みくろの観てきた!クチコミ一覧

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二人芝居オムニバス オリンポスの神々

二人芝居オムニバス オリンポスの神々

ポップンマッシュルームチキン野郎課外活動 増田赤カブトのこうのとり研究会

ステージカフェ下北沢亭(東京都)

2015/09/20 (日) ~ 2015/09/21 (月)公演終了

満足度★★★★★

色合いの異なる笑いx3編+αに大満足
開演5分前からパフォーマンス開始。
上演時間80分。
アフタートークは『アラサンデレラ』の2人+司会小岩崎さんで
アラサンデレラの裏トーク。

前説・作品ごとの転換も「作業」「アナウンス」ではなく
観客を楽しませる(ハラハラもするけど)要素を盛り込んで、
「一瞬たりとも退屈させないようにしよう」とする
演者さんたちの気概が伝わってきて楽しかったです。


2編目のヘミングウェイは、
訳文でも良いから原作を読んでたほうが
どこがアレンジなのかも気づけて楽しめるかも…と思いました。
(個人の感覚です)

以下は自分のツイートのほぼ転載。

ネタバレBOX

>『アラサンデレラ』
まず最初の演出から、肩の力が抜けるいい見せ方だと思いました。
年齢的に耳に痛い部分もありながら、
コミカルに描いてるから素直に笑えるし、
中身は現実的で、最終的に元気が出る。
こっちがつっこむ前に登場人物どっちかがつっこむテンポの良さが
観ていてすごく楽しい。
「雑な魔法使い」って表現とか「ビビデバビデブ」とかツボ過ぎでした。
ラストまで気を抜かないアラサー賛歌が好きです。

>『白い象のような山並み』
会話を聞いて「あ、すごいわかる! でもなんでなのかねぇ?」ってなりました。
男脳と女脳の考え方や会話術の違いなのだと思うけど…。
落としたチョコを食べる食べないのシーンは、
落ちたチョコを彼女は未来の自分自身に例えてるように見えたけど、
男は純粋に彼女の体調などを心配してるように見えたし、
「愛」なのに表現でこんなに変わるんだなとムズムズしました。


吉田くん演じる「男」が、
原作の日本語訳を読んだあとにキャスト見て
「これを彼がやるの?」って思いましたが、
話が進むにつれてどんどん人格が出てきて、
その優しさと情けなさとの紙一重が彼にすごく似合ってくるのが
観ていて楽しかったです。
小岩崎さんの演じる「女」を見てて、
絶妙に自ら傷付くように語るんだなぁ…って切なくなりました。
そういう話し方になってしまう要因(これから中絶をすること)を知ってる故に。
こちらで勝手に相手へ過剰な期待をしてしまい、
そして勝手にガッカリしてしまうような会話術でした。
ラストの彼女の言葉を、
「男」がどうとらえたかで話の印象はガラッと変わるんだろうなと感じました。

> 『Mexican standoff』
この公演に来たきっかけ。
バンタムの細川さんの脚本で生きてる下下さんが
『かべぎわのカレンダリオ』ぶりに観たくて。
部屋で銃を構える二人の男ってシチュエーションに
○意が加わるだけでこんなに話が広がるのか! と笑いまくりでした。

長台詞をしゃべるリンドン(下下さん)の、
銃口が全然ぶれないことにまず感動しました。
あれだけ感情がはいって喋ってるるのに…!
あと、バリー(宮吉さん)の冷たい表情の下の諸事情とその説得力。
今回最前列で拝見してたのですけど、
ホントにフルで流れてきそうだなって思ってしまったくらいにリアル…(笑
「てへぺろ☆」顔がすごい破壊力でした、絵にかいたようなてへぺろ…!

INDEPENDENT:3rdSeasonSelection / JAPAN TOUR

INDEPENDENT:3rdSeasonSelection / JAPAN TOUR

INDEPENDENT

王子小劇場(東京都)

2016/07/21 (木) ~ 2016/07/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

【c】【f】【i】を観劇。
大阪に遠征して、
1日通し券を買って観るほど好きな一人芝居フェスティバル。

今回は予定が入れきれなくて
土曜マチネの1ブロックのみの観劇。
c『DANCE BURRN』
f『次の場所までさようなら。』
i『仏の顔も10度目にもう一度』
を観劇しました。

(前評判から気になっていた『或る男』『如水』
以前観てすごく好きだった『あのとき』も観たかった…)


劇場に入ると
まるでクラブのようにDJが曲を流していて、
照明も派手にぐるぐるまわっていてわくわくしました。

販売している公演パンフレットも、
出演者・脚本家・演出家の写真とインタビューと
作品解説と過去の上演作品の1枚写真+あらすじ、
これまでの流れ…情報量すごい!
販売価格もワンコインで、
先行予約していたらタダでもらえました。

20~30分の作品詰め合わせ。
1作品ごとに転換のため2、3分ほど間があきますが、
目隠しで降りている幕に、
先程の作品の舞台写真が映るので
記憶を反芻したり確認したりと集中切らさずに楽しめました。

一人芝居といっても様々な方式があり、
特に今回私が観たブロックは1作目と2作目の脚本家が同じなのに
全く作風の違うもので、ますますお芝居の世界の奥深さを感じました。

とても楽しかったです。


以下は
観劇時のツイートを一部修正して転記。

ネタバレBOX


『DANCE BURRN』
一人作業の独り言、あるある…。
このアメリカンな言い回しと、
随所におりこまれる
純日本な小ネタ大好き!
(笑点のくだりが特に面白かった)
男から見た女論にも
底に愛情があるからイラッとしない。
妄想最高潮から…の河口さんの、
ぐにぐにした表情に(笑
終わり方がなんとも秀逸で楽しい作品。 


『次の場所までさようなら。』
タイトルと舞台写真から、
あの内容は絶対想像できない!(笑) 
最初の5秒ほど面食らい、
正面向いての一言にひっくり返り、
でもその姿を観るにつけ受け入れてしまう自分がいる。
(中身は同じようなモノかもなぁ…と)
後半はバカバカしくも神々しくて涙が…!


『仏の顔も10度目にもう一度』maechang氏の演技の幅広さに衝撃。
後半の、喋る前に「誰」なのか分かる
ってのが素晴らしい。
そうなるようなキャラ作りの巧さも特筆もの。
連鎖して救済されていく人生、
ヤスコの叫びに泣き笑い。
カーテンコールで椅子もペコってお辞儀させるの好きでした。

『仏の顔も~』の彼女の狂乱は、
『DANCE BURRN』の「女は熱狂する」のくだりを意識してるんじゃないのかなって思った。
(上演順的にもこちらのほうが後だったので)
maechang氏はスキンヘッドなのに、
あんな真剣な勢いで
ツインテールだって言われたら、
こっちはそう思うしかない!(笑
ティル・ナ・ノーグ〜太陽の系譜〜

ティル・ナ・ノーグ〜太陽の系譜〜

劇団ZTON

ABCホール (大阪府)

2016/07/22 (金) ~ 2016/07/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

壮大な世界観と生命力あるキャラに大満足!
翻訳版→通常版の順に観劇しました。

上演時間は当初よりだいぶ延びて、
休憩15分含め2時間50分になっていました。
(13日に劇団公式ツイッターで告知があって、
交通手段の変更も間に合うタイミングで良かったです)


翻訳公演では、
「こちらからは彼らの気持ちが通じているのが見えるのに、
登場人物たちは言葉が通じてないのでそれに気づけないもどかしさ」
を感じてヤキモキしたり切なくなりました。

通常公演では(マチネの記憶を頭に残しつつ)
言葉がわからないなりに
他族がお互いに表情や動きからどうにか理解しようとしている様を見、
逆に同じ言葉を使いながらも理解し合おうとしない同族のやりとりに思いを馳せました。

キャラの一人一人が生き生きとしていて、
休憩に入る前の
ACT(ダイジェスト&後半予告のようなシーン)も
とても格好良かったです。

アンサンブルとして様々な部族の衣装に早替えして駆け回る皆さんにも
ストーリー&個性が感じられて良かったです。


ZTONの過去公演では何度か
「セリフが早滑りしてるなぁ」と思わされることがあったのですが、
今回それを感じることなく、
快適にドラマに没入できました。

公演期間中に脚本販売しているのも、
とても嬉しかったです。



以下は、観劇時のツイート(一部)。

ネタバレBOX


もう前半だけで号泣しました
こういう大きい流れのなかでもがく人間模様ほんと悲しい…

どんな大きな畑も
最初は一粒の種から始まるんだよな。
種をまいた人が
花を、実を見られるかは別の話。
脚本を書いた主宰の河瀬さんが、
最初にドルイドの神の話をした司祭ってのが…責任感を感じる。
ACTのバロルを見て、
休憩時間に『隻眼のバロル』読んどいて正解だった。


殺陣は相変わらず「戦い」で、
そこにドラマが含まれているから見てるだけで泣ける。
痛み以外の表情がある。
例えばエリウ王女が斬られたあとにルーに笑いかけるところとか。


作中の40代以上(推定)世代の
モルクやキアン、キッホル王の見せる姿が、とても良い。
道をつくるけど戻ることはできなくて、
伝えるもの・残してはいけないものの選択を迫られて、
自分の意思だけではどうにもできなくて、その眼と背中がつらい。


2回目観劇はやっぱり
もう一組の親子(ブレス側)を追ってしまう。
立ち上がるタイミングやいざってときの目線の行きどころ、
三騎士も各々で何を信じてるか如実だった。


姫に抱きついた通訳を、ぺいってやる騎士さま微笑ましい。
この話、ってか争い事のほとんどに言えるけど、
当事者が居なくなった後の世代の憎しみって不毛。
ましてやこの物語は文字等「形に残すものがない世界」だから余計にそう思った。

「大切な人が傷つくならそれはやっちゃいけない」
ってスレンの言葉は、転じて
「大切な人が守れるなら俺は何でもやれる」ってことで、
彼はそれを貫いててすごく好きでした。
ブレスが驚くほどの、姫ピンチへの即反応。
「これで良かったんだよな、姫」っていう誰よりも騎士らしい最期の言葉も好き。


スレンとブレスの会話も印象的。
「そんな父が欲しかった」の戦いは
父親がクソガキをぶん殴って諌めるようなものであったし、
騎士の誇りをかけた決闘。
スレンは血を分けた子はいないけど、
父親の役割を見事に果たしていた。
キッホル王がルーに「会えて良かった」と言った時のブレスの姿も切なかった。


ブレスの事情を知ってから観ると、
王がルーの出生を感づいても沈黙した理由がさらに一段深くなるのも面白かった。
バロルは荒んだら完全に別人で、
同じ役者だったのにすごいと思った。「子供を助けに行って」ってルーに言われた後の表情好き。

ZTONは基本的に「この役者さんいつもこういう系」ってのが無いから、楽しいです。

オパンポン☆ナイト番外 〜感謝勘弁〜

オパンポン☆ナイト番外 〜感謝勘弁〜

オパンポン創造社

自由表現空間 シアターカフェNyan(大阪府)

2015/08/22 (土) ~ 2015/08/23 (日)公演終了

満足度★★★★★

勘弁・感謝・勘弁の順で観劇。
劇場は始めていく場所でしたが、
出演者の方がブログで丁寧に案内してくださり、
曲がり角に案内板を置くなどの心配りがあって、迷わず行けました。
(「「地下鉄出口の進行方向と逆に…」の部分が、
 特にありがたかったです。そこで大体自分は方向を間違えてしまうので)

オパンポン創造社の作品を楽しむための条件はただひとつ
「あなたが人間であること」
それくらい扉が開け放たれてる感のある、
突飛な設定ながら
「あ、この人の気持ちわかるなぁ」と思わせてくれるような4作品でした。

単体でも完結しているオムニバスだけど、
すべてが少しずつ繋がっているつくりで、
悲しかったり切なかったり、嬉しかったりで目から涙が止まらないのに
口元は笑顔になってしまうという体験が、またできました。

楽しい時間をありがとうございました。

ネタバレBOX

自ツイートの転用で失礼します。

>『5mの女』(初見)
池下さんが演じるノムラさん(ユージとヨージの間みたいな発音・笑)が、
本人の姿と重なるようにと特徴をとらえていて、重なって見えました。
バイクに例えた人生を、通りすぎてく人々の見せ方。
落語風味にしてある辺りも好きで、
扇子で身長差を見せる手法も上手かったです。
彼女が大巨人だったという繋がりに驚かされました。
女の人だったのか!(笑)
彼女の母親の言葉に、泣きっぱなしでした。
音楽を流すことで、
ノムラさんを演じながら5mの女「イケシタアツコ」の姿を描いたシーン、
とても素晴らしいと思いました。


>『おやじの唄』(新作・初見)
『大巨人~』の別視点の話というつくりで、
大巨人のシーンが遠くで挟みこまれていて世界が広がりました。
ミヤモト(浅雛さん)が王様に問うシーンの表情、
特に潤んだ目と一筋流れた涙が心を揺さぶりました。
30年ぶりのミヤモトとの会話で、あだ名で呼ばれたとき、
ウエダ(川添さん)がホッとしたような顔で
「はは…っ」と笑い声を発した時の、その細やかさが印象的でした。

『王様~』を知っていたので、
第一声からこのひと(殿村さん)トパンの王様だー! って
わかるのも面白かったです。
「次がないようなつまらん人生を送るでない」
「忘れろというのではない」あたりの説得力がすごくて、震えました。

ヤス(野村さん)は、そうか、『大巨人~』の彼かとわかった瞬間
おもわず笑ってしまいました(笑) 
おやじの中に一人
「こども(設定年齢的には子供じゃないけど・笑)」がいることで
空気やストーリーが動くさま、
小さな町ならではの「どの家の子も自分の子供のように」みたいな
温かさが感じられてほっこりしました。

クライマックス、影の演出は2階の本体も影も両方見たかったので、
勘弁編2回観劇したのは個人的に正解でした。
倒れ方、しっかり『5mの女』のときと同じだ…!


>『大巨人とスタンドバイミー』(火ゲキ・30GPで観劇済)
兄の自由すぎるダンスとそこからの哀愁の見せ方に胸が苦しくなりました。
弟の表情から見える兄への尊敬の念が揺れ動く様も如実で、
自分は一人っ子だけど
「兄が好きだからこそ、尊敬の心があるからこそ
 今の現状に憤るんだろうな」と思いました。

追加された「かあちゃん【…と、父ちゃん】に報告だ!」は
おやじの唄へと繋がっていてその後の親子の姿が見えるようでした。
勘弁編を観てからの、今回の『大巨人と~』観劇だったので、
同じストーリーですがまた違うものが見えるようになっていて、
すごく楽しかったです。


>『王様大脱走』(LINX'S TOKYOで王様が別役者のものを観劇済)
「民は子供」発言を聞いたとき、
そして脱獄していく王様のくだりでの囚人(野村さん)の表情と、後ろ姿、
その後の「パーラー!!」の笑顔に涙しました。
囚人の息子と同じ「しょうがねーよ」という決まり文句は、
(今回上演されなかったけど過去に上演されて私は映像で見たことがある)
小吉くんが登場する話を思い出し、心が揺れました。

どこまでもピュアな王様(殿村さん)が、
囚人を通じて客席をも射抜くようで、
最初は王様が変だと思ってたのに
いつの間にか自分のほうが変だって思ってしまうのが、
彼のカリスマ性というか魅力というか魔力なのかなぁと思いました。
空手で戦争に挑むところのやり取りが面白かったです。


日曜の回は、知人が観ていてその話を聞き、とても驚きましたが、
夜には全員揃って上演できたとのことで本当によかったです。
その際の主宰判断と役者・スタッフの対応の早さも、すごいと思いました。

暁!!三國学園

暁!!三國学園

劇団ZTON

なんでもアリーナ(関西テレビ放送本社内)(大阪府)

2015/08/23 (日) ~ 2015/08/23 (日)公演終了

満足度★★★★★

昼A、夜B側で観劇
あんなに学園生活どっぷりやってくれたのに、
ストーリー上もまさかの一週間で、
カーテンコールでふと時計を見たら上演時間2時間なかった! という衝撃。

なんというボリュームとスピード感。

三国志知ってると笑えるパロディいっぱいだし、
パンフレットの用語集も三国志ネタいっぱいだし、
三国志以外のオマージュもあるし、
三国志知識とっぱらっても学園ものとしても楽しめるしで
まさに「エンタメストライク」。大満足でした!

各々のキャラクターが個性的で、
髪の色やビジュアルの奇抜さに負けてなかったせいか、
違和感を感じずに観ることができました。

音楽&早口でせりふが聞き取れないところもいくつかありましたが、
前後のニュアンスで内容はわかったので、ストレスにはなりませんでした。
使用音楽とシーンのニュアンスがぴったりで、
上手い選曲だなー! と感心しました。

もちろん再演希望ですが、
このまま別媒体に持っていって2次元化もありだなぁと思います。
面白かったです!

“ … In The Attic ”

“ … In The Attic ”

まごころ18番勝負

小劇場 楽園(東京都)

2015/08/05 (水) ~ 2015/08/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

王子公演を経てさらに濃密に
さらに密度が増した客席で、楽しみました。

王子公演の後、朗読作品をまとめた原作集を読み、
登場する作家さんについて少し調べていったことで、さらに楽しめました。

Wキャストを両方観たのですが、
同じ言葉でも役者さんによってニュアンスが違ったり言う場所が違ったりで、
様々な解釈が楽しめました。

ツイッターでのネタバレ会話用アカウントの作成など、
観劇前後も作品のうちであるかのようなしかけも面白かったです。

ネタバレBOX


箱(□)だらけの名前だった、
話題の中心となる作家さんの存在が…という仕掛け、驚きでした。

「君に決まってた」(公演終了) ご来場ありがとうございました。

「君に決まってた」(公演終了) ご来場ありがとうございました。

Sky Theater PROJECT

「劇」小劇場(東京都)

2016/07/06 (水) ~ 2016/07/12 (火)公演終了

満足度★★★★★

楽しすぎる、起承転転転…のオンパレード
ギリギリまで観劇できるか予定がつかず、気づいたら行ける回が完売に。
しかし当日券があるとのことでチャレンジ。
無事に観ることができました。
(公式ツイッターアカウントで
「当日券有る」「今までは全員入れた」とアナウンスしていて、心強かったです)

上演時間は1時間45分。

あらすじの文章が少し固めだったことと、
前回公演の内容がしっとり系だったことから、
「長く感じる話かなぁ」と思っていましたがその逆!
あっという間でした(笑)

すごく楽しかったです。
ただ笑わせるだけじゃなく、
その事態に陥った理由は
真面目だったり深かったり
自分にも心当たりあったり…で心に残る話でした。

盛り盛りすぎて、
途中混乱しそうになるほどに事態が転じてしていましたが、
ラストの某人物の心情の着地が素晴らしく、
ただのドタバタで終わらせないところも良かったです。

大風呂敷

大風呂敷

髭亀鶴

王子小劇場(東京都)

2016/07/13 (水) ~ 2016/07/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

髭に亀と鶴とかいて髭亀鶴(ひげきかく)!
上演時間は、事前告知ありで休憩なし120分。

スタッフ陣が浴衣姿に下駄で、
公演ロゴの雰囲気に合っていて良かったです。
(開演前に幕に映っているロゴも
よく見たら紋がまわっていて細かい…)

挨拶+日替わりゲストによる『大口上』、
『大迷惑』『大怪獣』
『大便意』『大學まで出したけれど…』
の順に上演するオムニバス。

各作品を繋ぐ間の時間は
舞台装置を組み直す「転換」があるのですが、
そこも完全暗転にせず
「大転換」という形で見せる方式にしていて、
あっと驚く仕掛けもあり面白かったです。 

旗揚げ準備公演でこのクオリティ。
今後も楽しみです。

ネタバレBOX

以下は自己ツイッターをもとにしています。


>『大迷惑』
これぞ(私が思う)演劇、って感じの
「景色でピンとこさせる」って演出が好きでした。
彼が「そう」なのだと感づかせるのがうまいなと思いました。 
拳を合わせるのをやめ、
唄う和也くんに泣かされました。
後悔したくない、という隆太郎を見て「それでイイと思うよ」って言いそうな表情も良かったです。


>『大怪獣』
この作品の為だけに、
畳とフスマが用意されてるという豪華さ!
元々、柳井さんの作品はスピーディ展開なのが楽しくて何作品も観ているのですが、
さらに速い展開でした。
でも早回しじゃなくて、
きっと登場人物の心情や言葉をひとつの行動に変換・集約するのが
上手いんだろうなぁと思いました。
後半の、夫の腕をだらんとさせた感じや、
ゆっくり振り向くときの表情に込められた様々な感情や、
そこから想像させられるこの家の未来にゾクゾクしました。


>『大便意』
初っぱなのシーンの、
相手役かのように佇む便器にまず笑って、
彼の心にいる、という感じのトレーナーの行動や
その後の緊迫の修羅場展開にも笑い、笑いっぱなしでした。
ちょうど席の関係でばらまかれる写真が見えたのですが、
ちゃんと撮影されたもののようで面白かったです。
(目のどアップとかどんな状況だろう・笑) 
クライマックスの演出が荘厳で、でも彼女さんの行動でオチがよめて
感動とニヤニヤが両立する面白さがありました。
すごくイイ意味で、酷い話でした(笑


>『大學まで出したけれど…』
婚約者を「幸せ」にするために、
あえて自分の心情に反する発言をしなくてはならない勝さんの表情、
観ていて心が痛みました。
そのあとの出征&万歳のシーンも
「役者ではない人たちに演じることをさせていた」という状況で、
役者さんたちはそれを演じているんだなぁという感覚を受けて、
演劇的に奥深いシーンだなと思いました。
(母と婚約者の「勝のためにあえて笑顔になっている」姿も、
ギリギリまで「納得できない」というような父親の表情、
そのどちらにも泣かされました)
今なら「そんなの変だ、
最後くらい本音で話したい」って言えるけど、
当時は言えなかったんだろうな…と思うと切なかったです。


役者さんたちが作品ごとに役を演じ分けるのを観るのが楽しかったです。

なによりすべての作品に登場している「髭さん」こと山森さんの演技もさることながら
挨拶などから見える芝居への姿勢もすごいなぁと思いました。

オパンポン創造社「最後の晩餐」

オパンポン創造社「最後の晩餐」

オパンポン創造社

小劇場 楽園(東京都)

2017/06/02 (金) ~ 2017/06/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

上演時間は30分以上40分以下ってところ。
この時間のなかに
衝撃も笑いも哀愁も幸せも人間味も詰まっていて面白かったです。


(ネタバレ欄に
は自分のツイートを一部修正して転記)

ネタバレBOX


開始早々の衝撃から、
中盤の言葉なしで彼らの「変化」を見せる様が、
この距離感ならではだな、って。
全編に渡って存在している
「この絵ヅラ!(笑)」感が
重くなりすぎず、笑っちゃう。
でもどこか哀愁があるので面白い。

緒方ちかさんが
作中で見せる大波がスゴくて。
私の席からでは若干背中だったシーンだが、
それでもチラ見えした横顔につたう涙でぐわっと気持ちもっていかれた。
川添さんと野村さんが並ぶシーンで、いろんな意味で対比になってるんだなって気づいたりとか。
演劇祭参加にあたっての追加要素(ビーチボール)で彼の過去に深み。

『最後の晩餐』は前にも観たことある作品なんだけど、
序盤のインパクトがすごすぎて
あのシーンにあんなに細々と散りばめられてたんだなぁって
今さら気づかされた。

二人が「行こうか!」ってなった時
「その格好で!?」って止める人がいない事に笑っちゃうし、
ラスト急ぎめになる、
後悔したくない三人にじーんとなるし、
でもこの人ズボンはいてないっていう
絵ヅラの破壊力。

本当にお芝居(見せ方)が上手い人がやると、
あんなにそぎおとした&とぼけた台詞の応酬でも、
言外の意味や過去の想像までガッツリこちらに伝わるものなのね…
と、しみじみ思う
東京30

東京30

ThE 2VS2

OFF OFFシアター(東京都)

2018/02/09 (金) ~ 2018/02/13 (火)公演終了

満足度★★★★★


6演目上演で90分。
「観たい!」で期待していた通り、
今回も面白かったです。

全編同じ衣装の役者さんたちの芝居が軽妙で、
サクサクッと軽い気持ちで観て笑えるのに、
あとになってからドキッ、ギクッとしてしまうようなネタ等も、
ストレスフリーで観れるように作られている(実は計算高い)脚本も面白かったです。

受付で精算して「チケット半券です」と渡されたものがハガキで
まず意表を突かれました(笑)

アンケートに下敷きついてる親切さ、
開演前から笑わせてきて
これから起きることの雰囲気も伝えてくれる採算度外視の当日パンフレットも楽しかったです。


私は「ブラザー」と「頭の中」、「オーディション」が特に好きでした。


ネタバレBOX

※以下はツイッターに投稿したものの転記です※


>免許 
まずゴルフのくだりでひと笑い。 
たしかに公式機関のつくるVって 
あんな感じになってるの、あるある(笑) 
「あえてしない人」へのメリットもあって、 
軽率に「この法案いいじゃん」って思ってしまった… 
感情こもってるなぁ、と思ったら、やはり(笑) 


>ブラザー 
気づいてしまった瞬間からもう 
笑いがこみあげちゃってこみあげちゃって。 
腕の位置でゲラゲラ笑ってしまったよね。 
序盤のアレの正体が明言されたときの 
客席全体の「あー!」感が大好きだった。 
体質変化に対しての解釈がヤバイ!(笑) 


>頭の中 
観劇直後ツイートでも書いたけど、 
ドンドコドコドコシーンの、 
顔冷静・脳内大騒ぎの「画」としての面白さがすごかった。 
自分もあぁいう風になってることあるんだろうな。 
しゃべるたびにBGM鳴らしてくるのと、 
あの「シンクロしてる俺」感がいい感じに心をザラつかせてきて、いい演技でした。 
彼に対しての脳内の対応が(笑) 


>わるいやつら 
殺人的忙しさの店内からの…の、見せ方がすごくかっこよかった。 
ほんと心中はあんな感じなんだろうね、っていう。 
後半のサスペンス交錯も好き。 
最後のあの空気感が…わらいつつ、こわい(笑) 


>オーディション 
まさかの関係ってそっち!(笑) 
しかも朝から!(笑) 
私情に走りがちな鬼監督の様子が面白すぎたし、 
自覚と葛藤の女優志望は真剣なのに笑ってしまうし 
助手の「一人娘!」つっこみと目覚め顔でとどめ刺された… 


>逃げる阿呆に見る阿呆 
コントレックスでも観た作品だよな、これ。 
変質していくゾクッとする部分と、 
そこからの、そっちに行くんかい!? がほんと楽しい(笑) 
女優さんが変わって、また印象が変わった。 
こっちも色気すごい… 
そういえば序盤のアレが無かったなぁ。 


カテコの音楽(音声)の金額が…あわわわ( ̄▽ ̄;
さようなら

さようなら

オパンポン創造社

王子小劇場(東京都)

2018/04/19 (木) ~ 2018/04/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

上演時間80分、+アフタートークで10分程度。

関西でも観て、動画配信サービスの「観劇三昧」でも観ている作品ですが、
何度観ても面白いです。
役者さんたちの細かい表情や
それによって動く劇場内の空気など、
「ナマだからこそ楽しめる」要素にみちみちているお芝居だからです。

淡路島のネジ工場を物語の舞台にしていますが、
淡路島行ったことない私にも見覚えのあるような登場人物たちだらけです。
こういう人達、いるよなぁ…と思わせるのに、
記号化されていない「人間」らしい人達なのは
脚本・野村さんの緻密な人間観察の結果と
役者さん各々の演技力のすごさなんだろうなぁと思います。

「小さな世界の、繰り返す日常」を、
退屈させないように、
そしてちょっと笑えるように描く手法など
見事でした。

最後まで観終えて、
タイトルの『さようなら』が各登場人物、そして自分の胸に落ちていく感じがしました。

ネタバレBOX

「変わろう」としている彼女と
「変わること」を嘲笑った彼とが鏡のようになる
雨の中のシーンが好きです。

あと、柴田が感情が先走って言葉にならなかったであろう部分を
別のシーンで社長が宮崎に伝えたところも
「付き合いの長さと年の功だなぁ」と
しみじみ感じ、年を重ねることを好ましく思いました。
(ここで社長があの殿村さんだからいいんだよな、とも)

「東京に出れば変われる」という思いから
行動に出た彼女を、
同じことを考えて上京して
いま東京で暮らしている地方出身者の人達は
客席でどう思っているんだろうなぁ…
そんなことも考えました。

ラストシーンの一瞬でひっくり返すところで、
「さすがオパンポン創造社作品!」と
いつも心の中で拍手してしまいます。
あの結末、大好きです。
日本演劇総理大臣賞

日本演劇総理大臣賞

ロデオ★座★ヘヴン

駅前劇場(東京都)

2023/12/27 (水) ~ 2023/12/30 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

上演時間、2時間。

開場して10〜15分くらいに入場して、
席がとびとびで空いているくらいだったのですが、
場内スタッフさんが
「一番うしろは通路になっているので、ぐるっと回り込めます」
「奥側は最前列が空いています」
「手前側3列目ならおふたり並びで観劇できます」
などと
具体的な口頭案内をしていて、
着席しやすかったです。

役者さんも演技力がすばらしい人揃いで、
骨太の脚本とたしかな演技で大満足です。

なぜ「演劇」を選んで彼らがここにいるのか。
なぜ私は現地に行って「観劇」をするのか。
そのひとつの答えがここにありました。

ネタバレBOX


『残り火』という演劇作品が出来上がるまでの過程の「稽古場」と、
『残り火』が総理大臣賞に相応しいかを論じる「選考会」の
2つの空間が交差するのですが、
その構造・構成が巧みでした。

『残り火』というひとつの作品を劇団(内側)と選考委員(外側)から観測させて、
さらに『残り火』の「観客」となる警察・記者も舞台上にいることで
作中で語られていた「循環」「対話」を目視させつつ、
客席に座っている「こちら」と『日本演劇総理大臣賞』という作品で「循環」と「対話」を起こしていました。

観劇が、演劇が客席の「私」に与えてくれるものを画化・言葉化、そして体験させてくれたうえに、
自由な表現を奪われていく演劇人のあがきと、
それでもまだ失われてないものを描くストーリー。
すごい体験をしました。

客席が2面で舞台を挟む配置も良い効果でした。
特にそれを強く実感したのが
クライマックスの久子が「俳句にする」シーンの劇場全体の一体感。

横からの視点になることで、
舞台上のふたりの登場人物がつかもうとしている「ことば」への遠近感の表現が強まり、
否応にも視界に入る客席に循環を味わい、
さらに自分の心の揺れを自覚する。

すごく充実して、贅沢な時間でした。
神芝居

神芝居

X-QUEST

王子小劇場(東京都)

2016/04/20 (水) ~ 2016/05/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

掛詞ラッシュとエンタメ感に酔いしれる
何度か拝見している団体。

上演時間100分程度で、
終演後カテコから引き続き写真撮影タイムあり。
それを含めて110分。
(事前に撮影会のことも含めてアナウンスしてくれてるのが親切)

ハイスピードな台詞まわしや殺陣、ダンスなどでエンタメ色が強いですが、
世界観もしっかりしていて単なる「カッコイイ祭」じゃないところが好きです。

衣装も、初見でも何のキャラクターなのかわかりやすく、
一人一人の見分けがつくし
ド派手な照明(点滅系あり)にも負けてなくて見ごたえありました。

ネタバレBOX

前回の『義経~』では途中から理解が追い付けた感があったのですが、
今作は最初に手を引いてくれて、そのあとスピードが急に増していく印象でした。

途中(ウラシマソロシャウトのあたり)で、
感情は同調しつつも、いきなりの変調にとまどって頭がパーンとなりそうでしたが、
終盤には落ち着き…というか包み込むような展開になり、
ラストの「ギガニッポン」を見つめる二人のやりとりに涙が出ました。

難解な言葉遣いが多いところや、去り際の台詞など、いくつか音と文字が脳内で一致できない部分があったのですべてを理解できた感じは無いのですが、
「すごいのを観た!」という感覚は強くて楽しかったです。
刺毛-シモウ-

刺毛-シモウ-

はぶ談戯

テアトルBONBON(東京都)

2016/10/19 (水) ~ 2016/10/24 (月)公演終了

満足度★★★★★

好みは分かれると思うけど、心に残る作品
知っている役者さんが客演するということで、
初めてうかがいました。
指定席で、上演時間は休憩なし2時間。

劇団先行で予約しまして、
劇場に行ってみたら
該当するイスがないという事態に直面しましたが、
スタッフさんが丁寧に迅速に対応してくださって
気持ち良く観劇できました。

予約の際のメール対応も優しくて良かったです。

本編は、好き嫌いはあるかもしれないけど、
見ないふりしてる醜い部分をえぐるようなシーンもあり、
でも、それでも寄り添っていないと生きていけない
人間の不完全さ&切なさを感じる話で、
私は好みでした。

ネタバレBOX



山奥のコテージに訪れた人々が、
少しずつ心と人生が壊されていく…
というような話で、
性的な方面の話題も出てきましたが、
「いろんな愛の形があるんだなぁ」
という感じで、

エロいなとは思いましたが
(基本的に直接的にはキス止まりだった)
いかがわしいとか汚らわしいとか思いませんでした。
と、いうか、
他人のこんな部分を見ちゃイケナイかなと思いながら見ているのが
背徳的で楽しい…あっ、でも楽しんじゃいけないのかしら? って感じで、
ゾクゾクしました。

歌謡ショー的な部分は、
スタスタやって来てさりげなくマイクを渡していったり回収したりする管理人夫婦含めて面白かったです。

歌謡ショー的演出は特に「突然!」って感じでもなかったので、
違和感なく見れました。

オープニングは耳が慣れる前に始まって、耳と目が忙しかったのですが、
ソロ曲の歌詞は、
歌詞カード(販売パンフレットに記載)見なくても聞き取れました。
人妻の曲が、
歌い出す前のエピソードを絡めた
それっぽい曲調で面白かったです(笑)

時々あった、2、3組の場面のセリフが入れ子になっている(?)演出は
情報整理で頭使うのにちょっと苦労したけど、面白いなぁと思いました。
昴のテルミニロード

昴のテルミニロード

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王子小劇場(東京都)

2016/03/11 (金) ~ 2016/03/21 (月)公演終了

満足度★★★★★

初・レティクル東京座でした。
別の舞台で観た役者さんがこちらの劇団員ということで初参加。

役者は全員白塗りで、終演後にはライヴがあるなど、
独特の雰囲気がある劇団なのだなぁという印象を受けましたが、
劇団公式サイトには観劇に際しての説明が丁寧に書いてあり、
チケット予約前からウェルカムな雰囲気でした。

過去公演の動画や写真などをネット上に残していて親切だし、
役者さんたちが「自分推しの人はこのあたりの席がおすすめ!」など
公演期間のだいぶ前にツイートしているのも良いなぁと思いました。

終演後数分の休憩をおいてのライヴも、楽しかったです。
(後方で役者さんが振るリズムをレクチャーしてくれていたので、
初参加でも疎外感なく楽しめました)

ストーリーも北欧神話を知っているとニヤリとできる要素アリ、
知らなくてもぐいぐい引き込まれる熱量と悲劇性、
場転の華やかさや舞台装置の巧みさで
休憩なし2時間ちょいでしたが長さを感じませんでした。

サイトや当日パンフレットの人物説明やストーリー概要で
文字が多くてドキドキしましたが、
そんなに頭にぎゅうぎゅう押し込まなくても大丈夫な展開でした。
(作中でみんな名前が呼ばれるし、
世界観もちゃんとストーリーに沿って説明される)

来年にあるという、次回公演も行きたいなと思いました。


ネタバレボックスには自ツイートを一部転載。

ネタバレBOX

これは中毒になるやつ!!!(笑) 
みんな格好いいほうに全力で振りきってて
特にヤシロの人は何者?ってレベル。
雨宮さん、めっちゃ禍々しくて吸い込まれる。
これは論争劇では観れない姿…! 
台本買ったけどこの勢いは文字で表せないから完全に記憶スイッチ用。

白塗りは照明がガンガンあたるから
もはや気になるとかそれ以前の段階。
表情がむしろ見やすくなるし、キャー(*゚∀゚*)ーなシーンも
生々しいけど生々しすぎず私にとってはかなり良い効果だった。
ていうか、あの舞台装置なにあれすごい。使うタイミング絶妙。
空間取りも、見るとかなりギリギリだ。

何人かしゃべり方(句読点の入れ方)が独特だなーって
最初思ったんだけど、いわゆる「クサい」ってやつなんだろうなぁ。
でもみんな徹底してそれだから、
誰も浮かないしこっちも冷めずにラストまで
あの世界観にぐいぐい持っていかれた。
手袋外そうとするだけであんなえろくなるとか…ナイフ舐めもやばい

護送撃団方式の彼は
一部シーンでギャースってなったけど全体的に好み。
衣裳の肩部分がふわってなる立ち方や、後半の肉体的演技。
妹さんも、ものすごい衣装ですがそれ以上に迫力があって
色々と業の深い兄妹…あそこで2時間レベルの芝居1本できそう…
っていうかそれ言ったら他のメンツでも以下略

イヅミ先生の、語気に含まれる感情の複雑さが好きだ。
アンジェさんの寂しさとか彼女が求めてた温もりの種類とかも。
あの人の、満たされない癒されない所が変質して表に出てる感じとか。
RT座、全体的に派手で勢いがあったけど
それで誤魔化したり押しきらず、複雑な感情面も描かれてて良かった。
『ロデオ★座★ヘヴン』

『ロデオ★座★ヘヴン』

ロデオ★座★ヘヴン

スタジオ空洞(東京都)

2016/10/25 (火) ~ 2016/10/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

「芝居」の可能性&魅力の大盤振る舞い!
受付&開場は開演の30分前。
L字型の2面客席。
上演時間は、休憩なし110分。

作品と作品をつなぐ転換の時間も、
バタバタ物を置いていくのではなく、
リズミカルに計算して演出しているようでした。

まったく色の違う3作品、さまざまな魅力がありました。

役者の演技力と、演劇の自由度と、
ロデオ★座★ヘヴンという団体の軌跡と
ここに至るまでの奇跡的な出会い(役者さんや脚本演出家さん)を感じる公演でした。

ネタバレBOX


椅子の上にあったアレ、そして映像に、
「どこかでチラシを手にした瞬間から、
この公演が始まってたんだなぁ」
と思わされました。
おつきさまがついてくる

おつきさまがついてくる

【ハッカ】

遊空間がざびぃ(東京都)

2015/09/03 (木) ~ 2015/09/07 (月)公演終了

満足度★★★★

向こう側の客席が見えるけど「独り」。その説得力!
小栗さんの作品が観てみたくて、
前情報は、ほぼこりっちの記載事項のみで観に行きました。

手前と奥の挟み舞台で、
休憩なし、約2時間。

かけ離れた設定を通して、
私たちと同じような「当たり前の生活」を描くのが面白く、
俯瞰で観ていたつもりでしたがいつのまにか入り込んでしまいました。
(役者さん達がその設定を
行動のなかに自然に取り入れてたので、
違和感がなかった)

観劇前、
スタッフからの諸注意が、ラジオの音で聞こえづらかったです。

ネタバレBOX


この世界におけるタマちゃんの立ち位置が
もし自分だったら苦しいだろうなぁ…と。
シュカに聞こえないように言うあの一言に、
彼女の抱く複雑な愛憎を感じました。


シュカ達のような事になったことはないし、
似た境遇の人も知りませんが、
観ていて感情移入ができるのは
演技と演出と細やかな言葉づかいのせいなんだろうな…
思い出とリアルと幻覚の間で
「触れよう」としている姿に涙があふれました。


歩道橋のシーンの照明の使い方、とても効果的でした。
作中の生演奏も、音楽への移行のしかたや
音を出すツールのチョイスが、
話を分断せず、意味もあり、すごく好みでした。


役者さんも大きな不安を感じさせずに、
あたたかく、もの悲しく、
そしてリアルな町の景色を作っていました。

特に子ども世代の、設定が独特で、
彼らの作中での変化が目をみはりました。
小春ちゃんの恋について頭で考えようとしている(思春期?)ところのまくし立てる感じ、
背中合わせの二人のシーンは
「ここのために今までがあったのだろうか…」
と思わせる意識吸引力でした。


作中で使われるあの世界独特の単語が、
観てるうちは覚えているし認識してたのですが、
音として覚えづらくて、ちょっと説明と思い出しに苦労してます。

日記録と思い出の違いについての、システム説明をするシーンが好きです。
アンコールの夜★ご来場ありがとうございました★

アンコールの夜★ご来場ありがとうございました★

KAKUTA

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2016/05/07 (土) ~ 2016/05/22 (日)公演終了

満足度★★★★

『男を読む。』を観劇
気になる役者さんが出演しているので観劇。

開演前、ロビーでコーヒーの無料サービスがあって、
今回の会場はどこの最寄り駅からもそこそこ歩くので、
一息つけて嬉しかったです。

会場の入り口にも上演時間の告知あり。
開演15分前に役者さんが登場し、
朗読しているというていで口頭にて諸注意と
「上演時間は2時間5分、休憩なし」と告知。

開演直前にも同様の告知がありました。
ただ言うのではなく、会場を見回して
微笑みながら念をおしてるのも印象良かったです。

一般的な朗読劇だと思っていたら、
ナレーション(朗読役)のほかに、役者さんが演技をして
「生きた挿絵」になってくれている感覚の作品群でした。

朗読の地の文の文章も美しく、
そこに役者さんの動きがぴたりと呼応しているのが
とても気持ちのいい公演でした。

上演時間は、そんなに長いと思いませんでしたし、
お尻も痛くありませんでした。

ネタバレBOX

事前に発表されていた3作品の間に、
離婚を迎えた夫婦のストーリー(オリジナル)が挟み込まれるスタイル。
彼らの会話の2分くらいで
「この二人、離婚するんだな」とわかる言葉のやり取りが好きでした。

オリジナルの作品は、
朗読される作品を連想されるワードが出てきたり、
そこの登場人物が次の本編の主人公だったりと、
間をつなぎつつも、区切りになっていて良かったです。
(思い返すと、3編を総括しているような感触のストーリーだったなぁ、
などと思ったり)

>「井戸川さんについて」
回想として登場する井戸川さん、
どんどん人間味(…?)が増していく様子と、
「ぼく」の絵にかいたようながっかりっぷりが面白かったです。
登場人物が井戸川さんの発言をまねるとき、
ちゃんと口の動きが合っているのも、すごいと思いました。
登場人物はコミカルながらも、サスペンス風味の演出、
ちょっと苦い展開で最初から引き込まれました。


>「天使はジェット気流に乗って」
まさかのヒロイン像にびっくりでした(笑
存在は聞いてはいたものの、実際のモノを目にするのは初めてで。
地の文の、主人公の人間観察力(たとえるチカラ)が面白かったです。
民芸品選手権…(笑
彼女の最期のことばと、舞う姿がけなげで、
とんでもない設定なのだけどグッときました。


>「昨日公園」
設定として、ここ最近アニメや映画でみた作品が思い出され、
繰り返しているのを観て
「この話はどこに着地するんだろう」と思いましたが、
泣き出す際の「喉の奥が窮屈」という表現の的確さや、
「見殺しにした友人」という言葉の意味に気付いた瞬間、
息子の様子に、どばーっと涙が出てきました。


手前でしゃがんで演技をしている時、
前の席との段差があまりなかったので
自分の席からはよく見えなかったのが、ちょっと残念でした。
(『井戸川さん~』の泣き崩れるミドリさんや、
『天使は~』の朗読役さんなど)
白倉裕二ひとり芝居「四人の女」

白倉裕二ひとり芝居「四人の女」

白倉裕二ソロ企画

劇場HOPE(東京都)

2016/04/14 (木) ~ 2016/04/17 (日)公演終了

満足度★★★★

夜公演を観ました
上演時間90分程度。

アレを昼夜やるバイタリティがすごいなと思いました。

ネタバレBOX

タイトルから、白倉さんが4人の女役をやるのかと思っていましたが
そうではなく、
「彼」の人生の転機となった女たちとのエピソードを描いていくスタイルでした。

時々、一人なのに相手の様子が見えるようなシーンもあり、
キレキレのアクションシーンも見とれました。

影分身や、オープニングの曲目、
途中で開き直ったかのように見せる給水、転換など、面白かったです。

ぶっちゃけ、全体としては
キレイでお上品な話というわけではありませんでしたが、
えげつなさや汚ならしさを経ての
ラストシーンに心を奪われました。

漏れて100年

漏れて100年

突劇金魚

こまばアゴラ劇場(東京都)

2014/11/29 (土) ~ 2014/12/02 (火)公演終了

満足度★★★★

追加要素で印象が変わる
劇場が変わって、舞台のセットとの距離が格段に近くなりました。

東京で売っていたのは東京公演の台本だそうなので、
そちらも買ってきました。
(東京公演バージョンは後ろがわに縁取りがありました)
台本を読み比べるのも楽しそうです。

ネタバレBOX

仙人役がサリngさんに変わったのも大きな違いですが、
展開や演出でも「生々しさ」が増していたと思いました。

「あれ、伊丹ではこんなことあった?」と思ったところがあって、
伊丹公演の台本を読んだらだいぶ違っていました。
二度目の出会いということを差し引いても、
伊丹よりも、五感に訴えてくるなぁ、という感触でした。

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