みくろの観てきた!クチコミ一覧

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雁次と吾雲

雁次と吾雲

護送撃団方式

萬劇場(東京都)

2016/07/14 (木) ~ 2016/07/18 (月)公演終了

満足度★★★★

変わらない良さがある団体さん
上演時間(2時間15分)の事前告知や、
会場に入ったら受付付近から年代物のポスターが貼られていること、
客席には開園時間直前まで役者さんが当日パンフレットを配っていて
「行ったらすぐに作品世界」感があって好きです。

こちらの団体の本公演は2回目ですが、
前回も今回も「スモークをたくので…」と
マスクを希望者に配るサービスもあって
(ぶっちゃけ、そんなもくもくするシーンはなかった気がします)
幕が上がる前までの気遣いは最高レベルです。
ギリギリまで場内にいた主宰さんがそのまま舞台上に上がって、
前説→すぐに開幕、という流れも好き。

公演ごとに脚本・演出が代わる団体なので
好みか好みでないかは正直行ってみないとわからない
(知ってる脚本・演出家さんでない場合)のですが、
制作的な部分がとても心地よいのと、
レギュラー出演する役者さんたちの
熱くも、うっすら寒けを起こすような演技が好きなので
次も行こうと思います。

ネタバレBOX


好みか好みでないかといえば、
今回は後者でした。

役者さんは(客演さん含め)皆さん熱量のある演技だったのですが、
「登場人物の行動が先の展開をつくる」
というより
「必然の展開の上に登場人物が配置された」
感じを受けました。
なんていうか、
「あの勢いなら現状をひっくり返せそうなのにな」
って人物が揃っているのに、どんどん悪い方悪い方に事態が転がるように行動しているというか。
(バッドエンド的&考える余地を残す展開は好きなほうなので、
「展開が暗いから」好みでない、という理由ではありません、念のため…)

不器用に想い合う兄弟が「自由」に
揉まれて、
くっついては離れていくのが心に刺さりました。

次回公演も楽しみにしております。
大風呂敷

大風呂敷

髭亀鶴

王子小劇場(東京都)

2016/07/13 (水) ~ 2016/07/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

髭に亀と鶴とかいて髭亀鶴(ひげきかく)!
上演時間は、事前告知ありで休憩なし120分。

スタッフ陣が浴衣姿に下駄で、
公演ロゴの雰囲気に合っていて良かったです。
(開演前に幕に映っているロゴも
よく見たら紋がまわっていて細かい…)

挨拶+日替わりゲストによる『大口上』、
『大迷惑』『大怪獣』
『大便意』『大學まで出したけれど…』
の順に上演するオムニバス。

各作品を繋ぐ間の時間は
舞台装置を組み直す「転換」があるのですが、
そこも完全暗転にせず
「大転換」という形で見せる方式にしていて、
あっと驚く仕掛けもあり面白かったです。 

旗揚げ準備公演でこのクオリティ。
今後も楽しみです。

ネタバレBOX

以下は自己ツイッターをもとにしています。


>『大迷惑』
これぞ(私が思う)演劇、って感じの
「景色でピンとこさせる」って演出が好きでした。
彼が「そう」なのだと感づかせるのがうまいなと思いました。 
拳を合わせるのをやめ、
唄う和也くんに泣かされました。
後悔したくない、という隆太郎を見て「それでイイと思うよ」って言いそうな表情も良かったです。


>『大怪獣』
この作品の為だけに、
畳とフスマが用意されてるという豪華さ!
元々、柳井さんの作品はスピーディ展開なのが楽しくて何作品も観ているのですが、
さらに速い展開でした。
でも早回しじゃなくて、
きっと登場人物の心情や言葉をひとつの行動に変換・集約するのが
上手いんだろうなぁと思いました。
後半の、夫の腕をだらんとさせた感じや、
ゆっくり振り向くときの表情に込められた様々な感情や、
そこから想像させられるこの家の未来にゾクゾクしました。


>『大便意』
初っぱなのシーンの、
相手役かのように佇む便器にまず笑って、
彼の心にいる、という感じのトレーナーの行動や
その後の緊迫の修羅場展開にも笑い、笑いっぱなしでした。
ちょうど席の関係でばらまかれる写真が見えたのですが、
ちゃんと撮影されたもののようで面白かったです。
(目のどアップとかどんな状況だろう・笑) 
クライマックスの演出が荘厳で、でも彼女さんの行動でオチがよめて
感動とニヤニヤが両立する面白さがありました。
すごくイイ意味で、酷い話でした(笑


>『大學まで出したけれど…』
婚約者を「幸せ」にするために、
あえて自分の心情に反する発言をしなくてはならない勝さんの表情、
観ていて心が痛みました。
そのあとの出征&万歳のシーンも
「役者ではない人たちに演じることをさせていた」という状況で、
役者さんたちはそれを演じているんだなぁという感覚を受けて、
演劇的に奥深いシーンだなと思いました。
(母と婚約者の「勝のためにあえて笑顔になっている」姿も、
ギリギリまで「納得できない」というような父親の表情、
そのどちらにも泣かされました)
今なら「そんなの変だ、
最後くらい本音で話したい」って言えるけど、
当時は言えなかったんだろうな…と思うと切なかったです。


役者さんたちが作品ごとに役を演じ分けるのを観るのが楽しかったです。

なによりすべての作品に登場している「髭さん」こと山森さんの演技もさることながら
挨拶などから見える芝居への姿勢もすごいなぁと思いました。

ただしヤクザを除く

ただしヤクザを除く

笑の内閣

こまばアゴラ劇場(東京都)

2016/07/13 (水) ~ 2016/07/18 (月)公演終了

満足度★★★★

蓮チーム観劇。面白かったです。
上演時間100分+アフタートーク20分程度。
開演10分前から前説あり。


こちらの団体の短編っぽいものは、
(本公演の紹介っぽいのとかスピンオフとか)、
大阪の演劇イベントなどで拝見していました。
本公演は初めて観劇します。

「ヤクザの人権」という真面目な題材ですが、
けして堅苦しくなく(時事ネタや会話のやりとりも面白かった)、
特定の意見に偏らずにヤクザ周りのいろんな視点から描いていて、
自分は無知だなぁと思ったり知らなくてよかったと思ったり楽しかったです。

日常で実際になさそうでありそうな修羅場、
ヤクザの一件以外にも社会の問題がちりばめられていて楽しかったです。

前説の「今までの作品のざっくりあらすじ」も
聞いていて興味をひかれる内容でした。

いつもは映像を使うようですが、
今回の演出でも
「もし映像使うなら、ここで流れてそうだな」ってシーンがあったり
実際目に浮かぶようだったりしました。

ネタバレBOX



↓以下、役名です↓

>山口さん
感情移入しそうになりますが、
よく見るとキラキラした目がまっすぐすぎて、
逆に病んでるんだなぁって思いました。
でも実際にあぁいう働き方してる人はザラにいそうだし、
自分も(あそこまでじゃないけど)その精神はあるかもなぁと思いました。


>住吉さん
まさにTHE・板挟み&THE・保身って感じで、リアルでした。
「山口さんが公園で…」ってくだりのあわてっぷりは
動き(とくに、まがらない膝)がすごく面白く、
そのあとのパートさんとの会話も面白かったです。

>工藤さん
挟み込みチラシの中にあった紙を読んだのと
前説でその話題が出たのもあって、観る前から
「どんなだろう、どんなだろう」って期待をしてました(笑
キレっぷり、アドリブなんじゃないかってくらいすごい勢いでした。
逆チームの刑事役も観たかったです。

>松葉さん
「冠婚葬祭用」にウケました。
彼の言う「人権」論には途中耳がつるっとしましたが、
(↑これは演出の意図的なものだと思う)
たしかに納得する部分もあってこの考え方いいかもなぁって思いました。
同時に「周りとの和」を重んじる社会でこの生き方を貫くのも
異端扱いされそうだなーと思ったりしました。

>稲川さん
ドラマとかでも「なめられないように」とかの理由で、
いっそこっちのほうがヤクザじゃんって恰好をしている刑事さんを見ますが、
彼もそんな感じで、初登場シーンでは
「いったい彼はどっちなんだろう」と一瞬迷いました(笑
彼が語ってくれる警察とヤクザとの確執(関係?)は
知りたかったような知りたくなかったような…複雑な気持ちになりました。

>俊恵さん
やたら詳しいなぁと思いつつ話を聞いていたら
しゃべり方になんとなく「それっぽい」と思わせる感じが
絶妙で、わかりやすかったです。
刑事が来た時の気配を抑えてる反応や、
エリアマネージャーの様子を見たときの達観した(諦めた?)ような
ふとした表情などが目を引きました。

>清水さん
山口さんに話してる時の距離感とかで「あっこれは…」と思いつつも
人間らしさチラ見せっぷり(他の人が話してるときの反応など)、
クズ連発シーンの表情がうまいこと見えないようになっていて
最後の最後辺りまで
「クズなんだろうけど確証がない! 信じたい、信じられない! 
 これはヤクザだからっていう私の先入観なのか、
 それとも彼や演出に印象を誘導されてるのか?」って悩みました(笑
クズい笑顔で「これ(極道)しかない」というところからのラストが刺さりました。


あと組長さんが(単純に、ミーハーな意味で)格好良かったです…!
「君に決まってた」(公演終了) ご来場ありがとうございました。

「君に決まってた」(公演終了) ご来場ありがとうございました。

Sky Theater PROJECT

「劇」小劇場(東京都)

2016/07/06 (水) ~ 2016/07/12 (火)公演終了

満足度★★★★★

楽しすぎる、起承転転転…のオンパレード
ギリギリまで観劇できるか予定がつかず、気づいたら行ける回が完売に。
しかし当日券があるとのことでチャレンジ。
無事に観ることができました。
(公式ツイッターアカウントで
「当日券有る」「今までは全員入れた」とアナウンスしていて、心強かったです)

上演時間は1時間45分。

あらすじの文章が少し固めだったことと、
前回公演の内容がしっとり系だったことから、
「長く感じる話かなぁ」と思っていましたがその逆!
あっという間でした(笑)

すごく楽しかったです。
ただ笑わせるだけじゃなく、
その事態に陥った理由は
真面目だったり深かったり
自分にも心当たりあったり…で心に残る話でした。

盛り盛りすぎて、
途中混乱しそうになるほどに事態が転じてしていましたが、
ラストの某人物の心情の着地が素晴らしく、
ただのドタバタで終わらせないところも良かったです。

裸火

裸火

BELGANAL

仙川LiveBar DingDong(東京都)

2016/07/01 (金) ~ 2016/07/05 (火)公演終了

満足度★★★★★

停電の夜、光に群がりぶつかる自我
タイトル(「はだかび」と読むそうです)とビジュアルから、
どぎまぎしちゃうような内容だったらどうしようと思っていましたが、
ほとんどいかがわしさはなく、
右往左往しながらも自分の体面を取り繕うとする「いいオトナ」達に
思わずニヤニヤしちゃいました。


上演時間75分の、ギュッと詰まった濃い話。
終演後に時計を見て「まだこんな時間!?」とびっくりしちゃいます。

劇場は京王線「仙川」駅から私の足でだいたい10分かからない程度。

確かな実力を持つ役者陣、
「登場人物の行動の自由」を生かしたような演出、
彼らの醜悪な面を描きながらもどこか滑稽さと愛らしさを残している脚本、
素晴らしかったです。

役者名と役名の一覧表が見当たらなかったのがちょっと残念でした。


以下、自分のツイートの転載で失礼いたします。

ネタバレBOX



--12:00回--

大停電の屋敷、
自分の守りたいものをどうにか守ろうとするイイオトナ達の右往左往。
あの場所にいられない彼女、この勝負、不利だよな~って思いながら。
全編薄暗がり、
ランプ光にチラ見えする登場人物の欲望と往生際に、笑った笑った。
会話だけで立場丸見えで、面白いね。


全員、心的に右往左往してるけど鶴町さんは肉体的にも(笑)
狩野さんの今回の役どころ好きだ、好きだわ。
紅一点の林田さんの言葉「ほんとそれ!」ってなる。
海外は蝶と蛾の区別つけない、っていってたけど
愛憎も区別つけなくていいかもね。


たぶん、どこの角度も神席なんだと思うけど、
さっき私が座ってた席は、哀れな男が光ってる神席だった(笑
カテコ無い芝居なので現実感を残したまま、いま頭のなかで咀嚼してる。
キャスト表は、台本(800円)買わないと分からないパターンかな…
観てれば立ち位置は初見でもわかる。


フライヤービジュアルのようなエロい話ではないけど、
想像力豊かだと会話とかから色々想像しちゃいそう。
そして終わってから見ると…なんか切なくなるな、この写真とフレーズ。
守りたかったものとは…


--16:00回--

(補足:舞台のセットについて)
子供の頃に、「落ち葉ー、わーい!(撒き散らし)」やろうと思っ
て裏を見たら…! ってやつまで再現されててある意味泣いた。


さっきと逆(席)から。
…あれ!? なんかちょこちょこさっきと違う景色ですよ!? 
そういえば『ヘルメス~』でも…
同じ顔を見れるとは限らないのね。
城見(役名)さんのある行為が決定的に12時回と違ってて、
演出面白いなぁって。
この話、停電してなかったら、結末変わりそう。

一度結末を観てから色々な所を注視してたら
「隠し事野郎・嘘つき野郎の法則」がしっかり表れてたなぁって気付けた。
この、登場人物一人一人の時間軸の絡み合いが楽しい楽しい。
ラストシーンのある現象(補足:あるものが燃えて火が消える)、
音楽のタイミングがちゃんと合ってるのがスゴいと思った。
そういうところにゾッとする。


ある一点(補足:箱)に人物が集中するシーンで、
息をのむ緊迫感とそこに同居する馬鹿馬鹿しさ、
「笑ってはいけない○○」感があって観ていて本当に面白かった。
あのシーンに今回の一件のすべてが集約されてる(笑) 
鶴町さん、『幻書~』(補足:同じ脚本家の別団体での作品)でも
あんな立場やってたなぁ(笑

「自分だけがキミのことをわかっている」と言う人達の
傲慢さ、むなしさ、そう信じこんでる愛らしさ。
そんなことを考える作品だったな。

腐っても愛

腐っても愛

ラズカルズ

Geki地下Liberty(東京都)

2016/06/22 (水) ~ 2016/06/26 (日)公演終了

満足度★★★★

先が読めそうで読めない楽しさ
大人のほのぼの話かと思いきや、途中からゾッとする一瞬を経て、意外な展開に。

事前に公式側から1時間50分と告知があって、
時間をきにせず素直にわくわく楽しめました。

ネタバレBOX


序盤や、タイトルから大団円の香りはうっすらしていたけど、
途中経過が楽しかった作品。

浮気を疑われた夫が
夜に部屋で本当の自分をさらけ出すシーンは、
静かなシーンなのに
「えっ? なに? そういうこと? どういうこと!?」
という、妻の心のざわざわが感じられて面白かった(妻は修羅場ですが…)です。

「ブスって言うなブスって言うなブスって言うな…!」からの暗転もゾクゾクさせられました。
その後の女性二人(妻&ゲイカップルの娘)の演技はまさに「全力」で、
でもちょいちょい「ガチか芝居かわからない」を感じさせる要素(意識の有無や小道具)があって
最後まで真相が読めなくて楽しかったです。

警官とタクシー運転手のやたら濃い演技に、度々笑わされました(笑)
切り取られた床面をテーブルにする、あの舞台作りも新鮮だったし、
それらを使って場転しながらの刑事ドラマ的芝居も面白かったです。

自分を殺して撮影にすべてを捧げるのを信条としていた
無表情カメラマン(←捧げっぷりに戦慄・笑)が、
あの茶番(!)を通じてのラストシーンで、
表情豊かに「自分だからこそ撮れる画」を撮影していたのが印象的でした。 


全体的に笑わせにきてるのに、
要素を拾っていくと考えさせられる、愛の話でした。
The Fiend with Twenty Faces 幻燈の獏

The Fiend with Twenty Faces 幻燈の獏

ACRAFT

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2016/06/08 (水) ~ 2016/06/12 (日)公演終了

満足度★★★★

読みたい乱歩作品が、また増えました
舞台上下手側も座席にした、カギ型の席配置。
マチソワで両面から観劇しました。

江戸川乱歩はここ数か月前にかじりだした者で、
明智小五郎やいくつかの作品タイトルは知っていましたが、
怪人二十面相についてはほぼ無知識でした。

それでも思わずニヤリとさせられる乱歩モチーフの使い方や、
現実的な部分とフィクション全開の仕掛けの組み合わせが絶妙でした。
休憩なし2時間ちょっとの、
映画のようで、かつ、人間の熱を直に感じる時間、楽しかったです。


内容もさることながら、スタッフワークもよかったです。

KASSAIのお手洗いは女2、男1で3つあるのですが、
開演10分前まで男女共用で混雑解消。

また、開場時間には
整理番号付き40名+当日精算で、開場時間は大所帯が移動するので
「入場が落ち着くまで、
空席がわかるよう、着席したままお待ちください」
ってアナウンスも、スムーズに入場できて快適でした。


個人的に、ちょっと…と思ったのは、
有料のパンフレットを買わないと配役一覧が手に入れられなかったこと。

内容的に「何人の人間が出てくるか」、「役の名前は」などは
開演前に知らないほうが楽しめる作品でしたし、
何も知らない状態で観ていても
登場人物の名前などはするっと頭に入ってきました。
ですが、終演後に「あの役の役者さんはなんて名前だったのかな」が
すぐに調べられないのはちょっと不便だなぁと思いました。

終演後に受付付近で配ってくれたらよかったのになぁ、と思いました。

あと、開場中に明滅するの電灯の美しさが、
入場者(舞台下手側)の足元を危うくさせてるのが一長一短な感じでした。

ネタバレBOX


「獏」を、役者3人が演じているのに、機械に見える演出が
特に面白かったです。

あと、すべてを知ってからもう一度見ると何を意味しているのかピンとくる
伏線ちりばめられたオープニングも素晴らしかったです。
(1度目に見た時は美しさに、2度目のときは伏線の張り方に感動しました)

女優さんが少年役を演じるのは何度か見ましたが、
今回は「少女か、少年か」っていう言葉がキーになってたので
そんなに違和感はなかったです。
(有料パンフレットの対談部分に意図も書いてあって納得)

妖しさと繊細さを備えた役者さん揃いで、
乱歩の小説を読んでいるときに感じるゾクゾクした感触が感じられて、
観に行ってよかったと思いました。
アンケート項目にあったスピンオフ作品、実現楽しみにしています。


エダニク

エダニク

iaku

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2016/06/03 (金) ~ 2016/06/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

シリアスもモヤモヤもドタバタもピリピリも、とにかく上質
何度か上演されている作品とのことですが、初めて観劇。

上演時間105分。
(チラシ記載よりも実際のランタイムが延びた旨が、
メールで送られてきました。親切…!)

開場後は、団体からの予約での整理番号と、
劇場側で予約した時の整理番号で同時入場する方式でした。

椅子の背もたれにもクッション的な物がついていて、
背中に優しかったです。

「観劇後、肉が食べられなくなるような話なのかな…」
と思っていたのですが、杞憂でした。

役者さんたちも上手で、純粋に会話劇としても楽しいし、
力のある脚本なので、
作中に描かれていたテーマを深く掘り下げて
こちらに考えさせるきっかけとしても、上質だなぁと思いました。

ネタバレBOX


がっつりシリアス一辺倒な展開を想像していたのですが、
会話の中の自然な笑いや、
「本人たちは必死なのに傍目から観ると面白い」現象もあって
肩ひじはらずに入りこめました。

どの登場人物の主張も思考も理解できるけど、
お互いに納得できない立ち位置…という絶妙な位置取りで、
作中に出てくる「模範解答がない」問題も、
三者が同じくらい人間として丁寧に描かれているので
「誰かに肩入れさせて、客席側の思考を誘導する感じ」がまったく無くて、
そこがとても快適でした。

音楽も照明もほとんど変化のない中、
役者さんのまとう空気で、
雰囲気が硬くなったり柔らかくなったりする舞台上。
目が離せませんでした。



ランニングホーム

ランニングホーム

ステージタイガー

浄土宗應典院 本堂(大阪府)

2016/06/02 (木) ~ 2016/06/06 (月)公演終了

満足度★★★★★

全員主人公、なのに間延びなしの良作

開場は開演の30分前だけど、劇場ロビーは45分前から開放。
ホットドック(400円・ドリンク付500円)も、美味しかったです。

上演時間はだいたい100分。
カーテンコールは1回しかやらない団体なので、そこで延びることもないです。

この会場は、入場して階段を上ってからどっちが劇場だっけ、とか、
お手洗いどこだっけ、とか、ちょっとわかりづらいのですが、
迷いそうなところにスタッフさんが立っていて
こまめに案内してくれて助かりました。

暗転時にチャプター名(誰の、どこの時間軸か等)が字幕で出るのですが、
前列中央付近にいたら首をひねらないと視界に入らなくて、
途中まで気づきませんでした(笑

「叫び、走る」イメージが強い団体ですが、
沈黙や背中で語る芝居、
同じシーンを主人公が変わることで別の角度から見せる手法など、
しっとりとしたシーンも今回多くて、じわりじわりと泣けてきました。

あんなに勢いよく走ってるのに、立ち位置的にはほぼ動かない
あの「走り演技」いつも見とれます。

ネタバレBOX


町のシティマラソンを中心軸に、
各々の登場人物のドラマが終結していくつくり。
スタートのシーンが何度か見れるのですが、
そのたびに「主人公」が違うので、
まったく違う景色に見えるのが楽しかったです。

「なんにもない町だよ」という言葉が出てきますが、
観終えてみて、
「なんにもないところ」には「なんにもない」が在って、
それは「なんでもある」ってことなのかな、と思いました。



作中に何度か
「お前はすごいよ」の気持ちの向きが見えるシーンがあって、
そこが好きでした。

とくに中川(役名)にその矢印が向いたときのやり取りが、
役者さんの表情、漂う空気、
見えないけど想像できるスマホ画面や過去などをまとっていて
人生を感じました。

カメラマンと人妻のシーンも、彼らの表情や仕草から
写真の一枚一枚が見えるようでとてもよかったです。


劇団員さんも客演さんも、
細やかさと大味なところ両方観れて、とても満足しました。


あと組長(初演版)がインパクトすごくて大好きでした(笑
紙の方舟

紙の方舟

シアターノーチラス

小劇場 楽園(東京都)

2016/05/18 (水) ~ 2016/05/22 (日)公演終了

満足度★★★★

観られた部分だけでも惹かれました
元ネタになったという事件(?)について少しだけ調べてからの観劇。

上演時間は1時間40分程度との事前告知。

観れた範囲では公演ページに記載の通り、再現ではなかったし、
事件の是非を問うものではありませんでした。

「家族」という不思議な関係について色々な角度から描いているなぁ、
この登場人物の言う感覚わかるなぁ、
など、
観ながら
「あなたの正しさはどこにある?」と
問いを投げかけられている気がしました。

ネタバレBOX


上に「観れた範囲」と書いたのは、
私が観た回は、
金魚の死体を埋めようとするあたりで
やむを得ない事情により
上演が中止になってしまったからです。

それでも、
その内容だけでも心に残るものでしたし、
役者さんも、
表情や身体の動きなど
とても細かく演技しているのに自然で「どこにでもいる人間」だったので入り込めました。

家族間で話さなくてもわかるのはなんか嫌だなと思うのに、
疑似家族(他人)に対して「あなたをわかりたい」というような発言をする登場人物がいて、
人間って面白いなと思いました。


こちらの団体は、以前観た作品が
なんとなくざらりとした質感の会話で、
乾いたお芝居だったという記憶があり、
今回も始まりがそんな感じだったので
「劇団色がこういうのなのかな」
と思っていたら、
その後からどんどん
温度や臭いを感じられる芝居になっていって、面白かったです。
(笑いのシーンはあまりない)


上演中止について、
当日の判断、その後の団体の対応も納得のいくものでした。
ただ、それについて団体側から
(劇場で謝罪などはあったものの)
ネット上で言及がなく、
観劇当日はここにこの話を書いていいものか悩みました。
でも公演を拝見して
とても身になるものだったし、
なんというか、口をつぐんでいられず…
投稿してしまいました。

自分の予定上、
公演期間中にまたうかがえないのがとても残念です。
家族円満な人、不和がある人、
どちらの人にもなにか刺さるものがあるんじゃないかな、と思う作品だと思います。

東益平7丁目団地防衛隊

東益平7丁目団地防衛隊

キリンバズウカ

【閉館】SPACE 梟門(東京都)

2016/05/14 (土) ~ 2016/05/22 (日)公演終了

満足度★★★★

想像以上に重めで笑えて面白かったです
上演時間80分。
マチネでA組、ソワレでB組を観ました。
開場時間は開演の30分前。
セット券の片方などの、
チケットを先に持っている人から記載の整理番号順で入場。

一度上演された作品とのことですが、
チラシに書いてあるあらすじがふわっとしていて、
公式ツイッター等でもあまり内容にはふれられて無かったので、
特に下調べもせずに観劇。

思ってた以上にガッツリと心にクる作品でした。

ネタバレBOX


途中の「教育的指導」シーンの
ダイジェスト的な見せ方が面白かったです。
あと、マッキーの部屋での衝撃体験のくだりも
奥のワタワタ具合など楽しかったです。

Aチームは全体的に若めなキャスト、
Bチームは少しオトナなキャストで、
衣装替えで幅広い年代を演じる部分で面白さの種類が違っていて、両方楽しかったです。

同じ役者が違う役をやることについても、そうした理由が(特にヤスダ&ヤスオ)わかって納得しました。

あと、役者も変われば役の人生も変わるということでしょうか…
同じストーリー展開、同じ言葉でも、
違う表情や口調で言ったりしていてそこも楽しめました。


奇跡のシーンは、
彼が報われたのが嬉しかったという思いと、
その後の彼が悪い意味で変わらずにいる要因のひとつになってしまったなぁという
すこし苦い思いを感じました。
わりとビックリな展開でしたが、
「すこしだけファンタジックな奇跡」は好きなので、泣けました。


ラストのダンスは、
あの時できなかった事を今やっているんだろうなーという解釈をしましたが
同時に彼らの表情を見て、
今までの生き方も表しているんだろうなぁと思いました。

舞台美術も一見では団地の話には感じられなかったけど、
「ちゃぶ台に見えるけど、
 あえてデザインっぽい色を塗って
 別のシーンで色々なものに見せる」
という技で魅せているのだなと思いました。

上演時間は短めでしたが、
開演が両チームとも説明無くおしたのがすこし残念でした…
いちご畑でつかまえて

いちご畑でつかまえて

三度目の思春期

ギャラリーがらん西荻(東京都)

2016/05/13 (金) ~ 2016/05/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

「恋は状態異常」とはいうけれど。
ジュルネ・ソワレ観劇。

座席は入って右方向に3列、
左方向の壁沿いに1列のL字型。
上演時間は60分。

終演後に台本販売あり(800円)


右方向の最前列は桟敷席でしたが、
見た感じ座布団がかなり厚かったです。
(わたしは椅子席に座ったので、座り心地は謎)

開園5分前までの間、土足であがって良いマットがアクトエリアに敷いてあるので、
手前に座ってもあとから来た人が奥に行きやすいので良かったです。
(自由席でも「奥から詰めて座ってください」という現象が起きない)


スカートで桟敷席に座る人のために、
ブランケット等があると良いなと思いました。
(荷物預かり対応など、スタッフさんテキパキしてて動き良かったです)

自分はジュルネソワレと観ましたが、これマチネもあったんですよね…
疲れもセリフの揺らぎも目立たなくて、
公演の間の時間も短いのに、役者さんすごいな~と思いました。

いちごのような甘酸っぱい気持ちをキュンキュン感じる、
でも甘い話ではない作品でした。

ネタバレBOX

登場人物が隠そうとしているけど
客席には感情がだだ漏れになっていること、
また、逆に最後の方まで明かされないことなど、
60分にギュッと詰め込んでいて面白かったです。

30、40、50代の女性が組んでいるという設定で、
感情表現や
特にネット(LINEやPC操作、デジタルタトゥー)に対する世代的な意識の違いを
うまく織り込んでいて、面白かったです。

50代のビーさんの、
おばさん的な図太さと少女のようなトキメキを抱えている様子がいいバランスで愛らしかったです。
名前を聞かれるシーンで、手が手錠をかけられたようになっているのを見て、
そしてカタカタと震える姿を見て、
心情のあらわしかたが細かいなぁと思いました。

40代エーさんは、職業的な堅さとある方面への無知さが同居していて、
時おり口にする聖書の言葉が後々そういうことかーってなるの楽しかったです。
別の登場人物も言いますが「なんか、いい」って表現がぴったりでした。
耳元でとどめをさされたあとの「そうですか」に、鳥肌がたちました。

30代シーさんは、
おちゃらけているように見えて女心をぐいぐい感じさせてくれて、切なかったです。
ラスト付近の3人の背中合わせのシーン(あえて顔を見ないところが大人の女の絆だなぁ…)でも
わざときっかけになってて優しい人だなと思いました。


男性二人は、
ひとりは現場感、ひとりはスーツとか、
濃いめの顔と薄めの顔とか、
色々な意味で対称的な人物像で、二人しかいないのに広範囲をカバーしているなと思いました。

農家の方は、
怒りと信じたい&信じられないの戸惑いをおさえつつ感情がビンビン感じられる「誰ですか」のあたりと
自分の惹かれているという感情を冷静に、でもとても熱い言葉で言うシーンが好きでした。

農協の方は、裏に隠している疑問疑惑に対してうまく隠しつつ
みんなから見えない部分ではかなりはっきり出していて、
誘導する時の行動言動とかとか
若さゆえのやりすぎる勢いとか、
彼の気持ちはわかりつつも「悪魔だよ…!」と思いました(笑
ネクタイのシーンは、傍目から見ていてもかなりドキドキしました…!


ラストシーンの
滑稽で、生まれ変わりつつもやっぱり彼女たちは彼女たちなんだなーって所に
笑いながら、とてもスッとしました。

最初は全部食べたけど、
最後は全部食べないで残していくところに、
オンナゴコロを感じました。
アンコールの夜★ご来場ありがとうございました★

アンコールの夜★ご来場ありがとうございました★

KAKUTA

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2016/05/07 (土) ~ 2016/05/22 (日)公演終了

満足度★★★★

『男を読む。』を観劇
気になる役者さんが出演しているので観劇。

開演前、ロビーでコーヒーの無料サービスがあって、
今回の会場はどこの最寄り駅からもそこそこ歩くので、
一息つけて嬉しかったです。

会場の入り口にも上演時間の告知あり。
開演15分前に役者さんが登場し、
朗読しているというていで口頭にて諸注意と
「上演時間は2時間5分、休憩なし」と告知。

開演直前にも同様の告知がありました。
ただ言うのではなく、会場を見回して
微笑みながら念をおしてるのも印象良かったです。

一般的な朗読劇だと思っていたら、
ナレーション(朗読役)のほかに、役者さんが演技をして
「生きた挿絵」になってくれている感覚の作品群でした。

朗読の地の文の文章も美しく、
そこに役者さんの動きがぴたりと呼応しているのが
とても気持ちのいい公演でした。

上演時間は、そんなに長いと思いませんでしたし、
お尻も痛くありませんでした。

ネタバレBOX

事前に発表されていた3作品の間に、
離婚を迎えた夫婦のストーリー(オリジナル)が挟み込まれるスタイル。
彼らの会話の2分くらいで
「この二人、離婚するんだな」とわかる言葉のやり取りが好きでした。

オリジナルの作品は、
朗読される作品を連想されるワードが出てきたり、
そこの登場人物が次の本編の主人公だったりと、
間をつなぎつつも、区切りになっていて良かったです。
(思い返すと、3編を総括しているような感触のストーリーだったなぁ、
などと思ったり)

>「井戸川さんについて」
回想として登場する井戸川さん、
どんどん人間味(…?)が増していく様子と、
「ぼく」の絵にかいたようながっかりっぷりが面白かったです。
登場人物が井戸川さんの発言をまねるとき、
ちゃんと口の動きが合っているのも、すごいと思いました。
登場人物はコミカルながらも、サスペンス風味の演出、
ちょっと苦い展開で最初から引き込まれました。


>「天使はジェット気流に乗って」
まさかのヒロイン像にびっくりでした(笑
存在は聞いてはいたものの、実際のモノを目にするのは初めてで。
地の文の、主人公の人間観察力(たとえるチカラ)が面白かったです。
民芸品選手権…(笑
彼女の最期のことばと、舞う姿がけなげで、
とんでもない設定なのだけどグッときました。


>「昨日公園」
設定として、ここ最近アニメや映画でみた作品が思い出され、
繰り返しているのを観て
「この話はどこに着地するんだろう」と思いましたが、
泣き出す際の「喉の奥が窮屈」という表現の的確さや、
「見殺しにした友人」という言葉の意味に気付いた瞬間、
息子の様子に、どばーっと涙が出てきました。


手前でしゃがんで演技をしている時、
前の席との段差があまりなかったので
自分の席からはよく見えなかったのが、ちょっと残念でした。
(『井戸川さん~』の泣き崩れるミドリさんや、
『天使は~』の朗読役さんなど)
MU、短編演劇のあゆみとビジュアル展(当日精算予約開始しました!)

MU、短編演劇のあゆみとビジュアル展(当日精算予約開始しました!)

MU

東京芸術劇場アトリエイースト(東京都)

2016/04/21 (木) ~ 2016/05/02 (月)公演終了

満足度★★★★★

『MY SWEET BOOTLEG』観ました
Bプログラムのみ観劇。
観終わって、
80分だったとは思えない、ずしんとしたものを感じました。
怒濤の展開って訳じゃなく、でも単調でもなく、笑いも多かったのに、
静かにじわじわと牙が食い込んでくるような痛みのある作品でした。

観ごたえのある、思い返すと面白い作品です。

ネタバレBOX

プロ漫画家役の古屋敷さんのほうに感情移入しながら観ていたので、
どんどんおかしくなっていく様子が観ていてとても辛くて、
でも「腐ってる」側の意見も立場もわからなくもないし。
(本当に、電車の中や喫茶店とかで見かける「露骨な人たち」そっくりでリアルでした。
 ガチで嫌悪を感じるくらい上手かったです)

落としどころの「無視する」というのが納得できましたが、
彼がそうできなかった理由も生理的とか感覚的なことでじゃなく、ちゃんと描かれていて良かったです。

どの登場人物もみんな、
別に間違ったことは言ってないから納得できるのに、
心では誰か一人を盲信できるほどには納得できない…という
モヤモヤざわざわしたものを感じました。

喫茶店のマスターが笑いとシリアスとフェロモン(?)をうまく備えていて、
普通の行動なのに時々すごくドキッとしてしまいました。
行動に伴う気持ちの滲ませ方が、とても上手だったのだと思います。

左右に広いアクトエリアと
「あっち側こっち側」がリンクしているような画の作り方も感じられて、
ただのドキュメンタリーではなく見せるモノとしての完成度も高かったです。
慙愧

慙愧

643ノゲッツー

OFF OFFシアター(東京都)

2016/04/26 (火) ~ 2016/05/02 (月)公演終了

満足度★★★★★

深く考えたら重いはずなんだけどつい笑っちゃう
初めて643ノゲッツー観ました。

会話のテンポもよく、
視点も自然と話題の中心人物に向くようになっていて快適だったし、
役者さん達が登場人物として生き生きとしていて面白かったです。

上演時間90分。
入り口にも貼ってありました。
劇場にお手洗いがひとつしかない旨を口頭でアナウンスしているのも、
親切だなと思いました。

ネタバレBOX


まさか、そこが繋がるの!? っていう世間の狭さが、
現実感薄いけど「ちょっとした奇跡」みたいで、いいなぁと思いました。
(私は、お芝居はちょっぴり夢があるのが好きなので…)

「犯人」はわりと分かりやすい行動や言動をしていて、
その動機にもとても共感できたので、そのあたりはシリアスな気持ちになりました。
でも他のシーンではシリアスな事情のところでも誰かしらボケてくるので、
暗くなりすぎずに楽しく観れました。
それも無理のない「笑い」への持って行き方だったので好みでした。
(考えようによっては、
笑いのなかに他人への興味の薄さとか、
熱しやすく冷めやすいミーハー精神みたいなうすら寒さもあるのかなぁ、などと思ったり…)

「先程気づきました」的なセリフがでてきたり、
話題の中心以外の人たちの動きも結構細かくて面白かったので、
そこを確かめるために2回観ても面白いだろうなと思わせる作品でした。

リピーター割引制度はありがたいです。
神芝居

神芝居

X-QUEST

王子小劇場(東京都)

2016/04/20 (水) ~ 2016/05/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

掛詞ラッシュとエンタメ感に酔いしれる
何度か拝見している団体。

上演時間100分程度で、
終演後カテコから引き続き写真撮影タイムあり。
それを含めて110分。
(事前に撮影会のことも含めてアナウンスしてくれてるのが親切)

ハイスピードな台詞まわしや殺陣、ダンスなどでエンタメ色が強いですが、
世界観もしっかりしていて単なる「カッコイイ祭」じゃないところが好きです。

衣装も、初見でも何のキャラクターなのかわかりやすく、
一人一人の見分けがつくし
ド派手な照明(点滅系あり)にも負けてなくて見ごたえありました。

ネタバレBOX

前回の『義経~』では途中から理解が追い付けた感があったのですが、
今作は最初に手を引いてくれて、そのあとスピードが急に増していく印象でした。

途中(ウラシマソロシャウトのあたり)で、
感情は同調しつつも、いきなりの変調にとまどって頭がパーンとなりそうでしたが、
終盤には落ち着き…というか包み込むような展開になり、
ラストの「ギガニッポン」を見つめる二人のやりとりに涙が出ました。

難解な言葉遣いが多いところや、去り際の台詞など、いくつか音と文字が脳内で一致できない部分があったのですべてを理解できた感じは無いのですが、
「すごいのを観た!」という感覚は強くて楽しかったです。
白倉裕二ひとり芝居「四人の女」

白倉裕二ひとり芝居「四人の女」

白倉裕二ソロ企画

劇場HOPE(東京都)

2016/04/14 (木) ~ 2016/04/17 (日)公演終了

満足度★★★★

夜公演を観ました
上演時間90分程度。

アレを昼夜やるバイタリティがすごいなと思いました。

ネタバレBOX

タイトルから、白倉さんが4人の女役をやるのかと思っていましたが
そうではなく、
「彼」の人生の転機となった女たちとのエピソードを描いていくスタイルでした。

時々、一人なのに相手の様子が見えるようなシーンもあり、
キレキレのアクションシーンも見とれました。

影分身や、オープニングの曲目、
途中で開き直ったかのように見せる給水、転換など、面白かったです。

ぶっちゃけ、全体としては
キレイでお上品な話というわけではありませんでしたが、
えげつなさや汚ならしさを経ての
ラストシーンに心を奪われました。

悪党

悪党

innocentsphere

座・高円寺1(東京都)

2016/04/13 (水) ~ 2016/04/17 (日)公演終了

満足度★★★★

重みのある演技と題材が調和してました
所属の役者さんはあちこちで拝見してましたが、
InnocentSphereという団体での公演を観るのは初めて。

凶悪犯と「リチャード3世」の重なり具合、
その見せ方がズシンときました。

休憩なし2時間15分。
長いとは思いませんでした。

自分が端で観ていたというのもあるのでしょうが、
全体的に声が小さめだったなという印象です。

ネタバレBOX

途中から、被害者遺族の再生話になっていって、
リチャードと凶悪犯の類似を探っていた悩める演出家という要素が薄くなっていって「あれっ?」と思いました。

家族を喪った遺族たちそれぞれの反応が丁重に描かれていて、
そこに近づいてくる人達の人生も描かれていて、見ごたえありました。

悪のふりをして実は…という人間や、
無自覚に他人の心をえぐる人間、
よかれと思ってしたことが後に毒になったり、
優しい顔で私利私欲のために近づいてくる人もいて、
「悪党」といえる者は作中のあちこちにいるなと思いました。

リチャード(犯人)の、最期の戦のシーンの演出が好みでした。

エースの救援

エースの救援

劇団妄想侍

参宮橋TRANCE MISSION(東京都)

2016/04/07 (木) ~ 2016/04/10 (日)公演終了

満足度★★★

横に広いアクトエリアが新鮮
主宰さんを役者として拝見して、どんな脚本演出をされるのだろう…という動機で観劇。
野球は詳しくないのですが、
特に予備知識はなくても大丈夫なお話でした。

上演時間(90分)の告知が
前もってTwitterなどでされており、
会場の入口前(地下に降りる階段付近)にチラシを持ったスタッフが案内人として立ってくれていて親切でした。

ネタバレBOX

上手、中央、下手と
背景がほんのりと3つのエリアに分かれていて、
寮のラウンジ、グラウンド、バッティングセンターなど
別の空間を転換なく見せるところがいいなぁと思いました。
ただ、せっかく広げてある空間なのに
実際ストーリーが進むのはその中の1つのエリアで、
その時残りの2つのエリアが空白になっているのが、少し物足りなかったです。

(バッティングセンターで会話がなされているその時、寮では…みたいに、
登場人物が同時に動いていたらもっとライブ感が感じられたかなぁ、など思いました)

名前だけ登場する人物が複数いて、
その人のビジュアルイメージが私の中で固まらないうちに話が展開していき、
難しい話ではないのに心の中で慌てました(笑)
後半でピタッとハマったのでモヤモヤはせずに済みました。


記者さんと刑事さんの会話のトゲが後半丸くなっているところや、
姉弟の会話中に見え隠れする愛情とか、
言葉の奥の感情をうまく表現する役者さんたちで、
観ていてしっとりとした気持ちになり、
ラストシーンで見せた球児とマネージャーたちの笑顔を守りたい、と思わされました。
天晴パラダイス青信号〜ゴールドフィンガー

天晴パラダイス青信号〜ゴールドフィンガー

ブラボーカンパニー

シアター711(東京都)

2016/04/06 (水) ~ 2016/04/10 (日)公演終了

満足度★★★★

からから笑える
初、ブラボーカンパニーでした。

上演時間、1時間半。

勇者ヨシヒコシリーズの、
あの独特な空気感を彷彿とさせるところもあって楽しかったです。

ネタバレBOX


スタイリッシュなチラシと、
作品の内容のギャップにのけぞりました(笑)

ギリギリなパロディや、
一人数役担当(バレバレのもあれば「えっ、そうだったの?」と思うのもあり)など、
楽しく笑えました。


わざとチープに作ってあると思われる武器でも、
タイミングのいい効果音と
役者さんの演技でがっつりと格好いいアクションになっていて驚きでした。

キャラとしては、
警備員さんと暗殺娘ちゃんが特にお気に入りでした(笑)

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