smの観てきた!クチコミ一覧

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高襟狂騒曲

高襟狂騒曲

高襟〜HAIKARA〜

Dance Studio UNO(東京都)

2009/06/22 (月) ~ 2009/06/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

観つめ続ける1時間10分!!
観劇させて頂きました。この作品はダンス表現による公演でしたが、その表現に対する情熱にただただ時間一杯舞台上を観つめ続けるだけでした!音楽に合わせダンス表現をするというよりも、むしろ表現としてのダンスに対して音楽が用意されたようにすら思えてしまいました!そのエロスを表現しようとする姿勢と情熱が公演時間内に全て注ぎ込まれたダンスに目を奪われ続けていたとしか言えません!ただ、自分の場合は明らかにエロスを表現しているにもかかわらず、いわゆるエロ的な興奮のようなものは一切感じることが無く、エロスというものはエロというものが完全に存在しないものなのかなぁ~、と思ってしまいました。今回の作品の評価はこれだけ作品に情熱が込められ伝わってくる作品に対しては、最高評価をつけさせて頂きます!本作品はエロスを表現しようとしたダンス公演でしたが、自分にはエロスを通してもっと本質的でありながらも高い次元のものを観劇中感じ続けてしまいました!この作品はやはりこちらの劇団でしか表現することの出来ない次元のものでした!

実験シリーズその1『境界』  【緊急決定!追加公演!!】←これが最後のチャンスです。 

実験シリーズその1『境界』 【緊急決定!追加公演!!】←これが最後のチャンスです。 

劇団夢現舎

新高円寺アトラクターズ・スタヂオ(東京都)

2009/06/25 (木) ~ 2009/06/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

さらに鋭さの増した実験公演!!
観劇させて頂きました。本公演は前回観劇させていただいた実験公演の追加公演でしたが、さらに鋭さの増した公演でした!前回公演と基本的な作品物語展開は変わらないのですが、そこにさらに加えられた一つ一つのアイデアとさらなる厚みを増した演技力に、前回公演がいい意味での静かな緊張感のある公演でしたが、その上にいい感じでのピリピリとしたものが観劇中に伝わってくる、さらなる実験公演でした!基本的な作品構成はあまり変わっていないのにもかかわらず、同じ実験公演を2度観劇したとはとても思えなくなる実験性の鋭さが増した作品に仕上がっており、観劇中にその作品の展開に引き込まれていく一方でした!2度目の実験公演観劇と言いながらもその公演にはもはや本公演以上の魅力を感じてしまう公演にただただどこまで公演作品に思い入れと求めているものがあることかと、観劇後にうならされてしまいました!今回の作品の評価は、前回観劇させていただいた時が星5つならば今回は当然最高評価をつけさせて頂きます!2度同じ実験公演を観劇させて頂きましたが、自分としては同じ公演を2度観劇したとは思えなくなる程の、さらに鋭さに溢れた公演でした!!

ハルメリ

ハルメリ

西村和宏(青年団演出部)+ウォーリー木下(sunday)企画

アトリエ春風舎(東京都)

2009/06/23 (火) ~ 2009/06/30 (火)公演終了

満足度★★★★★

全ての面でどこまでも伸びていく影が印象的!!
観劇させて頂きました。この作品はもっとも簡単な言葉で表すならば、ビートとエッジのきいている物語でした!作中の物語も使用されている音楽も現代的なものであるのにもかかわらず、自分はジミヘンの音楽を思い出してしまいました!ジミヘンの表と裏の感覚が現代に置き換えられているような印象を受けてしまいました。ジミヘンの音楽のビートが刻まれるリズム感とドラッグに溺れ蝕まれていくようなものを、「ハルメリ」で物語のリズムを刻んでいき、「ハルメリ」に浸り、どこまでも「ハルメリ」が伸びしみ込み、「ハルメリ」で全てが染め上げられてしまう、そんな「ハルメリ」の物語でした!そして、舞台美術と演出にはいい意味でMTV的なものと写真の陰影の感覚が自分には感じられ、物語そのものが音楽的なリズムとその中にどこまでも伸びていく影のようなものを強く印象付けられた作品でした!ただ、この作品は「ハルメリ」で始まり「ハルメリ」で終わる作品であり、人によっては何ら強い印象の残らない物語に感じてしまうかもしれないものも感じられました。人によりそれだけ評価が分かれることがあるかもしれない要素もまた印象付けられた、非常に癖の強い作品かもしれません。今回の作品の評価は、自分の場合は「ハルメリ」肯定派であり、それ以上に「ハルメリ」のビート感覚に強く魅了された者ですから、本作品に最高評価をつけさせて頂きます!この作品を観劇させて頂き、しばらくは独り言で「ハルメリ」とつぶやきそうになりそうなくらい、本作品「ハルメリ」の物語のリズム感覚が胸に焼き付けられました!!自分の場合は、このような作品を大歓迎してしまいます!!!

音楽劇「新宿パラダイス」光は新宿より

音楽劇「新宿パラダイス」光は新宿より

東京ギンガ堂

歌舞伎町「大久保公園シアターパーク」特設劇場(東京都)

2009/06/19 (金) ~ 2009/06/28 (日)公演終了

満足度★★★★

人情音楽劇!
観劇させて頂きました。この作品は、あらすじの時代の新宿東口を主に音楽劇にした作品でした。ここまで書きこみをされてきた方々と対照的に自分の場合は結構楽しめてしまいました!音楽劇と言う割には部分部分で期待させるものが感じられる楽しみのところが強かったのですが、この作品は結構文芸関係の登場人物から話が始まる、当時の大衆風俗の話題が多かったことが自分の場合は楽しめた原因かもしれません。登場人物たちの小説あるいは対談集を読み漁っていた時期があり、「あぁ、あの話しかぁ~」と一つ一つの話題に納得してしまいながら物語を観ていました!多分自分が楽しめたのは主だった登場人物たちの作中で用いられた話題をよく知っていたからかもしれません。ただ、確かに少し公演時間的には長かったかなぁ~、と思うところもありました。しかし、年配の方々はかなり楽しまれていた方々もいらっしゃったので、やはり作中の話題で当時を思い出す、あるいは思い当たるものがあるか・感じられるかが本作品の最大の評価の分かれ目かもしれません。今回の作品の評価は、自分の場合は当時を過ごしてはおりませんが、作中の主だった登場人物の小説・対談集を読み漁っていたので、その振る舞いと話題に納得しながら観て楽しんでいたことが星の評価になっております!しかし、新宿の公園テント小屋での新宿を物語にした公演は一夜の夢物語のようで楽しめました!

THE BLUES BROTHERS ~ブルース・ブラザーズ~

THE BLUES BROTHERS ~ブルース・ブラザーズ~

テイト・コーポレーション

LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)(東京都)

2009/06/18 (木) ~ 2009/06/18 (木)公演終了

楽しかったけれど・・・これはライブ・コンサートになるのでは・・・
観劇させて頂きました。この作品は、全身黒ずくめのジェイク&エルウッドの「ブルース・ブラザース」のミュージカル作品だと思い観に行きましたが、ほとんどライブ・コンサートでした。映画「ブルース・ブラザース」のあのシーンやこのシーンがどのように舞台化されることかと思えば、カセットテープが擦り切れるまで聴いた懐かしのあの曲この曲のオンパレード!確かに楽しかったですが、事前に予想していたものとは全く別の意味での楽しみ方でした。「ブルース・ブラザース」に夢中になっていた時代の興奮は公演時間いっぱい味わうことが出来ましたが、「ブルース・ブラザース」の純粋なミュージカルだと思われていた方はどの程度楽しめたかは全く分かりません。公演中「あぶない刑事」は「ブルース・ブラザース」がひょっとしたらもとになっていたのかなぁ~、とその後の年代の積み重ねのようなものも感じたりもしましたが、楽しめたことは楽しめました!「ブルース・ブラザース」に夢中になっていた時期があったから!今回の作品の評価は、ライブ・コンサートとしてならば星4つつけるだけの満足感だったのですが、ミュージカル作品として考えるならばちょっと星がつけることが出来ません。涙してしまう程の懐かしの曲の連続に自分の場合は楽しむことが出来ましたが、純粋なミュージカルを必要以上に期待すると別の涙をしてしまうかも・・・

スズメバチ666

スズメバチ666

ムシラセ

d-倉庫(東京都)

2009/06/11 (木) ~ 2009/06/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

今回は美術感覚から!!
観劇させて頂きました。この作品は、あらすじにあるように悪魔と人間の物語でした。悪魔と人間の物語は割と多く創られますが、下手をすると甘めの話になったり、脚本家の行き過ぎの感のある作品になりやすいですが、その辺の甘さと辛さのバランスが適度につりあっていた様に思います!何よりも今回は公演会場のd-倉庫 の舞台と客席を巧みに使いこなした舞台美術が印象的でした!本作品で観劇させていただくのは2作品目になりますが、もともとこちらの劇団はシンプルでありながらもこだわりのある舞台美術でしたが、今回は舞台美術とその構成が見事に合致して印象に残りました!物語が進行していけばして行くほど、その舞台が巧みに使われていき、その美術構成の良さが明らかになっていきました!そしてまた、今回の物語もまた独自色の有る作品となっておりました。前回観劇させていただいた作品が芸術的なものを大衆的なものにどこまでも近づけたものならば、本作品は幅広い層が観劇しても楽しめる作品となっておりました!ただ、そうは言っても今回も独自の色合いのある作品ですから、普段観劇する作品のように普通に物語展開の流れに身を任せると、少し物語が分かりにくくなるかもしれません。本作品はどちらかと言うと映像的感覚で物語自体も進行しています!物語そのものが映像美術的な感覚で構成されているため、映画やテレビなどの映像のシーンとシーンの切り替わりが行われようでもあり、それらが次々連続して物語が展開していくようなものと思ったほうが良いかと思います!そうしないとひょっとしたら素直にいつものように作品の流れに任せようとすると、少し話が織り交じり始めて、どの話とどの話が連続するものか見失ってしまう時があるかもしれません。しかし、全体の物語自体としてはおそらく誰が観ても楽しめる作品となっているように思いました。今回の作品の評価は、前回が硬質な作品ならば今回は柔軟な作品(それでも硬質な部分が感じられる方もいらっしゃるかもしれません)と観やすさは前作品よりもかなりになりましたが、それでも相変わらずの独自の作風を求め試みる姿勢が個人的な好感度を感じて仕方がありませんので、星半分プラスさせて頂き最高評価とさせていただきます!ただ本作品がこちらの劇団にとって完全な完成形と太鼓判を押せるところまでにはまだ若干甘さを感じてしまう部分もありました。こちらの劇団にとっては申し訳ありませんが個人的に期待するものが大きく、いつか大穴馬券をとった気分を味合わせていただけるのではないかと期待している劇団です!本作品はまだ大穴と言うよりも中穴かと思いました。星の評価では少し個人的な満足感を加えさせていただきましたが、まだ少しだけ完全な完成形ではなかった気がします。次回公演は王子小劇場だそうですので、再び期待してしまいます!今回はまた新たな試みに満ちた作品でしたが、次回作品はどのような作品になるのか、繰り返しになりますがこちらの劇団に対しては期待しているものはかなり大きいです!

みまもり刑事Z フラッシュ!

みまもり刑事Z フラッシュ!

おにぎりスキッパーズ2

ザ・ポケット(東京都)

2009/06/10 (水) ~ 2009/06/14 (日)公演終了

満足度★★★

今一つノリきれませんでした
観劇させて頂きました。この作品はあらすじに書かれているように、「なにか」に擬態して、事件を「見守ることしかできない刑事」の物語でした。ただ、これもあらすじにあるようにおにぎりスキッパーズでしか体験することの出来ない「変な演劇」でしたが、自分の場合は今一つ作品の展開にノリきれませんでしたし、笑いのツボも微妙にずれていたものを感じてしまいました。作品にある「なにか」に擬態してというものの感じを掴むまでに少し手間取ってしまい、作品の展開の仕方に部分部分では笑うことが出来ても、全体的な物語としてはその展開を味わうまでに時間がかかってしまいました。確かに「変な演劇」と思う部分もありましたが、自分自身がこのような作風の演劇作品に慣れていないせいもあったのか、物語の展開が妙にゆっくりしたものを感じてしまい、また非常にユニークな発想とは言えその特殊とも思える設定に慣れるまでに少し時間がかかり過ぎてしまったところがあります。また、笑いのツボとしても部分部分では笑えても、自分自身の「笑いのツボ」と微妙に違っているところもあり、作品全体の進行がゆっくりとしたものを感じてしまいました。今回の作品の評価は、その作品の設定のユニークさと「変な演劇」と記するだけある独特な作品は評価しますが、自分としては笑いのツボが微妙にずれていたことと物語自体に慣れるまでに時間が少しかかり過ぎてしまったことが、個人的な星の評価になっております。しかし、観劇されている方の中には絶えず笑っている方もいらしたので、ツボに嵌れば非常に面白く感じられる作風なのかもしれません。

実験シリーズその1 『境界』 【追加公演決定】~これが最後のチャンスです~

実験シリーズその1 『境界』 【追加公演決定】~これが最後のチャンスです~

劇団夢現舎

新高円寺アトラクターズ・スタヂオ(東京都)

2009/06/05 (金) ~ 2009/06/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

まさに実験公演!!
観劇させて頂きました。この作品は観劇する際の禁止事項を取り除いての実験公演でしたが、作品そのものが枠にとらわれることの無い、最初から最後まで実験に富んだ作品でした!それほど広いわけではないアトラクターズ・スタジオに一公演15名限定の公演であり、なおかつ観劇中座席が自由に移動できると言う非常にユニークな試みでありましたが、それがこの作品では十二分に生かされていました!こちらの劇団の魅力の一つである手作り感が最大限に堪能できると言う距離の接近により、作品の面白さが深められていたように感じてしまいました!これまで観劇させて頂いたこちらの劇団の作品でも感じていましたが、いい意味で手作り感のある舞台美術が魅力的に思っておりましたが、その魅力に今回の作品は最大限に近づけるということで、実験公演とはしておりましたが、こちらの劇団の持ち味が余すことなく発揮されていたように思います!そして、作品自体も「境界」と言うテーマをもとに実験の連続からなる意欲的な試みだったと思います。観劇中の禁止事項を撤廃したとは言え、いい意味で静かな緊張感を作品から観劇中絶えず感じておりました!実験と名づけている以上この作品が完全な完成形ではないのでしょうけれども、やはりこの作品の中で用いられた試みの数々は一つ一つ取り上げてみたくなるものが多々ありました!それらを観ていると表現の形態にはまだまだ多くの方向があるものと思えてきました!今回の作品の評価は実験シリーズと名づけられて、非常に分かりやすい作品に仕上げられてはいましたけれども、深く考えれば深く考えてしまうものを感じさせられた試みに満ちた作品に素直に最高評価をつけさせて頂きます!この作品に用いられた試みの中にはこの作品の中だけでしか使われないことが惜しいと感じさせられるものも多くあり、今後のこちらの劇団の公演作品がどのようなものが行なわれることか非常に楽しみになってしまいました!そして、もしかしたら実験シリーズの第二回公演が行なわれることも期待してみたくなってしまいました!今日はその作品までもが実験に満ち溢れた公演を観劇させて頂きました!

水仙-スイセン-

水仙-スイセン-

劇団始発列車

シアター風姿花伝(東京都)

2009/06/06 (土) ~ 2009/06/07 (日)公演終了

満足度★★★★

アンハッピーな方向を目指したそうですが・・・
観劇させて頂きました。この作品はあらすじ通りのSF的サイコサスペンス作品でした。ちらしによると童話「ヘンゼルとグレーテル」とリンクした、ドロドロしたアンハッピー的な方向の作品を目指したようですが、物語の展開としてはその試みは成功していたと思います!説明するとなると意外と手間取りそうな状況設定を上手くその時その時の物語の流れに溶け込ませて、説明すること無く物語展開を難なく繰り広げておりました!確かに、途中童話を導入しながら上手くリンクさせて、結末へ向かっていました!そして、全体的に若い役者さんたちで構成された作品でしたけれども、変な言い方になってしまいますが、若い役者さんたちの演技は良い意味で器用にまとまっていました!若い役者さん主体にもかかわらず、落ち着いたものを感じさせられました!ただ、あらすじからも想像するような物語であるのならば、何らかの重みが感じられてもいいのでは?と思う点が生まれてしまいました。例えば、戦後の闇市の光景や生活がイメージ的に重なってしまうようなところがあってもいいのでは?と、生々しいまでの重みのようなものが作品全体からですと少し、薄かったような気もしてしまいました。それが、役者さんたちがまだ若いせいなのか、それとも器用に演技がまとまり過ぎていてそのようなところにまでイメージが膨らまなかったのか、なぜなのか分かりませんが、物語とその展開からすれば観劇中もう少し胃が痛くなるような思いをしてもよかったような気もします。今回の星の評価はそうは言っても、童話を巧みにリンクさせながら結末へと向かっていった物語展開と、まだ全体的に若いながらも落ち着いた演技の出来る役者さんたちを評価した星の数です。ただ、作品自体を童話的にするならばこのくらいでも良いのかもしれませんが、せっかく童話の残忍性を並行するならば、現実部分はもっと現実的な生々しい重みが感じられる作品のほうが、個人的には好みです。しかし、個人的にもっと関心があるのはハッピーエンドが好みの方が観劇されて、どのような評価をこの作品に与えるかが妙に興味があります!

マイハマ・バイス

マイハマ・バイス

ATTENTION, PLEASE!

Duo STAGE BBs(東京都)

2009/06/03 (水) ~ 2009/06/07 (日)公演終了

満足度★★★

今回はエンターテイメント色
観劇させて頂きました。この作品はあらすじ通り、事件の重要参考人と取調べを続ける刑事たちの話を中心としながらもダンスシーンを多少多めに交えたエンターテイメン色の強めの作品でした。アテプリを観賞させていただくのは2回目になりますし、脚本を書かれている山縣有斗の作品となるとこれで3作品目になりますが、この方の作品は必ず観る者を楽しませようと、作品のどこかがエンターテイメント色のある作品となりますけれども、今回はそれがいい方向にいった気がします。物語の流れ的には今まで観劇させて頂いた作品の中では一番コンパクトな作品のような気もしましたが、このDuo STAGE BBsの舞台を取り囲むような客席で、小さな非常に密閉感の強い劇場のためかあまり話し自体は最後にくるまで大きな展開らしきものは感じられなくも思えてしまいました。今まで観劇させて頂いたこの方の作品とも共通していますが、作品のどこかで深く調べたと思えてしまう部分個所が必ずありましたが、今回は若干それが物語の表面でサラッと流れていたようなぐらいな気もしました。ただ、その分物語にエンターテイメント性をいつもより強めていたいたような気もしました。小さく、狭い劇場なせいもありますがダンスを演じられると、すぐ手の届きそうにすら思える距離となり、脳裏に焼き付いてしまいました。しかも、この狭くて密閉感すら感じられる舞台で手足を思いっきり表現させたダンス表現を観ていると、「よくこの密閉感でそこまで思いっきり良く踊れるものだなぁ~」と思わずにはいられませんでした。今回の作品の評価はエンターテイメント性を評価するならばもう少し高く星の評価をすることになりますが、自分の場合はこの山縣有斗の脚本に強く関心がありますので、今回は今まで観劇させて頂いた作品の中では一番無難とも思えてしまう物語展開でしたので、その点から星の評価をつけさせていただきました。しかし、この小さな劇場Duo STAGE BBsでは役者さんたちが手の届きそうとも思える距離と、すぐ目の前でのダンスは迫力と魅力がありました!意外と観る方がどの点から評価するかで、評価が分かれそうな気もします。

Rouge ~花炎の残像~/Bleu ~青嵐の憧憬~

Rouge ~花炎の残像~/Bleu ~青嵐の憧憬~

芸術集団れんこんきすた

テアトロ ド ソーニョ(東京都)

2009/05/28 (木) ~ 2009/05/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

「Rouge」編は圧巻の一人芝居!!!
観劇させて頂きました。この作品はこちらの劇団のフランス革命三部作の第1部にあたる作品でした。あらすじとしては女革命家テロアーニュ・ド・メリクールの生涯を一人芝居で描いた作品でしたが、見事な作品でした!見事としか言いようの無い作品でした!!役者さんの声量・表情・動作表現・そしてバレエやフラメンコ・コンテンポラリーダンスなどを融合させたダンス表現・・・公演時間1時間30分がアッという間にしか思えませんでした!特にダンス表現が出来ることにより表情の演技とダンスが見事に一致して、一瞬にして女性の情熱・繊細な知的さ・そして女性の魅惑さなどを表現して観せることが出来る、非常に観応えがありつつも、絶対的なダンス表現により演じることの出来る役者さんの、演技力により観る者を惹きつけることの出来る表現の幅の広さに、ただ息を呑むだけでした!さらに驚いたのは、演出のせいなのかそれとも本来そのような役者さんなのか、一歩一歩の歩幅の感覚すら見事なまでに綺麗に揃えられており、その足の運び方・その動作表現だけでもこれだけ観る者に観応えを感じさせる舞台ですと、当たり前のようにその他のものもただただ「見事!」としか言いようの無い一人舞台でした!今回の星の評価は、一人芝居でこれだけ「圧巻の出来栄え!」としか言いようの無い作品は、自分としては文句のつけようの無い星の評価です!公演時間1時間30分の一人芝居でしたが、「もっと観たい!」と思ったほどでした!!素直に、この役者さんの舞台はこれからも観つづけていきたいです!!!これだけ「見事!」「圧巻!」と言った賞賛の言葉しか出てこない一人舞台は、よ~く思い出さないと思い出せそうにありません!今日観劇させて頂く2作品目でしたが、全く苦痛にならない「もっと観つづけたい!」一人芝居でした!!

Rouge ~花炎の残像~/Bleu ~青嵐の憧憬~

Rouge ~花炎の残像~/Bleu ~青嵐の憧憬~

芸術集団れんこんきすた

テアトロ ド ソーニョ(東京都)

2009/05/28 (木) ~ 2009/05/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

「Bleu」編は熱演の4人芝居!
観劇させて頂きました。この作品は、こちらの劇団のフランス革命三部作の第2部にあたる作品でした。あらすじとしては、フランス革命の幕開けからテルミドールの政変までの青年革命家サンジュスト、ロベスピエールらを虚実を紡ぎ交えつつも、丹念に1つ1つ登場人物たちの思惑と出来事を積み重ねて物語を描いていく作品でした!観劇させて頂いていた限りでは、対比する意味合いもあってか通俗的なことも取り入れてはいましたが、古典的な演劇にイメージが重なるところもありました。ただ、舞台上には簡易なテーブルとイスしかなく、舞台背景にフランス国旗を思わせる垂れ幕が下がっているだけの舞台構成であり、その簡素な舞台上で古典的にも思える演劇をされると、意外なまでにその台詞が頭に入ってくるようにも思えました。普通ですとフランス革命にふさわしい舞台美術と格調高い台詞表現が合いそうな気もしますが、このような全く飾り気の無いとも言える舞台構成に分かりやすい格調高さの台詞は、その歴史に詳しくないはずなのに、頭の中に素直過ぎるほど良く台詞が入っていきビックリしてしまいました!ただ、役者さんたちの力演があったからかもしれません。しかし、本作品の公演時間は2時間でしたが、登場人物たちの思いと出来事・事件を1つ1つ交差させつつ細かく積み上げていきながら結末へ向かっていく作品の展開だと、観る側にとっては意外と上演時間が長くも感じてしまう気もしてしまいました。特に今時の展開が激しく入れ替わるような演劇作品を鑑賞する機会が多いと、案外なまでに細かく1つ1つ積み上げていく展開はじれったくも長く感じてしまうような気がしました。出来れば1時間40分ぐらいにまとめあげられれば、観る側からすると理想的にも思えてしまいました。今回の作品の評価は、そうは言っても自分の場合はこのような手法の演劇作品も好きであり、またなかなか観ようと思っても観れる機会も無くなってしまたせいもありますが、やはり4人の役者さんたちの熱演に対して星半分加えた評価です!今日は古典的とも思える演劇手法が重なる作品でしたが、フランス革命をこれだけシンプルな舞台構成で演じながらも、その歴史がよく頭に入りながらも登場人物たちの情感が堪能できた作品に、個人的な満足感を味合わせていただきました!

LongForm Project 3

LongForm Project 3

LongForm Project

しもきた空間リバティ(東京都)

2009/05/29 (金) ~ 2009/05/29 (金)公演終了

満足度★★★★

ロングフォーム!!!
観劇させて頂きました。この日の夜はインプロ公演で、しかもタイトル通りの1作品だいたい40分から50分のロングフォーム作品2作品の公演でした!前回観劇させて頂いた際には立ち見がかなり出るほどでしたが、今回はチケット制限されていたのかそこまでには至りませんでしたが、それでも満席の公演となりました!インプロ2作品は、最初の作品は普通にお題を頂いて創り上げる作品でしたが、2作品目はお客さんが最初の作品の登場人物の脇役の中から気になる人物を一人指名してその話を創り上げていくスピンオフ作品でした。しかし、この日最初に頂いた「お題」は難しものでした。その「お題」をもとにさまざまな話や動作表現を1話の中に繰り広げ交差させて完結させることが、もっとも基本的なこちらのインプロ公演のルールですが、難しい「お題」のせいか、それとも作品の創り上げ方の方針が変わったのか、前回よりも話と話の間を紡ぐ動作表現が少し多かった気がしました。そのためか出来上がった作品はいい意味でストーリー重視のシブ目の作品となりましたが、それでも随所に「笑い」が溢れる2作品となりました!ただ、観劇させて頂いている際に思ったのですがやはり独自色が強く、どのような構成で話を創り上げていくルールなのか知っていない上に「笑い」のツボがずれてしまうと、1作品40分ほどの作品は少し、楽しみどころを知らずに終わってしまうかもしれないかなぁ~、とも思えました。インプロ公演の中でもこちらはかなり独自色の強いルールと作品構成展開ですから、意外と合う人と合わない人がハッキリ分かれるかもしれない公演かもしれません。今回の作品の評価は、自分の場合はこの公演に嵌っている者のですから当然楽しめたので、このような評価になっております。ですが「お題」のせいか、前回観劇させて頂いた時よりも、声量に張りが合ったようにも思えました。ほぼ半年ぶりのこの日の公演でしたが、やはり深みに嵌ってしまっている自分としては、待ちに待った公演でした!それだけに楽しい夜になりました!!

僕たちの好きだった革命

僕たちの好きだった革命

サードステージ

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2009/05/19 (火) ~ 2009/05/31 (日)公演終了

満足度★★★★

中村雅俊+鴻上 尚史!!
観劇させて頂きました。この作品は、あらすじ通りで主人公役の中村雅俊が学園闘争時代に意識を失い、30年後の近年に目を覚まし、再びかつて通っていた高校に復学し・・・と言う物語でした!中村雅俊が主人公でありながら独占舞台にならずに、良い意味で中心になりながらも息の合った舞台に仕上がっていました!観劇させていただく前には中村雅俊の独断場になるのではないのかと若干不安な点もありましたがその様なことは無く、その上で映像と音楽を織り交ぜながらも、巧みに舞台上を使いながら物語を展開させていました!そして物語は客席を楽しませることに熟知した、終演まで全く飽きさせることの無い舞台でした!ただ、昨年鴻上 尚史の「ドラえもん」を観劇させて頂いたのですが、舞台展開の構成が少し重なるかなぁ~、とも思える気がしてしまいました。客席を楽しませることに熟知している分だけ、少しだけ器用にまとめ過ぎているような気もしましたが、恐らく「ドラえもん」を観劇させていただいていたからでしょうけれども、その辺がひょっとしたら巧みな脚本・演出家の悩みになるのかもしれません。今回の作品の星の評価は星4つですが、もしかしたら昨年「ドラえもん」を観劇させて頂いていなかったら星5つつけていたかもしれません。しかし、中村雅俊の学生服姿がかなり似合っている、かつての学園闘争を現代に舞台を移して、観ている者に分かりやすく、その上で楽しませる作品になっていました!

港町十三番地・立棺

港町十三番地・立棺

劇団芝居屋

ザ・ポケット(東京都)

2009/05/26 (火) ~ 2009/05/31 (日)公演終了

満足度★★★★

直球が決まっています!
観劇させて頂きました。この作品はあらすじからほぼ想像できる通りで、何も突拍子もない筋書きであるとか、特に目を引く斬新的な試みが用いられているわけではなく、ほぼ直球一本やりの作品でした!このような作品である場合は、観る者が話の内容に共感できるものがあるか、そしてそれ以上に役者さんたちの演技力がどれ程のものであるかが作品の出来を決めそうな気がしますが、今回自分が観劇させていただいた限りでは役者さんたちの演技力が光っていました!年配の役者さんたちの落ち着いた演技力とそれに相乗するかのごとく若い役者さんたちの演技が磨き上げられていたような気がしました。やはり、年配の役者さんがいる劇団は若い役者さんたちまで落ち着きを持った演技力を養われているような気がしてなりません!ただ、本作品はあらすじからも分かるように話の部分部分で先の展開が見え隠れしてしまうところがあり、その点で不満を感じられる方は物語が少し長く感じられるような気もしますし、逆に期待通りに話が進んでいくことが楽しく感じられる方には、役者さんたちの落ち着き払った演技力が心地良く感じてしまうでしょう!その辺が直球勝負の作品の難しいところのようにも思えます。今回の作品の星の評価は、自分の場合はやはり役者さんたちの演技力を一番に評価したいものがありますので、その点から最初に評価させていただきました!今回の作品は直球一本の作品でしたが、新しい試みを用いる作品や斬新的な発想を基にした作品が多い中、このような作品を久しぶりに観劇させていただくと、当たり前かもしれませんが役者さんの演技力こそ作品の最大の魅力にも感じてしまいます!年配者には居心地の良い作品でした!

「グッドバイ」

「グッドバイ」

座・キューピー・マジック

「劇」小劇場(東京都)

2009/05/20 (水) ~ 2009/05/24 (日)公演終了

満足度★★★★

印象的な舞台美術と音響!!
観劇させて頂ました。この作品の詳しいあらすじはすでにみささんが書き込まれていらっしゃるので省きますが、ジャンル的にはホラー(?)コメディーでした。コメディーの前にホラー(?)と付けましたが、怖いと言う類のものではなく、むしろコメディーに結び付けて話しを展開させていく為の設定といった、ユーモラスなホラー(?)でした!正直に言いますとホラー的な設定の作品を観劇させて頂く機会はほとんどありません。そのためコメディー作品でありながら自分の場合は少し「笑い」の点で乗り遅れてしまうことが少々ありました。しかし、役者さんたちの演技は十分に落ち着きがあり余裕を持って終演まで観劇させていただきました!そして、印象的な舞台美術でした!とりわけ凝りに凝った舞台美術ではありませんが、これもまたみささんがすでに書かれている通りの舞台美術の展開が目を惹き、綺麗な舞台でありながら意外とシンプルにも思えるかもしれない美術背景のため、よりいっそうその展開が印象的でした!美術的なことはよく分かりませんが、舞台から少し離れた客席からだとその色彩の明るさとホラーコメディーに相応しい微妙に影を感じさせる色合いが引き立っておりました!少し離れた客席からだとやはり色合いの明るさと暗さは舞台美術にアクセントをつけ、舞台栄えさせてくれました!その上でこれもまた印象に残る音響でした!選曲された音楽も似合うものでしたが、斬音を残す音響の使い方が抜群のものがありました!当たり前のことかもしれませんが、音響も舞台美術もやはり演劇作品を高めることには欠かせないものなのでしょう!今回の星の評価は「笑い」と言う点では、自分の場合はコメディーとはいえあまり慣れていないホラー的な作品で、少し乗り遅れてしまいましてゲラゲラと笑うと言うよりもクスクス笑うということが多かった程度になってしまいましたので、星3つと4つの間ぐらいにも思えてしまいましたが、半分の星を切り捨てるには少しもったいない気がする舞台美術と音響でしたので、今回は星半分足させて頂きます!今夜はあまり観賞することの無いホラー的(?)な作品でしたが、流れてきにはコメディーでありながらも線のあるものでしたので終演まで舞台上から目を離せませんでしたが、よく考えたらホラー的作品はあまり観賞する機会がありませんでしたので、今後は折を見て観賞させて頂こうと思います!

エンクラ新歓公演2009

エンクラ新歓公演2009

早稲田大学演劇倶楽部

早稲田小劇場どらま館(東京都)

2009/05/15 (金) ~ 2009/05/18 (月)公演終了

満足度★★★★★

こうして深みに嵌る新入生が・・・
観劇させて頂きました。この日観劇させていただいたのは早稲田大学演劇倶楽部の新入生向け新歓公演、通称エンクラ新歓公演でした!公演時間90分の内、オープニングを含めれば5作品のショートショート公演でした!5作品の具体的な内容とコメントについては、すでにtaraさんが端的にお書きになられていらっしゃるので改めて自分が書き込むことはありません。ですが、同じ早稲田の公演で3月に観劇させて頂きました「パントマイム舞☆夢☆踏」のパントマイム公演でも感じましたが、早稲田の学生独特のエネルギッシュさを今日もまた堪能させていただきました!ただ、この公演の5作品はtaraさんが初心者×の印をつけられたように独特の癖が強く、しかし魅力は十分の公演でした!自分の場合はこの日観劇させて頂いた中でも一番年配の部類に入る年齢層ですが、新歓公演にもかかわらずこの日の客席で一番ゲラゲラ笑い声を上げさせて頂きました!新入生でもないのに申し訳ありません!今日は年に一度のせっかくの新歓公演ですので、いつもとは違った書き込みの仕方をさせていただきます!

『オープニング』
corich上でも常に話題と関心が集まる「ろりえ」の方による構成・演出でtaraさんがお書きになられた通り、これが「ろりえ」らしいのであれば、どのような評価が与えられようとも常に関心と注目が集まり続けることが納得の作品でした!
『青い春』
今でも早稲田の時代なのかもしれません!ただ、卓を囲み続ける限り女性とは絶妙のチームワークで縁が遠のいていきます。なぜでしょう?
『プラネット・ラララ・ラバーズ』
身体動作表現を難しく考えずに、むしろ楽しむがごとく取り入れ、ループし続けていく話の構成が好印象でした!
『すとーきんぐ』
なぜだかこの作品を観劇させて頂いていると昔のアメリカアニメを思い出してしまいました!アメリカン・コミックのページを、めくり繰り広げられるようにも思えてしまう作品に笑わせていただきました!
『峠の地蔵』
自分が観劇させて頂いたこの日、一番客席の反応が強かったように思えた作品でした!やはり、新入生ぐらいの年代には恋愛がテーマのものが一番敏感に反響があるのかもしれません!

このエンクラ新歓公演を星の数で評価するならば星4つかと思いましたが、年に一度の新歓公演であり今週末あたりに飲みに行く理由にもなるかもしれませんので、あと星1つおまけさせて頂きます!しかし、新入生が観劇するには独特の癖の面白さが強く、「こうして深みに嵌り、早稲田におまけの年数通う者が出てくるのかぁ~」と妙に納得してしまいました!確かに面白かったです!ですが、いきなりでは新入生にとっては少しきつかったかなぁ~、とも思えてしまうディープさが垣間観えた早稲田ならではの公演でした!!

PoW

PoW

ウィルチンソン

アイピット目白(東京都)

2009/05/17 (日) ~ 2009/05/17 (日)公演終了

満足度★★★

少し温度差があったみたいです
観劇させて頂きました。この公演は7つのコント作品公演でした。最初と最後のコントが共通する設定のコントで、その間に5つのコントが行われる構成でしたが、実は最後のコントにより7つのコントの全てが「言葉遊び」を基に繋がって流れ繰り広げられていたことに気がつくという、ある意味演劇スタイルのコント作品集公演でした!意欲的な若い方のコント公演を観劇させて頂く機会を少しだけ持つようになってみましたが、それらの大部分の公演が演劇のスタイルをどこかに取り入れているように思えます!そのため、本来演劇鑑賞を趣味としている自分であっても一本でも多くのコント公演を観劇させて頂いていた方が好ましいかもしれないなぁ~、との思いが最近強くなってきました!今年になってからですと「PUNCH LINE! Vol.04」を観劇させて頂き、大変面白くも勉強させていただきましたが、今日観劇させて頂いたコント公演はそれとは別の方法による複数のコントを1つの公演の中で共通するコント作品集にする手法でしたし、これもまた面白くも勉強させていただきました!ただ、この日のコント公演は本来であれば全く別々のコントになるはずのコント集ですので、1つ1つのコントによって自分を含めた客席の反応が少し明らかに出ていたような所があったようにも思えました。最初と最後のコントはともかく、間の5つのコントの内前半2つの大作コントが少し客席の反応が鈍かったような気がしましたが、後半3つの小品コントが客席の反応が結構いいものが感じられたように思えました。最近のコントやお笑いからすると、観ている者も共通して体験があるような話題を拡張したものが今は無難に笑いの反応が強いようなところがあるような気もします。ただこの日の公演の7つのコントに共通していましたが、部分部分で少し発音が聞き取りにくいような気がする発声の為か台詞による笑いよりも動作や映像と言った一種のアイデアにより起こる「笑い」がかなり多かった気がしました。演劇でもそうですが、やはり聞き取りにくい発音の台詞をされると余裕と言うものが全く感じられなくなっていき、同じ台詞でありながら役者さんによって観ている者に全く違ったものを感じさせるのはこのあたりにも理由があるのかなぁ~、と自分は思ってしまいます。今回の星の評価については最後に少し唸らせられる「最後に明らかになる言葉遊び」による7つのコントの繋がりの発想と、後半3つのコントの面白さに票を投じたくもなりますが、前半2つの大作コントが「笑い」と言う点では少し客席も自分も消化不良の感がありましたし、大作コントだけあり時間が多く割かれてしまい本公演における「笑い」のきっかけを掴み取るのに少し時間が掛かり過ぎてしまったかなぁ~、と思いますので、厳しいかもしれませんがその点から今回は減点させていただきます。しかし、最近では演劇作品の「笑える作品」と呼ばれるものも「笑い」の部分においてはコントとの境界線がかなり少なく感じられることがしばしば観られますので、これから先は演劇鑑賞を続けていくに当たってコント公演の鑑賞は避けられないような気が自分の場合はしてしまいます。最後になって思い出しましたが、「pow」は確かプログラミングのベキ乗を表す数学関数で、それぞれのコントが「言葉遊び」により相乗していることを暗示しているタイトルだったのでしょうか?

黄金時代(仮)

黄金時代(仮)

劇団夢現舎

新高円寺アトラクターズ・スタヂオ(東京都)

2007/06/01 (金) ~ 2007/06/18 (月)公演終了

満足度★★★★

随分と前になりますが・・・
劇団 始発列車の今回差し迫っている公演の「観たい!」に書き込ませていただいた内容から、少し自分が観劇させて頂いてきた劇団の過去の公演を眺めさせていただいていましたら、こちらの劇団は随分と前に観劇させて頂いていた事に今さらながら気がつきました。そして、誰もこの公演の「観てきた!」に書き込みをされていなかったので、少し記憶が薄らいでいる部分がありますがやはりよく覚えてもおりますので、簡単に観劇記を書かせていただきます。この公演はあらすじに書かれている通り、殺人を犯してしまった者たちが捕まり、その理由として共通してこれもあらすじ通り「風が吹いていた・・・」の一言だけで人を殺していたことが次第に明らかになっていく物語でした。こちらの劇場は非常に狭い上に舞台と呼ぶよりも席から続く平面に緑の草に模した物が敷かれ、その上にただ一つ使い古されたバスタブが有るだけの、ある意味で舞台と座席が共有空間になったスペースとでも言いたくなるものでした。ただ、それだけにまだ荒さが目立つ部分が多岐にわたるとも言えなくも無い所がかえって、我が身の内面に迫ってくるものが感じられました。こちらの劇団の前回公演「蟻のごちそう」を観劇された方が観ていられたら、全く当時は別で非常に分かりやすい正統的ともいえそうな演技で大胆な解釈の物語と舞台演出をしていた、全く別の劇団と思うことでしょう(事実、自分はこちらの劇団の事を調べ直して驚いてしまいました!)。当時は西洋的な物語や哲学観を日本的な宗教観により解釈した作品にも思えましたが、記憶が少し甘くなってしまっている部分もありますが、当時の自分は確かカミュの異邦人の不条理観的なものを輪廻転生的なものか古くからの記憶も脈々と遺伝され受け継がれていくと言った解釈で表した物語なのかなぁ~、とも帰り道の間に思ったりもしていました。しかし、前回公演を観劇させて頂いた自分としては、当時はまだ少し荒削りの観もあったけれども役者さんたちの演技を体感することの出来る狭い空間がむしろ密度の濃い物語に押し広げていた気がします。すでにかなりの時間が経過しているにもかかわらず、今だほとんど物語を覚えていますから、当時から当サイトを知っていれば、間違いなく星4つの評価を与えていたと思います。当時の経験からですと、こちらの劇団は狭いスペースになればなるほど密度の濃い物語を観る者に与え、今ならば当時よりもさらに力量を増した演技力を持っていますから、今回の座席数限定の公演はかなりのお買い得公演になることだと思います!でも、もし観劇された方の肌に合わなかったら「ごめんなさい」の一言で許してくださいね!!

頭のトランペット

頭のトランペット

カムヰヤッセン

駒場小空間(東京大学多目的ホール)(東京都)

2009/05/09 (土) ~ 2009/05/10 (日)公演終了

満足度★★★★

かなり楽しめました!
観劇させて頂きました。これまでにも興味があれども観劇させていただける機会に恵まれなかったカムヰヤッセンの公演を、稽古場公演と題されてはおりましたが、ついに観劇させて頂きました!しかし、この稽古場公演の公演時間は45分と非常に短い時間の公演でしたが、最初に言ってしまえば自分のツボにビシバシと嵌ってしまう劇団公演でした!この公演は、あらすじから判断できるように特に斬新的な試みや目新しいものを芝居に取り入れているのではなく、ある意味においてはこれまでにも試みられてきたもののみで構成されながらもそこに止まらずに、さらに再構成されていき掌編小説とでも呼べそうなものに結局膨らみそうな作品になっていました!舞台構成は紙片(?)をバラ撒かれた上に簡易なテーブルとイスのみで創られていましたが、その無機質的な空間が本作品には良く合っていました!役者さんたちの演技も動作演技よりもごくありふれた日常的台詞表現を中心に構成されたものでしたが、その台詞表現が非常に良く分かりやすくイメージし易いものばかりで、その無機質な舞台上を役者さんたちの台詞表現により風景を創り出し、その時その時の心理状態すら舞台光景に醸し出してしまっているように思えてしまいました!無機質な空間にただオブジェのようなものがあるような舞台構成では、詩的な表現や非常に分かり易い簡潔な台詞が自分の経験からだと意外なほど効果的に舞台上に見えないはずのイメージ空間や風景を創りだす事が容易に感じることが度々ありますが、今回の公演はまさにこの通りで非常に容易に風景や心理の光景がイメージしやすい世界観でした!ただ、この稽古場公演においては「白いドレスの女性・黒いドレスの女性」を中心にそれぞれの相手役に対照的な役柄の男性役者さんが二名の計4名出演されているだけの公演でもありましたが、その相手役と夫婦と言う設定にはいくらなんでも若すぎるようにも思える役者さんたちの年代でしたが、この駒場小空間は音が良く反響し、役者さんたちの台詞がリフレーンされているように空間に響き渡り、その微妙に後から遅れて響いてくる台詞感覚がほんの一瞬の間に役者さんたちの人生の経過時間まで示しているように思えて、若過ぎるはずでありながら夫婦と呼ぶ設定に違和感を最後まで感じることがありませんでした!久しぶりの観劇と実に久しぶりの観劇記を書き込ませていただきましたが、この機会に稽古場公演ですが初めてカムヰヤッセンの公演に触れさせていただき、自分好みの無機質な空間でのイメージし易い簡潔な台詞回しと、同じく無機質な空間での台詞の反響効果が意外なまでに一瞬の間に人生の経過時間まで感じ取らせてしまうことに自分としては思えて、やはり演劇鑑賞の魅力を今日も存分に味わうことが出来ましたが、この稽古場公演と呼ぶ0.5回公演をもっとしてもらえないかなぁ~、と自分は思ってしまいます。しかし、星として評価するならば通常公演と比べてみるとやはり手の中で収まる範囲の作品で、最後にもしかしたら滑稽なまで誰もが人生において大道芸をしているのでは?と自分は思ってしまいましたが、厳しく評価すると星3つと4つの間の作品になるのかなぁ~、と思ってしまいました。ただ、やはり45分の稽古場公演ということを考えると自分の場合は星4つの評価にしたくなる、自分の好みと面白い発見が有りましたので、久しぶりの観劇作品の星の評価にはそのような意味も込められております。また、tetorapackさんの「観たい!」の書き込みを見ることが無かったのならば、このような自分好みの作品を観劇させて頂く機会が持てなかったことは間違いありませんので、書き込みをされたtetorapackさんにも非常に感謝しております!


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