テトリミノ=ファクトリー・プラス【ご来場ありがとうございました】
Aga-risk Entertainment
タイニイアリス(東京都)
2010/03/03 (水) ~ 2010/03/08 (月)公演終了
何やってんだか。
とか思いながらも見ちゃう、小学校高学年〜中学生くらいの時に描いた漫画みたいなアイデアの結晶。カカフカカみたいにネタ元に怒られないかのギリギリ感。下らない。下らないから面白い。もっと練ったほうが面白くなる部分もあったものの、練ってないから面白かった部分もあった。それを具現化するのに多大な力を発揮していたのが映像の完成度。これまでの他の公演の時にも映像は使ってるのかな?
見た目での役者と役の親和性が高かった。「っぽさ」は大事。オッサン役を若い役者がやってなかったのは正解。女優二人は個人的に何か惹かれるものがあったけど、理由はそれぞれ全然違うベクトル。
ポストパフォーマンステトリスにも参加したかったなぁ。他のお客様が割とサーッと出て行っちゃったから自分も出てしまって、それが悔い。
恋2 【満員御礼!ありがとうございました!】
ろりえ
王子小劇場(東京都)
2010/03/03 (水) ~ 2010/03/07 (日)公演終了
曇った。
眼鏡が曇りました。表情と眼は曇りません。ずっとギラギラしてました。
慌ただしさと勢いとテンションの結集。あれ?慌ただしさと勢いとテンションってみんな同じかな。とにかく大人しくはないのです。迷惑なアトラクションに乗せられた気分。あれ?迷惑だったらわざわざ乗らないか。とりあえず、ピュアな恋の話です。
早く行った方が良いです。期間ではなくて、時間。ちゃんと観るには後方席がお勧めです。ただし巻き込まれたいなら最前列に行きましょう。これはお行儀良くちゃんと観るもんじゃないです。ちなみに自分は最前列で「うわー、前が見えなくなりそう!でも見てやる!」と思う時があって、必死に見たら「アボリジニ」って言葉が目に入りました。自分は必死にアボリジニを見たらしいです。
The Heavy User
柿喰う客
仙行寺(東京都)
2010/02/27 (土) ~ 2010/03/02 (火)公演終了
「他人の不幸」
ってタイトルも過去にやっていましたね。
終演後に他のお客様が『上演台本が買いたかった』と話す声を聞いて「え?」と思いました。別に良いんです。楽しみ方は人それぞれ。ただ、個人的にって話です。これは文字で見て楽しむんじゃなく体感してなんぼだろ。と。物語自体はシンプルで多分3行くらいで説明が出来る。そして本筋だけならきっと役者は3人でもやれる。けれどこの演目自体は3行では説明が出来ないし、3人でやったらこの演出ならではの目的は達成されない。楽しみどころは物語にあらず。観るというよりも感じるひとときでした。
夏になったら深夜に墓場で再演して欲しい。無茶だろうけど無理ではない様な気も。
リベンジャーズ・トラジディ
ナカゴー
王子小劇場(東京都)
2010/02/17 (水) ~ 2010/02/21 (日)公演終了
悪ふざけの塊。
PRIFIXが初見だったものの、あの時は全てを見抜けていなったのだなと。そもそもこれは演劇なんだろうか。色んな事が分からなくなる。物凄く雑だけどそれが味。体に絶対悪い油っこいフライドチキンを食す様な。
サンモールの競泳水着に対してこちらは…。
そして彼女はいなくなった
劇団競泳水着
サンモールスタジオ(東京都)
2010/02/11 (木) ~ 2010/02/21 (日)公演終了
観た後にしばらくモヤモヤしていました。
その結果、コメントが今に。
いつもの競泳とは一味違う感じ。これまで観た時に得た好きとか嫌いとかは一旦横に置いて、まっさらな気持ちで。
カラーボール野球、死ぬ気で。【御来場ありがとうございました。】
早稲田大学演劇倶楽部
早稲田大学学生会館(東京都)
2010/02/12 (金) ~ 2010/02/15 (月)公演終了
熱く、臭く、醜い。
題名を知った時には「勢いだけか?」と思ったものの、正に清々しく全力の勢い。ちゃんと楽日まで保つのか心配になるくらい削ってます。体力と気力と、即ち命。それだけやられたらこっちも覚悟を持って観ます。
部室に集まるくだらない仲間の物語には既にやり尽くされた感があっても、やっぱり自分の中の何かを重ねてしまいます。だって毎日が素晴らしいと思えている人と思えていない人では後者のほうが圧倒的に多い。世の中が暗いのではなくて、より良く生きたい理想があるから。前売券700円が割に合わぬ良作。妥協を選ぶ日々に慣れてしまったアナタへ。
ちなみに。ハウスダストの症状がある人が最前線で観たいならマスクが必要かも。アレルギーなんかにやられてる場合じゃない。ちゃんと観て。
遠ざかるネバーランド
空想組曲
ザ・ポケット(東京都)
2010/02/10 (水) ~ 2010/02/14 (日)公演終了
夢が壊れる。
いつだって夢を壊すのは現実の仕業で、我々は現実の中で生きています。夢を見る事は確かに幸せ。しかしそれが「今の現実の先に続く幸せ」か「今の現実を無視した幸せ」か。現実逃避の為に選ぶ理想はあくまで現実から離れたもの。現実に叶うはずがない。
登場する度に劇場空間を一気に蹂躙する小玉さんのパワー(笑)。これまで観た何度かの芝居で彼女のポジションはこういう場合が多いですが、決してワンパターンには感じません。安心して観ていられるし、演出家にとっても安心して任せられる役者なのでしょう。男女差別じゃないけど、女性でこれが出来るのは凄いと思う。男性だと厭らしさが出てしまう事もあるけど、彼女の場合はサラッとしていて清々しい。場を荒らして一色に染める児玉さんに対して、引き込ませたのが中田さん。温かさで包んだのが鶴町さん。
青
reset-N
ザ・スズナリ(東京都)
2010/02/10 (水) ~ 2010/02/14 (日)公演終了
肩の力が抜けていく。
「観たい!」には彼らの作風には分かる分からないの差があると書きましたが、訂正します。今回は誰だって分かる。学生を初め若者に観て欲しい。そう言える様に大人にも観て欲しい。冒頭からしばらくは「難しいのかなぁ」と思いながら観ていたけど、進むほどにシンプルでストレートになっていきました。そして最後には言い様のない気持ちに脱力。もしかしたら古臭いテーマと感じる人もいるかもしれません。しかしそこはreset-N。新しいセンスで包み込んでいます。古ぼけてなどいない。現代のミュージシャンがあえて過去の匂いがする曲調を選ぶ様な。とか綺麗な物言いを選んでしまいましたが、描かれているのはいつまで経っても解決しない永遠の悲しいテーマ。
鶴牧さんと井上さんの佇まいが好きでした。知的で格好いい男は男から見ても魅力的。作風が影響するのか、個人的にはいつもreset-Nの登場人物には謎を感じます。でもそれは説明不足なんじゃなくて、人が誰しも「隠しながらもしくは隠し切れずに抱えている孤独な部分」を見たくなるからなんじゃないかと。
響いた台詞は『それが言えたら』。あまり書くとネタバレになるので自重しますが、この台詞を耳にしたら是非ともその先を考えて頂きたいです。
幸せの歌をうたう犬ども【ご来場ありがとうございました!】
DULL-COLORED POP
タイニイアリス(東京都)
2010/02/02 (火) ~ 2010/02/04 (木)公演終了
馬鹿力。
そもそも馬鹿な人間が全力を出してもたかがしれてるけれど、これは豊かな人材が馬鹿になる為に全力になっている。「DULL-COLORED POPの谷賢一が作・演出した作品」ではなく、「騒動舎出身で現DULL-COLORED POPの谷賢一が作・演出した作品」。ダルカラを観たい人はダルカラを観ればいいよ。清水那保さんと掘奈津美さんの居場所がなくて清々しかったです。いて欲しくない訳じゃなくてね。
萱さんが良い仕事をしていましたね。あのポジションのキャラが嫌われたら観ていられなくなると思う。癖のある役だけど通り越して完全にパロディの域。逆に誰も観てない様な時に思いっ切り不細工な顔をしてたのもナイス。力技でなく普通に良かったのが藤尾さん。旗揚げ前公演以降の犬と串をパスしていたのが勿体無く感じたくらい。あと、西尾さんはダルカラに出ていてもおかしくないかも。
自分が楽しめたのは途中から。でも前半を楽しんだほうが得。まずは考えるのをやめたほうが良いです。意味があるものには意味があるけど、ないものにはない。
バベルノトウ
国道五十八号戦線
サンモールスタジオ(東京都)
2010/01/20 (水) ~ 2010/01/25 (月)公演終了
迷宮へ。
そもそも58は先がどうなるか分からない展開はお得意。ある意味、団体の特色を指した言葉。YouTubeに配信された映像を事前に見てアクセントが妙に印象に残りました。
物語を追いながら先読みする楽しさ。本の流れが上手いので、気を許して流される。「演出で如何にリミックスするか」の流れにある昨今の小劇場シーンにおいて、物語でしっかり見せてくれるのはポイント。演劇を見慣れない人にも見易いので勧めやすいと思います。
金丸さんの評判が良いみたいですね。贅沢な妥協策を観た時にはそこまで見抜けなかったものの、キャラ立てさせる芸人芝居のスタイルは確かに58に合っている。器用。ズルいとも思ったけど。個人的に気にして目で追ったのは岡安さんと橋本さんでした。
僕らの声の届かない場所
ろばの葉文庫
The Art Complex Center of Tokyo(東京都)
2010/01/12 (火) ~ 2010/01/17 (日)公演終了
エクレアが、わらび餅に。
初演とはテイストが違っていましたね。空想組曲は洋菓子風味で、こちらは和菓子風味。個人的な好みはあろうとも、自分としてはそれぞれ腑に落ちた感じ。初演は夏に上演されて今回は冬だから質感を調整したのもあるのでしょう。実際のアトリエを選んだ為に劇場よりは閉塞された空間。上演時間を短縮したのは正しかったかと。
普段よくやる路線とはちょっと違う役だったハマカワさん。それだけでも見ものだったのですが、後半で声を荒げた時に芯の強さが感じられたのが良かった。東京ネジの佐々木さん(ネジはみんな佐々木さんだから客演のこういう時にあえて名字にしてみました)の凛とした大人の女性たる姿もオイシイ。そして関根さんが超ナイスアクトでしたね。フライングステージではどんな感じなのでしょうか。未見なので興味が沸きました。
で、何故かいつも風琴工房を観に行けてなくて詩森さんの演出も期待して観に行きました。勝手な判断だけど、どうも手腕の全てを見た気がしない。まだ何かある気が…。やっぱり風琴工房をしっかり観てみたくなりました。
ガールフレンド
国分寺大人倶楽部
王子小劇場(東京都)
2010/01/14 (木) ~ 2010/01/18 (月)公演終了
今回は国分寺大人未満倶楽部。
本公演は初見。普段がダークテイストの趣だというのは何となく知っていたのですが、これを観たらそっちも気になる。あらすじを見た時点では『自分好みの死体をくすねてきて愛でる』みたいな話になるのかと思っていたら…。是非とも中学生に見せたらいいのに。ここで言う中学生は実際の中学生でもそうでなくても可。ひとまず、これはジャンルとしては萌えに足を突っ込んでいる。形は違えど、愛でる様な感覚がそこにあった。
脚本自体は非常に分かりやすい。事態を把握しない第三者の振る舞いで場が乱れるとか、人間関係の基本構造がしっかりしているから観易かった。でも内容的には登場人物からしても『あれ???』ってな事が起きる。良作が多かった頃の「世にも奇妙な物語」みたいなテイスト。妄想は結論なくただひたすら繰り返すもの。あのラストはセオリーっぽいけど、やっぱある種の正解なんだなー。
個人的には段々とぺぺが可愛く感じられる様になって、すると辿々しく相手をするゴウダまで可愛く感じられました。ちなみに実家で20年前にぺぺって名前の犬を飼っていました。この話は特に関係ありません。
おまけ「マイケル寂聴」。本当にどうしようもない。観たからといってきっと今後の人生の役には立たない。だから身構えずに観て良い。くだらないって最高だ。明日からも元気に生きていきたい。
LOVE
ロロ
王子小劇場(東京都)
2010/01/01 (金) ~ 2010/01/04 (月)公演終了
意外にもこれが第二回公演。【追記】
毎月ペースでたくさんやってるけど本公演は二回目。
閃きをセンスで具現化した作品でした。一つ一つの場面がとても綺麗。ただ、何か一貫した流れが欲しかった。「次はどうなるんだろう?」じゃなくて「これからどうなるんだろう」と思いながら観られる様に。途切れ途切れのものを100分観続けるのはちょっと辛い。今の状態だと最初から観た人と途中から観た人とで印象や満足度がさほど変わらない気がします。高まっていく何か。高ぶっていくて何か。そういった何かがあれば更に見入れる様になるはず。
舞台美術も素敵。それだけに仕掛けが劇中と同化してなくて使い方が勿体無いかな。なんとなく一緒になってるだけで相乗効果はあまりなかった印象。第一回公演の舞台では水を使って、今回がこう来ると第三回公演ではどうなるのか。火や音や風でも使うのかな?
【2009.01.15 追記】
これを書いてから、上手くコメント出来た気がしなくてロロの事ばっかり考えていました。ロロのせいじゃなくて言葉を纏め切れなったせいです。むむむ。
個人的に演劇で面白い奴らは荒削りでも最初から面白くて、センスみたいなものは見えてるから段々と面白くなったりはしない気がしています。なんだけどロロは段々と面白くなってきている。何処に行くのやら。どういう目で見てれば良いのかこっちが構え切れてないから評価に戸惑うのかなぁ。
スポーツ演劇「すこやか息子」
柿喰う客
王子小劇場(東京都)
2009/12/25 (金) ~ 2009/12/27 (日)公演終了
クリスマス。ケーキもいいけど、演劇のお取り寄せも良い。
大人から子供まで、人間であれば誰しもが対象となる作品でした。NHKで放映して親子や一家で見ても良いと思う。アフタートークでも語られていましたが、国を越えても通じるでしょう。それどころか「地球人の在り方」として見せれば宇宙人にも通じるかもしれない。
同時に、いつもの癖の強い柿が好きな人には物足りない可能性も。本公演と比べるよりは役者の健やかさを大事にして作られた点で個人的にはkr14の「学芸会レーベル」と近いイメージがありました。
ちなみに演目詳細については三重版を御覧になったharu朕さんのコメントが的確。個人的には終始がっつり同意。
サンタクロース会議(再演)
青年団
こまばアゴラ劇場(東京都)
2009/12/11 (金) ~ 2009/12/23 (水)公演終了
子供騙し。
子どもを幸せに騙すのは良い事です。騙されて幸せになっている子どもを見て大人も幸せでした。
…うーん、上手い言葉選びをしようとし過ぎてしまいました。騙してはいません。ちゃんと自分で考える様に切っ掛けを与えていただけだと思います。この「だけ」が大事。子どもに価値観を押し付けるのは暴力に等しいので。
モンキー・チョップ・ブルックナー!!
アマヤドリ
シアタートラム(東京都)
2009/12/15 (火) ~ 2009/12/23 (水)公演終了
始まる前から良かったし、終わってからも良かった。
いきなりですが、タイトルの意味はネタバレBOXにて。
始まってからの5分でいきなり腹八分目まで食べさせられた。広田さんの演出と、それを体現出来る役者達がそこに。「あー、これこれ。ひょっとこ乱舞だー」って感じ。今回はチラシで役者の布陣を見た時点で絶対に面白いはずだと勝手に期待していましたが、見事に応えてもらいました。在り来たりだし誰に向けてるか明確じゃないから誰も喜んでくれない言葉選びになってしまうのですが、役者がみんな良かったなー。ホント、みんなに言いたいんです。みんな良かった。
ペンタゴン
早稲田大学演劇倶楽部
早稲田小劇場どらま館(東京都)
2009/12/19 (土) ~ 2009/12/21 (月)公演終了
なんか笑った。
苦笑とか失笑とか嘲笑とか。気を抜いて観られる楽なやつでした。わざわざ深い感想とか言う気になりません。「面白かった」だけで済ませていい立派な娯楽でした。所々で身内が勝手に受けていましたが、やる側は身内受けを狙った演技をしていなかったのも好感。
キャストとスタッフが「トライアングル」+「親愛なる天才たちへ」みたいな。どちらも好きだったので個人的には嬉しい布陣だったなー。
笑う通訳
電動夏子安置システム
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2008/11/13 (木) ~ 2008/11/16 (日)公演終了
ロミオの代わりはいくらだっているし、ジュリエットの代わりだって腐るほどいる
掘出者
ギャラリーLE DECO(東京都)
2009/12/15 (火) ~ 2009/12/20 (日)公演終了
物語、ではない。
見せてくれるのはひたすらに関係性。人と人の分かり合えなさを如実に再現した上辺の遺り取りがなんとも可笑しい。基本的にはどの場面も三角関係から成っています。人物Aと人物Bが人物C(または事例C)に対して異なる印象を持つから擦れ違う。じゃあどちらが正論を語っているかと言えば、両方正論だし両方異論。だからこそ埒があかない。
物語性を求める人にとっては物足りなさがあるかも。追うべきは話の筋ではなくて人物の心情。個人的には人の在り方を見るのが好きなので楽しませてもらいました。気軽に観られる60分程度の上演時間もナイス。
11月戦争とその後の6ヶ月
アロッタファジャイナ
ギャラリーLE DECO(東京都)
2009/11/23 (月) ~ 2009/11/29 (日)公演終了
【11月戦争〜】CoRich見てなくて良かった。
最近あまりCoRichを見ていなくて良かった。他の方のコメントにネタバレがあります。見てたら面白みが減ってたな。あぶねー。
綺麗な話です。ただ、体感時間はかなり長かった。途中から映画みたいな物語展開になって規模がドンドン拡大していきました。良い意味で、ルデコでやる様な演目ではないのです。壮大でドラマチックな話がお好きな方にはオススメ。
戯曲には主な物語の進みと共に、その世界の中での社会構造が見えたほうが色々と把握しやすくなる。『こういう縛りがあるからこの人達はこうなんですよ』というお約束。バックボーン。それがちょっと不明瞭だった印象で、観ながら自分の中に浮かんだイメージがホントに劇中とリンク出来ているかイマイチ自信が持てなかった。他の演目もそうだけど、これに関しては二回目のほうがグッと観やすくなる類いだと思う。