満足度★★★★★
過去に拝見してきたteamキーチェーンさんのミステリーinの作品には、どうやったら創り出すことができるのかと思うほどにヒンヤリとした空気が流れ込みゾクゾクしながら引き込まれてしまうのだけれど、本作は番外公演。
また全然違った空気感でもって、大いに楽しむことができる作品になっていました。
家賃の安そうなアパートに6世帯。
それぞれの生活が時には交わったりするものの、それぞれに独立した営みがしっかりと描かれており、幸、不幸を推し量ったところでそれは本人にしか分からなく、道半ばの人達でもあるのだけれど、彼等の十人十色様々な人生模様に触れることで観劇後は喜怒哀楽、実にカラフルな感慨の風呂敷に包み込まれたようでした。
六つの世帯を見せる演出方法はいくつか考えられるのでしょうが、本作での見せ方は良く考えられていて、ちょっと視線を移すだけでどの部屋にも焦点を当てる事が可能。
見るべきポイントの誘導も巧みなので、観進めていくほどに自然と各家庭の内情が伝わってくるし、時にはスポットの当たっていない家庭をチラ見してみると思わぬ様子を垣間見てしまったりで舞台全体が実に表情豊か。
そう、ここのアパート住人はとても在宅率が高いのです(笑)
一言に群像劇といっても、こういう魅せ方もあるのだなぁと、素敵な「ねこのはこにわ」に酔いしれてしまいました。