現の組み合わせ方は良い構成だとは思いますが、少しせっかくの詩的な台詞表現の全てまで説明してしまうくらい饒舌なところもあるようにも思えましたが、好みなのでしょう。むしろこの方が分かりやすくて良いと思われる方もいらっしゃるかも知れません。ですが、本作品においては舞台上に発想力と創造力だけを持ち込んで、総合力により本作品を創り上げたところが、ちょっと古いように思えても逆に今ではまず観ることの出来ない、自分の好みの点による満足感と確かに「石川淳の作品!」と満足させて頂いた点による、二重の満足感による星の評価です!本作品を観劇させていただき、押入れの奥の方にしまいこんでしまった石川淳の小説を引っ張り出し、久しぶりに読みたくなってしまいました!本作品については、確かに「石川淳の作品」でした!
年をとった鰐の話
PORT+PORTAIL
こまばアゴラ劇場(東京都)
2009/02/07 (土) ~ 2009/02/11 (水)公演終了
満足度★★★
演じる側にとっては難易度AAA!!!
観劇させて頂きました。本作品はあらすじに書かれていた通り、ダンスを影絵を通して表現した朗読劇でした。「影絵」「ダンス」「朗読」と並べて1つ1つを取り出してみると、観る者からしたら何も考えること無く観ればいいだけの単純なものに思われるかもしれません。しかし、この3つともそれぞれ小劇場に限らず、割と観ることが出来る機会がある上に、それぞれの単独公演ではかなりレベルの高いものばかり小劇場とはいえ観劇させていただくことが多い分野であり、観る者もまたそれぞれの分野に対してそれ相応の高い水準のものを観ることが出来てはじめて満足する、極めて求められるものが小劇場の観劇分野でもかなり高いものが必要な、ある意味でもっとも難易度の高い手法ばかりです。その内のたった1つでもかなり高い水準のものでなければ、観ている者の関心が薄らいでいくのですが、これが3つとなると演じる者の側にかなりのことが求められるようになります。「影絵」「ダンス」「朗読」その全てが一切誤魔化しがききません。もっている実力の範囲以内のものしか出すことは出来ません。そして、3つの手法に求められるかなり高い水準のものを、3つ全てに揃えた上で、それらの調和を考えなければならないので、観る側はただ気軽に観ていればいいだけですが、演じる側にとってはかなり難しい上に相当なレベルの実力が必要になります。本作品は、確かに見応え十分でした!そして、魅力は十二分にありました!「影絵」に関しては、自分としてはこれまで観劇させていただいてきた限りでは、影として現れるシルエットが表現する作品の世界観を広げるのではないかと思っておりました。シルエットの濃淡により、影が濃ければ明るい世界観など淡ければ幻想的なものや耽美的な世界観を表し、さらにシルエットとして浮き上がらせる際にどのような光の質のもので照らし出すか、さらに必要があればスモークをたいてそこを通してのシルエットで表してもいいのではないかとも思っておりましたが、本作品においては小劇場での「影絵」においてこれほど映し出されるシルエットの質に気がつかわれていた作品は、ちょっとすぐには思い出せません。さらに、「ダンス」を「影絵」として表現するにはこれ以上最適なダンスは無いのではないかと思われる「コンテンポラリーダンス」を用いていましたが、見事なダンスでした!そのダンスに惹きこまれ感嘆することが観劇中に何十回あったかわかりません!観劇中に数え切れないほど「すごいなぁ~」と思いました!ですが、そのあまりにも見事な「ダンス」だからこそ、自分の場合はほんの些細なことが気になってしまいました。シルエットを通さずに舞台上で「ダンス」により蛸を表現されていましたが、その後ろではシルエットによりその影としてさらに同じ「ダンス」をなされていましたが、見事なものでした。ただ、どうしようもないのでしょうが、後ろでシルエットとして浮かび上がるダンスをされる方と同調されるための目印としてなのでしょうが、左手の使い方がほぼ固定されていたことが気になって仕方がありませんでした。そのあまりにも見事な「ダンス」を観ているとどうしても左手がほとんど固まってしまっていることが気になり「この蛸は足が何本か無いことを表しているのかなぁ」と思ってしまいましたが、その後のシルエットを通した表現などでは蛸の足などの全てを見事にダンスで表しておりましたので、余計に自分にとっては足が何本か無い蛸としか思えてこない表現に物足りないものを感じてしまいました。「見事なダンス表現」であればあるほど、普通でしたら同調させるためには仕方がないことと割り切れるのですが、どこまでもどこまでも感嘆してしまうだけの思いだけを味わってしまいたくなります。開演から終演まで一瞬たりとも何かを考える必要など無く、ただ最後まで「すごいなぁ~」と思い続けてみたいだけの、全くの個人的なわがままに過ぎませんが、見事なものであればあるほどどこまでも見事なものを観てみたくなってしまいます。ただでさえ、かなり高い水準のものであるにも関わらず、さらに困難きわまることを求めてしまっているのですが、名刀であればあるほど一点の曇りの無いものに、ただただ見惚れていたくて仕方がありません。今回の評価については、いつもでしたらこれだけ個人的に満足感を味わえたら星4つ以上は必ずつけるのですが、この作品の手法では一気に飛び越え高みにたどり着くことは出来ないでしょう。用いられる表現手法も単純にも思えますが、ただボォーと観ているだけでもそのレベルの違いがハッキリと分かってしまう小劇場でも観る者を満足させるためにはかなりのものが必要な3つの分野ですが、誤魔化すことが出来ない以上は基本をどこまでも極めるしかありません。その上で血へど吐くまでのたうちまわって、ほんの些細なことまでも見つけ出してください。世の中には完璧なものはないそうですが、少なくとも自分にとっては完璧としか思えないものを観てみたいだけな、全く個人的な願望に過ぎません。ですが、今後少なくとも東京で公演が行われる度に、観劇に行かせて頂くつもりですので今回よりも次回、さらにその次と一歩一歩着実に上り詰めて行ってください。そのような個人的な願望で、次回以降観劇させていただくことを考えて、今回の星の評価の数から始めて、毎回観劇させて頂く度に確実に星の数を増やしていって欲しいと言うだけの全く個人的な都合による星の数です。しかし、見応え十分であり観劇中に魅了され続けていたのは確かであり、個人的には今日もまた楽しくも非常に満足させていただけた日であることは間違いありません!次回公演を観劇させていただける日を非常に楽しみにしております!
PUNCH LINE! Vol.04
PUNCH LINE
銀座みゆき館劇場(東京都)
2009/02/06 (金) ~ 2009/02/08 (日)公演終了
満足度★★★★
健全だと思いますよ!
観劇させて頂きました。この作品のあらすじを読ませていただき、「もてたくてしょうがない男」の話で、面白可笑しい時間が過ごすことが出来たならばと思い観させていただきました。やはり、男はみ~んな「女の子にもてたい!」と思う時期が若い頃にはあると思いますが、自分も当然ありました!10代~20代ぐらいの頃は少なくとも1週間に3、4回はあったのではないかと思います。本作品の「もてたくてしょうがない男」を観ていると、昔の自分を観ているようで懐かしくも笑えてしまいました!ただ、この作品の「もてたくてしょうがない男」は行動するから、笑ってしまっている自分から観ると自分の若い頃よりも数段上です!「もてたい男」が取る選択は「行動する」か「指をくわえて見ている」か「あきらめて煙草を吸う」ぐらいしか選択肢はありません。ちなみに自分の場合は超能力を使っていました。ひたすら「振り向け、振り向け・・・」と思っていましたが、自分に超能力が無い事に気づき始めてからは完全に「煙草を吸う」に移行しました。しかし、「もてたくてしょうがない男」を観ていると笑ってしまいますが「自分も若い頃にしていれば、今頃酒を飲む時にいくらでも懐かしい思い出に浸れるのになぁ~。」と、だんだん羨ましくなってしまいました!終演後に出演されていた若い女性の方が「下ネタばかりで、すみません」とあやまられていらっしゃいましたが、自分には決して下ネタには思えませんでした。むしろ健全過ぎるくらい健全である純情派の「もてたい男」の夢の一端だと思います!むしろ、「もてたい」と思う男の方が魅力的に思えてしまい、一番どうしようもないなぁ~・と思ってしまうのは個人的には「俺は女にもてる!」と思い込んで行動している男です。自分から見ると顔つきにいやらしさがに滲み出ている上に、指先にいたるまで見るに耐えられないものを感じてしまいますが、世の中の女性は完全に自分の真逆の男性観を持たれている方がかなり多く見られる傾向ですので、「もてたい」と思われる男の方々は各自創意工夫で乗り越えましょう!ただ、駅のトイレなどで洗面所の鏡に数十分とへばり付くのは、やめていただけると助かります!しかし、本公演を楽しい時間だけ過ごせればいいかなぁ~、と思っておりましたが、観劇させて頂き少しビックリしてしまいました!本作品は確かにショートコントで成り立っていますが、ショートコントとショートコントのみで話をつないで進めて流れていき、ちゃんと最後には全体で1つの物語が出来上がっていました!本作品を観劇させていただいている時、今の時代の「お笑い番組」が毎日のようにあらゆるタイプのものをいくらでも見ることが出来、娯楽も無数にある環境にあると「笑い」に対して求められるものが、かなり高い水準のものになってきたと思います。小劇場でのコメディー作品も「笑い」を確実に計算するならば、少なくとも「笑える場面」は限りなくコントすれすれにしていかなければならないのも当然のように思います。ですが、昔ながらのコメディー作品を求められる方からするとその点が少々不満に感じられてしまうようにも思えますし、これから小劇場で演劇鑑賞をしてみようと思われてコメディー作品を観劇される方の最大の評価は、「どのくらい笑えたか」といった点がカギになりそうな気がしますから、これから先のことを考えるとそろそろコントとコメディーの中間にあたるジャンルがはっきりとした形で確立してもいいかもしれない時期に来ているようにも思えてきてしまいます。創る側も観る側もそろそろコメディーに高い水準の、ひょっとしたら相反するかもしれないものを求め過ぎていき両者共に辛くなっていきそうな気がします。完全に「笑いに特化した」ジャンルをそろそろ用意していた方が、これから小劇場での観劇を始められようかと思われる方には観劇される作品が選びやすいでしょうし、またこれまで演劇鑑賞をしてきた者にも作品に必要以上なものを求めずに気楽に楽しめそうな観賞作品に好んで出会えそうで、選択の幅が広がりそうな気もします。今回の星の評価は好感の持てる「もてたくてしょうがない男」の話に楽しませていただいた上、少し考えさせられるコントのみで物語を紡いでいき完成させる手法が個人的に気に入ってしまったので、自分の今夜の満足度を星の数で表してあります!それにしても、女性からすると「下ネタ」と本当に思われているのか、謙遜されているのか分かりませんが、純情で健全なお色気程度に思いますが、自分はもう年ですから「男の可愛らしい願望」程度のものに思えてしまうのかもしれません。今夜は楽しくも少し面白い発想の作品に出会えましたが、初日公演と言うこともあり出演されているアイドルや女優さんをお目当てに来られていた方々も多くいらっしゃいましたが、もはや本当にアイドルの顔が全員同じに見えてしまう自分としては、若いうちにこそ多少は女性に夢中になりやんちゃな思い出があった方が、年をとってからの寝酒の際に浸れる思い出が多く楽しめると思いますし、やはり「もてたくてしょうがない男」は行動することが長期的に観ると正解だった気がします!
おろろん。
ふくふくや
「劇」小劇場(東京都)
2009/02/03 (火) ~ 2009/02/11 (水)公演終了
満足度★★★★★
昭和を堪能しました!
観劇させて頂きました。本作品は、あらすじに書かれている「しかしてその実態は・・・。」から大体想像のつくような物語を基本にしています。しかし、最後まで「しかしてその実態は・・・。」と続いていく物語です。男のほうが小さい頃から「その実態は・・・」と言うフレーズの正義のヒーローものや時代劇に慣れ親しんでいることと思いますが、自分もその口で「しかしてその実態は・・・。」のあらすじを読ませていただいただけで、期待して観劇に行かせて頂きました。本作品全編に昭和の頃の言葉が散りばめられ、個人的には非常に懐かしいものを感じるものがありましたが、しっかりと組み立てられた作品でした!けれども、本作品は役者さんたちの魅力がそれ以上に観ることの出来た作品でした!役者さんたちの髪型から立ち姿や動作の一つ一つにいたるまで「昭和」を感じさせてくれますが、演技そのものも「昭和の感覚」を思い出させてくれました!本作品を観劇させていただき、役者さんたちの舵取り次第で魅力ある作品にも平凡な作品にもなることを実感してしまいましたが、本作品の場合は役者さんたちが物語の魅力をさらに2倍3倍に押し広げてくれた「魅力十二分な作品」でした!ただ、役者さんたちの演技は昭和をハッキリと過ごしてきた者にはもはや肌に染み込んでしまっているような演技感覚で、自分の観劇させていただいた回では、年配の方々は役者さんたちの一つ一つの演技に敏感に反応していましたが、今の若い方にはひょっとしたら馴染みの薄い感覚で瞬間瞬間にはピントこないのかも知れないかとも思えますが、若い方の持ち合わせている感覚をハッキリとは分からないので、自分には何とも言えません。ですが、本作品における役者さんたちの演技にはひと際目を引くような派手な演技はありません。ほとんど基本ばかりです。基本ばかりですから余計に単に観ているだけの者にもハッキリとその演技の味わい深さの違いが観て取れます!そして、本公演会場の舞台までの非常に近い距離が、とても贅沢な観劇の仕方にも思えてきてしまいました!ところで、ここまで読まれる前からすでにお気づきの方もいらっしゃられるかとも思いますが、自分が観劇させていただいたのは2月3日の初日の公演でした。こちらのサイトに観劇記を書かせて頂くようになってから、これほど観劇させて頂いてから時間が経ってしまったことはありません。実は自分が観劇記を書くためにパソコンに向かっている時は、必ずウイスキーかコーヒーを飲みながら煙草をスパスパと吸っておりますが、先月修理に出したパソコンがまだ戻っていないため、ここ数日はパソコンに向かわずに夜中にひたすらいじくり回しておりました。ウイスキーを飲みながらですが・・・ただ、数日間パソコンをいじくり回していて気がつきましたが、パソコンを夢中になって可愛がる時にはもっとも水割りが効果的であることが分かりました。そのような訳で、やっと今日になりパソコンにまた向き合うことが出来るようになりましたが、本作品の星の評価については、今の若い方の視点からはちょっと分からないところがありますので、あくまでも昭和の時代を過ごした年代の立場から星の数を、個人的な久しぶりに味わうことの出来た「昭和の感覚」に対する満足感と共につけさせていただきます。本作品のあらすじから、ひょっとしたらコメディー作品と思われる方もいらっしゃられるかもしれませんが、個人的にはコメディーではなく「懐かしの昭和の人情喜劇!」と呼びたくなってしまいました!個人的な理由で観劇記を書かせていただくことが遅れてしまいましたが、2月3日の節分の日から始まったこの公演が、こちらの劇団名通り「ふくふく公演」になられることを期待しております!個人的には、今年の下北沢演劇祭もかなり期待してしまいます!
『a day』
劇団チョコレートケーキ
ザ・ポケット(東京都)
2009/02/04 (水) ~ 2009/02/08 (日)公演終了
満足度★★★★★
好きですねぇ、この作品!!!
観劇させて頂きました。この作品は、チラシのデザインとあらすじを基に物語が展開していく作品でしたが、自分にとっては好みの作品でした!エッシャーの作品を思わせるチラシデザインと自分が「観たい!」に書き込ませていただいた数学的連続性を思わせる「無限回廊」とも思えてしまう物語展開が好みであれば、それ以上に好みなのは本作品の台詞構成でした!あらすじから数学的な発想の物語を観劇前に期待していましたので、決して普段観劇させていただく時に台詞を聞き流しているわけではないのですが、本作品はどのような台詞表現で構成されているのか非常に興味がありましたので、いつも以上に丹念に一つ一つの台詞を聞き取らせていただきましたが、好みとしか言いようがありませんでした!物語中の台詞のほとんど全ての台詞表現に余計な装飾の加わったものは無く、きわめてシンプルで自然体な表現で構成された本作品でした!最初のほうで数学的な発想の物語を思わせることを書いたので、もしかしたら抽象的で、難解な作品と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、そのようなことはありません!本作品はきわめて日常的に身の回りで聞かれそうなシンプルで自然な台詞でほとんど構成されているため、何も考える必要はありません。素直に受け止めればいいだけの台詞で物語が創られています!そして、台詞がシンプルなものがほとんどですから4つの物語の一つ一つは少し詩的な印象を残し、本作品自体としては数学的な「不思議な連続性」で展開していきます!これだけ自分の好みが出揃ってしまうと、観劇させていただいている間に自分の深読みかもしれませんが、作中の台詞がシンプルなもので揃えられているのは、「数式の簡潔さ」をイメージしてほとんどシンプルな台詞表現のみで作品構成をしたのではないのか、と自分の頭の中でさらにさらに自分の好みの作品に仕上げていってしまいました!自分の場合は、あまり凝りに凝った表現や言葉を中心に台詞が構成されているものはそれほど好きではありません。言葉に凝れば凝るほど普段めったに使うことの無いような言葉や表現になりますので、大部分の場合表現だけでなく、それが用いられていた文章そのものを借用して若干手を加えるのみでしか使いこなせず、台詞の表現に凝れば凝るほど・それが多ければ多いほど・その元々がどこから来ているか知っていると、自分の場合は一瞬の表現としては目を引きますが、文章単位になっていけばいくほど、たんなる継ぎはぎだらけの物語に思えてきて、観劇中に興味が半分ぐらいになってしまうことが時々あります。自分の完全な好みなのでしょうが、ライターにしろ何にしろ身に着け愛着が沸くのは、どこかで聴いた言葉ですが「シンプル・イズ・ベスト」に行き着いてしまいます。ただ、本作品を観劇させていただいている間中、舞台上に夢中になり、台詞の一つも聞き漏らすことの無いくらい集中していたので、自分はさして気になりませんでしたが、自分の席の近くに座られていたまだ男の子と呼んでも差し支えないぐらいの年代の方たちは、公演開始1時間も経たないうちに観劇中に飲食をし始め少し驚きましたが、作品展開に夢中になっていたので、すぐに舞台上にまた集中してしまいましたが、その席周辺の方々が露骨に不快感を表す咳払いをいくらされても止めずに、結局断続的にですが終演まで飲食をされていました。後から考えると、ひょっとしたらこの公演に期待していた作品とまったく違うものだったので、観劇中に作品観賞を見切ってしまったのかもしれません。終演後の客席の拍手の反応も本作品に対して好意的な方とおそらく思っていたイメージの作品とまったく違うもので若干不満を感じられているかもしれない方と少しハッキリと別れていたように見えました。今回の星の評価は、客観的に観た場合どのように観えるのかという視点からは全く観劇していませんし、興味も余りありません。とにかく自分の好みが出揃った本作品に最高評価の星の数をつけたいだけです!ただ、若干勘違いされている方もいらっしゃるかもしれませんので書いておくと、最初のほうで作品展開を「無限回廊」と呼びましたが、自分が「観たい!」に書いた「ゲーデル・エッシャー・バッハ」が今から20年前ぐらいに日本で翻訳出版された時の表紙帯に「不思議な環」と見出しがつけられていましたが、本作品「a day」自体は、この言葉のほうがピッタリと合います!ケーキ自体年に1回ぐらいしか食べませんし、「チョコレートケーキ」になればもう十数年ぐらい食べていませんが、本作品の「チョコレートケーキ」はビターテイストでありながら、やんわりと心地良く甘みが口に広がっていくような作品でした!世の中には自分の知らなかっただけで、どうやら年に数回ほど食べに行きたくなる「チョコレートケーキ」があるみたいです!自分の場合は、もちろん次回公演を観に行かせていただく日を今から楽しみにしています!
バーレスクホテル
㈱ボーントゥラン
しもきた空間リバティ(東京都)
2009/01/30 (金) ~ 2009/02/01 (日)公演終了
満足度★★★★
面白いなぁ、と思いますよ!個人的には!!
観劇させて頂きました。本公演は、同シチェーションを三人の脚本家の方々がそれぞれ創り上げた三つの短編作品の公演でした。個人的には短編作品を鑑賞させていただく時は、あまり多くは望みません。クロッキーやデッサンのように線の魅力を十分に感じることが出来、本公演も観劇しに行きたくなる気持ちが持てたのならば、それで十二分に満足してしまいます。けれでも、本公演の三作品は、軽妙な線もあれば、繊細な線もあり、力強い線もまた感じられた上に洒落た色彩が加えられた三作品でした!「ボーントゥラン 」とチラシのデザインからどんな泥臭い作品が待っているかと思えば、観劇中にこれは「ボーントゥラン」ではなく「おしゃれフリーク」なのでは?と思えてしまう本公演でした!洒脱で軽快な本公演三作品でした!しかし、ここまで読まれた方で「どんなお洒落な公演なんだろう?」と思われた方のために言っておきますが、本公演が「随分オシャレな作品に仕上げたなぁ~」と素直に思えるのは、男で、それも恥じらいなどもはや無いような、ある年代以上かもしれません。そして自分の場合は「随分とオシャレだなぁ~」と思ってしまう年代です!若い方、特に女性の方で、ついうっかり観劇してみようと思われた方は、観劇中に深く意味を考えないことをお勧めします。あくまでも自分の身の回りとは全く関係無い別世界のお話として、観劇中に眉間に皺を入れないほうが良いかもしれません。肩の力を抜いて十分過ぎるほどリラックスして、「お洒落な話し」では無く、ただの「洒落としてのお話し」として軽~く、軽~く受け流してしまいましょう!あまり考え込むと、会場を後にする時にはすっかり老け込んでしまいます!同シチェーションでありながら全く異なる三作品を続けて観劇させて頂いていると、本三作品から離れて、三人の脚本家の方々が、どのようなお人柄でどのような考え方を持たれているのかまでも、あれこれと思って楽しんだりもしてしまいました。ウイスキーを飲まれる時は「水割り派」か「ロック派」か、それとも「ストレート派」なのかと思ったりもしましたが、本公演自体は「ハイボール」の飲み口の良さを楽しんだような三作品でした!それにしても観劇中に思ってしまいました。「男の脚本家に書かせると、どうしようもないなぁ~、でもその気持ちがよ~く分かる上に面白いなぁ~」と。自分の本公演に関する感想としては、どうしようもない脚本家と、これもまた本当にどうしようもない観客がガッチリと握手を交わし「もっと続きを書いてみたらどうですか?」と応援してしまいたくなる本公演でした!今回の星の評価は、そんな本当にどうしようもない観客の視点からのみの評価です!本公演が合う方もいれば、合わない方がいるのも当然だとも思いますし、本公演の三作品を観劇させて頂いた自分としては、全体的にテレビのコメディー作品に近いものも若干感じられる部分もありましたので、小劇場で観劇される回数が多い方によっては「笑いの感覚」を含めて微妙に自分の好むものと違う感覚に思われる方もいらっしゃられるようにも感じられました。しかし、自分としては「これもまた、小劇場ならではの魅力の一つを最大限に生かした公演!」と完全に割り切ってしまいたくなります!これはこれで良いと思いますよ!あくまでも、本当にどうしようもない年代の自分としてはですが!(笑)
ROPPONGI NIGHTS 2009
LIVES(ライヴズ)
吉祥寺シアター(東京都)
2009/01/22 (木) ~ 2009/01/25 (日)公演終了
満足度★★★★
小粋な一夜を過ごしませんか?
観劇させて頂きました。この作品はダンディズムコメディーとのことでしたが、小粋な笑いと舞台でした!舞台セットと流れる音楽からは、今日は元ジャズオタクになってしまいますが、本作品はスタンダードな作品とも呼びたくなってしまいます。突拍子のない笑いを取ろうとすることなく、極めて誠実なコメディーに仕上げられていましたが、それだけに誤魔化し様の無いセンスと実力が浮き上がってくることになり、こちらの劇団のレベルが一目で明らかになってしまうのが、面白くも怖くもあるスタンダード作品の魅力だと思いますが・・・良い点も目にすれば、悪い点とは言いきれない、こちらの劇団にとってはちょっと困ってしまうだろう点も見えましたが・・・やはり、こちらの劇団の現時点での最大の魅力は年配の役者さんたちの「小粋な笑い」でしょう!観劇に訪れていらっしゃった客層の年代の方々にとって、そして自分にとっても非常に懐かしくも親しみを感じてしまう「笑いの感覚」に無条件で心を許してしまいます!自分としても久しぶりに味わうことが出来た「笑い」でした!おそらくコメディー作品を上演する劇団は数あれど、この「笑いの感覚」を今でも味わうつもりならばこちらの劇団を選択するしかないでしょう!それだけに年配の方々は「この笑い」を味わうためにほぼ固定とも呼んでも差し支えないほど、こちらの劇団の公演が行なわれれば最優先で公演会場に足を運ばれることかと思えてしまいます。しかし、その客層の年齢層の高さが客席から観させて頂いていると、何とも言えない困った点にも思えてしまいます。若い役者さんたちの笑いの感覚は、ちょっとこの年代の方々からすると微妙にずれたものに映っているようにも見受けられました。年配の方でも普段から色々な劇団の公演を訪れられる方なら受け入れられるだけの「笑いの感覚」を身に付けられているかもしれませんが、普段は演劇鑑賞をされていない方々にとっては少し持ち合わせていらっしゃらないかなぁ、との印象を受けました。しかも、その年代の方々が客席に多いため「笑いの連鎖反応」と言ったものを客席に起こることが少し期待できそうに無いため、困ってしまうのではないかとも思えます。「笑いの感覚」が二つ持てればいいのですが、ある意味で非常に難しいことと思えますが、もし出来たのならば非常に興味深そうなことが起きそうにも思えますが・・・あまり無責任なことも言えません。こちらの劇団でしか味わうことの出来ない笑いが、こちらの劇団にとってのハードルをうれしくもあり、少し困ってしまう高さに上げているように思えてしまいます。自分の見ていた限りでは若い役者さんたちに何ら演技力に問題は見つかりませんでしたが、ただやはりこちらの劇団の公演に集まられる年代層を相手にすると若い役者さんたちの「笑いの感覚」は少々分が悪いようにも思えます。なんとなく自分が観劇させて頂いた限りではこちらの劇団の方々も若干気がつかれているのか、若い役者さんたちで物語を創り上げていき、要所を年配の役者さんたちがしめていたようにも映りました。こちらの劇団ならではの問題でしょうが、この点が客席から観させて頂いていると浮き上がっていたようにも思えました。今回はスタンダードな物語に「洒落た小粋な笑い」を楽しませていただきましたが、星の評価にすると非常に悩みますが、やはり自分もまた久しぶりに味わうことの出来た「ダンディーな笑い」に個人的な満足感を加算させていただきます。次回公演は「スタンダードナンバー」か「オリジナルナンバー」か、また「小粋に楽しみ」に行かせて頂きます!
オアシスと砂漠~Love on the planet~
ネルケプランニング
青山劇場(東京都)
2009/01/21 (水) ~ 2009/01/25 (日)公演終了
満足度★★★
わかりやすい作品を選びましたが・・・
観劇させて頂きました。個人的に今年は少し恋愛作品に対する苦手意識を払拭しようと、もっとも分かりやすそうな本作品を観に行かせて頂きました。本作品は若者青春ミュージカル作品でしたが、確かに分かりやすかったです。若干急造かとも思える印象もミュージカル部分に多少感じられる所もありましたが、それなりに観ていて楽しめましたし、物語はもはや定番とも思える非常に分かりやすい物語でした。あまりにもよく分かる物語でいささか拍子抜けしてしまいましたが、自分は存じ上げていませんでしたが人気の俳優さんたちが出演されているそうで、客席のどこを見ても若い女性ばかりでした。後ろのほうの席の方には、中にはオペラグラスを手に持たれていた方もいらっしゃったことから考えると、かなり人気のある俳優さんたちなのでしょう。しかし、そう考えると本作品の分かりやすい程よく分かる物語の方がむしろ良いようにも思えます。お目当ての俳優さんに見とれて少しの間ボォーとなっていても、またすぐに作品の物語に戻れる方が、俳優さんに夢中になりながら作品も楽しんで帰れて、このような分かりやすい定番な物語もまた必要なのでしょう。しかし、お目当ての出演者がいない自分としては、そこそこ楽しめたとしか言いようが無く、今回の星の評価にはさすがにおまけは加えられません。ただ、やはりこれだけの人数の女性を満足させて家路につかせることが出来るならば、これはこれでいいのでしょう。この日の公演会場内どこを見てもほとんど女性しかいませんでしたから会場内は香水の匂いが充満し、少しクラクラしてしまいましたが、ヘビースモーカーの自分としては「なぜ男の煙草臭いのは駄目なのだろうか?」と単純に思いましたが、このことは言ってはいけないタブーなのかもしれません。現在恋愛ものの理解度は五合目あたりですが、なんとか今年中に七合目あたりまでに辿りつきたいものですが、授業料としては少々高くも感じました。次回はもう少し手頃な作品で試みてみようと思いますが、どなたか、さえない中年男が次々と絶世の美女たちをメロメロにしていくというロマン溢れる作品を御存知ないでしょうか?