青 公演情報 reset-N「」の観てきた!クチコミとコメント

  • 肩の力が抜けていく。
    「観たい!」には彼らの作風には分かる分からないの差があると書きましたが、訂正します。今回は誰だって分かる。学生を初め若者に観て欲しい。そう言える様に大人にも観て欲しい。冒頭からしばらくは「難しいのかなぁ」と思いながら観ていたけど、進むほどにシンプルでストレートになっていきました。そして最後には言い様のない気持ちに脱力。もしかしたら古臭いテーマと感じる人もいるかもしれません。しかしそこはreset-N。新しいセンスで包み込んでいます。古ぼけてなどいない。現代のミュージシャンがあえて過去の匂いがする曲調を選ぶ様な。とか綺麗な物言いを選んでしまいましたが、描かれているのはいつまで経っても解決しない永遠の悲しいテーマ。
    鶴牧さんと井上さんの佇まいが好きでした。知的で格好いい男は男から見ても魅力的。作風が影響するのか、個人的にはいつもreset-Nの登場人物には謎を感じます。でもそれは説明不足なんじゃなくて、人が誰しも「隠しながらもしくは隠し切れずに抱えている孤独な部分」を見たくなるからなんじゃないかと。
    響いた台詞は『それが言えたら』。あまり書くとネタバレになるので自重しますが、この台詞を耳にしたら是非ともその先を考えて頂きたいです。

    ネタバレBOX

    始まって早々に「青ってそういう事か」と。政治にもっと興味を持って共産主義とかを詳しく知っておくべきだったと思いましたが、予備知識がなくてもちゃんと付いて行ける丁寧さのある戯曲で有難かったです。
    後ろの扉が初めて開いた時はただ単純に綺麗だなーと。閉塞空間が開けたから気持ちが軽くなったのもあるのかな。
    「暴力を克服するのは科学と芸術」って台詞も好き。人の感性で生み出されるものが他人を幸せにするって素晴らしいと思うのです。直接的に他人に優しく出来るのも良いけど、それは何処かで自分の利益や自己満足を求める気もして。本人が知恵を絞って労力を削って創作した何かが間接的に他人に良き影響を与える。そっちのほうが。
    観終えた後、山手線の中で中国か韓国の生まれであろう若者がクレープを食べながら談笑していました。その姿を見て、というかその彼らと同じ場所にいられる事にちょっと安心を得ました。

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    2010/02/12 02:33

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