
山兄妹の夢
桃尻犬
シアター711(東京都)
2019/06/26 (水) ~ 2019/06/30 (日)公演終了
満足度★★★★★
何気ないボソッとした呟きも全部全部ひっくるめて台詞ひとつひとつがことごとく面白い!
作品のイメージとしては、「この人達、一体何の仕事をして、普段どんな生活を送っているのだろう」と、誰の身の回りにもいるであろう常々不思議に思っていた人達の生態が「ナルホドこんな人でこんな事やっていた訳ね!」と好奇心がみるみるうちに満たされていく!快感っみたいな。
叩けば変な埃もいっぱい出てきますね!みたいな(笑)
山兄妹を含めて二人に関わる個性的な登場人物が、揃いも揃ってそんな感じなので、もうどのシーンも香ばしくて美味しい。
もうひとつ頭に浮かんだ例えとして、下北沢の大きな雑貨店で発見した今まで見たことのない不思議なオブジェ風物体。
明らかに一点物。
よく見てみると細かい所まで非常に良くできている。
触ってみると色んな面白い細工が施されて逐一感心するし、思わぬ所から音楽まで流れ出てくる。
値段はそう高くない。
何コレ、絶対買おう!と思って財布の中を確認しているうちに、そこにはもう物体は無くなっていて・・・
紛れもなく此処にあったはずなのに決して家には持って帰れない。みたいな作品・・・あぁっ余計分かりにくいか(笑)思い浮かんだイメージです
特殊なセットがあるわけでもないし、衣装が奇抜なわけでもないのに、凄く斬新な舞台を観た感動がありました。
事前に配役表を見ておく事をお勧めします。

傷心る(えぐる)~愛を語る資格・改
獏天
Geki地下Liberty(東京都)
2019/06/25 (火) ~ 2019/06/30 (日)公演終了
満足度★★★★
事前に持っていたイメージは怨念渦巻く『モンテ・クリスト伯』
しかしそのイメージとは見事に異なり、まさかの えッ笑わせようとしている!?のアプローチに一瞬「ストーリー変えました!?」
着眼点の違いでこんなに作風そのものが予想を覆すなんて!と、まず驚きました。
犯罪者とて罪の意識を背負いながらも刑期を終え月日が過ぎれば、本能的に次の活路を見いだそうとするだろうし、図らずも恋に落ちてしまったのであれば尚更。
加害者と関わった登場人物には罪に囚われたままの者もいて、目を逸らしながら巧く世間を渡っている者もいる。
何より彼等はまだ若い。
当時の事件とは直接関わっていない人物も含め、そんな若いパワーが前面に押し寄せてくる作風に面喰ってしまったというところでしょうか。
俊敏な所作・演技捌きを含めて面白い劇団さんだと思える部分は多々ありましたが、それとは別に(自分が期待したところの)テーマの核の部分には共鳴出来なかったのがちょっと残念ではありました。
暗く重いトーンで占められた公演ではないかと敬遠されている方はご安心ください。
ただし観終わって感想を書いている今、ジワ~ッときてます。

舞台「アンフェアな月」第2弾 ~刑事 雪平夏見シリーズ~ 殺してもいい命
刑事・雪平夏見シリーズ製作委員会
サンシャイン劇場(東京都)
2019/06/21 (金) ~ 2019/06/30 (日)公演終了
満足度★★★★
前作は未見、『アンフェア』に関しては真っ新な状態での観劇でしたが何ら問題もなく、その世界観を堪能できました。
本当に映画を観ているのと同じ感覚の演出、大劇場の生舞台でちゃんとした説得力と迫力を持たせるため、これだけ多数の役者さんが配置されたのだなぁと・・・それだけでも力の入った公演だった事を伺わせます。
暗転でこちらを照らしてくるライトに「眩しッ」と思った次にはもうセットチェンジされているのがイイ感じでした。
1幕目はとにかく事件の緊張感に包まれた時間。
(途中休憩があって本当に良かった)
2幕目で集中力をリセット、和めるシーンもあり、もはや事件がどうやって解明していくのか一刻も早く見届けたくて紐解かれていく急展開が私には有難かった。
元「上からマリコ」感情的にはならないキャラゆえ見せ場の難しい役どころではありましたが、長丁場での流暢な台詞さばき、不眠不休のクールビューティ雪平夏見刑事がとにかく頼もしい。

ベストアルバム(仮)
lovepunk
劇場MOMO(東京都)
2019/06/25 (火) ~ 2019/06/30 (日)公演終了
満足度★★★★
THE“女”スペシャルと言って良いくらいに“女”達がオンパレードの作品。
これは決して女性キャストばかり大勢出演されていた!という意味だけでなく、男からして見ると、その精神構造やら守るべき諸々やらが、何かと「うぅぅむ、そうかぁ、そういうものかぁ」・・・女性の業・ココロの塊たちが押し寄せてくる作品だったから。
安易に「うん、わかるわかる」とは言えないけれども、思わず「うぅぅむ、そうかぁ、そういうものかぁ なんか説得力あるなぁ」とただただ唸るばかり。
ほんの一例を挙げると「出る杭は打たれてしまうのだから!ハミ出したくないっ」という気持ちと「できれば自分だけ特別に輝きたいっ」という気持ちが矛盾なく同居する心理バランス・・・他者の女性の波に揺れ動きながらも愛らしく滑稽に・・・その流れ着いた先が一見「成れの果て」の様な姿であったとしても、もしくは愚行であったとしても、何とも憎めない。(でも笑ってしまったりはする)
女性オンリーの公演は数あれど、これだけ普通の成人女性の葛藤やら希望やらが渾然一体となった作品は初めてかも。
(全然普通じゃない有名な性悪も出てきますが)
しかも格言級の台詞もサラッとした軽やかさで笑いありで。
おそらくベストアルバムという事で、通常より濃ゆい作品。
ただ普通ベストアルバムといえばシングルを羅列しただけであるけれども、本作は絶妙にそれぞれが繋がっていて、壮大な女のヒストリーとなっていました。
人生とはヒットがあろうがなかろうがベストアルバムのようなものか。

♨︎悪党温泉♨︎
劇団 EASTONES
駅前劇場(東京都)
2019/06/22 (土) ~ 2019/06/30 (日)公演終了
満足度★★★★★
悪党仲間から殺されかけた男を救出したのは温泉宿の人々。
その宿の名は「悪党温泉」
お茶の間に通じる往年の鉄板バラエティーパワーとめくるめく殺陣アクション、そして日本人ならではの人情味。
冒頭から既に「きっと作者さんは欽ちゃんの影響を受けている方に違いない!」と確信を持って拝見しておりましたが、帰って確認してみると、何と演出・殺陣 石田武氏は欽ちゃん劇団・時代劇ユニットで活躍されている方。(本公演で出演もされています)
もう一人の作・演出である清水東氏は放送作家としてバラエティ番組も手掛けられている方。
なるほどッと大納得! それはもう舞台に色濃く反映されておりました。
役者陣も女将に主人、二枚目、三枚目にマドンナに悪党等々・・・それぞれ役柄にピッタリな顔ぶれによる演技が・・・思うに、梅沢富美男さんや藤原紀香さんこそ出演されていなくとも明治座などでの公演と内容的には遜色なしではないかと。
加えて小劇場の臨場感と親近感。
普段大劇場に足を運んでおられる、おとうさん・おかあさん。お薦めです!
「Here we go!」のDJ赤坂泰彦氏が当日のゲスト。
中盤にて結構まとまった時間が赤坂氏(しっかり時代劇衣装で!)に分け与えられ、それを見事に仕切っておられました(笑)
今後も実に多彩なゲストが予定されている様なので、こちらも見どころの一つになるのは間違いないでしょう。

オフィス上の空プロデュース・トルツメの蜃気楼
オフィス上の空
ザ・ポケット(東京都)
2019/06/19 (水) ~ 2019/06/23 (日)公演終了
満足度★★★★
昔より格段に間口が広がった分、成功者になれる確率はずっと下がってしまったであろうアイドル界の現実。
そういった事は重々承知していながらも、より輪郭をハッキリさせた厳しさで突き付けてくるのが さすが!でありました、松澤くれは作品。
繰り広げられる沢山の「対話」、その一言一言は、持ち主の人間性を如実に表していて、それらの言葉達は時にはリアルな生活だったり無邪気な光であったり鋭いナイフになったり。
ひとつでも台詞を聞き漏らすとストーリーから脱落する、などという心配は無いにも関わらず、必死で咀嚼咀嚼の観劇だったので終演後は結構クタクタ・・・良質なモノを食べまくり挙句お腹一杯になりすぎましたというのも随分な言い草ではありますが。
オール女性キャストのみならず男性の影すらも極力排除したのには何か狙いが伺えますが、私的にはストイックな痛みがヒリついてくる、そんな印象を残す作品となりました。

「蛇姫様~我が心の奈蛇~」
新宿梁山泊
新宿花園神社 特設テント(東京都)
2019/06/15 (土) ~ 2019/06/24 (月)公演終了
満足度★★★★
「本公演は休憩2回を挟んで約2時間50分を予定しております」の告知にどよめく会場(笑)
一足早い「夏」を感じてきました。
今年も花園神社で熱~い空気を全身で感じる事ができて良かった!
化かされているかの様な極彩色の妖しい女達のお色気。
あの少年探偵団の小林少年も成年になって登場・・・脳内では別モノと判定していますが(笑)
ケレン味ヤバ味たっぷり新宿梁山泊さんの世界を理屈抜きで楽しめる様になったのは、何だか“通”になったよう(なったような錯覚)で嬉しい。

愛鯛
鯛プロジェクト
OFF・OFFシアター(東京都)
2019/06/13 (木) ~ 2019/06/18 (火)公演終了
満足度★★★★★
開演ちょっと前、懐かしテイストのオリジナル歌謡ショーあり。
終演後のトークでオパンポンさんが『何やねんあれ~ッ』とお約束でツッ込んでいましたが絶対見ておいた方がお得です。
第1話『The Last Supper』
オープニングらしい王道コメディー
ちょっと女の怖さinだったけれど、うん王道のコメディー。
第2話『サンセット』
本公演の共通テーマ「愛鯛(会いたい)」 一体どの部分が(会いたい)やねん!?という謎を残しつつ、何より私自身が今回一番(会いたい)だったオパンポン創造社さんの作品。
やっぱりなぁ~の絶賛怪進撃中でした。
思うに、オパンポン創造社さんの作品には圧倒的な笑いの中に「哀しみ+α」が仕込まれており、この+αをどう表現すれば良いのか、どうにもこうにも心惹かれてしまいます。
素っ裸に近いけれど法には触れぬ工夫のオパンポンスタイル。と言えば良いのでしょうか、もうこのままだと無条件にこの格好を見ただけで泣けてきそう。
第3話『What is it?』
よ~く「笑い」を熟知したユニットで色々ショーアップされて盛り沢山。
最後にボリューミーな満足感を与えてくれる作品でした。

できあがらなかったカクテル
ファンタスティック学園
エビスSTARバー(東京都)
2019/06/13 (木) ~ 2019/06/16 (日)公演終了
満足度★★★★★
正真正銘のBAR公演。
恵比寿の小洒落たBARで完全密室の小宇宙。
普段BARとは縁の無い生活をしているのもあり、入店した瞬間に「あぁ随分DEEPな空間に迷い込んでしまった」感がハンパなく、ちょっと緊張。
会場時から既に何かが始まっている感もあり、こちらはとても和やか。
壁際席やテーブル席、どこに着席しても良いので無難に壁際にすれば良いもののステージらしきスペースに着目し、これならテーブル席の方が観やすいかなと。
座って程なく分かりました・・・ステージスペースで演技を披露するスタイルではないのですね。
店内全てが演技空間でした。
という事は今座っているテーブル席、もろ舞台の中に座っているようなもの。
役者さんが演技される位置・・・近いっ!近すぎる!
普通にお店の中にいる感覚のまま、そのやり取りをマジマジ見るのは失礼にあたるのではないかという常識に基づいた遠慮があるものの手元ばかり見ていても勿体ない。
ええ見ましたよ、なるだけさり気なく(笑)傍からどう見えたか知らないけど。
テーブル席にはもちろん他にもお客さんが座っており、結構リラックスされていた気もするのですが、そこまで観察する余裕はとてもありませんでした。
ストーリーというよりBAR店内でのやり取りを楽しむといったスタイル。
その中にもちろん演劇要素は盛り込まれているわけで、もうこれはキングofライブ。
BARにあまり行ったことの無い方、お薦めです。
久しぶりにディープな体験をしました。
終演後、出番少なめの役者さんだと認識していたのが実は普通にお客さんだったと判明した方々、数名。
こんな事ってある!?
あぁ面白かった!

かわいいはつくれる、かわいいはつかれる、鏡に映ったわたしで泣ける
MacGuffins
サンモールスタジオ(東京都)
2019/06/11 (火) ~ 2019/06/16 (日)公演終了
満足度★★★★
アイドル戦国時代・・・確かに戦国ワールドでした(笑)
さぞかしアイドル系の女優さんが大勢登場、かと思いきや主人公アイドルは何と!ゴリマッチョ系(笑)
(㊟対抗馬にはアイドル系女優さんも登場します)
アイドルといえば「熱狂的なファン」という事でハイパーハイテンションが物語に良く合うのですが、ここでは加えて事務所陣営も熱い!
そして何より一番熱いのは主人公アイドル小野寺マチコ(㊟ゴリマッチョ)
時折ワッキーが女装したらこんな感じ?(ゴメンなさい、もうちょっと綺麗です)と思わせつつ色んな液体を飛び散らせながら大奮闘でした。
・・・「もうちょっと綺麗」はフォローになっただろうか、ゴリマッチョと言った時点でアウトか
小さい劇場で、これでもかとエネルギーが炸裂するドタバタが苦手の方には不向きな作品かもしれませんが、バカバカしい事に完全燃焼の舞台から泣き笑いエネルギーを沢山浴びてみたいという方には珠玉の1作。

○○トアル風景
中央大学第二演劇研究会
阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)
2019/06/13 (木) ~ 2019/06/16 (日)公演終了
都会の片隅で出逢った男女。
ひとつひとつのシーンが空気分解し、次へと転換していくような表現が素敵だなぁと思っているうちに流れは何やら怪しい方向へ。
傍から見ていると、もどかしいくらいに不器用に、着実に崩れていく関係性。
不条理な不運も重なって彼等は一体どこへ向かっていくのか・・・
沢山の役者さんが次々とリレーで紡いでいく演出とチームワークが爽快。
デタラメ描きのようでいて、ちゃんと役割を果たしていくチョーク絵の数々。
『○○トアル風景 』 ○○は最後に埋められるのですね。
精神世界とリンクしてくるような、本来の原点へと戻っていくような、不思議な面白味のある公演でした。

夜のジオラマ
SPIRAL MOON
「劇」小劇場(東京都)
2019/06/12 (水) ~ 2019/06/16 (日)公演終了
満足度★★★★
大人のSFファンタジーはイメージしていましたが、まさかこんな感慨を持って帰ってくる事になるとは思ってもいませんでした。
ファンタジーのオブラートに包まれながらも内容に関しては意外な程に手強い感触。
演技はSPIRAL MOONさんらしく情感が込められて実に丁寧。
全貌が分かった今、それらをなぞらえ噛みしめていますが、観劇途中にフォーカスをどこに当てれば良いのか、よく分からなくなってしまったのが残念です。
迷いの無い視点でのリピートで改めて発見する箇所も多いのではないかと思えた作品であり、脚本を手掛けられた はせひろいち氏を迎えたアフタートークがあると良かったなと思えた作品でした。

タイムトラベルアイドル 時空少女ピピ
タイムトラベルアイドル 時空少女ピピ 実行委員会
シアターブラッツ(東京都)
2019/06/05 (水) ~ 2019/06/09 (日)公演終了
満足度★★★★
ポップなコメディーとライブが融合。
ちゃんと演技シーンとライブシーンとで、素早くスイッチが適正モードに切り替わる観客が素晴らしい!(笑)
コンサート経験は数あれど、本作のような今どきなアイドルライブは初だったので新鮮でしたし、何より演劇からのライブなので敷居が低い。
ストーリーとしては恋愛色が意外と強くて何だか微笑ましく、舞台初の役者さんも何人かいらした様ですが、皆さん発声がとても綺麗で観やすかったです。
色んな個性あるアイドル登場、個人的に目を引かれたのはしっとりした曲も歌い上げた希崎叶和さんでしょうか、正統派です。
千秋楽挨拶にて舞台の役柄とはまた違った個性をそれぞれに観る事が出来、ここに至るまでやはり随分頑張ってきたのでしょう、思わずこちらまでウルッときました。

ブランデー!恋を語ろう
動物電気
駅前劇場(東京都)
2019/06/01 (土) ~ 2019/06/09 (日)公演終了
満足度★★★★
動物電気さんの公演は10年近く、ほぼほぼ拝見していますが、当時から既に独自の笑いのツボを体得されており、それが積み重なった面白さはもう鉄板の領域。
初めて観た時の衝撃は今となってはお約束、それでも得られる新鮮味と満足感はホント大したものだなぁと今回もつくづく実感。
あらすじは、高校&カラオケ教室のダブル教師夫婦に降りかかる受難の数々・・・とでも言えば良いのか・・・テーマは中年男女の恋愛です(笑)
今回は女性陣も大奮闘。
客演・新人さんも加わって増々賑やかでした。

なんてったって
青春事情
OFF・OFFシアター(東京都)
2019/06/05 (水) ~ 2019/06/09 (日)公演終了
満足度★★★★
正統派男性アイドルユニット。
身につけた衣装は確かに3人とも若い頃には似合っていただろうなと。
それにしてもアイドルとして現在に至るまで、いくらでもイメチェンのチャンスはあっただろうに、化粧という魔法を使えないだけにコレは流石にキツい御姿(笑)
いや、青春の面影が背景に見えるならば、ファンにとっては充分アリな光景か。
四十路の哀愁をスパイスに、かと言って辛辣な程には意地悪ではなく、四十路共感濃度メチャ高めの緩~い笑いに終始包まれてのイイ感じな舞台でした。
同年代だけでなく若い観客にはいずれ来たるべく風景として想像可な可笑し味もあったでしょうが、若手アイドルからの導入口も用意されていて、そこからも入りやすく、結果だれもが楽しめる内容に。
気楽にゆる~く楽しむのが正解。

かさぶた式部考
劇団櫂人(解散しました)
上野ストアハウス(東京都)
2019/05/29 (水) ~ 2019/06/02 (日)公演終了
満足度★★★★★
これからご覧になられる方は充分体調を整えて観劇される事をお勧めします。
というのも人間が生き抜くという様・・・親子愛・夫婦愛・信仰心・執着心・情欲・・・あぁ数えきれない(汗)をこれでもかと受け止める事になるので。
更に親子愛・夫婦愛・信仰心どれを取っても綺麗ごとでなく(綺麗ごとなど言ってられない)泥臭く本能的なモノを剥き出しに描かれ演じられており、全く容赦がない作品。
男盛りの30歳で精神を病んでしまった豊市に彼の母と妻。
後に神々しく登場する教祖・智修尼。
この4名を中心とした想像を超えた愛憎の図式・・・・のみならず彼等を取り巻く人々の心の救済を求めるその渇望感。
本作では作中に登場する宗教団体に対して、かなり辛辣な視線で描かれているものの、これはひとつの解釈として日本政治の写し絵と受け取って良いのだろうか。
だとすると力弱い国民はその色に染まったまま縋って生きていった方が幸せだろうかと考えさせられます。
意志をもって自身の道を行くのが正しいと分かっていても何とも悩ましい虚無感が広がってくると共に、えーい負けてられるか!と力が漲ってくる作品でありました。

中女 ~あたりめ~
踊る演劇集団 ムツキカっ!!
高田馬場ラビネスト(東京都)
2019/05/29 (水) ~ 2019/06/02 (日)公演終了
満足度★★★★
「ポワッと インチキオジサン登場♪」ってな感じで、おぉ~っ!出てきましたねオッサン天使が。なんか素敵な登場です(笑)
うん!100%この天使に関わるのはイヤだ!と私が思うところは、ホントどこにでもいそうな今どき女性主人公も間違いなく一緒。
しかし関わらざるを得ない、どうしようもなく不条理な状況からのスタートに思わず冒頭から前のめりです。
現在から過去へ、悪戦苦闘する主人公女性と、そんな事などあずかり知らぬ仲間達。
奇しくも先日拝見した「10分間2019~タイムリープが止まらない~」とも共通した、広がっていく面白味を含有しながらも全くの別物、流石のしっかりちゃっかりムツキカっ!!ワールドでした。
思わずズリッとなる予測不可能な仲間の行動に笑いつつ、うねり狂いながらもある一点に突き進む時空の何とも言えない不気味さ。微笑むオッサン天使。
まさにダークでキッチュ。
そしてニヤニヤ油断していたところで不意を突いてくる驚きのラスト。
「えっ エンディング!もうそんなに経った?」体感時間、めちゃ短く感じられました。

自由を我らに
カプセル兵団
ワーサルシアター(東京都)
2019/05/28 (火) ~ 2019/06/02 (日)公演終了
満足度★★★★
舞台上に続々と集まってくる言論・文章に長けた登場人物。
序盤にてその人柄が順々に伝わってくるのですが、 これは絶対揉めるわ(笑)
一般人にとって読解しづらい日本国憲法を分かりやすい口語文に書き換える為に集められたというのに皆発言が自由過ぎ。あぁ~だからッ 意味まで変えちゃいけないんだってばっ(笑)
文言の解釈と表現方法に対して、作家・歌人・随筆家、いわゆる文章で楽しませる職業人の発言は、ここでまかり通ったとしても、どうせ後で訂正されるでしょう的な微笑ましく笑えるものが多かったけれども、同じ文章を楽しませる職業人とはいえ広告文案家の発言はその笑いに紛れて「んっ?」どさくさにちょっと怖い事を言っている気が・・・
一番の見どころはやっぱり9条のくだり。
ここで一気に身が引き締まったし、そう!正にこんな論争が観たかった!という思い。
それこそ一言一言を噛みしめるように聞き入りました。
毎回役者さんが、その場の感情で自由に演じるという「フリー・リアクション演劇」
皆さん負けず劣らずの熱き言論・演技バトルを繰り広げられてていましたが、そこをあえての個人的熱弁賞は新聞記者・大町さんと政府の役人・生粋さん。
観る回、観る人によって変動する可能性が面白いです。

後家安とその妹
明後日
紀伊國屋ホール(東京都)
2019/05/25 (土) ~ 2019/06/04 (火)公演終了
満足度★★★★
プロデューサーに名を連ねる小泉今日子さんは、ずっとアイドル時代からどこに身を託すのかを含め映像・演劇を問わず自己プロデュースの天才。
今回女優として御自身は出演されてはいないのだけれど本作における重要な二人の女性
「極上の男をたぶらかす女性」と「下衆な男に弄ばれる女性」それぞれの役に想いを託されていたのではないかと思えた公演。
小演劇界から抜擢された役者さんに目を向けただけでも「なるほどコレは期待できる!」な顔ぶれ。
ただ期待したイメージがそのまんまそっくり舞台で具現化されるというのは難しいもので・・・音響・照明を含め、ここはもっとケレン味を身方につけた方が・・・と思いながら、狙いどころはどこを取っても理解ができるのでドキドキ心弾んだり、狙いが理解できるが故にもどかしく思える箇所があったり、中々こころ忙しい観劇となりました。
ドラマチックな殺陣シーン、要所要所における豊原功補さんの巧さ、毎熊克哉さんの人を思いっきり不安にさせる表情etc見どころは沢山。
なんだかんだ言っても観る価値充分にありました、私は満足です!
受付で観客を出迎えてくれる小泉今日子さん。
にこやかに、ごく当たり前といった感じで・・・うん、やっぱりキョンキョンはかっけーッ

10分間2019~タイムリープが止まらない~【ご来場ありがとうございました】
中野劇団
こまばアゴラ劇場(東京都)
2019/05/24 (金) ~ 2019/05/26 (日)公演終了
満足度★★★★
気心知れた仲間うちの飲み会と悪夢のような無限タイムリープの取り合わせが何とも絶妙!
気心知れているのと気が通じ合うのは別物なのですね、なんか逆に厄介(笑)
さり気なく関西弁効果も大きい。
何より見事だと思ったのがタイムリープの回数を重ねていく程に可笑しさも増し増し、更に話も広がっていくという展開。
止まらない笑いを増幅させたまま勢いで一気にラストまで・・・と思いきや途中からまた流れが変わってハッとしてしまうのもイイ感じ。
敢えて言うなら舞台に登場しなかったキーマンの人物像だけがいまひとつ実体としてイメージしづらかったのですが、舞台上の人物達は誰もが親近感湧く完全キャラ。
特に主人公の人間臭さが逐一味わい深く、そして可笑しい。
会場は序盤から笑いの起きる暖かい雰囲気だったので遠慮なく笑えるし、やり取りの妙はどんどん加速していくし、ええそりゃもう思う存分笑い倒してやりましたよ(笑)
お隣りのキャラメルボックスファンの女性も、ひとつ後席のコリッチメンバーミドル英二さんも負けずに笑っていて何だか楽しかった!