満足度★★★★★
これからご覧になられる方は充分体調を整えて観劇される事をお勧めします。
というのも人間が生き抜くという様・・・親子愛・夫婦愛・信仰心・執着心・情欲・・・あぁ数えきれない(汗)をこれでもかと受け止める事になるので。
更に親子愛・夫婦愛・信仰心どれを取っても綺麗ごとでなく(綺麗ごとなど言ってられない)泥臭く本能的なモノを剥き出しに描かれ演じられており、全く容赦がない作品。
男盛りの30歳で精神を病んでしまった豊市に彼の母と妻。
後に神々しく登場する教祖・智修尼。
この4名を中心とした想像を超えた愛憎の図式・・・・のみならず彼等を取り巻く人々の心の救済を求めるその渇望感。
本作では作中に登場する宗教団体に対して、かなり辛辣な視線で描かれているものの、これはひとつの解釈として日本政治の写し絵と受け取って良いのだろうか。
だとすると力弱い国民はその色に染まったまま縋って生きていった方が幸せだろうかと考えさせられます。
意志をもって自身の道を行くのが正しいと分かっていても何とも悩ましい虚無感が広がってくると共に、えーい負けてられるか!と力が漲ってくる作品でありました。