
だめだこりゃの王国
劇団KEYBOARD
小劇場 楽園(東京都)
2020/02/05 (水) ~ 2020/02/12 (水)公演終了
満足度★★★★★
パステル調のお部屋に流れてくるのはオルゴール調のメロディー。
そこに住む(棲む)女性のリア充っぷりたるや
…などと一瞬思わせといて、引きこもり部屋での夢の中でありました。
身も蓋もない現実との落差から滲み出る面白味を噛みしめながら、どんどん観進めていましたが、実は“夢の中の世界”と“現実の世界”との間には強い因果関係が…
う~ん実際にありそうなお話し。
夢(妄想)と現実、両サイドからのアプローチで、主人公女性の内面が立体的に浮かび上がってくる構造がとても面白かったです。
主人公を取り巻く全ての人物の立ち位置、登場する順番・タイミングまでもが実に巧妙に創られていると思いました。

トタン屋根でスキップ
ここ風
シアター711(東京都)
2020/02/05 (水) ~ 2020/02/11 (火)公演終了
満足度★★★★★
イイ感じに年季の入った喫茶店。
「あそこの窓際席あたりでゆったりお茶したいなぁ~」っていう感じで開演前、ひとしきり見入ってしまう。
幕が開くとそんな居心地良さげな舞台に相ふさわしい人達のやり取りが…
開演前に思い描いた“ゆったり”って感じではありませんでしたが(笑)可笑しい場面、哀しい場面、いつだって根底には“温かい人の心”が。
ジンワリ癒され、自然と琴線に触れてきます。
関西弁と常連さんと古い傷。
寒い季節にピッタリ、心の芯まで温かくなってくる作品でした。
さりげなく背景や人物に溶け込むよう考え抜かれたであろうスタイリング、衣装も要チェックです。

第13回公演 明日花ーあしたばなー
日穏-bion-
「劇」小劇場(東京都)
2020/01/29 (水) ~ 2020/02/09 (日)公演終了
満足度★★★★★
打ち上げ花火は綺麗だけれども何とも儚い。
哀しみしかもたらさない戦争を背後に、懸命に生きる人々の人生が、その花火の儚さ、更には激しさとリンクしていくように思えた人情ドラマ。
個人的に日中、何かと頭の忙しかった観劇日。
非常に集中しにくい精神状態ではあったのだけれど、自然な芝居の流れは非常に優しくて乗り心地が良く、遂には目頭が熱くなってくるのでした。
かつて同劇場にて大泣きで拝見した東京セレソンデラックスさんの初見公演を何故だか懐かしく思い出していました。

狭間の轍 【東京公演】
ゴツプロ!
本多劇場(東京都)
2020/01/24 (金) ~ 2020/02/02 (日)公演終了
満足度★★★★★
舞台の上手高場にて三味線と尺八の生演奏。
これがめちゃカッコいい演奏であったり、時にはドンチャラ宴会のお供になったり、男衆の眠る夜のとばりになったりで大活躍、全ての音響を担って舞台は独特の空間に。
“笑い”には円熟味、ますます男臭さに磨きがかかったゴツプロさん。
この作品で、またひとつ極まった様に思えました。
喧嘩っ早く荒々しい漁師の男達。
食えない輩にして、その一人一人が逸材。
最初のうちこそ笑ったりしていたものの、描かれるは命懸けの過酷な世界。
時代の残酷さも絡み合ったあまりの厳しさ、ギリギリに張り詰めた空気、鬼気迫る演技…圧巻!としか言いようがありません。
身が引き締まる思いで劇場を後にしました。

家族と呼ばないで ~I can't say it enough~
GENKI Produce
ブディストホール(東京都)
2020/01/29 (水) ~ 2020/02/02 (日)公演終了
満足度★★★★
時は披露宴パーティー直前。
式場の綺麗な控室で、仲良さげにやり取りしている若い二人。
実に和やか、イイ感じだったのが開始僅か3分ほどで、えっ!ななっ意外な展開。
あぁ、そういうこと!・・・そう来たかっ(笑)
早々のスイッチONに、もうここから笑いっぱなし。
刻一刻、突き進むストーリーと各自の状況にて醸し出される演技の妙味。
いつの間にか責められる身となっているお父さんの立ち位置が、もう絶妙。
どんどんこんがらがっていく珍事態には罪のない笑いが沢山。
予想外だった“ちょっとお下品”は爆笑を誘う鉄板技でしょう(笑)
最後にはモロに弱いところを突かれて、思わずもらい泣き。
良い時間&幸せのおすそ分け、頂きました。

『どんとゆけ』
渡辺源四郎商店
こまばアゴラ劇場(東京都)
2020/01/25 (土) ~ 2020/01/26 (日)公演終了
満足度★★★★★
前にもう一方の同時公演『だけど涙が出ちゃう』を観劇したおかげの相乗効果がめちゃ大きかった!
既に架空の法律「死刑員制度」に対しての免疫(?)が出来ているというか、勝手もよ~く分かっているだけに、本作での登場人物の心情がとても汲み取りやすい。
『だけど涙が出ちゃう』では被害者の子供、当時まだ女子高生だった彼女が、こんな風な大人の女性となって本作に関わっているのだと思うと、何とも複雑に感慨深い。
執行案内役の保安員は地元青森出身の職員に変わっていて、その違いからくる影響も大きく、緊張感と日常的な緩みのバランスがこれまた絶妙。
「こんな残酷な制度が現実に成立するなんて…」という思いは一旦据え置いて、本制度のルールに基づき進行する出来事からポロポロこぼれ落ちてくる登場人物達の心の内をひとつひとつ拾い上げながら、改めて人が人を裁く行為、つまりは真の正解など見つからない迷宮の中を彷徨い歩く、そんな世界観を存分に楽しむ事ができました。

Brand Blend #2
新中野ワニズホール ( Waniz Hall )
新中野ワニズホール ( Waniz Hall )(東京都)
2020/01/24 (金) ~ 2020/01/26 (日)公演終了
満足度★★★★
二人芝居×3作品。
同じ6名が出演する公演であっても、ひとつの90分作品の場合に比べて、30分×3、かなり集中して役者さん一人一人の演技を楽しめるところが良い。
それだけに演じられる役者さんもプレッシャーだろうし、
限られた時間枠、速攻で作中に引き込まなければならないプレッシャーもあると思うのだけれど・・・気持ちいいほど軽快に面白かった。
30分がこんなに早いものかと
「ダイナマイト佐竹くん」
大手ヘイベックス株式会社に単独売り込みに来たロックンローラー、ダイナマイト佐竹くん。
対応する事になったのは腹に一物ありの女性社員。
自分大好き有り余る売り込みの攻防戦に、こちらもついついその実力とやらを聴いてみたいと・・・
「あの釣り堀の日にはもう」
釣り堀にて肩を並べる父と息子。
なのだけれど…本当の状況が徐々に鮮明になっていくグラデーションに引き込まれます。
30分のやり取りにギュッと濃縮された人生ドラマ。
「僕は作詞家になりたい」
まさかの、またもや単独売り込みモノ!
今度は作詞家志望。そして、やっぱり自分大好き(笑)
キャラ(役者さん)が変われば面白味も変わる・・・新鮮に笑えます。
どの作品も随所に笑いを散りばめながら、「生き様」の断片が見えるようになっているからの上質感。

『だけど涙が出ちゃう』
渡辺源四郎商店
こまばアゴラ劇場(東京都)
2020/01/23 (木) ~ 2020/01/26 (日)公演終了
満足度★★★★
人が人を裁くという行為が如何に難しいかガッツリ考えさせられる公演でした。
裁きを被害者家族に委ねるとなると尚更に悩ましい。
被害者家族が死刑執行人として一任される架空の制度「死刑員制度」が物語の軸となった人間ドラマ。
被害者家族が本当に加害者に死の制裁を下すのか、それとも辞退して無期懲役とするのか、正にどちらかを確定する日が舞台であり、前者の判断であれば即死刑決行。
もしもこういう制度があったら・・・それをリアルな芝居に乗せる事で漂ってくる制度に対しての妙な違和感だったり、上手く色付けされた地方性だったり、各登場人物の性格の妙だったり、要は腕が良いのでしょうが、とんでもなく重い空気になって然りの状況なのだけれど、思わず笑いが起こったりするのですよ、これが。
そして加害者が犯した罪をどう捉えるか。
本作の加害者がそもそも極刑を下されるべき悪人とまでは、自分にはどうしても思えず。
この立場にして決して感情的にならない彼の剥き出しの心の内を覗いてみたくなります。
とにかく考えさせられる事でテンコ盛りの中、遂に運命のラストシーンが・・・う~む そうか、そうなるか う~む。

はみだしっ子~White Labyrinths~
Studio Life(劇団スタジオライフ)
シアターサンモール(東京都)
2020/01/08 (水) ~ 2020/01/19 (日)公演終了
満足度★★★★
原作は「全く知らない」での観劇でしたが、原作に対して本当に本当に真摯な劇団さんである事は重々承知。
なので「はみだしっ子」の世界観、しっかり伝わったと思います。
更にStudio Life独自のビジュアルもミックスされるので、浮世離れした確固たる世界がそこに生まれていた というか。
再々演ではなく続々編(パート3)という事で、その支障もほぼ感じる事なく観進められましたが、やがて立ち位置が今一つハッキリしない大人の登場人物が2名ほど。
気になる存在でしたが、混乱する程では無く、ここは憶測で我慢。
少女漫画というジャンルは、ほとんど読んだ事がありませんが、四人の少年を主人公にして驚くほど壮絶な展開。
おそらく本作が全体のストーリーの中でも、少年たちの運命が大きく混乱する激動のパートだったのでは。と思わせ 強盗殺人犯を発端にした皮肉な連鎖、それでっ、その先どうなるっ!の道半ばにてto be continued・・・あぁ~そんな無体なっ
つまりはパート4につづく、か・・・パート4って!
やっぱり「原作に忠実なStudio Life」 本当に真摯な劇団さんです。

「朝日のような夕日をつれて」
株式会社STAGE COMPANY
本所松坂亭(東京都)
2020/01/14 (火) ~ 2020/01/19 (日)公演終了
満足度★★★★
M verを拝見。
本当だ!つかこうへいスピリッツがビシバシ、案外鴻上作品と相性が良いのですね。
かなり自由度の高い作品と思われ、最近の時事ネタやアイテムがふんだんに。
なるほど演出の手によって器用に容貌を変えながら、いつの時代になっても現在(いま)の作品として生き続けていく事のできる作品なのだなぁと。
そうそうっこれこそ鴻上ワールドの…と納得したところで終演。
予定調和ガン無視の展開、ストーリー説明は自分なんかにはとても無理!という手強い公演でしたが、とにかく役者さんのパワーたるや。
思わずバッカでぇ~な笑い、ゴトーをこんな風にしちゃっていいの?(笑)約2時間の荒波を泳ぎ切った役者さん達に拍手です。
たまたま、お話しできたお客さんは何と今日の公演を観るために大阪から。
交通費、宿泊費、時間だってバカにならないだろうに。
しっかり楽しめたようで良かった。
簡単な移動で観劇できてしまう環境に感謝しなくてはとつくづく思いました。

雉はじめて鳴く
劇団俳優座
俳優座劇場(東京都)
2020/01/10 (金) ~ 2020/01/19 (日)公演終了
満足度★★★★★
生徒、教師、親、それぞれ縦や横のコミュニティーが織りなす人間模様。
清濁合わせ持つその鮮やかさたるや。
まるでスポンジになったかの様に舞台から溢れ出る感情が、紡がれる言葉が沁み込んできました。
男子生徒の女教師に恋焦がれる頑なさにピッタリ張り付いた涙したくなる痛み。
ごくごく普通の37歳でもある女教師の、一人の女として、常識ある教育者として、人生の先輩である大人として一体何が正解なのか、悩ましい心情。
もう切なくて切なくて胸が締め付けられます。
登場から速攻でこちらのペースをも掴み取ってしまうカウンセラー女性の人間力、
代表者として真価を問われる校長の立ち振る舞い、
ある意味台風の目でもある母親の目が離せない言動、
調子に乗って全て挙げてしまうとネタバレになってしまいますが、もう出演されていた人たち全員が(時には厄介ながら)とても愛おしい。
ことごとく教頭先生には笑わせて頂きましたが、これは油断すると同じ穴の狸になりかねないので気を付けなくちゃ(笑)
確実な総合力で心揺さぶられる極上の人間ドラマでした。

寓話のゴーグル
Pave the Way
劇場MOMO(東京都)
2020/01/13 (月) ~ 2020/01/19 (日)公演終了
満足度★★★★
TeamBを拝見。
誰もがよく知っている寓話の中に次々と入っていく悩める若者達。
主役じゃなくそっちかっ!だったり、見知った物語と彼らが抱える現実とがないまぜになったりで、なるほど~ニンマリ笑わせてくれるコメディーですね、と思いきや…
その先(奥)に、また一味違う熱量を持った、ホントウの物語が待ち受けていたのですね。
何というか、若い人達が運営する結婚式にお呼ばれした様な、一青窈のハナミズキが似合う 色々あっても幸せになってね感と、ちょっとくすぐったくもある友愛の連帯感を感じました。
内容形態がそうというわけでなく湧きあがってくる感情として。

十二人の怒れる男 -Twelve Angry Men-
feblaboプロデュース
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2020/01/10 (金) ~ 2020/01/20 (月)公演終了
満足度★★★★★
10年以上前に同作品を観劇した特は、ほぼ議論の流れに気を取られていた気がするのだけれど、今回の本作ではその議論を生み出す個々の“人物”そのものも充分堪能できたと思えたので、すこぶる良かった!
ぞろぞろ入場してきた12人の陪審員たちをちょっと見ただけでも、太っちょ 痩せ型 がっしり型…神経質タイプ いい加減タイプ 決めつけタイプ…もう見事に様々!ホントいろんな人が集まったものだ。
その人達が意見するほどに自ずと内面も露わになっていくのだから、これは面白くないわけがない。
陪審員の見る角度によって、証拠に対しての信憑性が変わっていく会話の流れも、自分も一緒になって考えられて面白いのだけれど、何より面白いのが迫力の“生” そのダイレクトなライブ感。
「流れが変わる」と言いますが、変わるのですよ、空気が。
それは一斉に変わるという単純なものではなく、登場人物ひとりひとり、意見の受け取り方によっての反発や同調、ひとつの空間に12人が生み出す空気。
見るべきは発言している人だけとは限りません。
固有の迫力や説得力だったりに、もうそこ一点に釘付けになってしまう事もままありますが
どこを見るのかは自分次第・・・あぁこれは、まさに忙しいタイプ(笑)
ちなみにみなみさんと同じく、自分も思わず「のど飴なら持ってますよ」と、もう反射的に声をかけそうになっていました、あぶないあぶない(笑) ㊟咳込みは劇中の演出です、念のため

昭和歌謡コメディVol.12
昭和歌謡コメディ事務局
ブディストホール(東京都)
2020/01/10 (金) ~ 2020/01/13 (月)公演終了
満足度★★★★
舞台は、築地のお寿司屋さん。
仲の良い江藤夫婦に娘さんと出戻り妹まるみさん。
お見合いを ぶっこわ~す!作戦に別の処では三角関係?
第2部の歌謡バラエティショーは哀愁も漂う歌いっぱいのお楽しみ会といった感じでしたが、イイではないか。
なんともお正月らしい。
ゲストのムーディさんも闇営業いじられまくりのうえ、1部2部ともにしっかり使い倒されていましたね(笑)
ドストライク世代のお客さんは楽しみ上手。
しっかりその波に便乗させて頂きました。
何だか終演後のお楽しみもあって盛り沢山。

つかの間の道
青年団若手自主企画 宮﨑企画
アトリエ春風舎(東京都)
2020/01/08 (水) ~ 2020/01/13 (月)公演終了
満足度★★★★
小さい劇場だからこそ可能な声量。
本当に普段日常レベルに近くて、もしかすると前説案内の方が大きい声だったかも(笑)
最初だけビックリしましたが、結構すぐに馴染んでいくものです。
それならば会話内容も日常レベルかと思いきや、かなり吟味されていたと思われる台詞たち。
東京で暮らす人々をランダムにピックアップしたかの様に描かれる日常のささやかな出来事。
「物語」とは何ぞや…をとことん追求した場合、導かれるこれはひとつのカタチなのだろうし、観る側にはその中に含まれる示唆の匂いを嗅ぎ取って欲しい。っていう感じに思えました。
同一の舞台スペースで個々に存在し生活する人々、それを自然に見せる美術や動線、更には演技、何と言っても空間の使い方が特筆もの。

ポポリンピック
ゴジゲン
こまばアゴラ劇場(東京都)
2020/01/03 (金) ~ 2020/01/21 (火)公演終了
満足度★★★★
ゴジゲンさんの必殺技“イケてる”の波に決して乗れない男達の可笑し味と哀愁はしっかり健在。
ただ今回ちょっと異例だったのは東京オリンピックという具体的でタイムリーな題材がストーリーの軸になっていた事。
そのせいかリアルとおふざけの平衡感覚がいつもと違ってきて、世界観に馴染むため時間を要したところもあったけれど、構成はすごく凝っていた気が。
これだけしっかり一人の主人公を際立たせた作品というのも珍しかった気がする。
結成して10年以上、いまだ成長しようとしている新鮮味は、今後の楽しみにも繋がります。
ジャケット買いならぬタイトル買いで初めて観たゴジゲンさんが、ここアゴラ劇場だったのも感慨深かったです。

ものすごい覚せい剤
宇宙論☆講座
JOY JOY THEATRE(東京都)
2019/12/28 (土) ~ 2020/01/01 (水)公演終了
満足度★★★★★
家族に呆れられながらも、だってお正月スペシャルバージョン この日にしか観られない!
「ものすごい覚せい剤」は確か自分にとって初めましての公演だったと思うが、それから回を重ねて観劇させて頂くうちに、宇宙論☆講座さんを楽しむ為の心構えというか観方が随分と分かってきたように思う。
普段の観劇での脳内刺激とは別の処が喜ぶというか。
シェイクスピア「夏の夜の夢」の結婚式シーンで職人たちが披露する劇中劇の面白味にも通じている気がする。
元日バージョンを差し引いても初演から大幅リニューアルと思えた本編。
加えて各役者さんが持ち寄った、お正月企画パートが随所に挟まれ、それでも本編に何ら支障をきたさない?というメガ盛りハチャメチャ感が凄い!
この日、役者さんの方が観客数より多かった事や、夢の特別企画 宝くじ合計110枚を皆で当選確認してみようコーナーで、とても残念な結果だった事も宇宙論☆講座さんであればしっかりビタースパイス。
(いや、満席になって欲しいし、宝くじも何とか当たって欲しかったけれど・・・)
劇場で何コレ!?の数々にひっくり返っていた一方、家では家族が正月に一体どんな公演を観に行っているのかインターネットで調べ見て、何コレ!とひっくり返っていたとは。
あ~今年も平和だ(笑)

高校演劇サミット2019
高校演劇サミット
こまばアゴラ劇場(東京都)
2019/12/27 (金) ~ 2019/12/29 (日)公演終了
『てくてくかけてく』都立駒場高校
女子8人が繰り広げる学園もの。
最初女子高設定かと思ったけれども、どうやら共学らしい。
8人もの同年代が揃うと役の区別が・・・の心配も無くキャラがしっかり成立。
この子には好意がある・この子は興味ない の相関図で笑わせてくれます。
魅せ方上手、さすが東京!と思ってしまうのは色眼鏡でしょうか。
普段の賑やかしい学校生活をそのまま反映させた様な現役JKの強味と、ストーリー・人物相関図で魅せるエンターテイメント性の高さで両方いいとこ取り。
終盤は勢いを優先させていた感こそありましたが、劇団さながらの心揺さぶる力量を見せてくれました。

高校演劇サミット2019
高校演劇サミット
こまばアゴラ劇場(東京都)
2019/12/27 (金) ~ 2019/12/29 (日)公演終了
『#神』都立日野台高校
どうやら高校演劇は女子が優勢らしいというイメージのところ本作では男子も大いに健闘。
ベケットの「ゴドーを待ちながら」がモチーフだそうだけれど、うん、確かにそんな感じ。
舞台は校内の一角でしょうか。
辺り一面の散らかり具合や散らかってるモノからして何気に不条理(笑)
苦手な不条理劇もあったりしますが、本作は奇妙な風味を楽しみつつ、ごく日常の出来事が舞い込んでいる仕様になっているので、とても受け入れやすい。
「男子学生の日常」の物憂さと、お馬鹿な感じがイイ感じにブレンド。

高校演劇サミット2019
高校演劇サミット
こまばアゴラ劇場(東京都)
2019/12/27 (金) ~ 2019/12/29 (日)公演終了
『あゆみ(3人Ver.)』徳島市立高校
有名な戯曲の3人バージョン。
ごくごく平凡にて善良な女性「あゆみ」の生涯。
グルグル廻る回転フィルムのような魅せ方で、何気ない日常風景をショーアップ、テンポ良く楽しめました。
本作ってある意味、演劇の教科書的な性格を持った演目なのではないかと。
健全で着実な演劇活動をされているのだなぁと、しっかり地に足がついている感じ。
3名の演者さんは愛嬌も良く余裕すら感じました。